今年に入り、電車内での痴漢被害など性犯罪に関する記事をネット上でいくつか書きました。これらの記事をきっかけに今回、「女性専用車両について」寄稿依頼をいただいたのだと思います。

 女性専用車両についての意見を聞かれれば、メリットもあり、デメリットもあると考えています。メリットは、痴漢被害から女性や子どもを守る効果がいくらかはあるということです(ただ、女性被害者に比べると少ないですが男性の痴漢被害者もいるので、彼らは無視されているとも思います)。

 一方デメリットは、男性と女性との間に本来無用なはずの断絶をつくってしまっていることです。

女性専用車両がつくる「断絶」が、被害への理解を阻む


 少し前に、「いまの女子大生が5年後安心して母になれる社会をつくる」ことをビジョンとして掲げて活動している学生団体の代表をしている女子大生に取材しました。彼女が言っていたこんな言葉が心に残っています。最近よく耳にする、電車内でのベビーカー論争の話になったときのことです。

 「(子どもがいる人といない人の間に)断絶がありますよね。しかも断絶があると余計断絶しようとする。知る機会がないから、『ベビーカー専用車両作れば?』という話になってしまう。でもそうやって断絶の連鎖が続いたら、子どもを育てられない社会になってしまいます」(引用:「お母さんの自己肯定感は子どもに伝わる」―女子大学生が考え始めたこれからの子育て:ウートピ

 この言葉を聞いて、なるほどなあと思いました。専用車両があるからこそ断絶してしまうというのは、女性専用車両の話にぴったり当てはまります。

 女性専用車両は本来、性犯罪から被害者を守るという目的があり、断絶があるべきなのは「加害者と被害者」のはずなのですが、現状では「男性と女性」の間に断絶をつくってしまっています。

 女性専用車両によって2つの性別のうちの一方が「優先」されたことにより、「事情はわかるけれど全員が痴漢を行うわけではないのに何だか理不尽だ」という気持ちになる人もいるでしょう。人の考え方はさまざまなので、もちろん全く不満を感じない人もいると思います。でも逆に大きな不満を感じる人もいます。その「不満」が、実際に痴漢に遭う被害者に対しての理解を阻んでしまっていないかと懸念します。