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    元妻との関係があぶり出す、清原被告の絶望的な環境

    ように向き合ってきたのか? は気になるところだ。 「アサ芸プラス」(2016年2月14日)によれば、芸能記者の話として、(亜希氏は、清原被告が今回の逮捕以前に)「薬物で入院した際には“死んでほしい”とまで願った」という情報が伝えられている。これが事実だとすれば、家族(今回の場合、元妻の亜希氏になるのだが)が、薬物に溺れる清原被告を警察に通報するという選択肢も十分にあり得たように思う。 重度の中毒者の場合、家族から警察への通報で逮捕に至るケースは少なくないからだ。ましてや「死を願う」ほどの思いがあったのにもかかわらず、なぜ通報できなかったのか。気になるところだ。 別居に至る2014年3月までは、どんな形であれ一緒に暮らしていたのだから、決して短くない同居生活だ。亜希氏の家族としての清原被告との関わりは、今後の裁判でも明らかになるのだろうか。 さて、薬物依存症者を抱える家族を支援するNPO「全国薬物依存症者家族連合会(薬家連)」のホームページに、「家族への12の助言-依存症者をかかえる家族が、依存症者本人に接する場合の原則-」という文章が掲載されている。 薬物依存に陥った患者の家族がどうあるべきか、何を知るべきか、が簡潔にまとめられている12個からなる文章だ。12の助言は、そのタイトルを見るだけにも非常にわかりやすい。  1.本人に関する一切の思い込みを捨て、白紙に還る2.本人を子ども扱いしない3.本人への過度の注意集中を避け、自分自身に注目を向け変える4.孤立を避け、家族同士で集まる5.本人に対する脅し、すかしを止める6.本人に対する監視的、干渉的ふるまいを止める7.本人の不始末の尻ぬぐいを避ける8.本人の行動に一喜一憂しない9.言ったことは実行し、出来ないことは言わない10.適切な機会をとらえて、本人に問題点を直視させる11.本人の暴力に屈しない12.本人を病院任せにしない(http://www.yakkaren.com/bigina.a/kazoku12jyogen.html) この「12の助言」の全文は薬家連のホームページで確認してほしいが、これを読む限り、清原被告を囲む環境が、過去も現在も薬物依存者としては「絶望的」であることがよく分かる。清原被告に足りなかったもの 現在保釈中の清原被告は「(3)本人への過度の注意集中」の状態にある。いうまでもなく「(4)孤立を避け、家族同士で集まる」ことはできておらず、「(12)本人を病院任せ」にしているのが現実だろう。もしかすると、それらが結果的に、「(10)適切な機会をとらえて、本人に問題点を直視させる」ことを困難にさせている可能性もある。 今、メディアは清原被告のスキャンダラスな面、あるいは病院のVIPルームの値段や「焼肉弁当」などといったネタばかりに注目を集めてしまっている。しかし、これを単なる有名人の薬物事件として「楽しむ」だけであってはならない。 今回の事件を薬物問題を考える一つの契機としてゆくためにも、「薬物依存症と家族」の関係についても報じ、議論してゆくべきだろう。 清原被告に必要なものが何なのか? そして何が足りなくてこのような事態に陥ってしまったのか? その要因は、多かれ少なかれ「家族」「家庭」の中にもあるように思う。これらについて改めて考えてみるような報道も今後は必要なのではないか。

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    それでも、不倫疑惑タレントを「抹殺」してはいけない。

    後藤和也(産業カウンセラー/キャリアコンサルタント) 芸能界ではスクープが相次いでいる。特に、好感度抜群とされた女性タレントのベッキーさんの不倫疑惑をめぐるニュースは、連日さまざまな報道がなされている。今回の騒動とは? 筆者はベッキーさんと不倫相手とされる男性ミュージシャン(以下、「男性」)のファンでもアンチでもない。ベッキーさんについては「あぁ、テレビによく出ているのねえ」という程度の認識であり、男性側に至っては今回の報道で初めて存じ上げた次第だ。言い方は悪いが、両者にそんなに関心はない、ということを冒頭にて明確にしておきたい。また、筆者は当事者間に不倫関係があったかどうかは断定できる立場にないことも申し添える。 年明け早々に週刊誌が報じた内容によれば、ベッキーさんが妻子ある男性と不倫をしていることが、男性のLINEが盗み見られたことから発覚したという。報道によれば正月に、二人で男性の実家を訪問するなど、深い仲であるという。バンド「ゲスの極み乙女。」の川谷絵音さんとのスキャンダルについての会見を終え退室するベッキーさん=東京都新宿区(山田俊介撮影) その後のベッキーさんらに対するバッシングの嵐は言わずもがなだ。特にCMや出演番組を多数抱えるベッキーさんに対しては、スポンサーが損害賠償請求やCM降板を検討しているなど、多くのネガティブな報道がなされた。先日開いた謝罪会見も、記者からの質問が許可されなかったなどの内容に、逆に批判の声が多く寄せられる結果となっている。看過できない報道について 先に述べたとおり、今回の一連の騒動について特段の興味もなかったのだが、先日のある報道が気になった。以下の内容だ。 タレントのベッキー(31)が、ロックバンド「ゲスの極み乙女。」のボーカル川谷絵音(えのん、27)との不倫疑惑騒動で10日で約4キロ痩せたことが16日、分かった。(中略) 関係者によると、1月4日に川谷の長崎県の実家を訪れ、出てきたところを週刊文春の記者に直撃されてから「軽はずみなことをしてしまった」と食事が喉を通らない状態が続いているという。知人によると、今回の騒動で、出演するCMの一部が差し替えられるなどの影響が出てしまったことで、ベッキーはなかなか寝付けず、食欲がない日々が続いている。 「ベッキー 10日で4キロ減 騒動で食事喉通らず寝付けず 仕事以外は自主謹慎」 スポニチアネックス 1月17日(日)5時32分配信(ヤフーニュース) 寝付けず食欲がない、ひきこもりがちなど、心の病の兆候ともいえる状態にあるという報道だ。ベッキーさんといえば「いつも前向き、元気な清純派」なタレントであり、今までゴシップとも無縁であった。「むしろできすぎ」という声もあったほどだといい、その反動からか、ネット上でも辛辣なコメントが目立つ。無論、仮に不倫という事実があったとすれば、倫理的な行為とは言えず、男性の妻は第一の被害者と言え、スポンサーなどの関係者にも損害を与えたというロジックは成立するだろう。ファンの信頼を傷つけた、という見方もできるのかもしれない(筆者はファンというものはある種の強烈な片思いのようなものであると考えるので、「信頼を傷つけられた」と逆上するのもなんだかなあと思わなくもないが)。 以上の報道やバッシングを傍観しながら、ある事件を思い出した。STAP細胞を巡る笹井教授の自殺事件だ。STAP細胞騒動と本件の類似点についてSTAP細胞騒動と本件の類似点について まだ記憶に新しいSTAP細胞を巡る事件。小保方さんの指導者役として記者発表を仕切っていたのが笹井教授であった。ご存知のようにSTAP細胞論文の信頼性について疑義が生じてからは、それまでの「ノーベル賞級の偉業」という評価が一転し、小保方さんと不適切な関係があったのではないかという趣旨の報道が数多くなされた。 その後、笹井教授は自殺という選択をしてしまう。死後、関係者の証言により、笹井教授と普通のコミュニケーションがとりづらい状況にあったということ等、騒動のさなかに、心の病に急速に蝕まれていったと思われる事実が判明した。死後は、笹井教授の功績を称え、その早すぎる死を悼む報道が主となり、不適切な関係を糾弾する内容がフェードアウトしたのが非常に印象的であった。 無論、本件とSTAP細胞の騒動では内容も質も異なる。ただし、これまで賞賛の対象でありマスコミによって持ち上げられていた対象が、ある瞬間にまさに手のひらを返されるようにどん底に叩き落されるという過程や、当事者とは言えない不特定多数の者から人格攻撃のような辛辣な非難がなされることは酷似しているのではないか。おわりに 無論筆者は、不倫という行為があるとすれば、それを肯定するつもりは毛頭ない。不倫は文化だともいうつもりもないし思ってもいない。従来からのファンでもない、むしろアンチのような人たちや、今回の報道で初めて存在を知ったような人たちがヒステリックに自身の正義感から罵詈雑言を浴びせる姿に、ある種の危険性を感じるから、拙稿にて問いかけるのである。 我々の発する言葉は、時として鋭い矢のように相手の心身に突き刺さることがある。その結果、相手が死を選ぶということもある。我々はそれでも、相手に対し非難を続けるべきだろうか。相手を抹殺しなければならないほど、その相手と自分の関係性は深いのだろうか。どれほどの利害関係にあるのか。 本件が仮に事実とするならば、好感度を商売の手段としているベッキーさんらは、なんらかの責任を負うことになるだろう。暫くの間となるかもしれないが、「芸能界から抹殺」されるのかもしれない。ただしかし、「この世から抹殺」等ということは、仮に当事者だったとしても、現法令下では決して許されるものではないという当たり前のことを、我々は再認識すべきではないのだろうか。 「常に笑顔で、前向きに頑張っていました。勇気をもらいました」等と、死後に功績を称賛したところで、何らの意味もないのである。【参考記事】■「年も明けたし、何か資格を取ろう!」と思ったあなたに伝えたいこと (後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)■「未達成感」が育児ストレスを増大させるのでは。 (後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)■元猿岩石芸人から学ぶべきスキルとは (後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)■「俺、メンタル的にヤバいかも・・・」と思ったら。 (後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)■山本耕史流アプローチがストーカーとならない理由。 (後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)

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    「自己陶酔型不倫」の典型、ベッキーをなんとなく応援してみる

    ることもない。覚醒剤使用で逮捕されたって(あら、奇しくも同じ事務所)、なんらかの活動を続けられるのが芸能界なのだから。この特殊な世界に骨埋める覚悟ならば、不倫のひとつもネタに昇華してしまえばいい。それくらいの図太さはそもそも持ち合わせているはずだし。開き直って「好感度の低いタレント」売りに出るという手もないことはない(茨の道だけれど)。  実はテレビ界には、問題や騒動を起こした芸能人に、さまざまな救済措置的番組がある。「しくじり先生」(テレ朝系)、「有吉反省会」(日テレ系)、「金スマ(中居正広の金曜日のスマたちへ)、「爆報!THEフライデー」(TBS系)などなど。テレ東だったら「ヨソで言わんとい亭」に出演してみるか。同じ事務所のダンディ坂野風の黄色いスーツで登場して「ゲッス!」とかましてみる。なりふりかまわず火に油を注ぐ芸風で。 ということで、なんとなくベッキーを応援してみたつもりだが、正直ベッキーの去就に関心はあまりない。サンミュージックという不運でうっかりな事務所を心の底から気の毒に思うだけ。そうか、私が思いを寄せるのはベッキーでも、ゲスでも、ゲス嫁でもなく、サンミュージックだったのだ。 強大な権力をもつ事務所と、そうでない事務所のタレントに対するテレビ局の扱いの差にはウンザリする。事務所格差による偏向報道には、新年早々ウンザリだ。

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    ベッキーは本当にゲスな女なのか

    週刊文春が放ったスクープで好感度タレント常連のベッキーが窮地に立たされている。ロックバンド「ゲスの極み乙女。」のボーカルとの不倫騒動は「自業自得」とはいえ、このスキャンダルはどこまで尾を引くのか。彼女のバッシングはもう見飽きた感もするので、ここではあえてベッキーを擁護してみました(笑)。

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    良い子の代表「スキャンダル処女」ベッキーを無責任に擁護する

    しまったことは世間でも業界内でも話題騒然となった。 ベッキーが良い子というのは、共演者や友人と称する芸能人仲間のコメントで良く分かると同時に「(ベッキーは悪くないという)擁護」の嵐も半端ない状況になったが、その反面これまで「ベッキー可哀想」という意見だった世間が反撃に出てきて、ますますイメージダウンのベッキーである。 つまり、事が不倫なだけに、どちらか一方が悪いという根本的な解釈があり得ないということに気が付いた。「ベッキーは良い子だから悪くない」というのは非常に可笑しい馬鹿丸出しな意見であり、不倫とはいえ立派な「不法行為」。不貞を犯した罪は罰も科せられる重大な行為に当たる。そこに当事者としていることに基本的に擁護は出来ないだろう。バンド「ゲスの極み乙女。」の川谷絵音とのスキャンダルについての会見で、一礼して会見場に入室するベッキー=東京・新宿区(撮影・山田俊介) 例えば「知らなかった」というのはよくある話。旦那さんがいる、奥さんがいるなんて知らなかった、騙されたというのならそれは可哀想だろう。18歳未満と知りながら「知らなかった」で捕まっている中年オヤジを誰も擁護はしないが、ベッキーは「知っている」わけで完全に後者と同様である。普通に捉えたら誰も擁護はしないし守りようがないだろう。 また良い子でキレイ、透明感バツグンのイメージでCMとバラエティーの女王にも等しい立場からのギャップだからこそマスコミもネタとして大きく扱い、ファンや世間も驚きを隠し切れなかったのだろうが、良い子は不倫しない訳ではなく、また「そう見えない子がそういうことをよくやっている」のが実情でもある。不倫はもとより援助交際、風俗、AVの素人女優といったところでも「そんなふうに見えない系」が主流である。いわゆる「ギャップ萌え」といった外観、性格的な嗜好というものは多少なりとも誰にもあるわけで、それもベッキーのようにイメージ先行型の見た目や振る舞いからは想像できないレベルだと余計に興味がわくというものだ。 そんなキャラ感を持つベッキーだからこそ誠意ある対処と対応も望まれたところだが、これにも大きく裏切られた印象は残る。釈明会見にせよ、平然と活動を続けるにせよ、被害者から見たらますます許せない事情が重なってきてしまう。そう、「被害者」がいるということに焦点が移行して現在は責められる立場に追われている始末だ。 良い子というギャップと良い子過ぎることからの擁護がすべて仇となって返ってくる一方で被害者だって黙ってはいない。裁判沙汰にでもなれば慰謝料だって払わなければならない立場がベッキーであることは承知すべきだろう。擁護されればされるだけ悪女になっていく 多くの芸能人が中途半端に擁護する中で、俳優の坂上忍くんの意見だけが最も妥当でマトモではないか。「身内(芸能人・仲間)が擁護するのはいかがなものかと思う」「被害者である川谷の奥さん」と言い放ち、「擁護できない」意見を発するも、ベッキー個人の良さは認めている。前出しているが、「良い子は悪くない」という、非常識で低レベルな意見のキャッチボールをテレビ番組で公開するのもどうかと思うところだ。 ベッキーからすれば恋愛の相手にたまたま奥さんがいただけで、正攻法に「卒業(離婚)」を待っている姿勢だったのかもしれないが、乙女としての行動はそうではなかった。かなりの勇み足もあり感情的にも大きく土俵を割ってしまっていることから反省すべき点も多々あろうというものだが、それでもやめられない情事(連絡を取り合うなど)の継続を願うなら、芸能人を辞める覚悟を持ったほうが良いでしょう。 事は単なる不倫かもしれないが、それが原因でもっと大きな事件に発展する恐れがあることを理解する必要もあるでしょう。夫の裏切り、愛人への憎悪を苦にして自殺ともなったら、その責任は尋常なく重くなる。芸能人どころか人間失格にも相当する世間からの罵声がうなるように浴びせられ、社会からの転落は免れない。そんなリスクを冒してまで好きならばそれはそれで立派ではあるが、傷つく人がいて迷惑を被る関係者も多いなか「良いお友達」で片づけようというのはムシが良すぎるだろう。 もっとも最悪なのは「川谷絵音」で間違いないが、矢面に立たされているベッキーはその印象から「被害者」にも見受けられることが擁護される理由になりつつある反面、したかかさも垣間見られる姿勢に、世論を請け負う女性たちに批判が広がっている。 大体からして「いいお友達」ならあんな会見を開く必要もないだろう。不倫とは違うという釈明に終始し「会見で話したことがすべてです」という所属事務所のサンミュージックの対応もやはり弱いし、良い子を貫こうというイメージ命のベッキーを擁護するお友達タレントも多いが、擁護されればされるだけ悪女になっていく印象は止められないという実態が彼女自身を陥れていることに気が付かないのか。 好感度ナンバーワンのCM女王がまさかの「不倫」で商品価値を自ら破壊した事実は変わらないが、彼女自身の価値観まで変わるものでもなければ「好きなら好き」でそれは致し方ない。今後も「卒論」と「卒業」をじっと待っている乙女でいるのかどうか。興味があるのは、川谷が相応の慰謝料を積んで円満的に別れられたのち、ベッキーはどうするのか!?というところだろう。成就させるのか、はたまた「二度と会いません」で突き通すのか、そこはまた別のドラマがありそうだ。

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    ベッキー不倫騒動 出版社による プライバシー侵害の可能性は!?

    pon/Getty Images) この件については報道が過熱する一方で、インターネットなどには、「芸能人だからといって、個人的なメッセージを勝手に公開されるのは問題じゃないの?」という冷静な声も上がっています。 中には、「本人に無断でLINEの画面写真を入手するのは違法じゃないの?」「個人情報保護法に違反するのでは?」「プライバシー侵害や名誉毀損にならないの?」という疑問も目にします。今回は、これについて解説したいと思います。1.無断でパスワードロックを破った場合、不正アクセス禁止法にあたる まず、出版社がLINEの画面写真をどのように手に入れたのかは分かりませんが、おそらくタレント本人が自主的に提供したということはないでしょう。そうすると、出版社はタレント本人に無断で画面写真を手に入れた可能性がありそうですが、この点は問題にならないのでしょうか。 これについて、不正アクセス禁止法は、「パソコンやスマホなどから、他人のIDやパスワードを無断で入力して認証し、インターネット上のパスワードロックされている機能を使える状態にすること」などを禁止しています。他人のSNSのアカウントに、無断でパスワードを入力してログインした場合も、不正アクセス行為にあたり、罰則が科される可能性があります。 今回の件で、仮に、タレントの身近な人が本人に無断でパスワードを入力してLINEにログインしたということがあったのであれば、その人が不正アクセス禁止法に違反する可能性があります。 さらにもし、報道記者がその誰かに「パスワードをこっそり入力して、画面写真を撮影してきてくれ」などと指示していたということがあれば、そのような指示をした報道記者に対しても不正アクセス禁止法違反が成立する可能性があります。 もっとも、不正アクセス禁止法は、基本的に「不正アクセス行為」を規制する法律です。 誰かがパスワードロックされていない状態の画面を偶然見てしまい、その場で写真に撮ったような場合は、「不正アクセス行為」があったとはいえず、不正アクセス禁止法違反にはあたらないでしょう。 また、記者としても、情報提供者からSNSの画面写真の提供を受けただけであり、積極的に不正アクセスを指示したわけではない場合には、「誰かを使って不正アクセス行為をさせた」わけではないので、記者に不正アクセス禁止法違反は成立しないと思われます。報道機関が報道目的で個人情報を用いる場合は?2.報道機関が報道目的で個人情報を用いる場合個人情報保護法違反にあたらない 次に、週刊誌で公開されたLINEの画面写真には、個人情報が含まれていると思われますが、個人情報保護法の問題はないのでしょうか。 個人情報保護法は、事業で個人情報を取り扱っている一定の業者(ほとんどの業者は、何らかの形で個人情報を取り扱っています)に対して、個人情報の適正な取得や、個人情報の利用目的を本人に通知すること、あるいは利用目的に沿った利用などを義務付けています。 一般の業者であれば、個人情報の含まれるLINEの画面写真を本人に無断で取得して、本人に無断で公開することは、個人情報保護法上問題とされる可能性が高いでしょう。 しかし、報道機関が個人情報を報道目的で取得したり利用したりする場合、個人情報保護法の多くの規定が適用されません。例えば、新聞報道などで、事件の容疑者の氏名や年齢、職業などが報道されることがありますが、それらを公開することについて本人に了解を取っていない場合でも、個人情報保護法違反にはなりません。 今回のケースについても、報道機関である出版社に報道の目的があったことには違いないでしょうから、出版社が個人情報保護法に違反することはなさそうです。3.プライバシー侵害や名誉毀損は? では、プライバシー侵害や名誉毀損はどうでしょうか。 LINEの画面写真を取得したり公開したりすることについて、不正アクセス法や個人情報保護法の問題がないとしても、プライバシー侵害や名誉毀損の問題は、それとは別に考える必要があります。 まず、「プライバシー侵害」はどうでしょうか。 「プライバシー」には色々な意味があるのですが、ここでは「普通の人ならば秘密にしておきたいであろう、私生活上の事柄」としておきます 「不倫をしていること」も「プライバシー」にふくまれるでしょう。 合理的な理由がないのに、本人に無断でプライバシーを公開することは、違法・不当な行為として、民事上の損害賠償請求や出版差し止めの対象となる可能性があります。 次に、「名誉毀損」はどうでしょう。 名誉毀損とは、法律的な意味では、「不特定または多数の人が知ることができる状況下で、具体的な事実を示すことで、ある人の社会的な評価を落とすこと」などとされています。 誰かの悪口をインターネットの掲示板やSNSに投稿することも、「不特定多数に向けて事実を示して、ある人の社会的な評価を落とした」といえるので、名誉毀損とされる可能性があります。 この場合、指摘した事実が本当のことであっても名誉毀損は成立します。例えば、ネットの掲示板に「こないだのテスト、A君は0点だった」と書き込んだ場合、たとえ実際にA君が0点を取っていたのだとしても、A君に対する名誉毀損が成立する可能性があります。 報道が名誉毀損にあたるとされた場合、プライバシー侵害と同じように民事上の損害賠償請求や出版差し止めの対象となる可能性があります。さらに名誉毀損には刑罰も予定されており、刑事責任を追及される場合もあります。 今回のケースでは、「不倫をしていること」ということは、その人の評価に対して悪影響があると思われます。特に清潔感のあるイメージで売り出しているタレントにとっては影響が大きいでしょう。「不倫をしている」ことを報道することは、仮に事実であったとしても、名誉毀損にあたる可能性があります。「公益的な報道」か、「私生活上の問題」か4.「公益的な報道」か、「私生活上の問題」か それでは、本件では、出版社にプライバシー侵害や名誉毀損を理由とした責任が生じるのでしょうか。 まず、報道機関には報道の自由があります。また、事件や事故について報道することは国民の知る権利に応えるものであり、社会的な意義があると考えられています。 仮に名誉毀損を含む事実が報道されたとしても、そのような報道が社会的な利益のためにされたものであり、かつ、報道された内容が真実であるような場合には、民事上・刑事上の責任が生じないとされています。プライバシーについても同様に、報道することにプライバシーを保護することを上回るような利益があるような場合には、民事上の責任は問われません。 今回の報道の対象となったタレントは、両方ともテレビ番組やCMなどに出演して活動しています。ファンにとっては、タレントがどういった人物なのかには興味や関心があるでしょう。また、タレントをCMやイメージキャラクターに起用している会社や自治体などにとっては、タレントのイメージにかかわることに、特に関心があるかもしれません。 その一方で、たとえタレントであっても、その人が誰と交際しているのか、私生活で家族とどのようなトラブルを抱えているのかというのは、特にプライベートなことだといえます。 また、タレントとして活動をしていたとしても、一般人であることには変わりません。これが政治家であれば、選挙でその人の性格や人間性も含めて判断することになりますので、私生活の報道にもある程度の社会的な意義がありそうですが、タレントの場合は、政治家などとは少し違うように思われます。 最近の裁判例を見ますと、昨年6月に、週刊誌が、著名な元野球選手の家庭内トラブルを記事にしたことについて、週刊誌側の名誉毀損やプライバシー侵害による損害賠償責任などを認めた判決がありました。 判決では、一定の家庭内トラブルがあったことが事実だと認めつつも、それらは家族内の問題に過ぎず、報道することについて「専ら公益に出たものであったとも認められない」などとされています。 タレントの私生活の報道について、どこまでが許容されるのかは非常に難しい問題ですが、個人的な感想としては、単に「交際している」という報道だけならばともかく、本人同士しか知らないLINEでのやり取りを直接公開するのは、特にプライバシー侵害の程度が高いように思います。 また、その画面写真を直接公開するのは、非常に生々しいインパクトがありますので、文章だけの報道と比較した場合に、その人の社会的な評価を必要以上に落とす可能性が否定できません。 そう考えると、週刊誌がLINEの画面写真を掲載して報道したことについては、「名誉毀損やプライバシー侵害の観点から行き過ぎだ」と判断される可能性もあるように思われるのですが、みなさんのお考えはいかがでしょうか。

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    川谷絵音も素質十分?「偉大なアーティスト」の条件は大悪人!?

    【精神科女医のつぶやき】片田珠美 タレントのベッキーさんと人気バンド「ゲスの極み乙女。」の川谷絵音さんの不倫スキャンダルが報じられた。 この2人は、離婚届を「卒論」と称していたらしいが、この2つにはたしかに共通点がある。自分で書いて提出することはできても、向こうが受理してくれなければ、離婚も卒業もできないという点で似ており、なかなかの言語センスだ。 2人ともかなり叩かれているようだ。とくに川谷さんのほうは、交際当初は独身を装っていたとか、結婚して初めての正月に妻以外の女性と一緒に実家を訪問したとかで、「ゲスの極み」と非難されている。フリーライブで盛り上がるゲスの極み乙女。の川谷絵音=東京・代々木(撮影・斎藤浩一) こうしたふるまいを擁護するつもりは毛頭ないが、作曲家の三枝成彰氏が『大作曲家たちの履歴書』(中公文庫)で述べているように「偉大なアーティストになるには大悪人でなければならない」のは否定しがたい事実だ。 その代表として三枝氏が挙げているのは、作曲家のドビュッシーである。何しろ、下積み時代を支えた女性を2人もピストル自殺未遂に追い込んだのだから、三枝氏が「稀代の悪人」と呼ぶのも当然だろう。 傑出した作家や芸術家の伝記を読んでも、「こんなとんでもない奴が、どうしてあんな素晴らしい作品を生み出せるのか」と驚くことが少なくない。なので「偉大なアーティスト」が「人格者」として紹介されている記事なんかを読むと、巧妙なイメージ戦略で悪人の部分を隠しているか、富も名声も得てガツガツしたところがなくなったかのどちらかではないかと勘ぐりたくなる。 それでは、悪人であることが「偉大なアーティスト」になるための条件であるのはなぜなのか。三枝氏によれば、“心のきれいな人間”では「屈折感や心の奥のひだに食い込むような魔術的な毒のある」ものを作り出せないからということだが、同感だ。 もっとも、悪人であることは、素晴らしい創造活動をするための必要条件ではあっても、十分条件ではない。そのへんを勘違いして、他人を踏みつけにしても何とも思わないような自称「アーティスト」が、結構いる。やはり、才能と努力が伴わなければ、「偉大なアーティスト」にはなれないのだ。 ドビュッシーには及ばぬにせよ、悪人の素質が川谷さんにはありそうだ。これからは大悪人になるべく精進していただきたいものである。かただ たまみ 昭和36(1961)年、広島県生まれ。大阪大医学部卒、京都大大学院人間・環境学研究科博士課程修了。他の著書に『無差別殺人の精神分析』(新潮選書)、『一億総うつ社会』(ちくま新書)、『なぜ、「怒る」のをやめられないのか』(光文社新書)、『正義という名の凶器』(ベスト新書)、『他人の支配から逃げられない人』(同)、『他人の意見を聞かない人』(角川新書)など。

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    それでも不倫疑惑タレントを「抹殺」してはいけない

    後藤和也(産業カウンセラー・キャリアコンサルタント) 芸能界ではスクープが相次いでいる。特に、好感度抜群とされた女性タレントのベッキーさんの不倫疑惑をめぐるニュースは、連日さまざまな報道がなされている。今回の騒動とは? 筆者はベッキーさんと不倫相手とされる男性ミュージシャン(以下、「男性」)のファンでもアンチでもない。ベッキーさんについては「あぁ、テレビによく出ているのねえ」という程度の認識であり、男性側に至っては今回の報道で初めて存じ上げた次第だ。言い方は悪いが、両者にそんなに関心はない、ということを冒頭にて明確にしておきたい。また、筆者は当事者間に不倫関係があったかどうかは断定できる立場にないことも申し添える。 年明け早々に週刊誌が報じた内容によれば、ベッキーさんが妻子ある男性と不倫をしていることが、男性のLINEが盗み見られたことから発覚したという。報道によれば正月に、二人で男性の実家を訪問するなど、深い仲であるという。 その後のベッキーさんらに対するバッシングの嵐は言わずもがなだ。特にCMや出演番組を多数抱えるベッキーさんに対しては、スポンサーが損害賠償請求やCM降板を検討しているなど、多くのネガティブな報道がなされた。先日開いた謝罪会見も、記者からの質問が許可されなかったなどの内容に、逆に批判の声が多く寄せられる結果となっている。看過できない報道について 先に述べたとおり、今回の一連の騒動について特段の興味もなかったのだが、先日のある報道が気になった。以下の内容だ。 タレントのベッキー(31)が、ロックバンド「ゲスの極み乙女。」のボーカル川谷絵音(えのん、27)との不倫疑惑騒動で10日で約4キロ痩せたことが16日、分かった。(中略) 関係者によると、1月4日に川谷の長崎県の実家を訪れ、出てきたところを週刊文春の記者に直撃されてから「軽はずみなことをしてしまった」と食事が喉を通らない状態が続いているという。知人によると、今回の騒動で、出演するCMの一部が差し替えられるなどの影響が出てしまったことで、ベッキーはなかなか寝付けず、食欲がない日々が続いている。「ベッキー 10日で4キロ減 騒動で食事喉通らず寝付けず 仕事以外は自主謹慎」スポニチアネックス 1月17日(日)5時32分配信(ヤフーニュース) 寝付けず食欲がない、ひきこもりがちなど、心の病の兆候ともいえる状態にあるという報道だ。ベッキーさんといえば「いつも前向き、元気な清純派」なタレントであり、今までゴシップとも無縁であった。「むしろできすぎ」という声もあったほどだといい、その反動からか、ネット上でも辛辣なコメントが目立つ。無論、仮に不倫という事実があったとすれば、倫理的な行為とは言えず、男性の妻は第一の被害者と言え、スポンサーなどの関係者にも損害を与えたというロジックは成立するだろう。ファンの信頼を傷つけた、という見方もできるのかもしれない(筆者はファンというものはある種の強烈な片思いのようなものであると考えるので、「信頼を傷つけられた」と逆上するのもなんだかなあと思わなくもないが)。 以上の報道やバッシングを傍観しながら、ある事件を思い出した。STAP細胞を巡る笹井教授の自殺事件だ。STAP細胞騒動とベッキー疑惑の類似点STAP細胞騒動と本件の類似点について まだ記憶に新しいSTAP細胞を巡る事件。小保方さんの指導者役として記者発表を仕切っていたのが笹井教授であった。ご存知のようにSTAP細胞論文の信頼性について疑義が生じてからは、それまでの「ノーベル賞級の偉業」という評価が一転し、小保方さんと不適切な関係があったのではないかという趣旨の報道が数多くなされた。 その後、笹井教授は自殺という選択をしてしまう。死後、関係者の証言により、笹井教授と普通のコミュニケーションがとりづらい状況にあったということ等、騒動のさなかに、心の病に急速に蝕まれていったと思われる事実が判明した。死後は、笹井教授の功績を称え、その早すぎる死を悼む報道が主となり、不適切な関係を糾弾する内容がフェードアウトしたのが非常に印象的であった。 無論、本件とSTAP細胞の騒動では内容も質も異なる。ただし、これまで賞賛の対象でありマスコミによって持ち上げられていた対象が、ある瞬間にまさに手のひらを返されるようにどん底に叩き落されるという過程や、当事者とは言えない不特定多数の者から人格攻撃のような辛辣な非難がなされることは酷似しているのではないか。おわりに 無論筆者は、不倫という行為があるとすれば、それを肯定するつもりは毛頭ない。不倫は文化だともいうつもりもないし思ってもいない。従来からのファンでもない、むしろアンチのような人たちや、今回の報道で初めて存在を知ったような人たちがヒステリックに自身の正義感から罵詈雑言を浴びせる姿に、ある種の危険性を感じるから、拙稿にて問いかけるのである。 我々の発する言葉は、時として鋭い矢のように相手の心身に突き刺さることがある。その結果、相手が死を選ぶということもある。我々はそれでも、相手に対し非難を続けるべきだろうか。相手を抹殺しなければならないほど、その相手と自分の関係性は深いのだろうか。どれほどの利害関係にあるのか。 本件が仮に事実とするならば、好感度を商売の手段としているベッキーさんらは、なんらかの責任を負うことになるだろう。暫くの間となるかもしれないが、「芸能界から抹殺」されるのかもしれない。ただしかし、「この世から抹殺」等ということは、仮に当事者だったとしても、現法令下では決して許されるものではないという当たり前のことを、我々は再認識すべきではないのだろうか。 「常に笑顔で、前向きに頑張っていました。勇気をもらいました」等と、死後に功績を称賛したところで、何らの意味もないのである。【参考記事】■「年も明けたし、何か資格を取ろう!」と思ったあなたに伝えたいこと (後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)http://sharescafe.net/47304400-20151223.html■「未達成感」が育児ストレスを増大させるのでは。 (後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)http://sharescafe.net/47075444-20151202.html■元猿岩石芸人から学ぶべきスキルとは (後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)http://sharescafe.net/46884848-20151113.html■「俺、メンタル的にヤバいかも・・・」と思ったら。 (後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)http://sharescafe.net/46714386-20151027.html■山本耕史流アプローチがストーカーとならない理由。 (後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)http://sharescafe.net/46042230-20150825.html

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    ベッキーの「一方的ウソつき記者会見」は最悪の対応

    、相変わらずと言うかさすがと言うか…。新春一発目に、各スポーツ紙がウソ記事と飛ばし記事を書きまくって芸能マスコミの信用度を一気に低下させているなか、メガトン級の一撃。 個人的には「ゲスの極み乙女。」というバンドさん自体全く知らなかったですし、未だに「世界の終わり(←?)」との違いが分からないし…どうでもいいんですが、気になったのがあの「会見」です。 サンミュージックさん…ユカイさんもいて知らない仲じゃあるまいし、一言くらい聞いてくれればいいのに…。あの対応…ダメの見本ですよ…(涙)。リスク管理は一歩、間違えれば大ダメージとなる時代 近年「リスク管理」「リスク対応」が大きなテーマになることが多くなりました。それは「今までのネットがない時代の常識」がことごとく通用しなくなってきており、一歩間違えれば大損害に発展する可能性を秘めているからです。半年ぶりに店頭に並んだ「ペヤングソースやきそば」=2015年6月8日、東京都千代田区(寺河内美奈撮影) 多く取り上げられるのが「ペヤング」と「マクドナルド」の例です。2014年12月2日。まるか食品の『ペヤング』の異物混入が発覚。2015年1月3日日本マクドナルド・三沢店で『チキンナゲット』の異物混入が発覚しました。 この両者は、およそ1年前、わずか1か月差で起きた同様の「異物混入騒動」としてメディアでも繰り返し大きく報道されました。 発覚直後はまるか食品・日本マクドナルドともに「製造過程で混入は考えられない」と発表。まぁ、その通りだったのでしょう。私もその通りだと思います。今でも、この程度、彼らの提供する安い金額を考えれば、織り込み済みのことと捉える方が常識の範囲のはずです。 しかし、2014年12月4日、まるか食品は「可能性がゼロとは言いきれない」と同一ラインで製造した約5万個を自主回収することを発表します。対するマクドナルドはどうだったのか? 2015年1月8日の記者会見までに4件の異物混入事故が会社側に届けられていたにもかかわらず、公開せずにいたばかりか、その後も、問題商品の販売は自粛したものの、問題店舗においても休業することなく販売を続行したのでした。 その後の両社に対する日本国民の視線はもうご存知の通りです。ペヤングは復活を心待ちにされ、多くのファンに支えられ、マクドナルドは過去最悪クラスの決算をたたき出すこととなりました。私自身の体験から私自身の体験から ネットが普及してしまい、今までのように「写真週刊誌とテレビだけを押さえておけば勝手に国民は【バカだから】忘れてしまう」という時代はとうの昔に過ぎ去っています。今はリスクに対して『正しい対応』をしなかった場合、致命傷を受ける可能性のある時代です。古い芸能界の事務所には、まだそれを理解していない事務所がわずかですが残っています。 私事になりますが、私自身、過去に情けない事態を引き起こし、マスメディアに大きく取り上げられたことがありました。その大半は事実と反するものでしたが、ニュースでも全局で報じられました。 しかし現在、私はありがたいことに多くのテレビレギュラーだけでなく、月に30本近いコラム連載の仕事を頂き、大変充実した毎日を送らせてもらっています。今の私がいるのも、あの時の『対応』でミスをしなかったためと考えています。 当時の私が、マスメディア対応で絶対に「これだけは貫こう!」と決めていたのが実は2点だけです。1、格好悪くてもいいので、評判を下げてもいいので「ウソだけは付かない」こと。2、取材やインタビューは一つたりとも「断らない」こと この2点、私は現在における多くの「リスク」に対応するための、最も大切なファクターではないかと考えています 私は、一切の隠し事をしないように、5万文字にわたるブログ文章と12万文字を超える本を出版し、丁寧な説明を心掛けました。出来るだけ客観的にも事実であることが分かるように、当時交わした証拠となるメールの文章も、全文載せるようにしました。 また、今まで40件以上に及ぶ、当時の案件に対する取材依頼を受けましたが、その全てに相手の質問が尽きるまで対応をしてまいりました。丁寧に説明すれば、ほとんどの記者の方々はご理解してくださいました。 さて、しかし今回のベッキーさんの会見はその視点から見ると、少々彼女の今後に対して心配なものだったと言わざるを得ない気がします。 彼女の会見の特徴は2点です。1、会見をする、と言って取材陣を集めておきながら、一切の質問を許さなかったこと。2、「世間は誤解している」・「お付き合いはしていない」と発言したこと ベッキーさん、いや、ベッキーさんの事務所であるサンミュージックさんは、長らく日本の芸能界を支えてきた歴史と伝統ある芸能プロの一つです。なので、理解できなくもないのですが、どうか分かっていただきたい。 もう、そんな時代ではないのですよ。ボタン一つで、スマホの画面はキャプチャーができる。到底言い逃れできない『圧倒的な証拠』があるからこそ文春さんは「新春スクープ」に選んでいるのです。 裏事情を一つだけ言っておくと、そもそもこの話は、もっと以前からリークされています。しかし「せっかくのデカいタマなので…」と言うことで新春の一発目スクープになるように先延ばしにしていたのです。もちろん、新春号にすれば、「ベッキーの不倫相手はあの『紅白出場歌手』」とタイトルを打てるのも魅力だったことでしょう。それだけ時間をかけて取材をし、あれだけの証拠を突きつけられてなお… 見苦しいウソは絶対にやめた方がいいのです。 週刊文春さんに載せられたあの写真、あのラインのやり取り。あれで本当に男女の仲でなかったのであれば、逆に驚きです。男女の仲でなく、ホテルで朝まで過ごして「離婚が成立したら(文中では「卒論」と表現)いっぱいわがまま聞いてもらおうっと」とか言ってるのであれば、一度病院にかかられた方がいい。 そんなわけないのです。ベッキーさんは何とかという歌手グループのボーカルと男女の仲になったのです。一部スポーツ紙が「ベッキーは最初、妻子持ちと知らなかったようだ」と報じていました。あのスポーツ紙は芸能事務所の情報をそのまま書くことでよく知られるスポーツ紙です。要は、少しでもダメージを減らそうと、そのスポーツ紙に記事を書いてもらったというのが裏事情でしょう。全部裏目です。一番ダメな対応です。 文春さんは適当な記事なんてほとんど書きません。相手が大手の事務所であればなおさらです。私のくだらない記事が世間を席巻したときでも、奈良県にある私の実家にまで取材に来て下さり、「ハセガワの父親は『息子は絶対にそんなことをしていないと言っている』と語った」と記事にしてくださったのは、文春さんだけでした。足を使い、汗をかく。取材の基本を分かっている記者さんたちが集う週刊誌です。なので、ここまで他誌を圧倒的する部数を記録しているのです。質問には答え、ウソは付かないべきだった マスメディアを集めたにもかかわらず、なぜあんな『100%ばれるウソ』をつかせたのか? わざわざ記者に集まってもらったにもかかわらず、なぜ質疑を受け付けなかったのか? あそこでは全てをさらけ出すべきだったと思います。これは私の個人的予測ということで読んでいただきたいのですが…まぁ、ほとんどの日本人が同じように感じているんでしょうけど…・結婚の事実を隠したままで口説かれる      ↓・ある程度親密になった段階で結婚してたことを打ち明けられる      ↓・でも、離婚をちらつかせられて交際をズルズル続ける      ↓・男は誠意を見せるためになどと言って実家などに連れていき、さらに交際を続ける ってとこでしょ?どうせ。まさにリアルゲス。 こういうことって、結局、今の時代は全部筒抜けになっちゃうんです。ラインのやり取りまで出されたらしょうがないんですって。そこは昔と全然違うところです。逆に、徹底的に謝った方が絶対にいい。そして、芸能リポーターの皆さん方に、泣かされるまで厳しい質問を浴びまくって、最後までそれに答えるべきでした。なぜ、その方がいいかと言うと、まず、芸能リポーターの質問は必要以上に厳しいことも多いので…「芸能人に同情が集まるときが多い」からというのと、もう一点はそうしないと「傲慢に見える」からです。 「なんだよ?わざわざ取材にいったのに、質問にも答えないのかよ」って言われる可能性が出てきてしまいます。 時すでに遅しで、結局、昨日も今日も、ワイドショーと言うワイドショーは久しぶりにいいエサを与えられた感じで、大喜びでこすりまくっています。北朝鮮であんなことになったにもかかわらず、何十分時間を割いてんだか。 今回の件、ベッキーさんは相当のダメージです。でも彼女はいい子です。私も2度ほど仕事を一緒にしていますが。今後が心配です。 むしろ、深刻なのは相手のゲスのなんとかというバンドの方。ベッキーさんはナベプロさんやジャニーズさん、バーニングさんなど、大手芸能事務所のお偉方にも高評価で知られるタレントさん。その子にこういうミソをつけて、平気でいられる世界じゃあない。厳しいことを言いますが、もうアウトじゃないかな。しばらくは。ま、自業自得か。(公式ブログ「本気論 本音論」より2016年1月8日分を転載)

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    文春無双!週刊文春がスクープ連発する3つの理由

    Journal編集部の以下の記事にも週刊誌関係者が同様の発言をしています。 「文春」快走の一方、特に芸能関連報道においては、他誌は「文春」に対し劣勢の感がぬぐえないが、その背景について、週刊誌関係者は次のように明かす。 「反響の大きそうなネタの場合、5〜10人ほどのチームを組み、時間をかけ入念に取材を進めるかたちをとります。しかし、出版不況でどこの出版社も厳しい経営環境を強いられており、以前のように取材にふんだんに経費と時間をかけることが許されなくなっているのが実情です。『文春』発行元である文藝春秋は、老舗月刊誌『文藝春秋』などの安定的な収益源を持ち、経営も安定しており、他誌は『文春』のような贅沢な取材はできない。そうした経済的事情も、背景にはあるのではないでしょうか」週刊文春、なぜスクープ連発&独り勝ち?芸能プロも交渉不可、入念な取材支える経済事情 より抜粋他の追随を許さない圧倒的なたれ込み数理由2:他の追随を許さない圧倒的なたれ込み数 文春には毎日のように内部リーク、いわゆる「たれ込み」情報がもたらされています。今週号の3大スクープにしても、甘利明大臣の件とベッキーさんの件は間違いなく「たれ込み」情報です。 これには二つの理由があるようです。 ひとつは情報に対するマージン、たれ込み料が他誌に比べて割高であることがあります。 文春はその豊富な資金力によって他誌に比べて情報提供に対する返礼が割高なのであります、もちろん情報の希少性や時事性などでマージンは時価なのですが、独占スクープの場合などでは高額の情報料が支払われることは業界では知れ渡っています。 そして文春に他の追随を許さない圧倒的なたれ込み数があるもうひとつの理由はその影響力にあります。たれ込む側からしてみれば、もし一誌に独占スクープさせるとしたら、間違いなく影響力のある発行部数一位の週刊文春を選択することでしょう。 単に金銭ではなく少なからずの「たれ込み」情報は、その伏せられた事実を世に知らしめることでターゲットの人物にダメージを与えることを目的にしていることが多いからです。・・・理由3:記者クラブに加盟してない出版系の強み そして週刊文春の最大の強みは、なんといっても日本記者クラブに加盟していないことにあります。 今回の甘利明大臣賄賂疑惑の実名告発スクープ記事も、間違っても新聞社系の週刊朝日やサンデー毎日には掲載されることは不可能だったでしょう。 もう一度週刊誌の発行部数ランキングを確認しておきましょう。■一般週刊誌発行部数 日本雑誌協会 ご覧の通り、週刊文春(文藝春秋)、週刊新潮(新潮社)、週刊現代(講談社)、週刊ポスト(小学館)、週刊大衆(双葉社)、週刊実話(日本ジャーナル出版)、週刊プレイボーイ(集英社)、週刊アサヒ芸能(徳間書店)と、ベスト8までがすべて出版社系週刊誌で占められています。 文春だけではないですが、彼らはすべて日本記者クラブには加盟していません。より正確に言えば、加盟したくても、朝日新聞に代表される既存マスメディアから加入を拒否されているのです。 従って、週刊文春に代表される出版系週刊誌は、権力に迎合することなく政治家のスキャンダルをすっぱ抜くことに、なんの躊躇もなく、実践していくことができます。 特に週刊文春の発行元の文藝春秋は、その長い歴史の中で、保守系ではありながら、ときの権力者に対して絶えず厳しく対峙することをモットーとしてきております。 1974年10月9日に発売された雑誌『文藝春秋』11月号で田中角栄に関する特集が組まれました。立花隆の「田中角栄研究―その金脈と人脈」は1969年から1970年にかけて田中ファミリー企業群が信濃川河川敷における約4億円で買収した土地が直後に建設省の工事によって時価数百億円となった信濃川河川敷問題等の資産形成を暴きます。 やがてロッキード事件として田中逮捕へとつながるこの歴史的スクープも文藝春秋がもたらしたのでした。・・・ 今回は、独自スクープ連発&独り勝ち状態、まさに『文春無双』状態の理由について、当ブログなりに掘り下げてみました。本エントリーが読者の参考になれば幸いです。

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    「ゲス」は自分に絶対の自信を持ちありのままに生きる人物

    震が走った、ゲスの極み乙女。のボーカル川谷絵音(27才)との不倫騒動。“優等生キャラ”でベッキーは、芸能界屈指の好感度タレントだったわけだが、こうなると彼女のこれまでの好感度とは何だったのかと疑問が湧く。 そもそもタレントにおける好感度は、そのキャラが一般に支持されているかどうかの指標。だが、そうした指標も時代とともに変わりつつあると、心理カウンセラーの心屋仁之助さんは言う。 「一昔前までは頑張ることや我慢することが美徳とされてきましたが、それによりうつになる人が増えたりもして、時代には合わなくなってきた。今こそ、その精神的な縛りから解放される時。誰がなんといおうと、“自分の人生を、自分のために歩く”ゆるぎない自信が評価されるんです」 指標が変われば、生き方も変わる。『ゲスな女が、愛される。』(廣済堂出版刊)の著書もある心屋さんはシンデレラを引き合いに、女性たちには、“ゲスデレラ”をめざしてほしいと語る。 「舞踏会の当日に、1日では到底終わらないような仕事を押し付けられても、いじわるな姉たちにドレスを破られても、魔法使いだ、ネズミだと、あらゆる力を総動員して舞踏会へ出かけるあのガッツ。しかも躊躇なく、王子様と踊ってしまうのです。なぜって、シンデレラは王子様に見初められる自信があったから。『私はかわいい』と確信していたからです」 極めつきは、12時の魔法が解ける瞬間にガラスの靴を置いてシンデレラが去っていく、有名なシーン。「もちろん王子様が自分を捜しに来ると確信していてのこと。案の定、王子様は靴を手に国中を捜し回ります。そして靴を履こうとしても入らない姉たちを尻目に、『あ、それ私でした!』とシレッと出てきて一発逆転。ボロ服を着せられてこき使われようと、自分はプリンセスになれると疑わない。なんて厚かましいんでしょう(笑い)。でもだからこそ、彼女はがっつり幸せをつかんだ」(心屋さん) この世の中は厚かましくて、ナンボ。「劣っているから愛されない」なんて縮こまった考え方を捨てて、ありのままの自分でいることが、今の時代に愛される必須条件なのだという。 「私が考える“ゲス”とはつまり、自分に絶対の自信を持って、ありのままの姿で生きること。“私だから大丈夫!”と信じ、どんな姿を曝け出そうとも自信が揺るがない人です」(心屋さん)

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    「あさが来た」がおもろいのはなんでだす?

    視聴率が連日20%を超えるNHK連続テレビ小説「あさが来た」の勢いが止まらない。大ヒットの理由はさまざまだが、同じ明治時代を舞台にした昨年の大河ドラマ「花燃ゆ」と比較すると、やっぱり朝ドラの方が全然おもしろい。こんなにもハラハラする「あさが来た」の展開に、ほんまびっくりポンや!

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    歴史に残る傑作の予感 「あさが来た」は朝ドラ55年の王道である

    碓井広義(上智大学文学部新聞学科教授) NHKの連続テレビ小説(通称、朝ドラ)『あさが来た』が好調、いや絶好調だ。昨年10月のスタート時から現在まで、平均視聴率は連続して20%台をキープ。11月20日には番組史上最高の25%を記録した。視聴率だけでなく、新聞や雑誌などメディアで取り上げられる頻度も高く、雪だるま式に支持層が広がっている。そんな『あさが来た』の絶好調の理由を探ってみたい。NHK朝ドラの基本 朝ドラが開始されたのは1961年だ。すでに55年の長い歴史をもつ。第1作は獅子文六の小説を原作とする『娘と私』だった。66年に樫山文枝が主演した『おはなはん』で平均視聴率が45%を超え、視聴者の間に完全に定着した。 当初、一つのドラマを1年間流す通年放送だったが、74年の『鳩子の海』以降は渋谷のNHK東京放送局と大阪放送局が半年交代で制作を担当するようになり、現在に至っている。途中、唯一の例外は、平均視聴率52.6%(最高視聴率62.9%)というメガヒットとなった『おしん』(83~84年)で、全297話の通年放送だった。NHK連続テレビ小説「おしん」スタジオ収録が開始。左から泉ピン子、乙羽信子、小林綾子、田中裕子、伊東四朗=1983年2月14日、東京・渋谷のNHK 歴代のNHK朝ドラには、いくつかの共通点がある。その第1は、当然のことながら、主人公が女性であることだ。少女が大人になり、仕事や恋愛、結婚などを経験していくのがパターンである。幼少時から晩年までを描いた、いわゆる「一代記」の形をとったものも多く、『おしん』では、その生涯を年齢の異なる複数の女優(小林綾子、田中裕子、音羽信子)がリレーで演じていた。また朝ドラには、女性の自立をテーマとした「職業ドラマ」という側面もあり、全体的には、生真面目なヒロインの「成長物語」という内容が一般的だ。「あさが来た」のポイント 『あさが来た』の主人公は、京都の豪商の家に、次女として生まれた今井あさ(波瑠)。大阪に嫁いだ後、炭鉱、銀行、生命保険といった事業を起こし、日本で初めてとなる女子大学の設立にも携わる。 このドラマ、物語としてのポイントは2つある。1つ目は、あさが実在の人物をモデルとしていることだ。“明治の女傑”といわれた実業家・広岡浅子である。2番目は、物語の背景が幕末から明治という時代であることだろう。 実在の人物がヒロインのモデルとなるのは、最近の朝ドラでは珍しくない。2010年の『ゲゲゲの女房』(漫画家・水木しげるの妻)、その翌年の『カーネーション』(デザイナーのコシノ3姉妹の母)、14年の『花子とアン』(翻訳家 村岡花子)などだ。いずれも現代の話ではなく、近い過去がドラマの舞台となっていた。今回の『あさが来た』も、これらの作品が好評だったことを踏まえて企画・制作されている。とはいえ、幕末から話が始まるという設定は大胆で、冒険でもあったはずだ。 この“過去の実在の人物”という選択は、逆に言えば、近年“現在の架空の人物”で制作された朝ドラが、視聴者の気持ちをあまり捉えてこなかったことを示している。視聴者側としては、ヒロインが人間的にあまり魅力的とも思えない架空の人物の場合、彼女の個人的な“さまよい”や“試行錯誤”や“自分探し”に毎日つき合ってもいられない、ということだ。登場人物と役者たち 今回は特に、前作が『まれ』だったことが大きい。世界一のパティシエになる夢を追う女性を描くこと自体は悪くないが、物語としてはかなり迷走気味で、脚本にもご都合主義が目立った。それに比べると、『あさが来た』は実話をベースにしている分、物語の骨格がしっかりしている。“女性の一代記”ドラマとして成立するだけの実質が広岡浅子にあるからだ。 また、時代設定が幕末から明治という大激動期である点も有効に働いている。現代は明日が見えにくい閉塞感が漂っているが、今とは比べものにならないほどのパラダイムシフト(社会構造の大転換)があった時代を、ひとりの女性がどう生き抜いたか、視聴者は興味をもって見ることができる。 さらに、舞台が関西であることにも注目したい。同じ時代であっても、立つ位置によって異なる視点から眺めることができるからだ。そこに発見もある。また幕末維新ものの多くは、江戸を舞台にすると武家中心の話になってしまう。武家の場合、しきたりに縛られてあまり面白くないが、『あさが来た』では大阪の商人たちが自由で伸び伸びと活躍する様子が新鮮だ。登場人物と役者たち ヒロインに抜擢された波瑠は、これまで何本かの主演作はあるものの、女優としては発展途上という印象だった。どちらかといえば、やや捉えどころのない、どこかミステリアスな役柄が多く、“女傑”が似合うタイプとも思えなかった。 しかし今回は、いい意味で裏切られたことになる。意外や、明るいコメディタッチも表現できることを証明してみせたのだ。加えて、まだ女優としてはこれからという波瑠のたどたどしさ、素人っぽさが、両替商の若いおかみさんや炭鉱の責任者といった場における初々しさに、うまく自然に重なった。視聴者側からいえば、応援したくなるヒロイン像になっている。 また確かに美人女優ではあるが、現代劇ではどこか生かしづらかった容貌も、このドラマの時代設定にはマッチしており、日本髪と和服がよく似合う。トータルで、非常に効果的なキャスティングとなった。 しかし、ドラマは主役だけでは成立しない。周囲に魅力的な登場人物が必要になる。その点でも、いくつか秀逸なキャスティングが行われている。 前半で大活躍したのが、姉のはつ(宮崎あおい)だ。性格も生き方も異なる姉の存在が、このドラマにどれだけの奥行きを与えてくれたことか。『花子とアン』で成功した、一種の“ダブルヒロイン”構造の踏襲だが、そこに宮崎あおいという芸達者を置いたことで、視聴者は2つの人生を比較しながら見守ることになった。ドラマを支えるもの 次が、あさの夫である新次郎(玉木宏)である。この男の人物像が何とも面白い。江戸時代までの男性の多くは、女性に関して、「台所を中心に夫や家族を支え、常に2歩も3歩も引いた控えめな態度でいること」をよしとしていた。だが新次郎は、「女性はこうでなくてはならない」というステレオタイプな女性観の持ち主ではない。あさが旧来の女性の生き方からはみ出して、思い切り活動できるのも、実は新次郎のおかげだと言える。あの夫がいたからこそ起業もできたのだ。 新次郎は常に、のんびり、のらくらしているが、リーダーとしての仕事をさせたら、きちんとこなせるだけの力量がある。それにも関わらず、自分は表に出ず、当然のように妻の仕事を応援しているところが侮れない。“頼りない”のではなく、あさが思う存分羽ばたける環境を整えてやれるだけの“度量がある”のだ。お転婆なあさは、孫悟空ならぬ新次郎の手のひらの上で飛び回っているのかもしれない。玉木宏が、そんな男をさらりと具現化している。 もう一人、魅力的な脇役として五代友厚(ディーン・フジオカ)がいる。後に「近代大阪経済の父」と呼ばれることになる人物だ。五代がいることで、時代の動きを見せることだけでなく、あさと新次郎の心情にも膨らみが生まれた。フジオカという役者の出現もまた、このドラマの収穫だ。ドラマを支えるものNHK連続テレビ小説「あさが来た」の新たな出演者が決まり、記念撮影に応じる、(左から)瀬戸康史、波瑠、玉木宏、辻本茂雄=2015年11月11日、NHK大阪放送局(撮影・白鳥恵) こうして見てくると、『あさが来た』の絶好調の裏には、以下のような要素があると言えるだろう。1)幕末から明治へというこの国の激動期を、関西を舞台に描いていること。2)女性実業家のパイオニアともいうべき実在の女性を、魅力的な主人公として設定したこと。3)「びっくりぽん!」などの決め台詞も交え、全体が明るくテンポのいい脚本になっていること。4)主演の波瑠をはじめ、吸引力のあるキャスティングがなされていること。 しかも、『あさが来た』には、「女性の一代記」、「職業ドラマ」、そして「成長物語」という朝ドラの“王道”ともいうべき三要素がすべて込められている。まだ前半が終わったところではあるが、朝ドラの歴史の中で傑作の一本となるかもしれない。 このドラマの第1回は、洋装のあさが、初の女子大(後の日本女子大学)設立を祝う式典の壇上に立つところから始まっていた。あの場面に到達するまでに、あさはまだまだ多くの試練を経なければならない。その過程だけでなく、出来れば女子大設立後のあさの人生も、しっかり見届けたいと思う。これから展開される、『あさが来た』の後半戦が楽しみだ。

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    大阪制作だからおもしろい! 「あさが来た」にNHKの意地を見た

    影山貴彦(同志社女子大学情報メディア学科教授) NHK朝の連続テレビ小説(朝ドラ)『あさが来た』がここまで好調なのは、朝ドラを東京のNHK放送センター(上期)と大阪放送局(下期)が交代で制作していることが大きいと思います。つまり「あさが来た」は大阪局が大阪で作っていることが大きい。 東京の一極集中が進んでいるのは経済だけではなく、エンターテインメントや放送の世界でも同様で、私が大阪の毎日放送(MBS)に入った80年代後半と比べて、全国ネットの番組制作本数が非常に減っています。特に民放では顕著です。今でも何本か全国ネットで作ってはいますが、東京のスタジオを借りて作っている番組が多い。プロデューサーや宣伝担当は在阪局の人間でも、あとは概ね制作プロダクションのスタッフで、ディレクターすら在阪局から出さないこともあるから、「東京と変わりがないやんか!」と思うこともありますよね(笑)。NHK大阪放送局=大阪市中央区大手前4 例えば、私は肩入れするつもりもファンでもないですが、宮根誠司さん司会のワイドショー『ミヤネ屋』が人気を博しているのは読売テレビ、つまり関西から全国に向けて放送しているからだと思います。関西発の全国ネット番組といえば、土曜の朝の番組『にじいろジーン』(関西テレビ)や『朝だ!生です旅サラダ』(朝日放送)もありますが、ミヤネ屋は月曜から金曜まで平日昼間の帯番組という違いがある。それに宮根さんは朝日放送のアナウンサー出身だから、完全な東京目線ではなく距離を置いて発信していることが奏功している。宮根さんが東京の番組で語る場合とはスタンスが明らかに違うと私は感じています。 なぜそう言えるかというと、私がMBSに入社してから出会ったある上司から教育を受けてきたからです。私はテレビとラジオの企画・制作に計15年半携わってきましたが、入社10年目ぐらいに念願かなってラジオ番組『MBSヤングタウン』(ヤンタン)のプロデューサーとなりました。そのときヤンタンを作った渡邊一雄さん(初代プロデューサー)から「いろいろなタレントがヤンタンをきっかけに売れていく。お前もタレントやプロダクションから『東京のスタジオで放送させてください』と言われるようになるだろうけど、出来る限り大阪でやれよ。ヤンタンを作ってるんだから大阪からやることにこだわれ。それで空気感が変わるんだから」と言われたんです。 私は半信半疑だったんですが、50歳を過ぎた今になって渡邊さんの言ってたことがわかるようになった気がします。この「大阪で作るこだわり」が『あさが来た』にも生きていると思います。大阪局も東京も同じNHKではありますが、大阪局には「絶対東京には負けない」という精神があるんじゃないでしょうか。民放を含む大阪の作り手はそうあるべきだと思っていますし、現役の作り手たちには肝に銘じて欲しいと思っています。でも「大阪で作るこだわり」を忠実に守っているのが皮肉なことにNHKなんですよ。半年の放送期間という同じ条件で、出演者に撮影のために半年以上の大阪滞在を強いるわけですから。大阪でも東京でも受けるドラマを作るには それは題材にも表れています。『あさが来た』でも「東京が何でもかんでも中心じゃ駄目なのよ、大阪が頑張らないと駄目なのよ」といった内容を脚本に書かせて放送に反映させていますよね。東京への反骨精神を肌で感じている大阪の人間は拍手喝采を送るわけです。東京の人間はそこまでは感じていないでしょうけどね。それでも東京の視聴率がいいのは確実に関西人に受けて、さらに東京にも受け入れられる題材としてしっかり作っているからです。 ヒロインの白岡あさのモデル、広岡浅子は日本女子大学の創設者ですし、福沢諭吉、渋沢栄一、大隈重信など誰でも知っている歴史上の人物も登場させてバランスを取った描き方をしています。バランスの上手さでいえば『ごちそうさん』も序盤に東京の実家を描いてから大阪に嫁ぎましたし、民放でも大ヒットを記録したTBS系の『半沢直樹』も前半の梅田支店で大阪の視聴者をつかんでおいて、後半で東京に乗り込む図式を作ってましたよね。関西の人間は情に厚いから、東京編でも視聴者は離れなかったわけです。 今、テレビは東京ローカルと全国ネットがほとんど同じになってますよね。関西人は自己愛が強すぎる傾向があるので、排他的な関西愛のエンターテインメントになってしまうと全国区には受け入れられない。過去の視聴率が証明しているように大阪の視聴率は多少上乗せされるでしょうが、東京は高視聴率になりません。東京と大阪は人気番組でも視聴率に5%以上の違いが出る場合がありますから、たった500キロしか離れていないのに、ここまで違う嗜好性を持っていることは作り手、研究者の両方の観点から興味深いと思います。 そのほか、『あさが来た』が好調な理由を挙げると、ヒットした『下町ロケット』(TBS)の佃航平もそうですけど、あさがまっすぐな主人公で、奇をてらわずに成長の様を描いていますよね。しかも企画・脚本・演出・演者が揃っているから、陳腐なドラマにならずに現代の視聴者から共感を得ることに成功したわけです。加えて『まれ』があのような中途半端な結果になってしまったことも大きい。作り手から言えば前後の番組は非常に重要です。もし『あまちゃん』のあとを受けていたら、今ほど礼賛はなかったかもしれません。だから次の東京制作の『とと姉ちゃん』は必死でやってくるでしょうから見ものですね。 NHKのように大阪からドラマを全国に発信することが民放にも出来るのか。私は民放に頑張ってほしいと思っていますが、ドラマにはものすごくお金がかかるんです。民放のローカル局が頑張ってドラマを作っても安普請のセットになって、視聴者も「安っ!」と10秒で気づいてしまうでしょう。キー局とタッグを組む形じゃないと制作費も集まるものも集まらなくなります。頑張るだけでは限界があるんです。だから民放各キー局の編成、営業に言いたいのは、大阪、名古屋、福岡、札幌など基幹局も入れて、年間通じてリレー方式でドラマを作ってほしいですね。テレビ、ドラマだけじゃなく地方の活性化にも繋がるし、なにより各局の制作能力を高める意味でもプログラムの中に整えてほしいと思います。先ほども言った通り、NHKは東京・大阪が朝ドラを同じ条件で制作しているわけですから、無関係ではないと思いますよ。キー局だけじゃ回らなくなってきているこのご時勢、既得権を手放したくないのはわかるけど、ネットワーク局を盛り上げていってほしいですね。 私も昔ドラマADとして昼の帯ドラマを担当したことがありましたが、帯ドラマはドラマの中でも一番しんどいと思います。出演者が会見でよく「帯ドラマ大変でした、こんなに大変だったことはなかったです」などと言いますが、本当に大変なんです。担当もせず批評ばかりしている作り手にどれだけしんどいか、いっぺんやってみろと言いたいぐらい(笑)。また視聴率でも『あまちゃん』以降一段とハードルが上がって、20%超えの期待というプレッシャーがかかる状況もあると思います。でもフジテレビ系・東海テレビの昼ドラも3月に幕を下ろすわけですから、帯ドラマはNHKしかなくなるわけで、看板を守っていってほしいし、厳しい状況で結果を出し続けていることは凄いことだと思います。(聞き手、iRONNA編集部・松田穣)かげやま・たかひこ 同志社女子大学情報メディア学科教授。1962年、岡山市生まれ。早大政治経済学部卒。毎日放送プロデューサーを経て現職。専門はメディアエンターテインメント論。そのほかに上方漫才大賞審査員、コンフィデンスアワード・ドラマ賞審査員、日本笑い学会理事なども務める。主な著書に「テレビのゆくえ」(世界思想社)「影山教授の教え子が泣きにくる。」(雇用開発センター)など多数。

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    明治のハンサム・ウーマン再び 「あさが来た」大ヒットの理由

    トになっているのが、どこか頼りない男性、というのも、『あさが来た』の人気の大きな秘訣であろう。日本の芸能や文学の傾向とも重なるのだが、日本の読者や視聴者は、『心中天網島』(近松門左衛門)の治兵衛や『夫婦善哉』(織田作之助)の柳吉のように、よくできるヒーローよりは、どこかがぬけたダメ男に惹かれやすい。同じく働く女性を主人公にした朝ドラの『あぐり』(1997年)も、ヒロインの美容師としての活躍ぶりにもまして、夫のエイスケの破天荒ぶりが、愛嬌をもって受け止められた。その意味では、玉木宏演じる浅子の夫・新次郎の癒し系のキャラは、見事にツボにはまっている。 教師や看護師、美容関係など、女性の適職とみなされやすい、いわゆる“女性職”ではなく、男社会の典型ともいうべき実業の世界で活躍する女性を主人公に据えた点も意義深い。明治以降の近代化の波は、勤め人の男性を中心に、男は仕事、女は家庭という性別役割分業を推進したが、上方の歴史に根差した大阪放送局制作らしい『朝が来た』は、一般市民の女性が普通に働いていた、明治以前からの日本の歴史を活写する。女性の労働や社会参画は、現代の新しい現象と誤解されがちだが、明治以前の日本の一般市民の女性の多くは、農作業や自営業で生計を担って働いており、働く母親は当たりまえの存在であった。専業主婦が理想化されてゆくのは明治後半以降であり、それ以前の時代のパワフルな女性の活力を、『あさが来た』は生き生きと描く。 21世紀の今、従来の歴史観やメディアの表象では埋もれがちであった、日本の近代化における女性の役割に光をあて、主体的に社会貢献する「ハンサム・ウーマン」が活躍する『あさが来た』は、かくも画期的なドラマであり、人気の背景もそこにあろう。もっとも、男性視聴者には、ダメ男ぶりを見習ってほしくはないが……。

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    「あさが来た」の五代様 “逆輸入俳優”ディーン・フジオカの素顔

     NHK連続テレビ小説「あさが来た」で、「近代大阪経済の父」と呼ばれ、主人公・あさの“実業の師”として登場する「五代友厚」に、女性視聴者たちの熱い視線が注がれている。演じているのは俳優のディーン・フジオカさん。香港や台湾などではすでに有名な国際派スターだ。日本で人気に火がつくきっかけとなった朝ドラや五代役について、たっぷりと語ってもらった。(聞き手 杉山みどり)◇―「五代さんを演じているあのイケメンは誰?」と、ディーンさん人気が女性の間で急上昇していますディーン ほんとですか? うれしいですね。やはり朝ドラ効果はすごいなぁ。―薩摩藩士として生まれ、官を捨てて大阪発展のために生きた五代さんは、ドラマでもキーパーソンとなっていますNHK「あさが来た」で五代友厚を演じる俳優のディーン・フジオカさん=大阪市中央区のNHK大阪放送局(南雲都撮影)ディーン 感動ですね。こんな偉大な人物が日本人の先輩にいたということが。そして、その五代友厚という人物を演じさせていただく機会を自分がいただいたということが。150年前にこんな偉大な先輩がいたおかげで、現代日本人はそれぞれのライフスタイル、ワークスタイルで生きていられるんだ-。そう思いながら演じています。―五代さんの生き方に感銘を受けられたのですねディーン 今はパスポートを取得して飛行機のチケットを買うお金があればどこにでも行けますが、彼が生きたのは国交がなかった時代。上海への密航、薩英戦争で捕虜となり藩外での亡命生活、偽名を使っての渡欧…。いずれも命がけです。そこまでして前に進もうとする意志の強さというか原動力は、どこからきたのか。すごく考えさせられました。―何だと思われますかディーン もちろん好奇心もあったと思うのですが、それだけでは命を捨てても、という覚悟はできないでしょう。自分の国、日本という国がなくなってしまうかもしれない、という危機感を持っていたんだと思います。そして、日本のために何かを持って帰ろうとする愛国心の深さも感じます。―五代さんのことをよくご存じなんですねディーン 白状しますと、恥ずかしながら、オファーを受けるまでは、まったく五代さんのことを知らなかったんです。必死で勉強しましたよ。―猛勉強の甲斐があったのでしょう。ディーンさんが演じる五代さんはとても魅力的ですディーン ありがとうございます。“人物像”は白紙の状態で臨みました。脚本があって監督さんの演出があって、プロジェクトを進めるプロデューサーさんがいて…。決して役者1人のミッション(使命)ではなく、みんなで作り上げていくものですが、自分が大きな責任を担っているのも確かです。朝ドラは「大使館で見るもの」!?朝ドラは「大使館で見るもの」!?―五代友厚役に決まったときのことを聞かせてくださいディーン びっくりしました。僕にとって朝ドラは「海外の日本大使館で見るテレビドラマ」というイメージでしたから…。―大使館で、ですか!?ディーン はい。書類待ちしていて、「やることないなぁ」と手持ちぶさたになっていたときに、ふとテレビに目をやると、何か番組がかかっている。それが朝ドラでした。―ディーンさんは海外生活が長いですものねディーン 高校卒業と同時に日本を離れました。まさか自分が日本のテレビ、それも大使館で見ていた朝ドラに出演するとは想像もしていませんでした。―その朝ドラの撮影現場はいかがですか? 超ハードスケジュールだと聞いていますが…NHK連続テレビ小説「あさが来た」の1シーン(NHK提供)ディーン 確かにきついですね。でも、笑顔もお茶目な会話もありますよ。テンションを保ちながらも和やかな雰囲気、といったところですかね。―あさを演じる波瑠さんはどんな方ですかディーン 最初は「静かな方」というイメージでしたが、意外とノリノリで、小芝居を交えて話してくれます。主人公はセリフが多く体力的にもきついと思うのですが、プレッシャーに負けず、プロの仕事をしてらっしゃいます。すばらしい女優さんです。―ご自身のことをお聞きします。ディーンさんは日本語、英語、中国語、インドネシア語を操る国際派ですが、ドラマでは英語だけでなく関西弁や薩摩弁まで話さなければならず、大変なのでは?ディーン 薩摩弁も関西弁も自分にとっては外国語に近い感じで、最初は苦労しました。特に関西弁。薩摩弁はルールがはっきりあるのでリズムをつかめば大丈夫でしたが、関西弁は単語によってイントネーションが全く違うのでかなり苦戦しました。―役作りのために、五代さんにまつわる場所も回られたとかディーン はい。大阪取引所をはじめいろいろと。五代さんの末裔(まつえい)の方ともお会いしました。「こういう人物像にしていただいてよかった」とおっしゃっていただいたので、肩の荷が下りたというか、このままやっていけばいいんだと安心しました。―五代さんは、私利私欲とは無縁の人物だったそうですねディーン 五代さんのすごいところは、激動期の混乱の中、具体的なアイデアを持って実行したということだと思います。亡くなった後に分かったらしいのですが、ほとんど資産を持たず借財だけが残っていたそうです。―縁もゆかりもない大阪の経済の発展に尽くした…ディーン 「侍」ですね。刀を持っている者が侍じゃない。五代さんの生き方そのものが侍なんだと思います。―それを演技で表しているわけですねディーン 「このとき五代さんはこう思っていたんじゃないかな」と感情の流れを肉付けして演じているつもりです。気になる女性には声をかけなきゃダメ気になる女性には声をかけなきゃダメ―五代さん(五代友厚)のせりふの中で特に印象に残っているのは?ディーン うわぁ、いいせりふばかりだから難しいですね…。「達者で生きったもんせ」かな。もっと難しい言葉や志を高く持つ言葉、応援する言葉はいっぱいあるんですが、シンプルに「達者で生きてくれ」が心に響きますね。―それは、主人公・あさへの言葉ですね。唐突ですが、五代さんはあさのことが好きなんでしょうかNHK「あさが来た」で五代友厚を演じる俳優のディーン・フジオカさん=大阪市中央区のNHK大阪放送局(南雲都撮影)ディーン もちろん興味は持つと思うんですよ。当時は、女性に勉強は必要ない、家の商売に口を出すなんてとんでもない、という時代。疑問に思ったことを自分の言葉で相手に伝えるあさという女性に可能性を感じたと思います。―「これからの女性」の可能性を持ったあさに興味を持った?ディーン 世の中は男女がいて成り立っています。女性の可能性を覚醒させるのが、五代さんにとって1つのミッションであったとしたら、あさのような人は絶対必要だったと思うんです。女性の立場で女性を導く人。その特殊な存在感にひかれたと思います。それと、何かを伝えていきたいと願うメンター(指導者)として、弟子のような感覚もあったと思います。―なるほど。それはそれとして、私がお聞きしたのは「恋心」という意味でのことだったのですが…ディーン それは、トレーラー(視聴者を牽引(けんいん)する映像)を作る方々の技術の素晴らしさですよ。ははは! まったく、すばらしい腕をしてますよね。―ドラマを見ていて、五代さんの中にあさへの淡い恋心が芽生えたのではと妄想してしまったんです。しかも、五代さんの片思い…。あさは人妻ですからディーン ははぁ、なるほど。脚本家やプロデューサーの意図とはちょっと違ってくるかもしれないけど、僕が演じていて感じたのは、男である以上、気になる女性がいたら声をかけなきゃだめだろうってことですね。これを世間では“ナンパ”とも言いますが、「君はすてきな人だ」とちゃんと伝えるべきです。僕がそんな考え方だから、“男として率直に生きている五代さん”のような感じが出たのかな。―女性としても興味があるから声をかけるわけですね。当時は、あさのような女性は好奇の目で見られていたと思うんです。五代さんと出会えたことは、あさにとって幸運だったんでしょうねディーン 女性として「こうあるべき」というものにしばられて幸せになれない人がいる。その一方で、五代さんみたいに「こんな生き方もある」と道を示してくれる人に出会い、自分の能力を存分に発揮して尊敬される人間になっていく人もいる。すごく幸せなことだと思いますね。―五代さんとディーンさん。共通すると感じるところはありますか?ディーン 五代さん、大好きです。僕が今まで歩いてきた道のりを客観的に見て、どこかに共通点があると思ってもらえたおかげで、今回のキャスティングがあったとしたなら光栄です。もちろん五代さんには到底及ばないですが。双子のパパと言ったらびっくりされた双子のパパと言ったらびっくりされた―ディーンさんは高校卒業と同時に海外へ行かれたということでした。そのきっかけはディーン 花粉症がひどくて。いや、もうしんどいわ~と思って…。―えっ、花粉症!? ディーン ドラスチックに症状がなくなるので、おすすめですよ。―はぁ…ディーン ははは。花粉症がきっかけの1つであることはまちがいないんですが、目的はちゃんとあって、IT(情報技術)を勉強しようと米国のシアトルに留学したんです。父がIT関連の仕事に就いていたのでその影響でしょう。1990年代はまだまだインターネットって何?という時代でしたが、「いずれITが当たり前になる時代が来るから」と。―その後、どういう経緯で香港や台湾に?ディーン 大学卒業後は米国で仕事に就くつもりだったのですが、9・11(2001年、米同時多発テロ事件)の影響でビザの切り替えが難しくなってしまって…。で、ここで停滞しているぐらいなら次に進もう、と思い、アジア放浪の旅に出ました。―その途上で転機が訪れたんですよねNHK連続テレビ小説「あさが来た」の1シーン(NHK提供)ディーン 香港でした。あるイベントに飛び入りでパフォーマンスをしたら、モデルにスカウトされまして。生きていくためにお金を稼がないといけないので引き受けました。そのうち、ミュージックビデオやテレビCMなど映像の仕事も増え、演技が面白いなと思うようになりました。―05年に香港映画の主演に抜擢(ばってき)され、俳優としてのキャリアをスタート。その後、台湾のテレビ局からオファーが入ってドラマや映画への出演が続き、日本デビューは2年前でした。今回の朝ドラ出演で国内での知名度は一気に跳ね上がりましたねディーン 家族、特に祖母が喜んでくれています。これまではどこか別の国、別の言語で活動していたから実感がなかったそうですが、今は、ちょちょっとチャンネルを回したら僕が出ているのがうれしいみたいです。―ご家族といえば、「ディーンさんには妻子がいる!」とインターネット上で大騒ぎになったのをご存じですかディーン 大阪のイベントで「双子のパパです」と言ったら、みなさんにびっくりされました。それがネットニュースになったそうですね。―突如現れた“謎のイケメン”が多くの女性のハートをわしづかみにしていたんです。それが、すでに結婚していて、しかもお子さんもいると判明したんですから、そりゃあショックですよディーン 僕にそんなにも興味を持っていただいて素直にうれしいです。特に隠すつもりもなく、時々インスタグラム(画像共有アプリ)に妻子の写真も投稿していたんですが、みなさんには届いていなかったようですね(笑)。―ご家族はどちらに?ディーン 妻と子供たちはインドネシアのジャカルタに住んでいます。妻はインドネシアの人なんですよ。今は離ればなれで寂しいですが、単身赴任でがんばっています。“五代ロス”おびえる!?ファンも感激“五代ロス”おびえる!?ファンもアメちゃんもらって感激―これまでディーンさんの活動は海外がメーンでしたが、どんな感覚なのでしょうかディーン どの国にも年に半年以上は住まない「パーマネントトラベラー」の感覚に近いですね。帰属感ゼロで、どこのルールを守ったらいいのか分からず、自分の国籍まで分からなくなる状態…。―「あさが来た」に出演している今現在は?ディーン その時活動している場所。今は大阪、日本です。―収録中は大阪に住んでいらしたんですね大阪も五代さんも大好きですと笑顔のディーン・フジオカさんディーン 大阪はご飯が安くておいしい。みなさんが同じことを言うと思いますが、それってすごいことなんですよ。町が碁盤の目状になっているところもすばらしい。いろんな国で暮らしましたが、大阪は国際的にもトップレベルの豊かさだと思います。―話は変わりますが、堺市で行われたイベントには大勢のファンが殺到したそうですねディーン あ、飴ちゃんいただきました。ほかにもいろいろと。―飴ちゃん…ディーン この場をお借りして、ありがとうございました!―「五代さま~」と黄色い声も飛んだとかディーン 「おディーン」と呼ばれる方もおられますよ。―おディーン?ディーン 日本で仕事を始めたころ、テレビのバラエティー番組で「好きな食べ物はもちろん、おディン(おでん)ですよね」と聞かれ、なるほどと思って「はい。大根が好きです」と返すと、「あぁ、ディンこんね」となりまして。その日大根の売り上げが上がったそうなんです。で、景気もいいから「おディーン」となりました。―では、数年来のファンの間ではおディーンで通っているんですねディーン 朝ドラをきっかけに知ってくださった方からは、「五代さん」と呼ばれますね。ということは、「ディーン・五代」かな(笑)。―朝ドラの話に戻ります。史実では五代さんは主人公・あさより早く亡くなっています。いつか訪れる「五代ロス」におびえているファンも多いのですが…ディーン その後はみなさんで五代さんをもっと掘り下げてくださいね。―五代さんをもっと知りたいと本を読んだり、ゆかりの地を訪れたりする人も増えていますディーン それはもう、ぜひやってください! 五代友厚という役のおかげで、僕自身がすごく影響を受けました。役者としてだけでなく生き方という意味でも。また、子供の親となり、後世に何を残せるのか、ということを考えるようにもなりました。―やはり、ディーンさんと五代さんがリンクします。今後も日本で活動されるのでしょうか。そして、五代さん以外のいろんな顔のディーンさんを見られるでしょうかディーン はい、日本での仕事は続きます。1月からは民放ドラマに出演します。これからもよろしくお願いします。―それを聞いて安心しました。楽しみですディーン・フジオカ 昭和55(1980)年8月19日、福島県生まれ。香港映画「八月の物語」(2005年)主役で俳優デビュー。台湾に拠点を移し中華圏エンターテインメントの新星として活躍。日本ではカンテレ系「探偵の探偵」、NHK連続テレビ小説「あさが来た」など。

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    昼ドラ終焉でフジテレビの大改革は成功するのか

     52年の歴史を誇るフジテレビのお昼の連続ドラマ“昼ドラ”が、来春でその歴史に幕を下ろすことになった。 昼ドラといえば、04年に放送され、女優・大河内奈々子と小沢真珠が泥沼の愛憎劇で社会現象を巻き起こした「牡丹と薔薇」が、出演者とストーリーを一新して「新・牡丹と薔薇」として今月30日からスタートすることが発表されたばかり。最高視聴率13.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、昼ドラ史上に残る高視聴率を記録した“ボタバラ”が約11年ぶりに復活する一方で、昼ドラ自体は来年3月をもって終了することになる。 フジテレビ系列の東海テレビの制作で1964年に放送された「雪燃え」を皮切りにスタートした昼ドラは当初、著名な作家の原作をもとにした文芸ものや人情もの、特定の人物の成長や成功への道筋を描いた一代記的な内容のものが多かった。 だが、86年に放送された「愛の嵐」をキッカケに徐々に路線変更がなされ、登場人物同士の濃密な人間関係にも焦点を据えるようになっていき、00年代に入ると、「真珠夫人」(02年)、「牡丹と薔薇」(04年)、「冬の輪舞」(05年)など、ドロドロの愛憎劇を描いた作品が話題となり、主婦層を中心に高い支持を集める。2004年の「牡丹と薔薇」で熱演する大河内奈々子(右)と小沢真珠 数多くのドラマを手掛ける放送作家は語る。 「昼ドラといえば、非現実的とも思える過剰な演出やドロドロの愛憎劇をはじめとするストーリー展開が印象的ですが、そのあたりの“刺激の強さ”は、いわゆる家庭に入った主婦のハートを刺激する狙いがありました。同じく主婦層をターゲットにしているレディースコミックなんかも、同じようなテイストの作品が多いですからね」 だが、一時代を築いた昼ドラも時代の流れには勝てなかったようだ。“昼ドラ”を取り巻く時代の変化 「昼ドラ終焉の要因の一つとしては、まず一昔前に比べると専業主婦自体が減ったことが挙げられるでしょう。最近は夫婦共働きというスタイルも多いですしね。あと、娯楽の多様化によるテレビ離れも深刻です。この点に関しては、昼ドラだけでなく、テレビ業界全体が抱える問題ではありますが、テレビを見るよりもスマホをいじってネットを楽しんだり、ゲームをやったりしている人は確実に増えていますからね。最近は、スマホを媒介にした女性向けの恋愛趣味レーションゲームなんかもハヤッていますが、あれなんかはまさに昼ドラの好敵手と言ってもいいでしょう」(同放送作家) こうした背景もあり、昨今のテレビ業界では視聴者離れを食い止めるため、番組内容にも変化が見られると語るのは、テレビ誌の編集者だ。 「以前に比べると、視聴者が得した気分になれる情報やエッセンスを取り入れる番組が増えている印象です。情報番組はもちろんのこと、トーク番組やバラエティー番組なんかでも、グルメや健康、美容、ダイエット、生活の知恵や小遣い稼ぎのサイドビジネスなどを紹介したり、クイズ番組でも、クイズのお題の中にそういった要素を取り入れてみたり。逆に、完全に娯楽に特化したフィクションのドラマは、視聴率的にも難しい立場に追いやられているのが実状です。『家政婦のミタ』や『半沢直樹』、最近では『下町ロケット』のような高視聴率を記録する“お化け番組”もごくまれに出現しますが、ドラマの視聴率自体は軒並み苦戦していますからね。昼帯は元々情報番組が多い時間帯でしたし、“昼ドラ”の視聴者離れはシビアな話、作り物のドラマを見て過ごすよりは、情報番組でも見て、少しでも自分にとってプラスになる情報を得ようという視聴者心理が働いているのかもしれません」視聴者のドラマ離れも終焉の要因!? フジは、昼ドラとともにタレント・小堺一機が司会を務めるお昼の長寿番組「ライオンのごきげんよう」も来春で終了し、平日昼帯の大改革で視聴率回復を目指す方針のようだが…。 「最近のフジさんといえば、昨年4月に『バイキング』を、今年3月に『直撃LIVEグッディ!』と『みんなのニュース』をスタートさせました。情報番組に力を入れている印象で、そのスタンス自体は時代の流れに沿っているとは思いますが、視聴率的には苦戦し、結果が伴っていませんからね。元々、情報番組や報道番組よりもバラエティー番組やドラマといった娯楽に特化した番組を得意とし、黄金時代を築いたフジさんだけに、情報番組となるとなかなか難しい部分もあると思います。今回、昼ドラと『ごきげんよう』という2本の長寿番組を終了し、大改革に打って出るわけですが、『笑っていいとも!』終了の二の舞いにならなければいいのですが…」(同テレビ誌編集者) フジにとって、黄金時代を支えた昼ドラの終焉は吉と出るか、凶と出るか!?

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    玉木宏演じる『あさが来た』新次郎 女性に大人気の理由とは

     空前のブームとなっているNHKの朝の連続テレビ小説『あさが来た』。その中で、女性たちを魅了しているのが、主人公あさ(波瑠)の夫・新次郎(玉木宏)だ。 「“わてには無理です”なんてへらへらしながら、ふわりと難問をかわしてくれる。どんな危機に直面しても“なんとか、なるでしょう”と深刻に考えすぎない柔軟さが、逆に男らしい。男性はこのくらいド~ンと構えているほうが絶対、魅力的」(51才・主婦) 「イケメンで気が多いように見せかけて、妻に一途。そのギャップと玉木宏さまの見目麗しさに朝からやられっぱなしです」(49才・会社員) 「まるでスキップをするようにさらりと相手のために動いてくれて、それでいて、わざわざ自分がやったとアピールしない。あくまで、自分は“遊び人”というスタンスは崩さないんです」(52才・主婦) 姉のはつ(宮崎あおい・30才)が大阪から和歌山への移住を前に、姉妹水入らずのときを過ごすべく加野屋へ泊まりにきたとき。そんな大事なときにも出かけて行ってしまう新次郎にあさは“もしや女性か”と気をもむが、ほどなく戻ってきた新次郎がそっと差し出したのは、はつが大切にしていた嫁入り道具の琴だった。朝ドラ「あさが来た」の衣装で紅白歌合戦に登場した波瑠(左)と玉木宏(右)=2015年12月31日、東京・渋谷区のNHKホール(撮影・山田俊介) 思えば、はつが嫁いだ山王寺屋が潰れ、あさの前から姿を消したときも、決してあさにはバレないよう新次郎は、はつを捜し出した。あさが、笑顔になれることを敏感に察知して動くことができる。それでいて、ここぞというときには側にいてくれる。 「あさが炭坑の経営で苦しんでいるとき、新次郎が福岡まで会いに来ましたよね。かごに乗って(笑い)。それも、“わてが会いたくなったんや”なんて言葉まで。あさだって会いたかったはずです。その気持ちに気づいて、でも恩着せがましくなんか言わない。男だらけの炭坑で男のように闘うあさのピンと張り詰めた気持ちを、本来の天真爛漫なあさに戻してあげた。あぁ~、私もあんな夫がほしかった!」(41才・会社員女性) 自分を前面に押し出さないスマートさこそが、新次郎の真骨頂。でも、決して“へらへらやさしいだけ”の男ではない。 「遊び歩きながらも世の中の動きをピンと察知できるのは、柔軟な心の持ち主だから。でもただ柔らかいだけだと、豆腐のようにぐしゅっと潰れてしまう。いうなれば、彼はこんにゃく。しなやかで柔らかな心でありながらも、絶対に煮崩れない芯の強さがある」(47才・主婦) 新次郎の魅力あふれるシーンが、次々と描かれ、なかでも私たちの胸をキュンとさせたのは、あさの口元を“むにっ”とつまむシーン。「あんたの武器はこの柔らかい大福餅だす」 このセリフに、新次郎の魅力、そして『あさが来たブーム』の本質が込められている。なぜ、ここまで新次郎に惹きつけられるのか? 朝ドラ評論家の田幸和歌子さんは、AKB48が歌う主題歌にも、その心理が隠されているという。 「サビに入る前の、《やりたいこと好きなように自由にできる夢》という歌詞などが、象徴的です。社会で女性の活力が求められ、結婚しても、出産しても、仕事を持ち続けることが当たり前となった今、女性がやりたいことを思う存分やって、それを男性が支えてくれるのが、働く女性にとってのひとつの理想形になっている。 明治の時代に、社会に出ようとするあさの行く手には、それを阻もうとするいくつもの障害が出てきますが、新次郎がそれを涼しい顔でどんどん取り除いていきます。その様はどこか、黙って手を差し伸べる母のようでもあり、ガンガン進んでいく社長をサポートする秘書のようでもある。細かいところに目配りができる男性は、今の時代の女性にこそ求められている」 近藤正臣(73才)が演じる新次郎の父親・正吉も、新次郎に負けず劣らずの人気だったが、それはやはり、あさの行動力を買い、温かく見守ってくれた心強い存在だったからだろう。 「新次郎も、正吉も、家庭の外に出て働く女性を支えられる魅力を持っている。女性が社会に出ることを応援し、本人に足りない部分をさりげなくフォローしてくれる男性を求めている女性はこんなにも多いのだと、彼らの人気から実感します」(田幸さん)関連記事■ 朝ドラ新ヒロイン波瑠 純白の衣装で伏し目がちな美しい笑顔■ 年内にも出産シーンが登場? 『あさが来た』禁断のネタバレ■ 爽やかな朝がウリのNHK朝ドラで魅せた波瑠らのキスシーン■ 『あさが来た』好調の玉木宏 女子大に人気も過激トーク封印■ 小林よしのり氏「『あさが来た』は絶対に妾を描くべきだ」

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    NHKあさが来た ハゲタカ全盛時代に光る大阪人の「商い」魂

     予想以上のヒットとなっている朝ドラは今年のドラマのラインナップにも影響してきそうだ。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析した。* * * いよいよ、2016年の幕が開けた。今年のテレビドラマを考えるにはやはり、NHK連続テレビ小説『あさが来た』から始めるべきでしょう。 視聴率は12週連続20%超えで、最高値は『ごちそうさん』の27.3%にあとひと息。数字だけでなく、評判もぐんぐん右肩上がり。幕末~明治という変革期の中で、大阪の両替商・加野屋に嫁ぎ、しなやかに、力強く自分らしく生き抜く主人公・あさ(波瑠)。その姿は凜(りん)としていて、まぶしい。大阪取引所の正面に立つ五代友厚の銅像=大阪市中央区 あさの輝きは言うまでもないが、このドラマのエッセンスは『あさが来た』ならぬ、『あきない(商い)が来た』ではないか。「商い」。加野屋を舞台にした「商い」の仕方、考え方、所作。それらが丁寧に細やかに、哲学も含めてぎゅぎゅっと詰まっていて、大きな見所になっているのでは。 たとえば、あさの義理の父・大旦那の正吉。演じた近藤正臣は「大阪商い」の秘密を明かしている。最初は、衣装として履くぞうりの鼻緒がすべて「黒」だった。が、わざわざ小道具さんに指示を出して、茶と黒の二色にした、と。切れた時に自分で替えた、という設定を考えた上で。「昔、鼻緒はしょっちゅう切れてたもんなんですよ。切れたら、替えなあかん。で自分の手拭いかなんかを裂いて鼻緒をとり替えた、そういう設定にした」(『あさイチ』のインタビューにて) この小さな工夫には、大きな理由が潜んでいた。「大阪は始末の町だからです」と近藤正臣。無駄に使い捨てしない。できるものなら直して使う。ものを循環させる。二色の鼻緒の草履を「履いてると、そういう(大阪商人の)気になれるんです」。 始末を大切にする「大阪商人」になりきる役作り。両替商の旦那の心根を作るために、わざわざ草履の鼻緒の色を工夫して履く。画面で見ても気付かないほど細かな部分に、このドラマの「魂」がはっきりと見えた気がした。 日本初の経済小説を書いた井原西鶴は、商売を行う上で必要な心得として「始末」「算用」「才覚」「信用」を挙げている。あるいは近江商人から生まれた「相手良し、自分良し、世間良し」という三方良しの精神は、かつて日本の「商い」の神髄として浸透していた。 相手の立場を考え、それによって自分自身も生かされる--。あさと家族の物語の中に、そうした「商い」の哲学の潔さ、かっこよさが透けて見える。ハゲタカ的な経済行為が世界を席巻している今だからこそ、「商い」に惹かれる。『あさが来た』が人気を集める理由の一つ、かもしれない。 あるいは、人気急上昇中のディーン・フジオカが演じる五代友厚という人物もそう。「東の渋沢(栄一)、西の五代」と並び称され、大阪経済の牽引役だったという五代は、「上に立つ者の5ヶ条」を残している。・愚説愚論だろうと最後まで聞く。・地位の低いものが自分と同じ意見なら、その人の意見として採用すること。手柄は部下に譲る。・頭にきても大声で怒気怒声を発しない。・事務上の決断は、部下の話が煮詰まってからすること。・嫌いな人にも積極的に交際を広めること。 当り前のようでいて、今だってなかなか実現できないこと。商売とは、えてして倫理を無視して欲に突っ走りがち。自分自身のブレーキとして、精神性や哲学を身につけなければ--かつての大阪商人たちはそう自覚していたのだろう。 歴史ドラマといえば、戦国武将に維新の志士と、きな臭い戦いに偏りがちだった。そんな風潮に今、『あさが来た』が風穴を開けようとしている。商売や町の暮らしを細やかにリアルに、より深く描く中から、時代と人々の挌闘ぶりを浮き彫りにするドラマの魅力に、みんな目覚め始めた。 さて、今年の「商い」ドラマとして、まずは1月3日、『百年の計 我にあり~知られざる明治産業維新リーダー伝~』(TBSひる 12時)が登場してくる。江戸初期から続いてきた銅商・住友が、近代化の波の中で企業に脱皮していく激動のプロセス。いかにイキイキと深く、人と時代を描き出すことができるか。あえて「ドキュメンタリードラマ」と銘打っているあたりにも、チャレンジの気配が漂っている。 いよいよ2016年、ドラマ界に「商いが来ている」。関連記事■ AKB48が朝ドラ主題歌初担当 会見で見せた柏木由紀のお脚!■ 朝ドラ新ヒロイン波瑠 純白の衣装で伏し目がちな美しい笑顔■ 大河と朝ドラ子役の鈴木梨央 紅白でAKB48との共演願う■ 相武紗季 ノースリーブのドレスに身を包んだその麗しき美貌■ 大河も経験した『あさが来た』P 大河と朝ドラとの違いを解説

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    キムタクはなぜジャニーズに残ったのか

    とは違う新しい「経営」を試みようとしている。今回の一件で、ジャニーズが崩壊するとか潰れるわけはなく、芸能界での立場がかなり遜色されるという懸念の方が大きい。 これまでのジャニーズは「帝国」であって、ジャニーさんは「帝王」だった。それが赤西くん(仁・元KAT-TUN)みたいに自分の都合で「やりたいことあるから脱退します」みたいな人が出てきた。80年代のジャニーズではとても言えなかったことです。自分がどうしてもなりたくてなった「アイドル」を自分から辞めるなんて有り得なかったし、事務所から肩を叩かれて「もうしようがないな…」ってところまでやって、ようやく出ていくのが当たり前だった。80年代のアイドルは、「僕は給与明細なんて見たことがありません」ってぐらいにお金をもらっていないので、辞めたくても辞められなかったんです。キムタクはなぜ残ったのかキムタクはなぜ残ったのか もし、4人が辞めることになれば、「SMAP」という形は難しくなる。ジャニーズが容認して4人は違うところで、木村くんはこちらでっていうのは有り得ない。ジャニーズは必ず「SMAP」を消滅させます。かつて、森(且行)くんが辞めたとき、メリーさんは「森? 誰それ? そんな子、最初っからいなかったでしょ。SMAPは最初から5人よ」ってマスコミに言ったことがあります。ただ、NHK紅白歌合戦の司会を6回もした中居くんについては、ジャニーズだって本当は手放したくないでしょう。中居くんは「ジャニーズに一生いるよ」と公言していたぐらいだし、内々の飲み会や誕生会のイベントでも必ず中心人物になる。 その中居くんが辞めるっていうのが、僕にとっては一番驚いた。中居くんは去らずとも木村くんは去るだろうと。木村くんは普通に考えて「ジャニーズにいた方が得策だな」という単純な考えで残留を決めたんだと思います。木村くんは俳優として名高く活躍してきたけど、まだ大河ドラマの主役をやったことがないんです。木村くんはとにかく大河の主役がやりたい。ただ、この1、2年数字が取れなくなってきて「これちょっとまずいな…」ってとこで仕方なく、映画「HERO」を木村くんに持ってきた。こんなことが出来るのがジャニーズなんです。映画では中居くんの方が「模倣犯」にしても「私は貝になりたい」にしても、当たった実績がある。そういう意味で木村くんは今、とても微妙な立場です。天下の木村拓哉といえども、例えば一人で東京ドームを満席にする福山雅治に比べると、やはり小さい存在なわけです。木村くんは自分がそういう立場であることをもちろん分かっていますよ。 木村くんがジャニーズを辞めない理由として周囲に言っているのは、SMAPのメンバーがメリーさんに直接罵倒されたわけでもないし、マネジャーが辞めるから辞めるというのは違う、というのはごもっともな意見だと思う。中居くんにしてみれば、自分が筆頭タレントとして、ジャニーズを出ても一人でもやっていける自信がある。4人は事務所を辞めると言って、既に「辞表」という形の文書が提出されたとも聞いているが、ジャニーズがそれを受理するかどうかというのはまた違う話。「CMの契約期間中はダメ」とか、法的な問題もある。大人の事情の中でいつ辞めるのかは、時間の問題があるだけ。整理し終わった結果が解散なのか、残留なのか、退社なのか。はっきりしているのは飯島さんが来月限りでジャニーズを辞めるということです。これまでのジャニーさんの性格から考えれば、「独立」イコール「絶縁」です。あんなに可愛がっていたトシちゃんにしても、そこまでするかってぐらい干されましたね。いま、トシちゃんはすっかり自虐ネタにしてますけどね(笑)。  繰り返しになりますが、ジャニーさんは本当に天才です。時代が後押ししたというのもありますが、昨年末の紅白を見るとよく分かります。例えば、ジャニーさんが一番最初にマネジメントした人って知っていますか? 実はね、森進一さんなんです。森さんをスカウトしてデビューさせたのがジャニーさん。もともと、ナベプロのマネジャーをしていたジャニーさんは、その後「ジャニーズ」というグループをつくり、ナベプロから独立したんです。それから、フォーリーブスや郷ひろみが大当たりして、郷ひろみが辞めた後に株式会社ジャニーズ事務所を設立し、そこから井上純一、川崎麻世、たのきんって続いていくんです。 紅白出場者では、森進一に郷ひろみ、関ジャニ∞、SMAP、嵐、TOKIO、V6…つまり、男の半分はジャニーさんが育てた人です。そしてマッチ(近藤真彦)が大トリ。これは無理がありますよね。トリの部分で数字が取れてないんで、さんざん叩かれましたが。これもジャニーさんのゴリ押しですよね。ジャニーさんの「集大成」なんです。もともとジャニーさんは、楽器を持って歌うのが当たり前だった「GSブーム」の時代に「歌って踊る」というおかしなことを始めたんです。それが大ウケした。聞くより観るという斬新な面白さ。フォーリーブスからはバク転が入り、国民がそれまでみたことのないものがどんどん出てきた。70、80年代の「アイドルはトイレにも行きません」みたいな時代には、コントまで始めちゃった。今はアイドルが紅白の司会、ニュースキャスターです。それまではなかったエンターテインメントをメディアで先駆けてやってきたのがジャニーさんです。それを60年も続けてるわけですよ。 今回、ジャニーズは本当だったらSMAPそのものは残したい。ただジャニーズは去るものは追わないので、お互い意地の張り合いという状況。SMAP解散までの限定的な活動はあるかもしれません。SMAPの名前の権利を手放すつもりはジャニーさんにはないだろうし、では木村くんのいない4人でネーミング使用料を払ってSMAPをやるのかいうというのも難しいです。彼らもいい歳ですし、いつまでもSMAPではなくて一人の役者やアーティストとして実績を残していきたいというのがある。ジャニーズは10月契約更新が多いのでそこまではおそらく契約があるでしょう。これまで解散をうたってツアー周りしたのは「シブがき隊」だけなんです。夏にはSMAPの解散ツアーが行われる、なんて事態になるかもしれませんね。(聞き手、iRONNA編集部・溝川好男)平本淳也 1966年生まれ。神奈川県厚木市出身。元ジャニーズ所属タレント。著書34冊を出版する作家、多くの企業の立ち上げからプロデュースまで手掛ける実業家として幅広く活動する。

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    SМAP解散危機、落日のジャニーズ帝国

    の確執が直接の原因と伝えられる中、突然の一報にファンは気をもむ。世代を超えた人気グループの分裂騒動。芸能界に君臨する「ジャニーズ帝国」はついに落日へと向かうのか。

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    中居正広 しゃべれるアイドル目指し事務所に司会の仕事直訴

     この8月、SMAPのリーダーの中居正広(40才)が、メンバーの中ではいちばん早く40才を迎えた。40才でありながらいまなおアイドルとして活躍している中居だが、SMAPが結成されてからの25年間は、長年、華やかな表舞台で活躍してきた中居のイメージとは異なる苦悩の日々だった。 1991年9月、『Can’t Stop!! -LOVING-』で、結成から3年目にして、ようやくCDデビューを果たすが、ここでも大きな挫折を味わう。それまで、ジャニーズアイドルのデビュー曲のオリコン初登場1位は当たり前だったが、この曲は前代未聞の初登場2位となってしまったのだ。さらにライブをやっても、空席ばかりが目立った。 また『歌のトップテン』『夜のヒットスタジオ』『ザ・ベストテン』など名だたる歌番組が次々と終了、活動の場も少なくなった。そんな状況に中居は「自分たちも、いつ解散してもおかしくない」という恐怖を感じていたという。中居は過去のインタビューで、当時のことをこう語っている。「光GENJIと同じ衣装を着て同じような楽曲を歌っても仕方ない。ぼくらはいままでのアイドルが誰もやってこなかったことに挑戦していかないとだめだと思った」 彼らの決定的な転機となったのは、バラエティー番組『夢がMORIMORI』(フジテレビ系)へのレギュラー出演だった。『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)の前身となる同番組では、当時のアイドルとしては異例ともいえる本格的なコントに挑戦した。中居も女装やハゲヅラ、コスプレなどを披露して話題を呼び、一気にSMAPの名前は広まっていった。 そうした日々の中で、中居は、将来を見据えて新たな目標を心に決めたと8月11日放送のラジオ番組『中居正広のsome girl’ SMAP』(ニッポン放送)で明かしている。「しゃべれるアイドルになろう。まずSMAPの中でいちばん、そしてジャニーズの中でいちばんおしゃべりができるようになろうって思ったんだ」 当時の中居を知るテレビ局関係者が振り返る。「あの当時の中居さんは、“二番手でも三番手でもいいから、とにかく司会をやらせてほしい。大阪の番組やBS、朝の情報番組のアシスタントでもいいから、しゃべる仕事をやらせてほしい”って、自ら積極的に事務所に訴えていました」 その甲斐あってか、中居は『中居正広のボクらはみんな生きている』(フジテレビ系)、『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)など、テレビ・ラジオを問わず、さまざまなMCに起用され、25才のときには史上最年少で『NHK紅白歌合戦』の司会にも抜擢された。関連記事■ SMAPファン デビューCD3枚買ったのがバレ親に怒られた■ 『ATARU』中居正広 ドラマ収録終了までトンカツ断ちを宣言■ TOKIO国分 中居と酒を飲みながら「櫻井は脅威だね」と話す■ 新生モー娘。、舞祭組、武井壮…SMAP中居正広がブレーク支える■ ジャニーズ野球大会でおいしいところを持っていった中居正広

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    スーパースターは傷つけてはいけない SMAP解散は必ず阻止できる

    も一発サインしていたと言われますが、SMAPも同様なんです。だからどす黒いものが渦巻くのが当たり前の芸能界、隠せということではなく、ファンに向けて表にしてはいけなかった。 私はSMAPを解散させてはいけないと思いますし、解散を阻止できると思っています。いかなることをしてでもSMAPを守らなければならない。今回の報道を受けて、ジャニーズ側による独立メンバーへの悪影響が既に噂されていますが、絶対やってはいけません。たとえ年に数回しか集まらない存在になったとしても、SMAPの看板は彼らがおじいさんになるまで残さなければならない。SMAPは日本の芸能界の宝なんです。だから報じる側のメディアもなんでもかんでもこき下ろせばいいわけではなく、至宝として認識しておかなければいけない。SMAPにまだまだ輝きを持ってもらうようにしておいたほうが、報じる側も日本の芸能界全体にとってもそのほうがプラスになると思います。もちろん決して事実にフタをしろと言っているわけではありませんし、伝えなければいけないところは当然報道しなければいけません。もろ手を挙げて礼賛するのが望ましいことではないですけど、例えば山口百恵は好き嫌いを超越した存在になったわけですが、芸能界にはそのような傷つけてはいけないような存在が何人か必要なんです。もし事務所の人間たちが今回の騒動の火種について心当たりがあるんだったら、騒動の大きさを自覚してSMAPという宝を大事にしなければいけません。大事にしないと、今後のジャニーズ事務所の屋台骨を大きく揺るがすことになりかねません。中居君に代表として記者会見に出てきてほしい 解散という事態になれば、芸能界にも当然大きな影響を与えることになるでしょう。SMAPロス、「スマロス」になるんでしょうか(笑)。スマロスの影響は世間にとって計り知れないものになるでしょうが、人は忘れやすい動物です。SMAPが解散しても何年か経てば次々若いグループが出てきて、表向き関心がなくなるかもしれませんね。むしろ解散の最大のダメージは世間が芸能界に持つイメージが大きく変わることではないでしょうか。一般の人は芸能界に憧れる気持ちがある反面、近寄れないイメージを持っていると思いますが、憧れの部分がより薄れてしまう気がしています。芸能界は夢を売る商売ですから、現実に即してなくてもやはり夢を売っていかなかければいけません。世間に夢を見させることは、芸能界でエンターテインメントの番組を作っている人間にとっては非常に大事なことです。だからこそ一番大事な要素の夢の部分が、ゴタゴタしていてメンバーの意図とは裏腹に別れてしまったなどと、まるで韓国の芸能界であったような話を見せてはいけないんです。 あくまで私の希望ですが、SMAP存続の落としどころを模索するなら、中居正広に代表として記者会見に出てきてほしい。たとえ裏に彼等を操るマネジメント側がいたとしても、木村拓哉がジャニーズに残って他の4人が独立したとしても、中居君が「いろいろご心配ご迷惑をお掛けしました。でもSMAPはこれからも輝き続けるような存在でありたい。SMAPは解散しません、俺たち5人は変わらない」と言ってくれればいい。それだけのメッセージさえあればファンは絶対逃げません。何ならマネジメント側の意向をひっくり返して「俺がしゃべる。YouTubeに俺のコメントをアップします」なんて言ってくれれば、今度はジャニーズ事務所 対 1億2000万人の構図になるかもしれない。事務所を超えて一本立ちしたタレントが自分の言葉で話してくれることを、日本のファンは求めているんじゃないかと思いますね。 それに今は誰でもインターネットを利用して何らかの主義主張が出来るわけですから、日本の芸能界がこれほど成熟したという姿を見せるいい機会になるかもしれない。つまり最大のピンチを最大のチャンスに変えるきっかけになるんです。SMAPは全盛期の人気からは右肩下がりになったと口悪く言う人がいるかもしれませんが、中居君の言葉が一気にひっくり返しますよ。やっぱりSMAPは嵐とはひと味違う、中居の男気は凄いと今まで興味がなかった人にも訴えかけられるかもしれません。彼らが大衆に夢を与えることの出来る数少ないスーパースターだから是非やってほしいんです。 今回の騒動で今後のテレビは大きく変わるでしょう。私は大きく変わったらいいと思います。新たな番組を制作する可能性が出ることで、作り手の能力が問われるし、特定のプロダクションにおんぶにだっこの状態を変えられるチャンスを得たようなものだからです。出来る作り手は好機を感じているでしょうが、実現に移すには簡単ではないはずです。最近は作り手に批評家が多くなってしまったので、人の番組を批評ばかりせずに何とかしろよといいたい(笑)。テレビ業界も一見マイナスに思える出来事をプラスにしなければいけません。(聞き手、iRONNA編集部・松田穣)かげやま・たかひこ 同志社女子大学情報メディア学科教授。1962年、岡山市生まれ。早大政治経済学部卒。毎日放送プロデューサーを経て現職。専門はメディアエンターテインメント論。そのほかに上方漫才大賞審査員、コンフィデンスアワード・ドラマ賞審査員、日本笑い学会理事なども務める。主な著書に「テレビのゆくえ」(世界思想社)「影山教授の教え子が泣きにくる。」(雇用開発センター)など多数。

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    十字架を背負い続けるSMAP 解散は彼らの「解放」でもある

    しい文化も生まれない中で、終わっていくテレビを引き受けさせられているのがSMAPなのではないか。伝統芸能のようになっているテレビの看板をわざわざ引き受けさせられているような。テレビは華やかでなければいけないというものの象徴になっている。 タモリが「笑っていいとも!」をずっとやめられなかった苦しさを、SMAPが引き受けるんじゃないかと漠然と思っていた。解散によってそれが解放されるなら、むしろそのほうが幸福なんじゃないか。(聞き手、iRONNA編集部・川畑希望)なりま・れいいち ドラマ評論家、フリーライター。単著『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)『キャラクタードラマの誕生: テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)。

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    NHKのど自慢スペシャルでわかった やっぱりSMAPは「職業がスター」

    とつになれることを改めて感じた」中でも、今回も特に活躍もせず、最も冷静であった稲垣吾郎のコメントが、芸能界的には最も面白い。稲垣吾郎(41)「僕らも出場者と同じ気持ちになれた。最後の出場者という感じで歌えました。5大都市以外にもいろんな所に行くことが僕らには大事」 手伝ってもらって作った料理を出して喜んでいる場合ではないのである。SMAPは今後もスターであり続けねばならない。彼らの職業はスターなのである。

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    アラフォーSMAPの衰えぬ人気 20年前からの視聴者が継続支持

    もメンバー全員が30歳を超えている。その下の世代のグループの人気は、まだまだSMAP、嵐に及ばない。芸能記者が語る。「1980年代のたのきんトリオ、シブガキ隊、少年隊、光GENJIはデビューした頃、10代が主なファン層でした。彼ら自身は30歳を超えたら、アイドルとは認識されなかった。少年隊がコンスタントにシングルを発売していたのは、メンバーが24~25歳だった1990年まで。近藤真彦は30歳の1994年に結婚をしている。 以前は若い世代がテレビを見ていたので、確実に新陳代謝が起こっていた。しかし、現在は若い世代がリアルタイム視聴をあまりしなくなったので、少なくともテレビの世界では、男性アイドルの世代交代が起こりづらくなっているんです」 昔ほどの影響力はなくなってきているようだが、テレビがいまだに強力なメディアであることに変わりはない。テレビに出まくり、視聴率を稼いでいることが人気の条件となっている以上、今後もSMAP人気は続きそうだ。関連記事■ 杏 今も視聴率好調で「時代到来、日テレの命運かかってる」■ 「TV局を減らせ」と説く元業界人がTV界の現状を描いた書■ フジTV社員「数字取れるのはサザエさんとスマスマ位」と消沈■ 視聴率最高記録は『第14回NHK紅白歌合戦』の81.4%■ フジ月9『HERO』絶好調 『SMAP×SMAP』視聴率へも好影響