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    北朝鮮が「アメリカ本土に届くミサイル」にこだわる理由

    ルの実力■ 北朝鮮と韓国との全面戦争はあるか? 専門家はないと説明■ 金正日死去で北朝鮮に暴動発生・米国の武力介入の可能性指摘

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    トランプが手を結ぶ トウ小平ファミリーの「大富豪」

    ス展開を急拡大している。19億5千万ドル(約2400億円)でウォルドーフを買収したのもその一環だ。 米国内では昨年10月、サンディエゴにある高級ホテル「ホテル・デル・コロナド」の買収に成功したかにみえたが、米外国投資委員会によって「待った」をかけられた。ホテルは米海軍基地と隣接し、しかも海軍の特殊部隊「シールズ」の本部が置かれているからだ。「米国の国家安全保障上の脅威になりうる」との判断だが、これはウォルドーフ買収の際の懸念と同じだ。 その呉とジャレッド・クシュナーが知り合ったのはいつごろか。米紙ニューヨーク・タイムズによると、呉がウォルドーフを買収した翌年の2015年ごろで、同年6月まで4年間、ニューヨーク州金融サービス局長を務めていたベンジャミン・M・ロウスキーの紹介だったとされる。 ロウスキーは局長を辞めたのち、金融コンサルタントとして活動。顧客の一人が米中堅生保「フィデリティ・アンド・ギャランティ・ライフ」の買収を手がけていた呉だった。呉はいったん同社の買収で合意したと発表したものの、その後、州金融サービス局の命令で、安邦の株主などの詳細な経営情報の開示を求められ、買収は現在、暗礁に乗り上げている状態だ。 呉はデッドロック状態を打開しようとロウスキーに接触。逆に、ロウスキーから彼の顧客の一人であるクシュナーの存在を知らされた。なぜならば、クシュナーも大きなビジネス案件を抱えており、資金を提供してくれる支援者が必要だったからだ。 当時のクシュナーはニューヨーク・マンハッタンの5番街に位置する41階建て「5番街666ビル」の再開発計画を構想していた。666ビルはクシュナーが2006年に18億ドルもの巨費を投じて買収。ニューヨークではロックフェラーセンターに隣接する最高級物件。買収額は当時のニューヨーク史上最高値で、以前の持ち主の買収額の3倍だった。 クシュナーはこの買収劇で、ニューヨークのビジネス界における有望な若手実業家として一躍名前を知られる。そのころ社交界で知り合ったのが、いまの妻のイバンカ・トランプだった。言わずと知れたトランプ大統領の娘だ。中国資本との不透明な関係中国資本との不透明な関係 クシュナーはもともと、司法関係に進みたかったらしい。ハーバード大で美術を学び、卒業後、ニューヨーク大でMBA(経営学修士)と法学修士を修得。ニューヨーク州検察官事務所でインターンをしていたが、そのころ、祖父の代からの不動産会社を経営していた父チャールズが脱税で逮捕、2年間の懲役刑で投獄。長男のクシュナーが「クシュナー不動産」の会長職を引き継ぐことになった。 クシュナーは父が釈放されてからも会長職を継続。本来ならば、司法の道に入るはずだったクシュナーには天賦の経営の才能があったようで、これまでの10年間で1200件ものプロジェクトを手がけ70億ドルの売り上げを上げたという。 しかし、その内実はというと、「火の車」らしい。同紙によると、負債額は38億ドルに達している。苦境のクシュナーに救済の手を差し伸べたのが呉なのだ。呉にとっても米大統領の娘婿やそのファミリーに食い込む、またとないチャンスだ。ビジネスでも、マンハッタンの中心部の最高級物件への投資だけに悪い話ではない。 11月16日の密会は、クシュナーがホワイトハウス入りした後の算段を話し合う場だった。そこには父親のチャールズらもいた。その1週間後の23日、同じ場所で、呉はチャールズらとランチをともにした。その後、呉は喜色満面の笑みを浮かべて、チャールズらを見送り、「皆さんは愛すべき人物だ」と独り言を口にした。交渉は上首尾だったことをうかがわせるエピソードだが、クシュナー不動産が呉の手に落ちた瞬間だったかもしれない。ドナルド・トランプ氏(右)と娘イバンカさん(中央)、ジャレッド・クシュナー氏=2016年6月、ニューヨーク(ロイター=共同) いや、すでにクシュナーの手がけているビジネスには多くの中国資本が参画していることで知られている。クシュナーは昨年11月、ニュージャージー州ジャージーシティで、トランププラザに隣接する高層の高級マンションを完成させたが、建設費用の2億ドルの4分の1に当たる5千万ドルは中国資本であると伝えられる。とはいえ、クシュナー不動産では出資先を明らかにしていない。中国資本との不透明な関係だ。トランプ─馬─習近平トランプ─馬─習近平 クシュナーは新たなビジネスとして、医療や不動産検索のIT機器の開発に乗り出しているが、新事業に出資しているのが中国電子商取引最大手アリババ集団の馬雲会長である。馬の投資額は1830万ドルといわれる。1月9日、ニューヨークのトランプタワーで会談後、握手するアリババグループの馬雲会長(右)とトランプ氏(ロイター=共同) 馬といえば、今年1月、ニューヨークで、大統領就任前のトランプと会談した。彼は「中国には3億人以上の中間所得層と海外商品への旺盛な需要がある」などと語り、米国製の衣料品などを中国で売り込み、5年間でアメリカ国民100万人の雇用を創出する「BABA」計画について話し合ったという。トランプは会談後、馬と一緒に記者団の前に現れており、話し合いに満足した様子だった。 その馬は習近平と極めて親しい間柄である。習近平が浙江省トップ時代、民間企業育成のために地元の優良企業に補助金を出す制度を設け、その第1号がアリババだった。 当時の同社は経営規模が小さかったので、省政府からの補助金の話を聞いた馬は「なぜ、ウチのような会社に…」と習に漏らしたところ、「あなたが経営しているからだ」と習は笑顔を見せた。いまも習の外遊には経済代表団の一員として馬が随行することが多い。北京の外交筋は「トランプ馬会議も中国側の深謀遠慮とみてとれる」と指摘する。 トランプは新たな政策提言機関として「大統領戦略・政策フォーラム」を設立。その議長は運用資産3千億ドルを超す世界有数の米大手投資会社「ブラックストーングループ」の会長兼最高経営責任者であるシュワルツマンだ。 米大手投資会社であるリーマン・ブラザーズを辞めたシュワルツマンがブラックストーンを興す際、同社の株式の9.37%に当たる30億ドルを出資したのが、中国の政府系投資会社「中国資本有限公司」だった。ブラックストーンには多額の中国マネーが流れ込んでいるのだ。 このためか、今年1月中旬、ダボス会議に出席した習近平は多忙なスケジュールの合間を縫って、シュワルツマンらと昼食をともにしたほどだ。シュワルツマンはまさにトランプと習近平を結ぶチャイナコネクションの重要人物なのだ。 さらに、トランプ自身もクシュナーに劣らず、チャイナマネーに手を染めている。トランプの持ち株会社の株の3割に当たる約9億5千万ドル分は中国の4大国有銀行のひとつ中国銀行を中心とする中国資本が有しているという。ニューヨークのトランプタワーの最大のテナントの一つも中国最大の民間銀行、中国工商銀行なのである。 強面のトランプだが、トランプ帝国には膨大な額のチャイナマネーが流れ込んでいる。紅い中国金脈がトランプ政権を蝕む日も遠くないかもしれない。【PROFILE】そうま・まさる/1956年生まれ。東京外国語大学中国語学科卒業。産経新聞外信部記者、香港支局長、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員等を経て、2010年に退社し、フリーに。『中国共産党に消された人々』、「茅沢勤」のペンネームで『習近平の正体』(いずれも小学館刊)など著書多数。近著に『習近平の「反日」作戦』(小学館刊)。関連記事■ 陰謀論研究、トランプ当選の背後にフリーメイソン?■ 本田圭佑モノマネのじゅんいちダビットソンが勧めるビール■ 大前研一氏 「トランプ政権は遠からず崩壊する」の根拠■ 中国でトランプ氏支持者急増!? 現地ファンクラブ管理人を直撃■ トランプ氏所有の大邸宅 126部屋あり1泊1000ドルで宿泊可

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    中国の南シナ海での活動が止まらない ジレンマに悩む米国

    た。が、これまではこのような建設工事は軍事目的ではないと言い続けていた。 しかし、ここにきて、先週、米国の保守系メディアであるフォックス・ニュースが、西沙諸島のウッディ島に地対空ミサイルが配備されたという報道を行った。2月22日には、この島にレーダー施設も設置されていることが衛星写真から判明したことが米戦略国際問題研究所(CSIS)の報告により明らかになった。 さらに、2月23日には中国がウッディ島に戦闘機の仁7号及び仁11号を配備したことが確認された。事態の緊迫化を招いているのは中国ハリー・ハリス米太平洋軍司令官(Getty Images) 米国は14年以降、中国の南シナ海での動きに強い懸念を表明し続けてきた。今年に入ってからは、1月23日にダボスの世界経済フォーラムに出席したアシュトン・カーター国防長官は、スピーチの中で「私は、米中間の衝突が不可避だという立場には与しない。そのような事態が望ましくないことは確実だし、衝突の可能性が高いとも思わない」としつつも「中国が現在取っている措置は、自らの孤立を深めるだけで、我々の誰もが望んでいない方向に事態を動かしている」と述べ、事態の緊迫化を招いているのは中国であることを暗に批判している。今年1月末には、昨年10月末の護衛艦ラッセンに続き、アーレイ・バーク級の護衛艦カーティス・ウィルバーが「航行の自由作戦」のために南シナ海に派遣されている。 今月に入り中国のこの地域における活動が軍事的性格をますます強めるにしたがって、米国の態度も一層、硬化している。さらに今般、中国がウッディ―島に戦闘機を配備したことが確認されたことで、米国ではにわかに「なぜ今まで米国は中国の行動に影響力を行使することができていないのか」「どうすれば中国の行動に制限をかけられるのか」についての議論が活発に行われるようになってきている。 中国がウッディ島に地対空ミサイルやレーダーサイトを配備したことが確認された直後の2月23日に米連邦議会の上院軍事委員会で17年度の国防予算について開催された公聴会では、出席したハリー・ハリス太平洋軍司令官が証言の中で「中国は南シナ海を東アジアから第2列島線にかける地域における支配を確立するための戦略的最前線とみなしている」と言い切り、「(中国が南シナ海の施設を軍事化していないと考えるのは)地球が平らだと信じているようなもの」とも発言し話題を呼んだ。米中外相会談前に異例の公聴会米中外相会談前に異例の公聴会 注目すべきは、この公聴会が開催されたタイミングと、ハリス司令官の証言の内容だ。この公聴会は23日の午前中、ワシントンで、ジョン・ケリー国務長官が中国の王毅外相と会談する直前に行われた。通常、閣僚級の会談のような重要な外交行事が行われる場合、会談相手の国が関係する政策上の問題が議論される可能性があるような公聴会を開催することは、阿吽の呼吸で議会は控える。たとえ公聴会を開催したとしても、政府側から公聴会に出席する高官は、自分の発言が会談に悪い影響を与えないように一定の配慮をすることが多い。共同記者会見後、言葉を交わすケリー米国務長官(右)と中国の王毅外相=2月23日、ワシントン(共同) しかし、今回は、もともとの目的が「2017年度国防予算に関連してアジア太平洋地域の安全保障情勢について聴取すること」であったとはいえ、米中外相会談がワシントンで行われる直前に、米太平洋軍司令官と在韓米軍司令官が登場する公聴会が予定どおり開催された。しかも、公聴会を主催した上院軍事委員会の委員長は、オバマ政権の対中政策を「弱腰」と厳しく批判しているマケイン上院議員である。公聴会の席上でマケイン上院議員から中国に対して厳しい発言が行われることは十分に予想できた。 さらに、この公聴会に出席が予定されていたハリス太平洋軍司令官も、中国に対して厳しい見方をしていることで知られており、公聴会の質疑応答の際に中国について質問されれば、彼が中国に批判的な発言をすることも十分に予想できた。ハリス司令官の証言の内容は、少なくともカーター国防長官は事前に承知していたはずで、公聴会前に「米中外相会談当日の公聴会でもあるし、少し配慮できないか」といって、暗にトーンダウンを求めることもできたはずだ。 しかし、2月23日の公聴会では、委員である議員からも、政府側の出席者であるハリス司令官からも、中国に対する厳しい発言が出ることが十分に予測できたにもかかわらず、公聴会は予定どおり開催され、ハリス司令官の、中国に対する厳しい発言が含まれた証言も、事前に議会に提出された証言の内容から大幅に変更されることなく行われているのである。 そして、肝心の2月23日の米中外相会談では、ケリー国務長官、王外相の両者が「協力できる幅広い問題があることを確認した」と、米中が全面対立しているわけではないことを強調する一方で、議論に最も多くの時間が割かれたのは北朝鮮問題と南シナ海問題であった。また、王毅外相は訪米中にカーター国防長官との会談を望んだが、カーター国防長官が拒否したともいわれている。これまでにないオバマ政権の冷めた対応これまでにないオバマ政権の冷めた対応 つまり、今回のオバマ政権の中国に対する対応は、これまでにないほど冷めたものだったのである。これまで民主党政権でも共和党政権でも、アメリカは基本的に中国を「アジアの大国」として扱ってきた。その根底には、「中国を大国として扱うことで、中国に大国としての自覚を促し、大局観に立った判断をしてもらう」すなわち、「中国の行動の形を作る(shape)する」ことを目指したいという期待があった。 その理由は米中関係が抱える複雑さにある。世界経済の安定、地球温暖化問題やイランの核開発問題など、米中が協力しなければ問題解決に向かうことが難しい問題も多いが、その一方で、北朝鮮問題、台湾、人権など、考え方が全く相いれない問題も存在する。考え方が相いれない問題で全面対決すると、協力しなければいけない問題で協力できなくなってしまい、米国の国益を損なう結果となる。であれば、考えが相いれない問題でいかに、全面対決を防ぎつつ、中国の暴走を封じながら協力できる分野で協力をしていくか……これが、歴代のアメリカの政権が抱えている対中政策におけるジレンマだった。 しかし、最近の中国は、そんな米国の期待を大きく裏切り、経済力の強さを背景に軍事力の近代化を押し進めるだけではなく、力に物を言わせて自国の主張をゴリ押しする行為を続けている。そんな中国に戸惑い、どうやれば中国の行動パターンを変えることができるのか、試行錯誤しているのが、ここ1、2年の米国の対中政策だったように思われる。昨年、習近平国家主席が訪米する直前まで、オバマ政権内でサイバー窃盗を理由に中国に対して厳しい経済制裁を科すべきかどうかが真剣に議論されていたが、あれは、アメリカのそんな試行錯誤の一つの現れだろう。日本などにはわかりにくい対中政策 「中国の行動を変えるには、中国が理解する方法でわからせるしかない」。これが米国の、少なくとも、国防当局がたどり着いた結論だろう。しかし、国防予算の大幅な増加が期待できない中、米国一国でできることは限られている。ガイドライン見直しに代表される日米同盟の強化に向けた努力、日米豪安全保障協力の活発化、東南アジアとの安全保障協力の推進、などはいずれも、米国が「アジア太平洋リバランス」政策の下で追求している政策だ。「地域の不安定化につながる」という中国の反発に対しては「中国の行動が、周辺諸国を米国との関係強化に向かわせているのだ」と意に介していないのも、最近、米国に顕著にみられる反応である。 そうはいっても、軍事衝突のような極端な事態はやはり避けたいのが米国の本音で、そこは中国も同じだろう。なんといっても世界第1位と第2位の経済大国同士である。正面衝突してしまった場合、お互いの経済だけではなく、世界経済全体に与えるダメージは図り知れない。また、中国とロシアが共同歩調を取られては困る問題があるのも事実だ。よく指摘されることだが、一つの問題で全面対決してもかまわないと思いきれるほど、米中関係は単純ではない。今後も米国は日本や韓国、東南アジア諸国などにとってはわかりにくい対中政策を続けることになるだろう。そしてその傾向は、今年11月の大統領選で誰が次期大統領に選ばれても、おそらく、それほど大きくは変わらない。たつみ・ゆき スティムソン・センター主任研究員。キヤノングローバル戦略研究所主任研究員。東京生まれ。国際基督教大学卒業後、ジョンズ・ホプキンス高等国際問題研究大学院で修士号取得。在米日本大使館専門調査員、戦略国際問題研究所(CSIS)研究員などを経て2008年より現職。2012年よりキヤノングローバル戦略研究所主任研究員を兼任。専門は日本の防衛政策、日本の国内政治、日米安全保障関係、米国の対アジア安全保障政策。

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    軍拡を進める中国 今や小さくなり過ぎた米海軍

    間急速な軍拡をはかってきた中国がアジア地域での優位性を築き、自分の意志を周囲に押し付けつつあるので、米国は早急の海軍増強が必要である、と述べています。 すなわち、オバマ政権のアジア重視政策は、中国の拡張主義を阻むことに失敗しつつある。中国は軍拡を急速に進めており、米国とそのパートナー諸国が足場を強化しない限り、東シナ海及び南シナ海における強圧的な戦術を取り続けるだろう。 2012年、中国はフィリピン沖のスカボロー礁の実効支配権をフィリピンから奪い、現在同様の戦術をトーマス礁で繰り返している。そして、日本が実効支配する尖閣諸島を海上保安艦艇で埋め尽くし、その周囲を海軍で固めている。中国は東シナ海の大部分を防空識別圏と宣言し、同様なことを南シナ海で繰り返す構えでいる。 中国はこれら敵対的行為についての交渉を拒絶し、公海やその上空に中国の絶対的な主権を主張して、外国艦船、航空機を脅かしている。 この背景にあるのは、最近20年にわたって中国が米国から技術を盗みつつ築いてきた軍事力である。その近代的な海軍は300隻の艦船を数え、航空機は数千、近代的な諜報・偵察システム、対人工衛星作戦能力、高度のサイバー戦能力、膨大な量の長距離対艦巡航ミサイル・弾道ミサイルを有し、このほぼ全てを東シナ海と南シナ海に集中し得る状況にある。 中国は、地域における軍事的優位を築きつつあるので、軍拡を止める必要性も感じておらず、周辺諸国や米国には中国の要求を呑むか、負け戦をするかの選択を迫ることができるようになりつつある。 米国は、指導力を発揮して、この地域の諸国を団結させ、自らの軍事プレゼンスを中国への抑止力として提供しなければならない。ところが、今のところ、2500名の海兵隊を同地域に移したこと、2020年までに艦船配備を67隻とすることを決めたのみであり、力を誇示するより、弱さを暴露している。しかも、軍事予算削減を続けるなら、米海軍は現在の272隻から250隻程度に縮小してしまうのである。 米海軍将兵の能力は中国より高く、潜水艦作戦能力でも上回る。しかし中国はこの面での弱さを自覚して、追いつこうとしている。 今や米海軍は小さくなり過ぎ、アジア太平洋地域に必要な兵力を提供できるようになるには何年もかかる状況にある。この傾向を直すのは容易なことではなく、時間も費用もかかる。しかし実行しなければ、西太平洋でのリスクは高まるだろう。今、努力を開始しなければならない、と述べています。出 典:J. Randy Forbes & Jim Talent ‘America’s Pivot to Asia : Why Rhetoric Simply Isn’t Enough’ (National Interest, June 25, 2015)http://nationalinterest.org/feature/americas-pivot-asia-why-rhetoric-simply-isnt-enough-13186* * * ワシントンでは、南シナ海での埋め立てを契機に、中国への警戒感が急速に高まっているようで、本件論評もその一つです。上記論説は、議会両院の軍事委員会の小委員会議長と元議長の連名で書かれたものであるだけに、議論の基調を設定する意味を持ちます。 中国軍の実力の程度については、やや過大評価している面もあるかもしれません。米議会の諮問機関「米中経済安全保障調査委員会」の報告書では、中国軍は、、統合運用、兵站能力、対潜作戦、近代兵器と在来型兵器の統合運用、近代兵器の操作人員不足等の問題を抱えていると言われます。 中国海軍は、北海、東海、南海の3艦隊に分かれています。このうち、北海艦隊は天津・北京入口の防衛専用と見られることから、日本に対して用いることのできる海上兵力は東海艦隊のみです。南海艦隊も、対潜能力で劣るため、潜水艦に対して非常に脆弱です。東アジア・西太平洋地域における米軍のプレゼンスは、例えばウクライナをめぐる米軍のプレゼンスよりは比べ物にならないほど大きいので、中国軍がこの地域で優位に立つ状況にはなっていません。 9月に習近平国家主席の訪米が予定されているため、米中関係がこのまま政府レベルでも対決基調になっていくのかどうかは、まだわかりません。しかし、中国経済の成長鈍化が進む中、米国が対決姿勢を強めれば、中国は経済不振の中で軍拡競争を米国に強いられて自滅したソ連の二の舞になりかねません。 中国では、習近平政権が指導権を確保したと見られること、9月に訪米を控えていること、経済不振の中で周辺諸国と対立するのは望ましくないことから、日本、ASEAN諸国等に対して関係を改善しようとする動きが見られます。日本には、米国に逆らってでも中国との関係を進めるよう求める声が出てくるかもしれませんが、そのようなことをすれば、米中関係が好転した時、日本は米中双方から疎外されかねません。日中関係修復は、自己目的ではなく、米国と十分調整しつつ進めていくべきものでしょう。