山本一郎です。私自身は中学受験経験者で、20倍以上の倍率の難関、慶應中等部に入部したのですが、義塾を卒業後、中等部の卒業生たちと交流してみると意外と当時の中学受験が今に活きていることを実感するような優れた仕事にみな就いていて驚きます。小学生のころは右も左も分からずにただ親の言うまま受験戦争にまみれてただでさえ多い団塊ジュニアの海の中でもがいていたのが、それなりに社会に出て意味のある日々だったのだと思い返すと「頑張って良かったのだ」と実感するわけであります。


 2015年はサンデーショックと言われ、まさにミッション系の名門中学校が宗教的行事のある日曜を受験日として避けるために、2月1日が日曜日となる今年はその他名門中学と受験日が異なり複数の名門校を併願できて例年と受験の難易度が違うというジレンマを引き起こしました。

 その前のサンデーショックの年である2009年は、2月1日、2月2日受験日の学校双方が受験者数を大幅に増やしました。同様に、2004年のサンデーショックでも、実質倍率の増加が有意に発生しています。

  この問題は、単純に我が子、我が娘を名門校に入れ、望ましい良い教育を施して良き社会人に、良き親に育てていきたいという気持ちをおおいに盛り上げるものであります。たとえサンデーショックがあろうとなかろうと、各々の名門校の定員が増えるわけでもない以上、狭き門が広くなるわけでも何でもありませんが、併願できる、受験できる回数が増えるとなりますと、各校の特色にあわせた勉強をすることで入学できる確率が上がるんじゃないかと期待してしまうわけですね。

  文字通り、入試のための準備も含めた戦略が変わるわけですから、ショックだと言われる一方で、暦などそもそも以前から決まっているのであって、2015年に中学受験をする生徒の戦術が変わると騒いだところで最初からそんなことは分かっていた問題です。そのような受験生を抱える親御さんは、むしろいろんな学校を受験する機会が得られて幅の広い学習を実らせるチャンスだと考えて取り組んできたことでしょう。

  では、2004年のサンデーショックがもたらした学業における影響はどうだったのでしょうか。サンデーショックの影響で募集定員に対して大きく上回る、とある有力ミッション女子校の2009年2010年の大学進学実績を見てみますと、募集にあたって大きな倍率の上昇があってもさほどの影響は見られません。むしろ、進学実績自体は下落している学校もあります。

  逆に言うならば、仮にサンデーショックで進学意欲が中学受験において亢進されたとしても、肝心の入学後の学業生活のクオリティが上がらなければ必ずしもその後の大学受験で意中の大学に合格するわけではない、という当たり前の結論になります。

  それなら、中学受験に熱を上げる親の戦いがいかに熾烈だったとしても、子どもの勉学に対する意欲や入った学校の環境の良さや相性次第でその後の学業の修まり方が決まるのだ、ということなのでしょう。  我が子のために、少しでも良い環境をと願う気持ちは親心で共通しています。しかしながら、よほどの天才か、特定の学問に才能を発揮する一芸の持ち主でもない限り、中学での受験戦争だけが子どもの将来を決める切り札にはなり得ないのだ、ということを良く考えて、志望校選びや選挙戦略を考えたいものです。

  かくいう私の倅も小学校受験でありまして、勉強ほったらかしでレゴで遊んでいる我が子を見て、さてどうしたものかと思案するのであります。