検索ワード:BBC/527件ヒットしました

  • Thumbnail

    記事

    【寄稿】北朝鮮危機  「炎と激怒」の後はどこへ行くのか

    2017年08月10日 15:17 公開 P・J・ クローリー元米国務次官補 米国と北朝鮮の非難合戦が激化する様子から察するに、金正恩のプロパガンダ・マシーンは不眠不休で回り続けているのだろう。 北朝鮮は核能力獲得に向けて、不安定化要因となる前のめりな一歩を踏み出し、国連に追加制裁を科せられた。国連のその動きに北朝鮮は次に、「千倍」もの報復を表明。するとドナルド・トランプ米大統領は、「北朝鮮はこれ以上、米国を脅さない方がいい。世界が見たこともない炎と激怒で対抗する」と約束した。 北朝鮮はトランプ氏のリターンボレーをどう返すのか。 まずはこのやりとりを、大きな文脈でみてみよう。同じようなことを前にも経験しているのか。そして未知で危険な領域に、実際どの程度、踏み込みつつあるのか。 北朝鮮をめぐる言葉遣いは、常に現実とは裏腹に思える表現だった。1953年の朝鮮戦争終結は、名目上は戦闘停止を意味したが、実際には公然とあからさまな敵対関係がずっと続いてきた。 1994年にも米朝の間で武力紛争が切迫したことがある。核拡散防止条約(NPT)で義務付けられている核施設の国際査察受け入れを、北朝鮮が拒否した時のことだ。 当時の危機は外交努力によって解決したが、これを機に北朝鮮の核開発をめぐる20年以上におよぶいたちごっこが始まった。北朝鮮は、核開発を停止するとリップサービスを繰り返しつつ、核兵器を実際に開発し、その核兵器を標的に到達させる手段を開発するというオプションを、確保し続けたのだ。 この間、国際社会は核開発停止と引き換えに北朝鮮に国交正常化を申し出た。しかし北朝鮮は、国交正常化と核兵器の両方を求めていたのだ。 米政府の北朝鮮政策は、そうとは認めないながらも実質的な封じ込め政策となった。無軌道な政権が核抑止力を実際に入手する前に自滅することを期待しながら、核技術の輸出を禁止した。 究極の保険プラン 近年では二つの現象が、北朝鮮問題の基本的な成り立ちを大きく変えた。 第一に、ブッシュ政権がサダム・フセインを、オバマ政権がムアンマル・ガダフィをそれぞれ失脚させたことだ。核兵器保有を検討しながら実際には作らなかった二人の国家指導者の失脚を見て、北朝鮮はシンプルな結論に至った。実際の核能力こそが、体制の継続を保証する究極の保険プランだと。 第二に、2011年末の金正日死去も、事態を大きく動かした。亡くなった最高指導者は、自分を支援してくれる中国の言うことにそれなりに従っていたため、北朝鮮の実際の核能力について否定し、その否定はそれなりに受け入れられていた。一方で、息子で後継者の金正恩は、あらゆるみせかけを取り払い、公然と核抑止力の保有に向けてひた走っている。 状況は急速に、悪い状況からさらにひどい状況へと進んでいる。トランプ政権は、何をどこまでなら容認できて、どこから先は容認できないのか、決めなくてはならない。 大統領候補のころから、トランプ大統領が北朝鮮問題を重視し、国家安全保障上の課題の上位に挙げていたのは、評価に値する。そして、北朝鮮にとって最大の貿易国の中国には、自分たちの従属国をなんとかするよう再三働きかけてきた。 その一方でトランプ氏は、北朝鮮問題のリスクと複雑さを見くびってきた。就任から間もなく、自分が何らかの形で解決すると約束したものの、好ましい政策の選択肢はないのだという現実を無視していた。 ある意味で、トランプ氏の「炎と激怒」という脅し文句は新しくない。米国はこれまでも常に、色々な形で(これほどドラマチックではないとはいえ)、もし北朝鮮が攻撃を仕掛けたら金一族の独裁体制は存在しなくなると言い続けてきた。とは言うものの、トランプ氏のレトリックは従来の米政府の姿勢より踏み込んで、もし北朝鮮が実際の核抑止力確保に近づいたら、先制攻撃に打って出る用意があると示唆しているかのようだった。 しかし、いかなる武力行使も、韓国や日本の何十万という市民をただちに危険にさらすことになる。先制攻撃を受ければ、北朝鮮はほぼ確実に反撃するだろう。 今回の応酬が従来と何が違うかと言うと、武力衝突の回避につながる外交プロセスの欠落だ。 レックス・ティラーソン国務長官は今月初めに報道陣を前に、北朝鮮のミサイル実験停止と核兵器放棄を議題にするならば米国は北朝鮮との対話を受け入れる用意があると述べた。しかし、追加制裁を前にしても北朝鮮は、国務長官の言うそうした条件を飲みそうにない。 国務長官の姿勢を中国は歓迎したが、北朝鮮の若き指導者は、中国にどう思われても気にしていないようだ。そして次の一手を決めるのは、彼だ。 非難合戦が過熱すると、バックのギアがない作用・反作用の連鎖反応がいつしか始まってしまう危険がある。 向こうがミサイルを撃つ。こちらが追加制裁をする。向こうが報復を約束する。こちらが恫喝(どうかつ)は容認できないと宣言する。向こうがまたミサイルを撃つ。その次は? その時こそ、レトリックと戦略を組み合わせなくてはならない。しかしトランプ氏の炎と激怒の裏に、戦略があるのかどうかよく分からない。 P・J・クローリー氏は元米国務次官補で、「Red Line: America Foreign Policy in a Time of Fractured Politics and Failing States(赤い線――分裂政治と破綻国家の時代の米外交政策)」の著者。 (英語記事 North Korea crisis: Where to now after 'fire and fury'?)

  • Thumbnail

    記事

    トランプ氏の生家、民泊に 等身大パネルも

    2017年08月10日 13:49 公開 ドナルド・トランプ米大統領が4歳までを過ごしたニューヨーク郊外の生家が、民泊サイト「Airbnb」に掲載されている。「豪華」な一軒家で、一晩777ドル(約8万5500円)で、最大20人が寝泊まりできるという。 Airbnb上の宣伝文句には、「現役大統領の自宅に滞在するという、珍しく特別な機会です」と書いてある。 ニューヨーク市クイーンズ地区にあるチューダー様式の一軒家は、トランプ氏が当選した2カ月後に214万ドル(約2億3500万ドル)で売却された。 民泊に提供している所有者は、トランプ氏やホワイトハウスと何の関係もないと強調している。 地下鉄駅の徒歩圏内にあり、寝室は5室、風呂・トイレは3室、トイレのみが1室あるという。 Airbnbの掲載ページには、「トランプ一家が暮らしていた当時から、ほとんど変わっていない。台所は当時のままで、豪華な家財道具は、トランプ家の当時の暮らしぶりや裕福さを表すものになっている」と書いてある。 家の一室には居住者が一人いるほか、「応接室にはドナルドの巨大な切抜きパネルがある」とも書いてある。 「夜遅くまでフォックスニュースを一緒に観るのに、最高の相手だ」とのこと。 ペットやパーティーは禁止だが、朝食の提供がある。 この家は1940年に、トランプ氏の父で不動産開発業者のフレッド・トランプ氏が建てた。トランプ大統領の出生証明書に記載されている。 未来の大統領が4歳になるまでこの家で過ごしたトランプ一家は、近くにあるさらに大きいレンガ造りの邸宅に引っ越した。 一軒家は昨年夏に売りに市場に出され、昨年9月にテレビの深夜トーク番組に出演した際、トランプ氏は家を買い戻したいと話していた。番組放送から間もなく、家は市場から姿を消したが、その後の12月に開発業者が139万ドルで購入。今年3月には214万ドルで売却された。 (英語記事 Trump's NYC childhood home rented for $777 a night on Airbnb)

  • Thumbnail

    記事

    北朝鮮と米国との緊張、心配すべきか?

    鮮政府が主に目指しているのは、生き延びることだ。米国との戦争は、その目標を深刻な危険にさらすだろう。BBCのジョナサン・マーカス防衛担当特派員は、現在の状況下で北朝鮮が米国やその同盟国を攻撃した場合、すぐにより広範な戦争に陥る可能性があると指摘する。金正恩政権は自暴自棄なわけではない、ということを前提とするべきだろう。 実のところ、北朝鮮が核武装国になろうとこれまで懸命に努力してきたのは、そのためだ。核があれば、北朝鮮によると、政権を倒す代償がより高くつくため、核が政権を保護してくれる。金正恩氏はリビアのムアンマル・カダフィやイラクのサダム・フセインのようになりたくはないのだ。 韓国・ソウルにある国民大学校のアンドレイ・ランコフ教授は英紙ガーディアンに対し、「衝突の可能性は非常に低い」が、現時点で北朝鮮はそれと同じくらい「外交交渉に興味がない」と話した。 「北朝鮮はまずシカゴを地図から消し去る能力を得たいと考えており、外交的解決に関心を持つのはその後だろう」とランコフ教授は話した。 米国からの先制攻撃はどうだろうか? 米国は、北朝鮮を攻撃すれば、彼らが韓国や日本に報復せざるを得なくなることは分かっている。 そうすれば多くの人命が失われる。そこには、兵士や民間人の何千という米国民も含まれる。 さらに、核弾頭を搭載したミサイルが米国本土に発射されるというリスクを米政府は負いたくはない。 最後に、北朝鮮にとって唯一の同盟国である中国は、金政権の崩壊の方が戦略的に良くない結果だと考えている。だからこそ金政権を支えてきた。中国国境を隔ててすぐそこに米国と韓国の兵士がいるなどというのは、中国政府が直面したくない将来だ。しかし戦争となれば、そうなるだろう。 2. 目にしているのは言葉であって行動ではない トランプ大統領は米国の大統領が通常口にしないような言葉を使って北朝鮮を威嚇したかもしれないが、だからと言って米国が積極的に臨戦態勢を取ろうとしているわけではない。 ある米軍関係筋はロイター通信に対し、「レトリックが強まったからと言って、我々の姿勢が変わるわけではない」と話した。 米紙ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、マックス・フィッシャー氏はこれに同意する。「国際関係で最も重要なのはある種の合図であり、指導者が思い付きで口にする発言ではない」。 さらに、北朝鮮が7月に大陸間弾道ミサイルの発射実験を2度行った後、米国は実証済みの戦術に立ち戻った。国連安全保障理事会による北朝鮮の制裁措置だ。 そして米国の外交官たちは、中国やロシアから支持を得ていることも指摘しつつ、依然として交渉再開に期待を示している。 これは北朝鮮に相反するメッセージを送ることになるが、同時にトランプ氏の厳しい語調を和らげることになる。 だが、現在の緊迫した状況では、解釈を誤れば偶発的な戦争につながるおそれがある。 米シンクタンク、軍備管理協会(ACA)のダリル・キンボール氏はBBCに対して、「北朝鮮で停電が起こり、それを彼らが先制攻撃の一部と考えるかもしれない。また、米国が非武装地帯(DMZ)で間違いを犯すかもしれない」と話した。 「双方が計算を誤り、状況がエスカレートして手に負えなくなる方法は色々ある」 3. 過去にも同じことが 米国のP・J・クロウリー元国務次官補は、北朝鮮政府が1994年に自国の核施設に国際査察団が入ることを拒否した際、米国と北朝鮮は武力衝突寸前の状態だったと指摘する。当時は外交が勝利した。 北朝鮮は何年にもわたって米国や日本、韓国に対して挑発的な脅しを繰り返し、ソウルを「火の海に」すると何度か脅してきた。 トランプ氏の発言は内容で、ともすれば発言の仕方でも米国の大統領として前例がないというわけではない。 クロウリー氏は、「米国はこれほど過激ではないにせよ様々な形で、北朝鮮が攻撃を仕掛ければ、北朝鮮の政権が崩壊すると常に伝えてきた」と述べた。 その上でクロウリー氏は、今回の違いは米大統領が先制攻撃を仕掛けると示唆している様子だったことだ(後になって、レックス・ティラーソン国務長官がこれを弱める意図の発言をしたが)。 ホワイトハウスによるこの種の予測できない好戦的な発言は異例で、人々を不安にさせると専門家たちは言う。 だが、北朝鮮との衝突で失うものが最も大きい米国の同盟国の韓国は、あまり懸念していないようだ。 韓国大統領府の高官は8月9日に報道陣に対し、状況は危機的なレベルには達しておらず、平和的に解決できる可能性は非常に高いと話した。 これは楽観視できる材料だろう。 (英語記事 North Korea-US tensions: How worried should you be?)

  • Thumbnail

    記事

    米FBI、元トランプ選対委員長を未明に家宅捜索

    2017年08月10日 12:08 公開 昨年夏までドナルド・トランプ米大統領の選挙対策委員長だったポール・マナフォート氏の自宅を、米連邦捜査局(FBI)が7月末に家宅捜索していたことが明らかになった。同氏の広報担当が9日、捜索があったことを認めた。 FBIは7月26日未明、バージニア州アレクサンドリアにあるマナフォート氏の自宅を家宅捜索し、書類など資料を押収したとみられる。マナフォート氏はこの前日には、トランプ陣営とロシア当局の結託について調べている上院情報委員会に任意で話をしていた。FBIも、トランプ陣営とロシア当局の結託について調べている。 米紙ワシントン・ポストによると、FBIの捜査を指揮するロバート・ムラー特別検察官は、マナフォート氏の自宅から「様々な記録」を入手した。ムラー氏はこれに先駆けて、ロシア疑惑について起訴するかどうかを決める大陪審を選出している。米国の事件捜査では、大陪審を通じて召喚状を発し、事件関係者に証拠提出や証言を強制する。 専門家筋によると、捜索令状を執行して証拠資料を押収したのは、大陪審が召喚するすべての証拠資料を確実に入手するためだったと考えられる。 米メディア報道によると、FBIは税金関連の書類や外国金融機関の取引記録を探していたという。 マナフォート氏は昨年8月、トランプ選対の委員長を辞任した。ロシアをはじめ、外国とのつながりが問題視されていた。 トランプ大統領はこれまで一貫してロシアとの結託を否定し、ムラー検察官の捜査を「魔女狩りだ」と非難している。 マナフォート氏の広報担当、ジェイソン・マローニ氏は、確かにFBIが「マナフォート氏の居宅の一つで、捜索令状を執行した」と認めた。「マナフォート氏はこれまでも、法執行機関のほか、他の重大な問合せにも一貫して協力してきた。今回も同様だ」。 ムラー特別検察官の事務所はコメントの要請に応じていない。 マナフォート氏はこれまでに、ロシア疑惑を調べる上院司法委員会と下院情報委員会にも、資料を提出している。その中には、2016年6月にトランプ・タワーでトランプ氏の長男とマナフォート氏らがロシア人弁護士と面会した際のメモ書きも含まれているという。 ドナルド・トランプ・ジュニア氏自身が公表したメールによると、大統領選の対立候補ヒラリー・クリントン氏にとって不利になる情報の提供があるという前提で、トランプ・ジュニア氏は面会に応じ、マナフォート氏にも同席を求めている。 複数報道によると、ムラー検察官は、長男とロシア人弁護士の面会についてトランプ氏が事前に知っていたのか、事後に報告されたのかを解明しようとしている。 さらにマナフォート氏のビジネス取引も、特別検察官の捜査の焦点になっているとみられている。 今年6月にマナフォート氏は、ロシア政府が支援するウクライナの政党のコンサルタントだったことについて、外国政府の代理人として遡及(そきゅう)的に司法省に登録した。 昨年8月には、ロシア政府の利権推進のためウクライナや米国で活動し、その報酬に数百万ドルを受け取っていたと指摘され、トランプ選対を辞任した。ウラジーミル・プーチン露大統領とつながりのあるロシア新興財閥の大富豪との取引も、問題視された。 米報道によると、ムラー検察官は、ロシア疑惑捜査を指揮していたジェイムズ・コーミー前FBI長官を解任したことで、大統領は司法を妨害したのかどうかも調べているとされる。 コーミー氏が5月初めに解任された後、司法省のロッド・ローゼンスタイン副長官が捜査継続の責任者としてムラー氏を特別検察官に任命した。 (英語記事 Paul Manafort: FBI raided home of former Trump chairman)

  • Thumbnail

    記事

    北朝鮮、グアム攻撃計画「8月半ばまでに用意」

    2017年08月10日 10:46 公開 北朝鮮の国営・朝鮮中央通信(KCNA)は10日、中距離弾道ミサイル「火星12」4基を米領グアム付近に発射する準備を今月半ばまでに完了すると伝えた。軍幹部は、ミサイルが「日本の島根、広島、高知各県の上空を飛ぶ」ことになると警告したという。ドナルド・トランプ米大統領が、「北朝鮮がこれ以上、米国を脅せば」「炎と激怒」で対応すると発言したことについては、「理性を欠いている」と批判した。 7月に大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を2回繰り返した北朝鮮への国連制裁が可決されたのを機に、米朝間の舌戦が激化している。 KCNAは金洛兼将軍の談話として、「朝鮮人民軍が発射する火星12ロケットは、日本の島根、広島、高知各県の上空を飛び、3356.7キロを1065秒飛翔した後、グアムから30~40キロ離れた海面に着弾する」と報道。朝鮮人民軍はこの発射計画を8月半ばまでに「ついに完成させ」、金正恩・朝鮮労働党委員長に報告して承認を求める方針という。 KCNAはさらに、トランプ大統領が北朝鮮の脅しには「世界が見たこともないような炎と激怒」で対抗すると発言したことについて、「まったくのたわごとだ」と一蹴。「理性を欠いているこのような男と、まともな対話など不可能だ。絶対的な力しか、あの男には通用しない」と非難した。 一方で米国は、北朝鮮がミサイルを発射すれば「体制の終わり」につながりかねないと警告。ジム・マティス国防長官は9日、北朝鮮が米国や同盟諸国と戦争するに至った場合、北朝鮮の戦力は「とんでもなく劣っている」ことが明らかになると強調した。 マティス長官は北朝鮮に核・ミサイル開発の停止を求め、「DPRK(朝鮮人民民主主義共和国)は、自分たちを孤立させるのをやめ、核兵器の追求をやめなくてはならない」と述べた。 「我が国の国務省は、外交手段でこの地球的脅威を解決するため全力を尽くしているが、(米国の)同盟各国の軍事力を合わせれば、我々は今や地球上で最も正確で、訓練を重ねた、旺盛な防衛攻撃能力を保有している」と長官は強調した。 トランプ大統領はこれに先立ち10日、休暇先のニュージャージーでツイートし、米国の核攻撃力は「かつてないほど強力だ」と自慢した。 他方でレックス・ティラーソン国務長官は訪問先のグアムから、北朝鮮は米国民にとって切迫した脅威ではないと冷静な対応を呼びかけた。ティラーソン長官は、中露を交えた世界的な「圧力キャンペーン」を通じて、北朝鮮と「別の未来」を模索する対話の開始が可能だと期待していると述べた。 ティラーソン氏は、情勢はここ数日の間に劇的に変化したわけではなく、米国人は「ぐっすり安眠するべきだ」と呼びかけた。 中国政府は、情勢は「複雑でデリケート」だと述べ、平静を呼びかけた。 トランプ大統領の「炎と激怒」発言に先駆けて8日、米紙ワシントン・ポストは米情報関係者の話として、北朝鮮が核弾頭の小型化に成功しており、米本土に届く核ミサイルの開発も予想よりかなり早く完成しそうだと伝えた。大陸間弾道ミサイル(ICBM)に加えて、ミサイルに搭載可能な核弾頭を入手すれば、北朝鮮は攻撃能力を持つ核保有国ということになる。 ただし、ほとんどの専門家は、北朝鮮が自殺行為に等しい先制攻撃を米国に仕掛けるとは思っていない。 小さいが重要なグアム 面積541平方キロのグアムは、フィリピンとハワイの間の太平洋上に位置する火山島。 合衆国憲法が完全適用されない「未組織、未編入」の米領で、人口約16万3000人。 島の約4分の1を米軍基地が占める。人員約6000人が配備されており、さらに数千人を追加配備する予定。 南シナ海、朝鮮半島、台湾海峡などアジア太平洋地域で緊張が起こりやすい地域に近く、米軍にとって重要な足がかりとなる。 (英語記事 North Korea Guam missile strike plan 'ready by mid-August')

  • Thumbnail

    記事

    崩れ行くインドの宮殿 印パ分離70年の歴史物語る

    2017年08月10日 9:00 公開 インド西部グジャラート州のマハムダバドにある巨大な宮殿は、19世紀に英国との戦争で一度破壊されたものの、すぐに再建されている。しかし、今からちょうど70年前の1947年8月にインドとパキスタンが分離して以来、2国家間の対立に翻弄(ほんろう)されてきた。現在の当主モハマド・アミール・モハマド・カーンさんに取材した。

  • Thumbnail

    記事

    カナダ国境に殺到する移民たち 米国から毎日数百人か

    2017年08月10日 9:00 公開 カナダは今、米国から国境を越えて不法入国する移民たちへの対応に追われている。人々の多くはフェイスブックやYouTubeに投稿された情報を基にカナダを目指しているという。

  • Thumbnail

    記事

    銃を持った強盗に店員飛びかかり… 米テキサス州

    2017年08月10日 9:00 公開 米テキサス州アーリントンの携帯電話販売店で先月18日に起きた強盗未遂事件で、店主と息子は銃を持った男2人に素手で応戦した。アーリントン市警が監視カメラの映像を公開。同時に、武器を持った人間には決して抵抗すべきではないと警告した。店主は銃が偽物だと思ったが、実際は本物だった。

  • Thumbnail

    記事

    グーグルが多様性否定の人物を解雇 正解か判断ミスか

    2017年08月09日 18:01 公開 ナリーナ・エガート、BBCニュース 米グーグルは、多様性確保のための社内制度や雇用慣習を否定する社内文書を書いた従業員を解雇した。同社のスンダル・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は、「攻撃的な」文書が「危険な性別のステレオタイプ」を推進したと話した。グーグルの対応は正しかったのだろうか? そもそも社内文書の内容は 米国メディアは問題の従業員を上級職の「ジェームズ・ダモア」と伝えている。この人は、業界内の女性を増やそうと多様性制度に取り組んでいるIT企業は、物の見方を間違えているのではないかと、社内文書で主張した。 IT業界には女性より男性の方が多いのは、採用方法や教育、差別のみが原因ではなく、生まれついて持つ能力が違うからだというのが、この男性の主張だ。 女性は得てして物よりも「人間に関心を持つ」ことが多く、女性は「より協力的」で「より心配しがち」だと、この人は言う。女性のこうした特徴はいずれも、IT業界で働いたり頂点に登り詰めたりすることに歯止めをかける要素だというのだ。 さらにこの男性は、グーグルで働く人たちは「イデオロギー・エコーチェンバー」や「辱めの文化や解雇の可能性」から、こうしたことを普段、口にできないでいると書いた(「エコーチェンバー」とは同じ主義主張の者同士が似た意見を言い合い、異論が聞こえなくなる状況のこと)。 社内文書全文はここに掲載されている。 この文書が世界的に注目を浴びた数日後、ダモア氏は解雇された。同氏は法的措置を検討中だという情報もある。 この社内文書とダモア氏の解雇は、ソーシャルメディアで大きな話題となった。ダモア氏に同意する声もあれば、採用したいと申し出る人もいる。一方で、ダモア氏に考え方に唖然(あぜん)とする人もいる。 解雇は間違いという声も 「単に意見を述べたからというだけで解雇するのは、会社として間違っていると思う」。言論の自由の保護活動を行う圧力団体インデックス・オン・センサーシップのジョディ・ギンズバーグ氏はこう言う。 ダモア氏の解雇は検閲かと尋ねると、同氏はそうだと答えた。 「自分の信念や意見を自由に表現できない、というメッセージになってしまっている。自分が賛成しない意見は、ただ黙らせればいいのだという意思表示になっている」 「そういう意見は、オープンに話し合う方がずっといい」 米ニューメキシコ大学の進化心理学者ジェフリー・ミラー准教授は、グーグルがダモア氏を解雇したせいで自分の中のグーグルへの評価が下がったと言う。 「この文書の筆者は当然ながら、自分の主張が尊重され、主張を発表しても一定の安全は確保されると期待したはずだ」 「グーグルにとってはひたすらみっともない事態だ。自分はかつて、グーグルは地球でいちばんかっこいい会社のひとつだと思っていた。色々なグーグル・ソフトウェアをたくさん使っているが、今では、巨大な力でイデオロギーをゴリ押しする集団を支持しているような気分だ」 「イデオロギー・エコーチェンバーだと言われて、あんな風にムキになって自己弁護するのは、組織に偏見があることのかなり強力な証拠だと思う」 グーグルの解雇は正しいという声も 一方で、テクノロジー・ライターでラジオやテレビにも出演しているケイト・ベバン氏は、社内文書が女性スタッフにとって敵対的な環境を作ったと指摘する。 「クビにしろと煽る群集心理はいかがなものかと思うけれども、今回のこの男性は同僚に有害となる行為をしていた」 「世間に向かって、自分の同僚の多くが染色体のせいで仕事に向いていないと思うと宣言するなら、それは同僚に向かって『あなたは能力不足だと思う』と言っているようなものだ」 これは、ピチャイCEOが社員向けの文書で書いた、「同僚の一部が、生まれつき仕事に向いていないなどと示唆するのは、不愉快で不適切だ」という主張に近い。 ベバン氏はさらに、「最も有能なエンジニアは必ずしも男性だと決まっていない。もし雇用対象を1種類の人間に限定し続けるのなら、可もなく不可もない人もいくらか採用することになる」。 多様性のある職場の方が、事業にとっても有利だとベバン氏は言う。「限られた労働力しかなければ、限られた製品しか作れない」。 文書が根拠にした科学は妥当か 前述のミラー准教授はBBCに対し、ダモア氏が「科学的根拠をほぼ正しく理解して」おり、「私たちが何を知っていて何を知らないのかについて、かなり適切に峻別している」と話した。 ミラー氏は、ダモア氏の文書が「心理学修士課程で少なくともAマイナスは取れただろう」と書いた。 しかし英バーミンガム・アストン大学で認知神経イメージング研究を主導するジーナ・リッポン教授は、異を唱える。 「この男性は、科学的知見のかなりの部分を誤解している。私にはそこがポイントだ」とBBCに話した。 「主張の土台が間違っている。彼が誰の本を読んできたのか知らないが」 実際、社内文書で言及された研究の著者は今回の騒動に反応し、人の性別をもとにその人の性格を判断しようというのは、「まるで手術に斧(おの)を使うようなもの」だと書いている。 リッポン教授は「おそらく研究成果を世間に伝えるよりも早く、科学的知見がどんどん先に進んでしまう分野」だと釘を刺し、「この男性は、生まれついての特徴は変えられないと言おうとしているようだ」と指摘する。 男女の脳の機能の差を示す例としては、空間認知能力がよく取り上げられる。しかしこの能力は、調査対象となる人がどれだけビデオゲームをしたかに影響され得ると、教授は言う。さらに、ビデオゲームで遊んだ回数や、周囲の環境が、個々人の脳に影響を与えることもある。 「生まれながらにしてある程度の違いがあるという考えを受け入れたとしても、その違いはあまりにも小さく、グーグルで明確に見られるような男女格差の説明にはならない。どんな研究者でも、そう断言しただろう」とリッポン教授は言う。 グーグルが公表しているによると、同社技術職における女性の割合はわずか20%だが、非技術職では半数近くが女性だ。 「Inferior: How Science got Women Wrong(劣った者――科学はいかに女性を誤解したか)」の著者アンジェラ・サイーニ氏も、同意見だ。 「性差による違いは私たちが思うほど大きくはない。社会に現存する男女の違いは、生物学的な違いによって説明されていない」 しかし、グーグルのようなIT企業で働く男性の数は、女性よりもはるかに多いという事実は依然として残る。 シリコンバレーで働く女性に対する2016年調査では、質問された女性の半数が、攻撃的すぎると繰り返し言われた経験があり、また半数近くの女性が、メモ取りや食事の注文など、男性の同僚が頼まれもしないような低レベルの仕事をするよう言われた経験があることが分かった。 多様性否定の文書に端を発して、グーグルは現在、会社広報的に危い綱渡りを渡っている状態だ。これがひと段落した後、グーグルは間違いなく社内の女性の扱いについて、あらためて取り組むことになるのだろう。 (英語記事 Was Google wrong to fire anti-diversity memo author?)

  • Thumbnail

    記事

    中国四川省でM7.0の地震 死者数増加のおそれ

    2017年08月09日 14:41 公開 中国南西部の四川省で8日午後9時20分(日本時間同午後10時20分)ごろ、マグニチュード7.0の地震が発生し、少なくとも13人が死亡し、大勢が負傷した。最大100人が死亡し、家屋13万戸が被害を受けた可能性があるとの情報もある。 米地質調査所(USGS)によると、震源は四川省北部・成都の北300キロ付近の人口の少ない地域。地震の深さは10キロ。 死者数は今後増えるかもしれないという情報もある。震源地は旅行者に人気の地域に近い。 四川省は地震の被害を受けやすく、2008年の地震では7万人以上が死亡した。 現場の写真から、九塞溝の建物やホテルが被害を受けているのが分かる。九塞溝は中国で最も有名な自然遺産の一つで、世界遺産にも登録されている。 町の飲食店経営者は、今回の地震が2008年の揺れよりも強く感じたと話した。しかし今のところ、今回の地震が2008年の死者数に迫る様子はない。 タン・セシェンさんはAFP通信に対し、多くの人が町の中央広場に避難していると話した。 「お金や服などの物を持って出ようとする人はいませんでした。みんなすぐに外に走って出ました」 「ショックで脅えている」 中国赤十字社のグウェンドリン・パン氏は、被害規模と死傷者数の把握には時間がかかると話した。 「通信ラインと電力の供給が途絶えている。みんな間違いなくショックを受け、脅えている」 AFP通信は中国の国家減災委員会の話として、最大100人が死亡し、家屋13万戸が被害を受けた可能性があると伝えた。 複数の中国メディアによると、死傷者の中には旅行者も含まれるという。 国営新華社通信によると、習近平国家主席は、「救助活動を早急に行い、けが人を救助するため全面的に尽力するよう」呼びかけた。また、消防隊員や兵士が付近の地域に派遣された。 揺れは約700キロ離れた中心都市の成都や西安でも感じられた。 (英語記事 Deadly earthquake strikes China's Sichuan province)

  • Thumbnail

    記事

    珍しい「ピンク色の虹」出現 英西部

    トルやトーントン、イェイトで見られたピンクの虹の現象を「錯視」と呼んでいる。 写真を撮った人たちは、BBC番組「ポインツ・ウエスト」のフェイスブックのページに「素晴らしい」、「きれい」などと書き込んだ。 BBC天気の気象予報士サイモン・キング氏によると、この現象に特に決まった名称はない。通常の虹とピンク色の日没が同時に起きたのが、ピンク虹の原因だという。 「まず、大気中の水滴が太陽の光を反射し、様々な色の波長になることで発生する通常の虹がある」とキング氏は説明する。 「一方のピンク色の夕焼けは、夕方の太陽の位置が低いため、太陽光がより多くの大気を通過しなければならないことで発生する。太陽の位置が低いので、波長が短いすみれ、青、緑などの色が薄くなり、ピンクや赤だけが見えるようになって、虹がピンクっぽい色になる」 (英語記事 Rare 'pink rainbow' spotted in sky over Bristol)

  • Thumbnail

    記事

    北朝鮮、グアムにミサイル攻撃検討と トランプ氏の「炎と激怒」に反発

    2017年08月09日 11:30 公開 北朝鮮の国営・朝鮮中央通信(KCNA)は9日、太平洋上の米領グアムに対して中長距離ミサイル攻撃を検討していると伝えた。ドナルド・トランプ米大統領が「炎と激怒」で北朝鮮を攻撃すると威圧した数時間後のこと。これに先駆けて米紙ワシントン・ポストは、北朝鮮が核弾頭の小型化に成功した可能性があると伝えている。 KCNAは、朝鮮人民軍が「中長距離戦略弾道ロケット火星12で、グアム周辺を炎で包み込むための作戦を慎重に検討している」と伝えた。「全面的な検討と完成」をもって最高司令部に作戦を報告した後、金正恩氏の命令で実行する方針という。 これに先駆けてトランプ大統領は8日、記者団に対して、「北朝鮮はこれ以上、米国を脅さない方がいい。世界が見たこともない炎と激怒で対抗する」と述べた。 大統領発言の前には、米紙ワシントン・ポストが、米情報関係者の話として、北朝鮮が核弾頭の小型化に成功しており、米本土に届く核ミサイルの開発も予想よりかなり早く完成しそうだと伝えている。大陸間弾道ミサイル(ICBM)に加えて、ミサイルに搭載可能な核弾頭を入手すれば、北朝鮮は攻撃能力を持つ核保有国ということになる。 北朝鮮は7月に2回、ICBM発射実験を実施。これを受けて国連安全保障理事会は5日、中露を含む全会一致で、北朝鮮の主要外貨獲得源となっている石炭や海産物などの輸出を全面禁止する追加制裁案を可決した。追加制裁によって輸出額が3割減ることになる。 制裁可決に北朝鮮は「主権の激しい侵害だ」と強く反発。制裁決議案をまとめた米国に「代償を支払わせる」と表明していた。 一方で、トランプ大統領の発言に対して海軍出身で米政界重鎮のジョン・マケイン上院議員(アリゾナ州、共和党)は、「自分が見てきた偉大な指導者は、行動する用意がなければ相手を脅したりしなかった。トランプ大統領に行動する用意があるのか、確信がもてない」と述べた。 小さいが重要なグアム 面積541平方キロのグアムは、フィリピンとハワイの間の太平洋上に位置する火山島。 合衆国憲法が完全適用されない「未組織、未編入」の米領で、人口約16万3000人。 島の約4分の1を米軍基地が占める。人員約6000人が配備されており、さらに数千人を追加配備する予定。 南シナ海、朝鮮半島、台湾海峡などアジア太平洋地域で緊張が起こりやすい地域に近く、米軍にとって重要な足がかりとなる。 (英語記事 North Korea says considering missile strike on Guam)

  • Thumbnail

    記事

    トランプ氏、北朝鮮の脅しには「炎と激怒」で対抗と

    2017年08月09日 9:00 公開 トランプ大統領は8日、記者団に対して、「北朝鮮はこれ以上、米国を脅さない方がいい。世界が見たこともない炎と激怒で対抗する」と繰り返した。大統領のこの発言の後、北朝鮮の国営・朝鮮中央通信(KCNA)は9日、太平洋上の米領グアムに対して中長距離ミサイル攻撃を検討していると伝えた。

  • Thumbnail

    記事

    初代「ゴジラ」俳優、中島春雄さん死去

    2017年08月08日 17:59 公開 愛されると同時に恐れられる怪獣「ゴジラ」に初めて命を吹き込んだ俳優、中島春雄さんが7日、肺炎のため亡くなった。88歳だった。映画の「ゴジラ」シリーズを製作してきた東宝が発表した。 1954年の第一作映画「ゴジラ」を皮切りに、12作でゴジラのスーツを身にした中島さんは、今年に入ってのインタビューで、初代ゴジラの着ぐるみはコンクリートを使ったもので、重さが100キロもあったと話していた。また東京の上野動物園に通い、動物の動きを観察して参考にしたのだという。 中島さんは東宝に入社後、時代劇映画や戦争映画にスタントマンとして出演を重ね、黒沢明監督の「七人の侍」(1954年)にも出演した。同年には本多猪四郎監督の「ゴジラ」で、水爆実験の影響を受けた巨大生物「ゴジラ」を演じた。 それ以降、シリーズ化された映画で中島さんはゴジラを演じ続けたほか、ラドン、モスラ、キングコングなども演じた。 ゴジラのスーツを最後にまとったのは、1972年の「地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン」でだった。 「ゴジラ」は今や怪獣映画の古典的傑作とされ、日本だけでなくハリウッドでも繰り返しリメイクされている。最近の映画では、ゴジラを表現するのに着ぐるみよりもコンピューター・グラフィックを使うことが多い。 東宝は昨年夏にも、「シン・ゴジラ」という最新作を公開した。 (英語記事 Original Godzilla suit actor Haruo Nakajima dies)

  • Thumbnail

    記事

    娘のために遊園地を建てた米男性 総工費56億円

    2017年08月08日 16:57 公開 クレア・ベイツ記者、BBCワールド・サービス 米南部テキサス州に住むゴードン・ハートマンさんはある時、障害のある娘が遊べるような遊園地がないことに気が付いた。そこでハートマンさんは自分で建てることにした。 家族旅行に出かけたハートマンさんたちがプールを使っていた時のことだ。ハートマンさんがプールから上がって間もなく、当時12歳だったモーガンさんがプールで遊ぶ子供たちと仲良くなろうと近づいた。だが、子供たちはすぐ水から上がってしまった。 子供たちは障害のある人とどう接したらよいか分からず、尻込みしたのだろうとハートマンさんは考えている。モーガンさんの認知理解力は5歳程度で自閉症の症状もある。 ハートマンさんはプールでの一件を忘れることができなかった。 「モーガンはともかくすごく素晴らしい女の子です。いつも微笑んでくれるし、いつもハグしようとしてくれる。けれども、彼女を色々と連れていけないことが多すぎた」 ハートマンさんと妻のマギーさんはモーガンさんをどこに連れて行かれるか、ほかの親たちにも聞いてみた。モーガンさんにとって居心地良くて、周りの人も気まずい思いをせずにモーガンと触れ合える場所はないのか。 「そんな風に受け入れてくれる場所などないと、気が付いたんです」とハートマンは話す。 そこでハートマンさんは2007年、自分で遊園地を造ることにした。もともと不動産開発業のハートマンさんは、2005年に所有していた複数の住宅建設会社を売り、障害者支援の非営利団体「ゴードン・ハートマン家族財団」を設立していた。ハートマンさんは「世界初のものすごく寛容なテーマパーク」の建設に着手した。 「すべての人が何でもできる場所、障害があろうがなかろうが遊べるテーマパークが欲しかったんです」とハートマンさんは話す。 ハートマンさんは医師やセラピスト、保護者、障害のある人にもない人にも声をかけ、どんな遊戯施設が良いか相談にのってもらった。その結果、テキサス州サンアントニオの採石場跡に25エーカーの広さを持つテーマパークが誕生した。 総工費3400万ドル(約37億円)をかけたテーマパーク「モーガンズ・ワンダーランド」は2010年に開園した。敷地内には障害がある人もない人も利用できることに配慮する「アクセシブルデザイン」を基に設計された観覧車や「冒険遊び場」、ミニ電車などがある。 来園者の多くが、いままで乗れなかったアトラクションに初めて乗れたと、ハートマンさんに報告するのだそうだ。 園内の回転木馬には、車いすが木馬と一緒に上下する特別な設計が施されている。 だがハートマンさんは、モルガンさんが最初は乗り物を怖がったと打ち明ける。「開園した時、彼女は怖がって乗らなかったんです。なぜ回転するのか、動物たちがなぜ上下するのか理解できなかった」。 モーガンさんが回転木馬に乗るまでに3年かかったという。 「最初、彼女は近くで立っていました。それから動物にまたがるのだけれど、私たちは乗り物を動かさずにいました。時間がかかりましたが、今は乗るのが大好きです。恐怖を乗り越えたのは、彼女にとってとても大事なことでした。遊びの中で得られる小さな達成感は、大きな違いを生みます」 モーガンズ・ワンダーランドには開園以来、全米50州のほか世界67カ国から100万人以上の人が訪れた。スタッフの三割に障害があり、障害者は入場無料だ。 「モーガンは必要な物はだいたい手に入るので、幸運な部類に入ると気づきました。ほかの障害を持つ人たちにとって、費用が妨げになるようなことはしなくなかった」とハートマンさんは語る。 「毎年、開園すれば100万ドル以上の損失が出ると分かっているので、献金やスポンサーで埋め合わせなくてはいけません」 今年は新たにバリアフリーのウォーターパーク「モーガンズ・インスピレーション・アイランド」も同時に開園した。 「7月は車いすの温度が熱くなり過ぎるので利用客は少なかったんです。それで隣りにウォーターパークを造ることにしました」 園内の一部では温水が使われ、筋肉関係の障害がある人でも利用できるようになっている。電気ではなく空気圧が動力の防水の自動車いすが準備されている。ボートで水流を楽しむバリアフリーの乗り物もある。 建設費や設備費は合計1700万ドルに上った。 「きのう、インスピレーション・アイランドである男性に手を握られた」とハートマンさんは話す。「重い障害のある彼の息子の方を指差して泣き出したんです。水遊びは今までできなかったそうです」。 ハートマンさんによると、利用客の4分の3は障害がない人で、テーマパークは意図した通りの効果を訪問者に与えているという。 「(障害者と健常者に)多少の違いはあっても、実際は同じだと人々は気が付く」。ハートマンさんはこう語る。 「車いすに乗った女の子が障害のない女の子に近づいて、一緒に遊び始めたのを見ました。とてもいいなと思った」 ハートマンさんの元には、自分たちの地域にも同じようなテーマパークを造ってほしいという何百もの手紙や電子メールが届いているが、さらに建設する計画はない。だが10代の障害者の教育施設をサンアントニオに建設することに注力している。 ハートマンさんは、「別の場所でモーガンズ・ワンダーランドに似た施設を造ろうとしている団体がたくさんあるので、協力は続ける」とも話す。 今もハートマンさんはモーガンさんを連れてテーマパークを訪れるが、モーガンさんはちょっとした有名人だ。 「ここにくると彼女はロック歌手並みの扱いです! たくさんの人がモーガンと話をしようとやってくるし写真も撮る。彼女はうまく対応していますよ」 23歳になったモーガンさんは今でも能力を向上させている。 「今はもっと話すようになったし、多くの手術を経て身体的な問題もほぼ治療済みです。彼女がどれだけ成長したか、とても誇らしく思っています」 モーガンさんのテーマパークでのお気に入りはブランコと砂場だという。そして当の本人は、自分がどれほどほかの人たちを助けたのか気付いていない。 「モーガンはテーマパークに自分の名前が付いていると知っていますが、それがどれほど大きなことなのか、いかに人々の人生を変えたのかは理解していないでしょう」と、ハートマンさんは話す。 「彼女が人生にどう立ち向かったのかに人々が本当に勇気付けられていると、彼女は分かっていないんです」 (英語記事 How one man built a $51m theme park for his daughter) (写真提供:Jerstad Photographics、 Gordon Hartman Family Foundation)

  • Thumbnail

    記事

    1641人目の犠牲者特定 米同時多発テロから16年 

    2017年08月08日 16:39 公開 ニューヨーク市の検死官事務所は7日、2001年9月11日の米同時多発テロのため世界貿易センタービルで死亡した男性の身元を特定したと発表した。世界貿易センタービルで死亡した2753人のうち、身元が確認されたのはこれで1641人目。 ニューヨーク市の検死官事務所は、現場から回収されたDNAをもとに身元を特定した。遺族の希望で、氏名は公表されていない。 特定の犠牲者が確かに現場にいたことが、遺留物から確認されるのは、2015年3月以来。 攻撃当時に世界貿易センタービルにいて死亡したとされる2753人のうち、4割にあたる1112人がいまだに現場にいたことが確認されていない。 米同時多発テロでは、世界貿易センタービルと国防総省に居合わせた人たちのほか、ハイジャックされた飛行機4機の乗員乗客の合計3000人近くが犠牲になり、6000人以上が負傷した。 (英語記事 9/11 victim identified 16 years on)

  • Thumbnail

    記事

    グーグル、「男女は生来能力が違う」と書いた従業員を解雇

    2017年08月08日 14:13 公開 男女は生まれつき能力が違うのだから、IT技術者や管理職に女性が少ないのは差別ではないと社内文書で書いた米グーグルの従業員が、解雇されたことが分かった。スンダル・ピチャイ最高経営責任者(CEO)が7日午後、従業員向けのメールで、問題の文書はグーグルの行動規範に抵触すると説明した。 問題となった社内文書は男性ソフトウェアエンジニアによるもので、男女は生まれつき能力が違うのだから、社内のIT技術者や管理職に女性が少ないのは差別ではないと主張。「性別による違いを性差別だと決めつけるのを、やめなくてはならない」という内容は、大いに批判された。 グーグルの社内掲示板で共有されたこの男性の文書は、「グーグルのイデオロギー・エコーチェンバーの中で」と題されていた(「エコーチェンバー」とは同じ主義主張の者同士が似た意見を言い合い、異論が聞こえなくなる状況のこと)。IT系ウェブサイト「ギズモード」に全文掲載された。 ピチャイCEOは、「この会社の職場で、危険な性別のステレオタイプを推進しようとした」この文書は、一線を越えてしまったと指摘した。 ピチャイ氏は、グーグル社内で表現の自由を守る重要性について行数を割き、「文書に書かれた内容の多くは、議論に値するものだった。グーグル人の大半が賛成するかしないかは関係ない」と強調した。 しかしその上でピチャイ氏は、「とはいえ、同僚の一部が、生まれつき仕事に向いていないなどと示唆するのは、不愉快で不適切だ」と批判した。「我々の基本的な価値観や行動規範にもとるものだ。この会社の行動規範は、『すべてのグーグル人が最善を尽くして、いじめや威圧や偏見や違法な差別のない職場文化を作る』よう求めている」。 問題の文書が公表されて間もなく、グーグルの多様性担当副社長、ダニエル・ブラウン氏は文書に反応。文書をめぐる「激しい議論」を受けて、「この考えは私や当社が支持、推進、あるいは奨励するものではありません」、「当社は、多様性と受容性が企業としての成功に不可欠だという考えを明確に持っています」と書いた。 グーグルは文書の筆者の名前を明らかにしていない。男性は、「他のグーグル社員から個人的に、感謝のメッセージをたくさんもらった」と書いていた。 (デイブ・リー北米テクノロジー担当記者) (英語記事 Google fires diversity memo author)

  • Thumbnail

    記事

    気候変動の「不正確」なデータ、パリ協定の効果に懸念

    ・マグラス環境担当編集委員 不正確なデータのせいで温室効果ガスの総量について、認識が揺れていることがBBCの取材で分かった。強力な温室効果ガスが大気中に排出されているにもかかわらず、正式な集計に記録されていないのだ。 スイスにある大気観測所は、イタリアから特定の温室効果ガスが大量に排出されているのを観測したが、イタリア政府が国連に提出した報告には問題のガスはごく微量にしか記載されていなかった。 インドや中国の報告内容にはあまりに不確かな部分もあるため、ガスによっては誤差の範囲はプラスマイナス100%だと専門家たちは言う。 研究者たちはBBCラジオ4番組「カウンティング・カーボン」に対して、こうした排出量報告の不備は、気候変動抑制の国際的取り組みを決めたパリ協定にとって、米トランプ政権の協定離脱よりも大きい脅威となると話した。 「ボトムアップ」の記録 2015年12月に195カ国が署名したパリ協定は、経済規模にかかわらずすべての国が2年ごとに、温室効果ガスの排出量を報告しなくてはならないと定めている。国連の決まりにのっとり、大半の国は「ボトムアップ」の記録を提出している。つまり、車の走行距離や、家庭・オフィスの空調に使うエネルギーの量などから、総排出量を算定するのだ。 しかしこうしたボトムアップ計算は、実際の大気サンプルから排出ガスを分析する(英国やスイスで実施されている)大気観測法と、食い違うことがある。 スイスの研究チームは2011年に、イタリア北部から2008年から2010年にかけて排出されたトリフルオロメタン(HFC-23)について初めて報告した。HFC-23は冷凍装置の冷媒として使われるもので、温室効果は二酸化炭素の1万4800倍になる。 スイス・ユングフラウヨッホの観測所の研究チームはこのほどBBCに対して、このHFC-23が依然としてイタリア北部から大気中に排出されていると明らかにした。 「イタリアの排出源から年間60~80トンのHFC-23が毎年排出されていると、我々は推測している。これをイタリア政府の排出量報告と比較するとかなり興味深い。公式報告には10トン未満、もしくは2~3トンしか排出していないと書いてあるので」 スイス連邦材料試験研究所(EMPA)のシュテファン・ライマン博士はこう説明する。 「排出について報告はしているものの、我々が目にするほどの規模だとは認識していない。しかし、この温室効果ガスは二酸化炭素より何千倍もの威力だ。つまり、(この排出を報告しないのは)人口8万人のイタリアの町が二酸化炭素を出していないと言うようなものだ」 これに対してイタリア環境省はBBCに、自分たちの排出量記録は正確で国連の取り決めに沿っていると主張。スイスの研究所のデータは受け入れられないと話した。 かつて冷媒として多用された四塩化炭素はオゾン層破壊指定物質に指定され、欧州では2002年以降の使用が禁止された。この四塩化炭素も温室効果ガスの一種で、ライマン博士は「中国から毎年、1万~2万トンが排出されている」とBBCに話した。 「あってはならないものだ。中国政府は四塩化炭素について、何一つ報告していない。禁止物質で、産業排出は一切あってはならないからだ」 中国の総排出量報告は常に、大幅に修正されて続けている。中国が国連に提出した最新報告は30ページしかなかったが、英政府の報告書は数百ページに及んだ。 2007年の時点で中国は、自分たちが世界最大の二酸化炭素排出国になったと一切、公式文書では認めようとしなかった。 米イェール大学のエンジェル・スー博士は、「自分は2007年に中国で働いていた」と話す。「中国が最大排出国だと裏付ける出典や統計を書くと、常にそれは削除された。中国政府はこの統計をまだ認めていないため、使わないのだと言われた」。 2015年の英科学誌ネイチャーに掲載された報告によると、中国政府報告に含まれた一つの統計ミスが、2013年の世界的総排出量の実に10%に相当する誤差につながった。 温室効果ガス排出量の記録については、特に発展途上国において、記録のとり方が非常に不安定だとBBCの取材で分かった。 二酸化炭素に続いて地球上に多い温室効果ガスのメタンは、沼地や稲作、埋め立て式ごみ処理、農業、化石燃料の製造過程などで発生する。その量は地球全体で近年増え続けており、科学界は原因を特定できずにいる。 世界中の家畜の15%がいるインドでは、メタンガスは温室効果ガス排出量の相当部分を占めるが、実際の排出量を正確に測定するのは困難だ。 「反芻(はんすう)動物が出すメタンガスについては、5割程度は不確かだとインドは認めている。つまり、インドが排出するメタンガスの量は政府報告のプラスマイナス50%かもしれないわけだ」。インドの大気観測研究を主導する英ブリストル大学のアニータ・ガネサン博士はこう指摘する。 「亜酸化窒素については、誤差は100%だ」 ロシアで調査をする研究者によると、ロシアのメタン排出量についても同様に30~40%の不確実性があり得る。 「統計はなんだろうと、この惑星にどう影響しているのかが心配だ」と、ロンドン大学ロイヤルホロウェイのユアン・ニスベト教授は言う。 「メタンが大気中を上昇していく。そのメタンによる温室効果だけでも、パリ協定を破綻(はたん)させるに十分だ」 排出量報告の方法については現在、決まりについて締約国が交渉中だ。 しかし、オスロ国際気候環境研究センター(CICERO)のグレン・ピータース教授は、「5年ごとに世界規模で排出量を総点検するのが、パリ協定の根幹部分だ。総点検のつど、各国は削減目標を増やしていこうというのが前提となっている。排出量を総点検するには、排出状況をきちんと追跡する必要がある。これができないというなら、要するに何もできないと言っているに等しい」と指摘する。 「つまり、基本となる良質なデータが得られないなら、要するにパリ協定は破綻する。大した進展がないまま、大勢が集まっておしゃべりするだけの場になってしまう」 (英語記事 'Dodgy' greenhouse gas data threatens Paris accord)

  • Thumbnail

    記事

    豪の16歳、海に足をつけたら血だらけに 出血止まらず

    カーの試合に出てくたびれていたサムさんは5日、自宅近くの海で足を冷やそうと浜辺に向かった。サムさんはBBCラジオに対して、暗い中、冷たい水に30分ほど腰まで浸かっていたところ、脚がチクチクし始めるのに気付いたと話した。 足首に砂がついたのだと思い、足を振ってそれを払い落としたつもりだったサムさんは、砂浜を歩きながら足元に目をやり、「血だらけだ」と気づいたという。 「血はずっと止まらなくて、今でもじわじわ血がにじみ出ている」とサムさんは言う。 父ジャロッドさんはBBCニュースに対して、「まるで戦争の傷みたいでした(略)手投げ弾攻撃に遭ったみたいな。すごく血が多かった」と話した。 「まずシャワーを浴びさせたものの、シャワーで流しても血はすぐに出てきた。血はまったく固まらなくて、ひたすら出血が続いた」 サムさんの皮膚には無数のピンで刺したような細かい傷口があった。2カ所の地元病院が原因を特定できなかったため、ジャロッドさんは息子がけがをした海辺に戻って自ら調べることにした。 「同じ場所にゆうべ、自分で水の中に立ってネットでこの妙な生き物を集めた」とジャロッドさん。「ダニみたいな小さい生物を大量に捕まえて、専門家に分析を依頼した」。 ジャロッドさんは、息子サムさんの足に傷跡が残らないよう期待すると話す。サムさんは完全回復する見通し。 「どうしてこんなことになったのか、専門家の説明を待っているところだ」とジャロッドさんは話した。 ジャロッドさんが集めた生物サンプルを調べたビクトリア博物館の海洋生物学者、ジェネフォー・ウォーカー=スミスさんは、豪紙ヘラルド・サンに対して、問題の生物はおそらくヨコエビの一種のフトヒゲソコエビではないかと話した。 「集団で餌を食べていたところを(サムさんが)邪魔したのかもしれない。通常は、ピラニアみたいに獲物を攻撃したりしない」 一方で、シドニー大学のマリー・トムソン博士は、ワラジムシの一種のニセスナホリムシではないかと見ている。 ヨコエビもワラジムシもいずれも、死んだ魚やカニ、海虫などを餌として、特に夜間に活発に活動する。 専門家たちによると、今回のような事態は極めて珍しく、心配する必要はないという。 (英語記事 Australian teenager in hospital after sea bug attack)

  • Thumbnail

    記事

    カナダに移住する米国人カップル トランプ政権誕生がきっかけ

    2017年08月08日 9:00 公開 米サウスカロライナ州に住むバルガス夫妻は、昨年11月の大統領選でドナルド・トランプ氏が当選を決めた日にカナダへの移住を考え始めたという。移住手続きや、天候など全く違う環境で新生活を始めることへの期待や不安について、夫妻に聞いた。

  • Thumbnail

    記事

    一緒に休暇を過ごすとしたら? プーチン氏vs.トランプ氏

    2017年08月08日 9:00 公開 シベリア南部で休暇を過ごすロシアのウラジーミル・プーチン大統領の様子が公開された。米国のドナルド・トランプ大統領も休暇に入った。2人の休暇の過ごし方は対照的だ。

  • Thumbnail

    記事

    米大統領の座に至近距離 ペンス副大統領とは

    2017年08月08日 9:00 公開 もしかするとドナルド・トランプ米大統領は何らかの理由で、2020年大統領選で再選を目指す事態にはならないのではないか――。こう憶測されるなか、マイク・ペンス副大統領が出馬の準備を始めているという報道を、本人が否定するという動きがこのほどあった。米国では大統領に万が一のことがあった場合、自動的に副大統領が後任となる。大統領の座から至近距離にいるという意味で「a heartbeat away」、つまり「心拍ひとつ分しか離れていない」と言われる。そういう地位にあるペンス氏は、自分のことを「キリスト教徒で保守派で共和党員だ。その順番で」と説明してきた。もしトランプ氏が何らかの理由で任期を満了しなかったとして、後任となるペンス副大統領とはどういう人か。ラジニ・バイディヤナザン記者が説明する。

  • Thumbnail

    記事

    82歳の日本人プログラマーがゲームアプリを制作したわけ

    2017年08月08日 9:00 公開 高齢者向けのゲームアプリを制作した若宮正子さんは82歳。プログラマーとしては世界最高齢の一人だ。自らも高齢者としてアプリの開発に取り組んだ理由について、若宮さんに話を聞いた。

  • Thumbnail

    記事

    トランプ米大統領就任200日 中小企業経営者はいま何を思う?

    2017年08月08日 9:00 公開 ドナルド・トランプ米大統領が今年1月に就任してから7日で200日目を迎えた。大統領選でトランプ氏が公約に掲げた医療保険制度改革や雇用、移民政策、税制改革について中小企業の経営者らは今どう感じているのだろうか。大方の予想に反してトランプ氏が勝利したウィスコンシン州で経営者らの話を聞いた。

  • Thumbnail

    記事

    北朝鮮、対話提案「不誠実」と 南北外相が短く接触

    が6日、フィリピン・マニラで短時間ながら異例の接触をしていたことが明らかになった。韓国外務省関係者がBBCに認めた。しかし、南北対話の再開を呼びかけた韓国の提案を、北朝鮮側は「不誠実」だと批判したという。 韓国・聯合通信によると、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)閣僚会議のためフィリピン・マニラを訪れている韓国の康京和外相と北朝鮮の李容浩外相は、ASEAN夕食会の場で握手し、短く会話を交わした。予定された接触ではなかったという。 北朝鮮の李外相が対話の提案を「不誠実だ」と呼んだ背景には、北朝鮮の制裁強化があるようだと、康外相は話したという。 「(対話の提案は)喫緊の課題なので、政治的配慮はいっさい度外視した上で、前向きに取り組んでもらいたいと(李外相に)話した」と康外相は述べたと言う。 北朝鮮がミサイル実験を繰り返すなか、韓国は7月、北朝鮮に異例の軍当局者会談を呼びかけている。さらに韓国政府と赤十字はこれとは別に、南北離散家族再会のため、南北赤十字の実務者会談を提案している。しかし北朝鮮はこれまでのところ、正式に返答していない。 北朝鮮については国連安全保障理事会が5日、新たな制裁決議案を可決。核・ミサイルの開発資金を絶つため、北朝鮮の主な収入源になっている石炭、鉄、鉄鉱石、海産物の輸出を全面禁止した。 北朝鮮の国営・朝鮮中央通信(KCNA)は7日、安保理制裁は自分たちの「主権を激しく侵害」するものだと非難し、報復を約束。さらに、米国の脅威に直面する限りは核兵器開発を続け、「自分たちの自衛的核抑止力を交渉の対象にすることはしない」と表明した。 これに先立ち北朝鮮の政府高官は聯合通信に対して、「事態が決まったら立場を明らかにする」と述べていた。一方で、朝鮮労働党中央委員会の機関紙「労働新聞」は、米政府による制裁実施や核攻撃は、米国全土を飲み込む「想像を絶する炎の海」につながると警告していた。 ASEAN外相会合に同様に訪れている中国の王毅外相は7日、報道陣に対して、「南側の前向きな提案を北側が全面的に拒絶したわけではないと、私は感じている」と述べた。王外相はさらに、中国としても韓国の対話提案を支持すると付け加えた。 外相会談に出席しているレックス・ティラーソン米国務長官は、中露を含めた国連安保理が全会一致で制裁強化に合意したことは、国際社会が北朝鮮のミサイル・核実験停止を強く望んでいると「明確に示した」と記者団に述べた。 中国とロシアは従来、北朝鮮への強硬姿勢に反対してきた。しかしここ数カ月は、米韓に軍事演習中止を要求しつつ、北朝鮮にもミサイル発射実験をやめるよう、諸外国と共に呼びかけるようになっている。 7日にはドナルド・トランプ米大統領と韓国の文在寅大統領が電話で会談し、北朝鮮が「深刻かつ増大を続ける直接的な脅威」だと合意。ホワイトハウスによると、両大統領は最新の国連制裁を全面的に実施する方針を確認し合ったという。 国連の新制裁は 北朝鮮からの石炭、海産物、鉄、鉄鉱石、鉛、鉛鉱石の輸入禁止 北朝鮮労働者の新規受け入れ禁止 北朝鮮の組織や個人との新規共同事業禁止 既存の共同事業で新規投資禁止 個人の渡航禁止や資産凍結を追加 国連加盟国は90日以内に制裁の履行状況を安保理に報告 (英語記事 North Korea calls offer of talks from the South 'insincere')

  • Thumbnail

    記事

    グーグル社内で多様性否定の文書 IT業界で女性が少ないのは生来の違いと

    2017年08月07日 15:01 公開 多様性の確保を掲げるグーグル社内で、男女は生まれつき能力が違うのだから、IT技術者や管理職に女性が少ないのは差別ではないという文書が登場し、騒ぎになっている。 文書を書いた男性ソフトウェアエンジニアは、「性別による違いを性差別だと決めつけるのを、やめなくてはならない」と書き、大いに批判された。 しかし本人は、「他のグーグル社員から個人的に、感謝のメッセージをたくさんもらった」と話す。 グーグルの社内掲示板で共有されたこの男性の文書は、IT系ウェブサイト「ギズモード」に全文掲載された。 文書には「男性と女性の能力には違いがある。理由の一端は生物学的なものだ。IT業界や指導的立場にいる女性が、男性よりも少ないのは、この違いが原因かもしれない」と書かれている。 匿名の筆者は、「女性よりも男性の方がコーディングを好む」一方、女性は一般的に「人と接する分野や芸術分野の職を好む傾向がある」と主張した。 グーグルの多様性担当副社長に新たに就任したダニエル・ブラウン氏は文書に反応。文書をめぐる「激しい議論」を受けて、発言「せざるを得ない」と述べた。 IT系ウェブサイト「マザーボード」掲載の社内メールで、ブラウン氏は「この考えは私や当社が支持、推進、あるいは奨励するものではありません」と書いている。 「多様性と受容性は、当社の価値観の根幹、および今後も育成していく社内文化の根幹です。当社は、多様性と受容性が企業としての成功に不可欠だという考えを明確に持っています。私たちは、多様性と受容性を今後も掲げ、長期的に推進していきます」 <ソフトウェアエンジニアのケリー・エリスさんは、グーグル社内の性差別について「自分はこれをグーグルで経験した。社員を傷つける表現について、会社が何もしないのに苛立った」とツイートした> (英語記事 Google employee anti-diversity memo causes row)

  • Thumbnail

    記事

    労働党支持夫妻の記念セルフィーに……あれ? これは前英首相?

    2017年08月07日 13:49 公開 自分たちが撮ったセルフィー(自撮り写真)を次々と眺めていて、そこに意外な人の姿が写っていたら……。 英南部オックスフォードシャーで5日、野外イベント「ウィルダネス・フェスティバル」に観客として参加して野党・労働党の活動家夫妻は、会場で撮ったセルフィーを見返して、「おっ」となった。 バネッサ・プライスさんと夫のスティーブさんが撮った写真の後方に、地元選出の保守党議員だったデイビッド・キャメロン前首相が、しっかりカメラ目線で写っていたのだ。 「セルフィーを撮って、スティーブが見返したら、『わあ、これってデイビッド・キャメロンじゃないか』と気づいた」とバネッサさん。「カメラを見つめているのが信じられなくて。あまり楽しんでなかったんじゃないか」。 ウィルダネス・フェスティバルは、通常の野外フェスティバルよりも「高級」だと定評のあるイベントで、屋台のハンバーガーにかぶりついてプラスチックカップのビールをがぶ飲みするというよりは、著名シェフによる高級料理と共に野外で音楽や踊りを楽しむというテイストだ。湖のほとりでスパ・マッサージを受けることもできるし、日曜にはクリケットの試合もある。 とはいえ高級で上品だからといって、労働党支持者が参加しないわけではない。労働党のジェレミー・コービン党首の名前とハートマークをあしらった上着姿の、美術コンサルタントのルーシー・エドワーズさんは、フェスティバル会場で撮ったキャメロン前首相とのツーショットをインスタグラムに投稿した。 野外フェスティバルと言えば、今年6月には常に大人気のグラストンベリ・フェスティバルに登場したコービン党首がステージ上から「人権と平和、正義の世界、地球上すべてに民主主義」を呼びかけて絶賛され、話題をさらった。 これを受けて、メイ政権の政策委員長を務めるジョージ・フリーマン議員は5日付の英紙フィナンシャル・タイムズに対して、保守党支持者のためのフェスティバルを9月に計画していると明らかにした。 その「トーリー(保守党)・フェスティバル」に果たして、キャメロン氏は出席するのか? 出演者の顔ぶれ次第かもしれない。 (英語記事 David Cameron photobombs festival selfie)

  • Thumbnail

    記事

    独議事堂前でナチス敬礼 中国人観光客2人逮捕

    2017年08月07日 12:58 公開 ベルリンで5日、連邦議会議事堂前でナチス式敬礼をしていた中国人観光客2人が逮捕された。ドイツではナチスやヒトラーを想起させる憎悪発言(ヘイトスピーチ)や図画・シンボルなどの使用を、法律で厳しく制限している。 36歳と49歳の男性2人はそれぞれ500ユーロ(約6万5000円)の保釈金を払い、釈放された。警察によると、有罪となれば最長3年の禁錮刑が科せられる可能性もある。 同様の処分は通常、極右団体の関係者に対して適用されることが多い。 警察報道官はAFP通信に対して、捜査中でも男性2人は出国が認められる上、罰金刑になったとしても、すでに払った保釈金でそれに充当することができるだろうと話した。 男性たちは、議事堂前でナチス式敬礼をしながら携帯電話でお互いの姿を記念撮影していたという。 (英語記事 Chinese tourists arrested for Hitler salute in Germany)

  • Thumbnail

    記事

    ペンス米副大統領、次回大統領選の準備報道を否定

    2017年08月07日 12:21 公開 マイク・ペンス米副大統領が2020年大統領選への出馬準備を開始したという報道を受けて、ペンス氏は「みっともない失礼な」報道だと内容を否定した。 5日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、ドナルド・トランプ大統領が次の大統領選で再選を目指さないという前提で、一部の共和党関係者が「影の選挙対策本部」を立ち上げたと伝えた。同紙は複数の消息筋の話をもとに、もしトランプ氏が再選を目指して出馬しないなら、自分が立候補するとペンス氏が意向を示していると書いている。 同紙は、ロシア疑惑関連の捜査をはじめとするトランプ政権の混乱状態を受けて、一部の共和党関係者が「新政権発足からこれほど間もない異例の速さ」で、次回選挙に向けて動き始めたと書いている。 これについてペンス氏は、報道は政権の分断を意図したものだと否定する声明を発表。「ニューヨーク・タイムズの本日の記事は、私と私の家族やスタッフ全員に対して、みっともなく失礼なものだ」、「記事中の主張は絶対的に事実と異なり、あくまでも現政権を分断しようとするマスコミの最新の動きに過ぎない」とペンス氏はツイートで表明し、「今後どのような偽ニュースがやってこようとも、私とスタッフ一同は引き続き、大統領の目標推進に全力を尽くし、2020年の再選を目指す。これ以外の何を示唆されても、それはばかばかしく、くだらない内容だ」と主張した。 ホワイトハウスのケリーアン・コンウェイ上級顧問も、米ABCニュースの番組で、報道内容を「完全な作り事」だと否定。「副大統領が2020年に向けて準備しているというのは、確かにその通りだ。副大統領としての再選を目指して」と述べた。 ニューヨーク・タイムズの広報担当はこれに対して、「報道内容が正確だと自信を持っている。記事の内容からしてそれは自明だと考える」と反論した。 (英語記事 Mike Pence denies planning 2020 presidential bid)

  • Thumbnail

    記事

    ベネズエラ、軍基地を襲った武装集団を追跡

    2017年08月07日 11:57 公開 南米ベネズエラのニコラス・マドゥーロ大統領は6日、同日朝に軍基地を襲った20人の武装集団のうち、逃走した10人の行方を追跡していると述べた。 同国北西部のバレンシアの軍基地に対する襲撃では2人が死亡、1人が負傷し、7人が逮捕された。 これに先立ちソーシャルメディアに投稿された動画では、制服姿の男たちが「残虐な独裁」に対して反乱を起こしたと語っている。 襲撃後もベネズエラ国内は大方鎮静を保っている。 マドゥーロ大統領は国営テレビで演説し、軍が襲撃制圧に「すぐに動いた」と述べ、「称賛の意」を表明した。 マドゥーロ氏は、「雇い兵」による「テロ攻撃」だったとし、治安部隊が逃亡した襲撃犯を追跡していると述べた。「我々は彼らを捕まえる」。 軍の車両がバレンシア市内や周辺を巡回しており、少なくともヘリコプター1台が出動している。 ベネズエラ政府によると、襲撃時の逮捕者には脱走兵の中尉一人が含まれるが、ほかの逮捕者は制服を着た民間人だという。 マドゥーロ大統領は、襲撃犯らは米国とコロンビアに拠点を置く反政府グループの指導者の後押しを得ていると語った。 ベネズエラ国内では、襲撃を支持するデモが複数起きているもようだが、ほかの地域では鎮静が保たれている。 6日に投稿された動画で、フアン・カフアリパーノと名乗る武装集団のリーダーは、男が第41旅団と呼ぶものが「残虐な独裁者であるニコラス・マドゥーロ大統領」に対抗すると語った。 男は、「これはクーデターではなく、憲法の秩序を回復するための民間と軍の行動だ」と語った。 ベネズエラは豊かな石油資源に恵まれるものの食料品や医薬の深刻な不足に直面し、年率700%を越えるインフレに苦しんでいる。今年4月から続く激しい反政府デモでは、100人以上が死亡した。 5日には、先月30日の選挙を経て設置された制憲議会が初の会議を開いた。野党勢力は、新議会の設置は左翼政権を率いるマドゥーロ大統領による政権維持を目指した動きだと批判している。 しかし、マドゥーロ大統領は制憲議会の発足がベネズエラに平和をもたらすと述べている。 制憲議会は憲法改正や、野党が多数を占める国民議会の立法権を剥奪する権限が与えられている。 制憲議会は初会議で、ルイサ・オルテガ司法長官の解任を可決した。オルテガ氏はマドゥーロ大統領の盟友だったが、後に大統領批判の急先鋒となった。 (英語記事 Venezuela searches for rebels after deadly clash at army base)

  • Thumbnail

    記事

    犬のサーフィン世界大会 米カリフォルニア州で

    2017年08月07日 9:00 公開 米カルフォルニア州で毎年恒例の犬のサーフィン大会が開催され、50匹以上が技を競った。大会中には意外なゲストも姿を見せた。

  • Thumbnail

    記事

    農業支援のベンチャー 土の水分・温度をセンサーで管理

    開発に取り組んでいる。日本経済を活性化(jumpstart)する可能性に期待が集まる若き起業家たちをBBCが紹介するシリーズ「Jumpstarting Japan」の第2弾は、農業分野で成長を目指すベンチャー企業だ。

  • Thumbnail

    記事

    ミサイル攻撃に備える日本 山形県酒田市

    訓練が実施されている。このような避難訓練が行われるのは、70年以上前の第2次世界大戦時以来のことだ。BBCのルーパート・ウィングフィールド=ヘイズ記者が山形県酒田市で実施された避難訓練を取材した。

  • Thumbnail

    記事

    女性政治家と赤ちゃん――ウィン・ウィンにはなれないのか

    2017年08月04日 17:43 公開 ナリーナ・エガート、BBCニュース ニュージーランドで政党の新党首に就任した政治家が、「子供を作る予定はあるのか」と繰り返し質問されたために立腹し、話題となっている。 ニュージーランドの野党・労働党党首に選ばれたジャシンダ・アーダーン氏は1日、2017年にもなってこのような質問が出てくるとは「受け入れがたい」と話した。 女性が政治家になると、女性だからというだけで男性政治家よりも厳しい目線にさらされるのだろうか。そしてそれとは裏腹に、子供がいる女性政治家は、母親としての立場を利点にして活用できるのだろうか。 「わざと産まず」 政治家の中には、子供がいないからと、深刻な政治攻撃を受けた政治家もいる。 たとえば、ニュージーランドから海を隔てたオーストラリアの前首相、ジュリア・ギラード氏がそうだった。 豪紙シドニー・モーニング・ヘラルドはかつて社説で、「メディアに登場するギラード氏は、一部の有権者の期待に沿わない。人生を仕事に捧げた、子供がいない独身女性だからだ」と書いた。 これはまだ優しい方だ。オーストラリアの首相を務めていた間に、ギラード氏は「わざと産まない」(他党の上院議員)、「元共産主義の子無し無神論者」(同党のライバル議員)とまで呼ばれていた。 こうした個人攻撃にギラード氏は反撃した。なかでも、野党のトニー・アボット党首(当時)への反論は辛辣で、「現代オーストラリアの女性蔑視の形を見たければ、(アボット氏は)鏡を手にするといい」と痛罵したこともある。 ただし、有権者の期待については確かに、シドニー・モーニング・ヘラルド紙に一理あるのかもしれない。 英ロンドン大学バークベック・コレッジの政治学者、ジェシカ・スミス氏は、親としての政治指導者や、政治家の性別について研究している。そしてスミス氏は、社会における女性の役割が変化しているにもかかわらず、未だに「女性=母親」という捉え方が圧倒的に強いと指摘する。 「(他人の)面倒を見るのはまずは女性だというステレオタイプ」は今でも根強く、「私たちはそのレンズを通じて女性を見たがっている」とスミス氏はBBCに話した。 「また、キャリアウーマンについては、つい言ってしまいがちな決まり文句がある。つまり、子供がいない女性については、キャリアを優先したに違いないと」 有権者が以前よりも「政治家の人間性に関心を持つ」ようになる中、政治家の家族関係も重視されるようになった。しかし、「男性政治家は家族の話題を避けても許されるのに、女性はそうはいかない」とスミス氏。 ドイツでは少し事情が違う。 ドイツ人の多くがアンゲラ・メルケル首相を、愛情をこめて「Mutti(ムティ、お母さん)」と呼ぶ。しかし、血がつながった子供はいない。 メルケル氏になぜ子供がいないのかは、周知の事柄ではないし、マスコミは特に話題にしない。ドイツのプライバシー関連法制は強力で、政治報道は他国と比べてはるかに政策重視だからだ。 しかしだからといって、政局の難しい局面で、攻撃材料にしようという政敵はいる。 メルケル氏がゲアハルト・シュレーダー前首相に対抗して出馬していた2005年のことだ。前首相の妻ドリス・シュレーダー・ケプフさんは、メルケル氏は「その経歴からして、大方の女性が経験してきたことを、経験していない」と発言した。 メルケル氏に子供がいないことの言及だと言うのは、明らかだった。 将来への「具体的な利害関係」 このやりとりは、昨年の英保守党党首選を覚えている人には、聞き覚えのある内容だろう。昨年夏にアンドレア・レッドソム氏とテリーザ・メイ氏が、保守党党首の座、すなわち英国首相の座を争っていた時の話だ。 3人の子供がいるレッドソム氏は、自分は母親なので、英国の将来に自分は「実際に具体的な利害関係」があるのだと、日刊紙に話していた。これは子供がいないメイ氏への当てこすりだと解釈された。 発言は非難され、レッドソム氏は謝罪したが、これを機にレッドソム氏は党首選から撤退することになった。 しかしそれでも、子供のいない女性政治家に対して、子供がいないという事実がどうやって攻撃材料に使われるのかを示す、一例ではあった。 「ホッケー・ママ」 世間には、女性の方が男性よりも「集団に適していて世話好き」だというステレオタイプがある。そこに「母親だ」という要素が加われば、固定概念からくるイメージをさらに「強化」することもできるとスミス氏は言う。 右寄りの政治家の方が、女性のこうしたイメージを活用するのが上手だとスミス氏は指摘する。伝統的な家族の価値観にマッチするからだ。 母親イメージをうまく活用した一例が、「ホッケー・ママ」ことサラ・ペイリン氏だとスミス氏は言う。ペイリン氏は元アラスカ州知事で、2008年には副大統領候補となった。 選挙には敗れたものの、ペイリン氏は大躍進した。共和党初の、女性副大統領候補となり、知名度も上がった。5人の子供がいる自分を、ペイリン氏は「ママ・グリズリー(母熊)」と呼んだ。 子供の存在が政治家としてのイメージの中心的要素となっている右派政治家といえば、最近ではドイツのフラウケ・ペトリー氏だ。 政党「ドイツのための選択肢」(AfD)のペトリー党首は、今年4月の党大会の時点で5人目の子供の出産目前だった。そして7月26日には、生まれたばかりの赤ちゃんと一緒の自分の写真をツイッターに投稿。写真には、「あなたは何のためにドイツのために戦うの?」とのキャプションが付けられていた。 さらに、米大統領選の本選で敗れたヒラリー・クリントン氏は、自分には孫がいると「おばあちゃん」のイメージを強調し、イメージをソフトなものに変えようとした。 ダブルスタンダード 母親の立場が障害となった人もいる。 2009年の日本では、当時の少子化対策担当大臣だった小渕優子氏でさえ、母親業と仕事が両立できるか心配だと話していた。 その6年前にはロシアのズムルド・ラスタモワ資産担当相が、大きいおなかがいかに注目を集めたかについて話した。息子の出産予定日1週間前に行われた重要な理事会に出席した際、「みんな、何も問題ないふりをしながら、私の大きなお腹をこっそり見ていた」のだという。 英国では、ロージー・キャンベル博士とサラ・チャイルズ教授による2012年調査で、女性下院議員と一般女性の出産率を比較したところ、女性議員が子供を持たない確率は一般女性の2倍だという結果が出た。加えて、女性議員が初当選した際の第一子の平均年齢は16歳だったが、男性議員の場合は12歳だった。 こうした障害を取り除く方法は、あることはある。たとえば政府庁舎に託児所を作ったり、政治家同士のジョブシェアを可能にしたり、議会内での授乳を可能にしたりなどだ。それでも、女性の家庭生活がことさらに注目される理由は、有権者が女性候補者をどう見るかに関係する。 米バーバラ・リー家族財団は次のように書いている。「有権者は、ダブルスタンダードだと認識している。しかしそれでも、そのダブルスタンダードに積極的かつ意図的に参加するものだ」。 「有権者は、女性が職場での仕事より家庭での役割を優先してしまうのが心配だと言いながら、ではその女性の子供は誰が見ているのかと気にするものだ。子供が小さければ特に」 「その一方で候補者に子供がいなければ、家族持ちの心配事を本当の意味で理解できないのではないかと、これまた有権者は気にするものだ (英語記事 Female politicians and babies: a lose-lose situation?)

  • Thumbnail

    記事

    大規模ランサムウェア攻撃防いだ英サイバー専門家、米FBIが逮捕

    ボーモント氏はツイッターで、「米司法制度は大きな過ちを犯したようだ」とコメントした。 ボーモント氏はBBCに対し、「(サイバーセキュリティー分野の)彼の知り合いはみんな、非常に驚いている」と語った。 英NCSCの報道官は、「法執行に関わることであり、これ以上コメントするのは適切でない」と述べた。 ハッチンス容疑者の匿名希望の同僚によると、同容疑者は空港で逮捕されたという。同僚はBBCに対し、「(勾留施設で)彼に面会しようとしたが、面会時間の前に移送されていた」と語った。「18時間にわたって連絡が取れていない」。 米司法省は、ハッチンス容疑者の容疑は連邦捜査局(FBI)のウィスコンシン州ミルウォーキーにあるサイバー犯罪班が捜査していると述べた。 ハッチンス容疑者逮捕のニュースはウェブサイト「Motherboard(マザーボード)」が最初に報じた。 ハッチンス容疑者の現在の勾留場所は明らかでない。 ロサンゼルスの英総領事館は、ラスベガスの捜査当局と連絡を取り合っており、容疑者の家族を支援していると明らかにした。 (英語記事 NHS cyber-defender Marcus Hutchins charged in US)

  • Thumbnail

    記事

    トランプ氏は電話でいったい何を メキシコ・豪首脳との会談記録リーク

    2017年08月04日 13:46 公開 アンソニー・ザーチャー北米担当記者、BBCニュース ドナルド・トランプ米大統領の発言記録が公開されては、その内容を事細かに点検するのが、ワシントンの最新流行となりつつある。 未公開だった米紙ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューが公表されてみれば、大統領が実に奇妙な断言や非論理的発言を重ねていたことが分かり、世間はこの「迷言」の宝庫を楽しんでいたわけだが、それからわずか数日後、今度は(ごく最近の)過去から新たな発言録が飛び込んできた。大統領就任の翌週の1月27日と28日に、トランプ氏が各国首脳に次々と電話をかけていた時のことだ。 米紙ワシントン・ポストが入手し報道したのは、メキシコのエンリケ・ペニャ・ニエト大統領、そしてオーストラリアのマルコム・ターンブル首相との会話記録。ホワイトハウスが残していたものだ。 世間の耳を気にしない状況ではトランプ氏がどういう風に話すのか、その口ぶりがうかがえる(註:世間に向けた普段の口ぶりとさほど変わらない)。 注目内容をいくつか挙げてみる。 メキシコ大統領との電話で トランプ 「カナダは問題じゃない。カナダのことは心配しないでいい。カナダのことは気にする必要さえない。それは別の話で、カナダは大丈夫で、うちとカナダとの関係はとても公平だ。もっとバランスがとれていて、もっとずっと公平だ。だからカナダのことは心配しないでいいし、我々はカナダのことは気にもしてない」 (ザーチャー解説:この発言は、トランプ政権は北米自由貿易協定(NAFTA)のような多国間の取り決めよりも二国間の通商協定を好むという証拠なのかもしれない。この時点でトランプ氏は「カナダは問題じゃない」とメキシコ大統領に述べたが、この後にはたびたび北方の隣国を非難し、カナダの乳製品や針葉樹軟材輸出方針を罵倒している) トランプ 「僕はニューハンプシャーで勝った。ニューハンプシャーは麻薬蔓延(まんえん)の巣窟(そうくつ)だから」 (ザーチャー解説:トランプ氏は大統領選本選ではニューハンプシャー州で敗れている。しかし2016年2月の共和党予備選ではニューハンプシャーを制し、これによって共和党レースの先頭に立った。選挙中のトランプ氏は同州で、オピオイド(モルヒネ様化合物)中毒の蔓延(まんえん)が問題だと指摘したが、これほど侮蔑的な表現はしていなかった) トランプ 「メキシコにはタフなオンブレ(連中)がかなりいるから、助けが必要かもしれない。あの手ごわい連中を相手にするなら、おたくを助けてあげる用意がある。でも連中は叩きのめさなきゃならないし、おたくはそれがちゃんとできてない」 (ザーチャー解説:「タフなオンブレ」発言は当時すでにリークされ、その時点で不謹慎だと批判された。こうして発言の文脈が分かってみても、首脳外交らしい発言とは言い難い) トランプ 「(壁は)まったく重要な話題じゃないが、政治的には一番大事かもしれない」 トランプ 「メキシコは壁の代金を払わないなんて言うつもりなら、もうおたくらとは会いたくない。そんなのは受け入れられないから」 トランプ 「そんなことはマスコミに言っちゃならない。(メキシコは壁の費用を負担しないと)言ったりしたら、マスコミはそればかり取り上げる。そんなのは僕は我慢できない」 (ザーチャー解説:トランプ氏の主要選挙公約だったメキシコ国境の壁建設は、当初から批判されていた通り、冷徹な現実に直面した。メキシコは費用負担するつもりなどないのだ。トランプ氏はこれが厄介な問題で、世間的に大騒ぎになりかねないと自覚している様子だ。そこで大統領は解決策として、『マスコミには言うな』とペニャ・ニエト大統領を説得しようとした) トランプ 「君と僕とで世界に立ち向かってるんだよ、エンリケ。忘れないで」 (ザーチャー解説: トランプ氏は選挙中ひたすら、メキシコとメキシコの不法移民をサンドバッグ扱いしていた。そのことを思うと、この発言は奇妙だ。電話会談でペニャ・ニエト大統領は一貫して、トランプ氏をほめそやしているので、もしかするとその物言いのおかげで、トランプ氏は態度を軟化させたのかもしれない。少なくともこの場限りは) トランプ 「君の言葉は本当に美しい。美しい言葉だ。自分はそんなに美しい言い方はできないと思うな。そういう言葉で発言を締めくくるのは、最高だと思う」 (ザーチャー解説:選挙中のトランプ氏はかつて「一番いい言葉を知ってるのは自分だ」と自慢した。ペニャ・ニエト大統領にはかなわないと、もしかしたら認めているのかもしれない) 豪首相との電話で トランプ  「(米豪の難民受け入れ合意)は最悪だ。自分は(難民を)国に入れたくない世界で一番偉大な人間だ」 (ザーチャー解説:トランプ氏はどうやらトランプル豪首相に電話する直前まで、米豪難民受け入れ合意についてよく理解していなかったようだ。前日に「誰かが」何か言っていたという以外は) トランプ  「間違いない、(難民は)絶対に良くない。だから今は牢屋にいるんだ。地元の牛乳の人たちのために働くようになる素晴らしい人たちになんかならない」 (ザーチャー解説: オバマ政権とターンブル政権は2016年、東南アジアやイランなどからオーストラリアを目指したものの太平洋上の施設に収容されている難民の米国再定住に合意した。難民は収容施設に監禁されているわけではなく、トランプ氏にターンブル氏が反論したように、オバマ政権は難民1250人全員の受け入れに合意したわけではない。取り決めでは、「牛乳の人たち(milk people)」に脅威とならない難民を米政府が選別することができる) トランプ 「だから連中は選挙に負けたんだ。こういうくだらない取り決めをするから。おたくもビジネスでくだらない取引をしてきたし、おたくのことは尊敬してるけど、間違いなく、くだらない取引をいくつもまとめてきたはずだ。これはくだらない取引だ」 (ザーチャー解説:たとえ外国首脳との電話会談だろうが、優勝したスポーツチームのホワイトハウス表敬だろうが、ボーイ・スカウトの全国大会だろうが、大統領はすきあらばすかさず、2016年大統領選の話題を口にする。自分が大統領選に勝ったこと、そして自分は取引上手なこと(訳注:自伝原題は「Art of the Deal(取引の技)」)が、トランプ氏の得意な話題だ。ターンブル氏はここで、一度に両方の話題を振られる特別待遇を受けている) トランプ 「ボートが何だって言うんだ? どうしてボートを差別するんだ」 (ザーチャー解説:船舶で上陸しようとする難民をなぜ豪政府が受け入れないのか、トランプ氏は理解できないようだ。ターンブル首相はこのやりとりで繰り返し説明を試みているが、豪政府としては、船舶で到来する難民を拒否することで、密航業者を抑制し、難民が危険な航海を選ばないよう仕向けている。難民の出身国や、受け入れに伴う想定上の脅威とは関係ない) トランプ 「もうたくさんだ。1日中こうやって電話ばかりしていたけど、この電話が一番不愉快だ。プーチンとの電話は楽しかった。これは馬鹿げてる」 (ザーチャー解説: 1月28日の直後にすでに、この電話会談はなごやかとは程遠いものだったと報道された。トランプ氏とホワイトハウスは否定したが、この会話記録を読むと、会談の雰囲気は明らかだ。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領への言及は、まさにダメ押しの一手だった) (英語記事 What Trump really meant in those phone calls)

  • Thumbnail

    記事

    飛行機爆破未遂の容疑者、毒ガス攻撃も準備=豪警察

    2017年08月04日 13:33 公開 オーストラリア連邦警察は4日、飛行機を墜落させるため爆発装置を乗せようとしていたとして先月逮捕されたテロ容疑者2人が、毒ガスを出して攻撃する装置も準備していたと発表した。 警察によると、男たちには7月15日にシドニー発のエティハド航空機に自家製の爆発装置を乗せようとした容疑がかけられている。さらに、毒ガスを放出する装置を作ろうとしていたものの、完成間近ではなかったという。 捜査官たちは、攻撃計画は「完全に阻止された」と述べた。 マイケル・フェラン副総監は、「オーストラリア国内で計画されたものとしては、これまでで最も洗練されたものだ」と語った。 フェラン氏によると、最初の計画では、軍事級の「高度な」爆発物の使用が想定されていたが、荷物のチェックインが許されず、計画は阻止された。 フェラン氏は、「なぜ荷物をチェックインできなかったか、憶測が多少流れているようだ。はっきりさせておきたいが、(安全)検査にはまったく近づいていなかった」 爆発装置の部品は、過激派組織のいわゆる「イスラム国」(IS)の幹部がトルコから送ったもので、オーストラリアに航空貨物として空輸されたとみられる。 二つ目の攻撃計画では、毒ガスの硫化水素を放出する自家製装置が使われようとしていた。 フェラン氏によると、先月29日の家宅捜索で4人を逮捕した際には、ただちに攻撃できる状態ではなかったという。 逮捕された4人のうち2人は4日に裁判所に出廷。容疑は「テロ攻撃の計画、もしくは準備」だという。 残り2人のうち1人はその後釈放され、もう1人は依然として拘束されている。 警察によると、4人のうちの1人は今年4月にIS関係者と連絡を取っていた。 警察は過去1週間、シドニー郊外の町のレイクンバ、パンチボウル、サリーヒルズ、ワイリーパーク、バンクスタウンで家宅捜索を行い、証拠を収集している。 マルコム・ターンブル首相は3日、テロ計画を「失敗に終わらせ、抑止した」と述べた。 (英語記事 Australia terror probe: Plane suspects 'made two plots')

  • Thumbnail

    記事

    日本の歴史的な築地市場で火災 

    に開場した。トタン板で作られた小屋がほとんどだった。 現在の築地市場は活気あふれる大規模な場所だが、BBCのルーパート・ウィングフィールド=ヘイズ東京特派員は「古く、くたびれて、汚れて、ごみごみした」場所だと話す。 それでも取扱高は莫大かつ多様で、年間何万人もの観光客が訪れる。 しかし場内市場は今年末までに、最新設備が整った豊洲市場へ移転する予定。何世代にもわたる家業として築地で商売してきた人たちの中には、新市場への移設に抵抗する動きもある。 東京の小池百合子知事はこれまでに、築地市場の老朽化と耐震性の問題に対応するため、再整備の必要があると表明している。 (英語記事 Japan's historic Tsukiji fish market catches fire)

  • Thumbnail

    記事

    米特別検察官、ロシア疑惑捜査で大陪審を選出

    2017年08月04日 11:34 公開 昨年の米大統領選へのロシアによる介入疑惑を捜査するロバート・ムラ―特別検察官は3日、疑惑について起訴するかどうかを決める大陪審を選出した。メディア各社が報じた。 ロイター通信によると、大陪審は2016年6月にドナルド・トランプ大統領の長男、ドナルド・トランプ・ジュニア氏(39)とロシア人弁護士との間の面会について召喚状を出した。 トランプ大統領は、ライバル候補だったヒラリー・クリントン元国務長官に勝つため自らの陣営の関係者がロシア政府と結託したとの疑惑を強く否定している。 米国では、大陪審は証拠を検討した上で刑事訴訟での起訴が適当か判断するが、有罪か無罪かの判断はしない。 一般の市民から選ばれる大陪審は、文書の提出や宣誓下での証言が要求できる召喚状を検察が出すのを許可できる。 トランプ大統領は3日夜にウェストバージニア州ハンティングトンで開かれた集会で演説し、疑惑は「でっち上げ」で「我々の国を貶めるものだ」と語った。 「ロシアの話は完全に作り話。(大統領選での)米国政治の歴史上最もひどい敗北の言い訳に過ぎない。それだけだ」 聴衆が大歓声を上げるなかトランプ大統領はさらに、「検察が調べるべきなのは、削除された3万3000通のヒラリー・クリントンの電子メール」だと述べた。「選挙運動で僕たちの陣営にロシアが関わっていなかったのはほぼみんなが知っている。一度もない。あなたたちのおかげで僕たちは勝ったんです。それは確かだ」 有力な弁護士たちが集まったトランプ氏の法律チームは、ロシア疑惑捜査をめぐる記者らの質問に対応し、トランプ大統領自身が捜査対象だと考える理由はないと述べた。 ホワイトハウス特別顧問に先月任命されたタイ・コブ弁護士は文書で、「彼(ムラ―氏)の仕事の完了を早めることであればなんでもホワイトハウスは歓迎する。ホワイトハウスは、ムラ―氏と完全に協力すると強く決意している」と述べた。 米上院は3日、トランプ政権がムラ―氏を解任しにくくする2法案を超党派で提出した。トランプ大統領は今年5月に、ロシア疑惑をめぐる捜査を理由に挙げて、連邦捜査局(FBI)の長官だったジェイムズ・コーミー氏を解任しており、トランプ氏が同様にムラ―氏を解任するのではないかとの懸念が出ている。 3日のメディア報道によると、元FBI長官のムラ―氏が進める捜査が、昨年6月のトランプ・ジュニア氏とロシア人弁護士ナタリア・ベセルニツカヤ氏との面会に焦点を当てているもよう。 ロイター通信によるとムラ―氏は、トランプ陣営の関係者がロシアに対して、クリントン陣営に関する資料を外部に漏らすよう促したかどうかを調べている。 ロイター通信は関係筋の話として、トランプ大統領自身は捜査対象にはなっていないと伝えた。しかし、トランプ・ジュニア氏とロシア人弁護士の面会を事前に知っていたのか、また事後に説明を受けたのかについて、ムラ―氏は知ろうとしているという。 トランプ・ジュニア氏が送った電子メールからは、ロシア政府がクリントン氏に不利な情報が会合で提供されるとトランプ・ジュニア氏が考えていたことが示されている。 トランプ大統領と政権の高官たちは、面会は通常の選挙運動でもよくある「対立候補についての調査」だったとしている。 トランプ・ジュニア氏が当初、面会はロシア人の子供の養子縁組政策についてだったと説明していたのは、トランプ大統領の助言に基づくものだったことが判明している。 中央情報局(CIA)や国家安全保障局(NSA)を含む米国の情報機関は、ロシアが大統領選でトランプ氏を勝たせようと介入したと結論付けている。ロシアは介入を否定している。 トランプ氏は度々、情報機関の結論への疑念を述べている。 ムラ―氏は今年5月にロッド・ローゼンスタイン司法副長官によって特別検察官に任命された。 ロシア疑惑をめぐっては、議会も複数の委員会が調査を進めている。 (英語記事 Grand jury assembled in Trump-Russia investigation)

  • Thumbnail

    記事

    「これを作るため5頭の幼いゾウが殺された」

    2017年08月04日 9:00 公開 ゾウの保護を訴える米野生動物保護協会(WCS)が3日、ニューヨークのセントラルパークで、象牙を使った装飾品の製造や取引廃止を訴え、1000万ドル(約11億円)相当の象牙製品を粉々にした。

  • Thumbnail

    記事

    ベネズエラ選管、投票者数の水増しを否定 制憲議会選挙で

    2017年08月03日 17:53 公開 南米ベネズエラの選挙管理委員会は2日、先月30日に実施された制憲議会選挙の投票者率が水増しされているとの疑惑を否定した。 政府は、ニコラス・マドゥーロ大統領が内外の反対を押し切って実施した新議会の選挙で800万人以上が投票し、投票率は41.5%に上ったと発表している。 電子投票システムを提供した英スマートマティック社は、投票総数は政府発表よりも少なくとも100万人少ないと指摘した。 同社のアントニオ・ムヒカ最高経営責任者(CEO)はロンドンで記者団に対し、「非常に残念ながら、7月30日の日曜日に実施されたベネズエラ制憲議会選挙の投票者数は操作されたとお知らせしなくてはならない」と語った。 しかし、選管のティビサイ・ルセナ委員長は、スマートマティック社が「根拠のない推測で無責任な主張」をしていると反論した。 マドゥーロ大統領は新たな議会が4日に発足すると述べた。野党勢力はマドゥーロ大統領が政権にとどまるために新議会を制定しようとしていると批判している。 野党勢力は選挙をボイコットした一方で、先月16日に非公式の国民投票を実施。制憲議会の制定に反対する票が700万票以上集まったとしている。 30日の選挙での投票率は、政府支持率の指標だとみられている。 野党が多数を占める国民議会は、スマートマティック社の主張について刑事捜査を開始する決議を行った。 一方、ロイター通信は、投票締め切り2時間前の時点で投票総数が400万票を下回っていたことを示す選管の内部文書があると報じた。 2日には、マドゥーロ大統領の妻と息子を含む制憲議会の当選者たちの認定が始まった。新議員の宣誓も行われており、新議会は3日に初会議を行う予定。 マドゥーロ大統領は、憲法を改正し国民議会の権限を奪うことができる新議会の制定によって、何カ月も続いた混乱を終わらせられると述べている。 野党勢力は制憲議会の発足に合わせ、デモ行進などの新たな抗議活動を呼びかけている。 ベネズエラの政治・経済危機は収束しておらず、石油価格の低迷が同国の社会福祉政策に打撃を与えている。政府に対する抗議活動で何十人もの人が死亡した。 しかし、政権維持に不可欠な軍は、依然として政府を支持している。 (英語記事 Venezuela vote: Authorities reject inflation claim)

  • Thumbnail

    記事

    ミルクシェイクを600キロ 末期がん女性の希望かなえようと

    2017年08月03日 16:32 公開 米オハイオ州の食堂が先月、ミルクシェイクを600キロ離れたワシントンの病院まで運び、末期がんの女性の最後の希望をかなえた。 すい臓がんのためワシントン市内のホスピスで療養していたエミリー・ポメランツさん(50)は、故郷のオハイオ州クリーブランド市内の食堂「トミーズ」で飲んだモカ・シェイクの味が忘れられなかった。 それを聞いた友人のサム・クラインさんがトミーズに連絡を取って相談したところ、長距離の出前が実現した。 モカ・シェイクがポメランツさんの元に届いた4日後の先月28日、ポメランツさんは亡くなった。 現在ワシントンに住むクラインさんもクリーブランド育ち。長年の友人のポメランツさんを見舞った際に、何か欲しいものはないか尋ねたという。 クラインさんはその時のことをフェイスブックの投稿で振り返った。「彼女は微笑みながら『トミーズのモカ・シェイクがもう一度飲めたらなぁ』と話した」。 クラインさんは食堂の代表メールアドレスに、問い合わせのメールを送ってみたという。 「数日後、トミーズのオーナーのトミー・フェローさんから電話が来て、フェローさんは『ええ、なんとか方法を考えてみます』と言ってくれた」 フェローさんは、食堂を開いてから47年間、こんな注文は受けたことはなかったと、地元テレビ局「フォックス8ニュース」に語った。 「できるかどうかも分からなかった」と話すフェローさんは、関係者が「ミルクシェイク作戦」と名付けて取り掛かったと話した。 フェローさんはモカシェイクをドライアイスの中に詰め、翌日配送のサービスに123ドル(約1万3600円)を支払った。 ポメランツさんは大好きなモカ・シェイクを見て大喜びだったとクラインさんは話す。 「もうここにはいないエミリーが、大勢の気持ちをなごませてくれている。それを彼女が知ったら、すごく喜ぶはずです」 (英語記事 Milkshake shipped across US to grant dying woman's wish)

  • Thumbnail

    記事

    視覚障害者の数、世界で「2050年までに3倍」に

    2017年08月03日 16:21 公開 目が見えない人の数は、今後40年以内に世界中で3倍に増えるかもしれないという研究が、英医学誌ランセット・グローバル・ヘルスで発表された。 英アングリア・ラスキン大学の研究チームは、予算拡大で治療法を改善しない限り、目の見えない人の数は現在の3600万人から2050年までに1億1500万人へ増加すると予測している。 増加の背景にあるのは、高齢化だ。 目が見えない人や見えにくい人の割合は、南アジアやサハラ砂漠以南アフリカなどで特に高い。 一方で、今回の研究によると、世界人口における視覚障害者の割合はむしろ減っているという。 ただし世界の人口が増加し、相当な高齢まで生きる人数も増えているため、視覚障害者の数は今後数十年で急増すると研究者らは予測している。 研究チームが188カ国のデータを分析したところ、中程度から重度の視覚障害がある人は2億人以上いると推測され、この人数が2050年までに5億5000万人以上に増加する見通しという。 論文の筆頭著者で英アングリア・ラスキン大学教授のルーパート・ボーン氏は、「中程度の視覚障害でさえ、生活に相当な影響を及ぼしかねない」と指摘する。 「例えば、中程度の視力障害でも運転ができなくなるケースが多い。運転が禁止されれば、その人の自立性が損なわれてしまうことがある」 ボーン教授は、視力障害によって教育面や経済面での機会が限定されてしまうとも話す。 視覚障害が最も深刻な地域は南アジアと東アジアだ。サハラ砂漠以南のアフリカの一部も特に割合が大きい。 今回の調査は、白内障手術などの治療により多くの資金を投入することや、各自に合った視覚矯正メガネを誰もが確実に手に入れられるよう、呼びかけた。 「視力矯正による投資収益率はきわめて高い。発展途上地域でこれほど、実施しやすい対策はあまりない」とボーン教授は言う。 「安価で、インフラもあまり必要ない。視力矯正に国がかける費用は、国民が労働力として復帰することで、回収できる」 避けられる失明の撲滅を目指し30カ国以上で活動する慈善団体「サイトセイバーズ」は、水晶体が濁る白内障などの症状が増加していると指摘する。 「高齢化と慢性病の増加で、世界の最貧国において視覚障害の負担は増加する一方だと予測している」と、サイトセイバーズのイムラン・カーン氏は話した。 発展途上国の医療制度は改善の必要があり、持続的な眼科医療を提供するには、より多くの外科医と看護師を研修する必要があるとカーン氏は述べた。 目が見えない人の数 南アジアで1170万人 東アジアで620万人 東南アジアで350万人 サハラ以南アフリカの一部で人口の4%以上 西ヨーロッパで人口の0.5%以下 (英語記事 Global blindness set to 'triple by 2050')

  • Thumbnail

    記事

    人間の胚を編集 病気の遺伝阻止のため

    2017年08月03日 15:31 公開 ジェイムズ・ギャラガー健康科学担当記者、BBCニュース 米国と韓国の研究チームは2日、重い疾患である肥大型心筋症の遺伝に関わるDNAをヒトの胚から取り除くことに初めて成功したと、英科学誌ネイチャー電子版に発表した。 遺伝情報(ゲノム)のDNA配列の一部を改変する「ゲノム編集」によって1万の遺伝的疾患を予防する可能性が生まれたことになる。 研究チームは5日間にわたって胚を育てることが許された。医療の未来を示唆する今回の研究は、倫理上の深い問題も提起している。 2015年に新たな技術「Crispr(クリスパー)」が生まれて以来、ゲノム編集に関する研究は黄金時代を迎えている。 クリスパーは医療分野で幅広い応用が期待され、嚢胞(のうほう)性線維症から乳がんまで、さまざまな疾患を起こす遺伝子を取り除ける可能性がある。 肥大型心筋症に焦点を当てた今回の研究は、米国のオレゴン健康科学大学とソーク研究所、韓国の基礎科学研究院が共同で行った。 肥大型心筋症は500人に1人が発症する比較的多い病気で、心臓が急に停止する危険がある。一つの遺伝子の異常によって引き起こされ、子供にも受け継がれる可能性は約5割だ。 研究では、肥大型心筋症の男性の精子を、提供された健康な卵子と結合させた後、クリスパー技術で対象の遺伝子を切除した。成功率72%で遺伝子変異のない胚を育てることができた。 研究で重要な役割を果たしたオレゴン健康科学大のシュクラット・ミタリポフ博士は、「異常を起こす遺伝子を血筋から取り除くことになるので、遺伝子修復はすべての世代にわたって引き継がれる」と語った。 「この技術によって、家族の遺伝的疾患の重荷を軽減し、ひいては人類全体に広げることが可能だ」 クリスパー技術の応用はこれまでにも試されてきている。2015年には中国の研究チームが血液疾患に関わる遺伝子異常の修復を試みたが、すべての細胞を修復できなかったため、健康な細胞とそうでないものが「モザイク状」になった。さらに、DNAの別の場所も改変されてしまった。 今回の研究では、中国の研究で示された技術的な課題が克服されている。しかし、これがすぐ一般的な技術になるわけではない。 最も大きな課題は安全性だ。今後、はるかに大規模な研究が必要になる。 また、どういう場合なら遺伝子の修復に値するだけの十分な理由があるのかという疑問にも、答えなくてはならない。着床前の受精卵を遺伝子解析して疾患の可能性を検査する技術は、すでに存在する。 一方で、一つの遺伝子の異常で引き起こされる病気は約1万種類あり、今回の技術を使って修復することが理論的には可能だ。 英フランシス・クリック研究所のロビン・ロベル=バッジ教授はBBCに対し、「問題のある遺伝子を子供に受け継がせないようにできる技術は、当事者の家族にとって非常に重要だ」と語った。 「いつ実現するのかだが、もちろんすぐにではない。安全だと確信できるまでにはかなり時間がかかるだろう」 肥大型心筋症を持つニコール・モウブレイさんの胸には、急な心臓停止を避けるための除細動器が植え込まれている。 しかし、ゲノム編集の技術を使う決心はついてないという。「制限された、あるは困難な人生を送ることになる原因を、自分の子供に受け継がせたくない。子供を作ろうか考える時にはそれが一番気になる。しかし、『完璧な』子供を作りたいとは思わない。私の病気は私を私らしくしているものなので」。 倫理上の課題 英ケント大学で遺伝学を教えるダレン・グリフィン教授は、「一番の問題、おそらく一番議論の対象になるだろう点は、そもそもIVF(体外受精)による胚の遺伝子を、物理的に改変していいのかどうかだ」と語った。 「これは単純な問題ではない。(中略)同じように、命にかかわる疾患を予防する技術がある時に、それを使わないのは倫理的に受け入れられるのかという問題も出てくる」 今回発表された研究にはすでに批判の声も上がっている。遺伝子操作に反対する団体「ヒューマン・ジェネティクス・アラート」のデイビッド・キング博士は、研究が「無責任」で「遺伝子操作赤ちゃん第一号を作る競争」をしていると批判した。 英ロンドン大学セント・ジョージ校のゲノム医療研究者、ヤルダ・ジャムシディ博士は、「研究は、ゲノム編集によって初期段階のヒト胚で疾患の原因となる遺伝子変異をうまくかつ効率的に修正できることを初めて示した」と指摘した。 「我々は遺伝病の複雑さを理解し始めたばかりだが、ゲノム編集は、個人とより幅広い社会の両方に与える利益の可能性がリスクを上回った時に受け入れられるだろう」 研究は現時点で、優れた特徴を持つよう遺伝子が操作された「デザイナーベイビー」とも呼ばれる赤ちゃんを生み出すという、極端な結果への懸念を招くには至っていない。 クリスパー技術は遺伝子操作されたDNAをゲノムに加えるということも可能にしているが、それが試されていないことに科学者らは非常に驚いている。 反対にクリスパー技術は、父親の精子で遺伝子変異のあった部分を壊して、母親の卵子の健康な部分の方が受け継がれるようにすることに使われている。 このため現時点では、両親のいずかのDNAが健康である場合のみ効果のある技術になっている。 ロベル=バッジ教授は、「デザイナーベイビー作りはそもそも正当性を欠いているし、そんなことになる可能性はますます遠ざかった」と語った。 (英語記事 Human embryos edited to stop disease)

  • Thumbnail

    記事

    トランプ氏、ホワイトハウスは「ごみため」だと 本当に?

    2017年08月03日 15:28 公開 米ホワイトハウスは「dump=ごみため、ボロ屋」なのだそうだ。新しい住人によると。 米ゴルフニュースサイト「Golf.com」によると、ドナルド・トランプ米大統領は、自分が就任以来、米国各地のゴルフ場を頻繁に訪れている理由について、一緒にプレイする相手に、「あのホワイトハウスはすごいごみためだから」(That White House is a real dump)と話したのだという。 トランプ氏はこの報道を「偽ニュース」だと否定し、「ホワイトハウスが大好きだ、あれほど美しい建物(住宅)はめったに見たことがない」とツイートした。 一方で、父ビル・クリントン元大統領の任期8年間から内部を良く知るチェルシー・クリントンさんは、「ホワイトハウスの案内係、執事、メイド、料理人、生花担当、庭師、配管工、技師、学芸員の皆さん、毎日のお勤めに感謝します」とツイートした。 では実際に「ごみため」なのか? 建築専門サイト「 Architectural Digest (建築ダイジェスト)」が今年7月に掲載した、建物内の写真を見る限り、とてもそうは見えない。 とはいえ、合計132室もあるだけに、写真のない部屋はもしかするとこれほど良い状態でなかったりするのか。 少なくとも公表されている部屋の見た目はどれも、ボロやごみためからは程遠い。 ホワイトハウス内の仕組みや職員の働き方などについて、歴代の大統領について本にしてきたブラッドリー・H・パターソン氏は、2008年の著書「To Serve the President」で、毎年のホワイトハウス予算では160万ドル(約1億7600万円)の修繕費が計上されていると書いている。 また、2016年の「アメリカ進歩センター」報告によると、全米では3000万世帯の住宅が危険な状態にある。そういう状態で暮らす人たちにとっては、ホワイトハウスは決して「ボロ屋」ではないだろう。 同報告は住宅の危険要因として、「構造の劣化、暖房の不良、配管の損傷、ガス漏れ、鉛の溶出」などを挙げている。 つまり、米国の平均的な世帯人数で計算すると、トランプ大統領の統治下で、住民への「相当な危害」が懸念される住宅に7600万人近くが住んでいる可能性があることになる。 趣味の問題? 今の大統領が新居に不満だというなら、それは個人的な趣味の問題かもしれない。 そもそも「建築ダイジェスト」の形容を借りるならば、ホワイトハウス内の私室はいずれも、「礼節と洗練された趣味のオアシス」なのだ。 一方で、トランプ氏の私邸はどうだろう? ニューヨークのトランプ・タワーは。トランプ氏が暮らすペントハウスの装飾は、紛れもなくまったく異質の美的感覚を物語っている。 独裁者の美的感覚をテーマにした著作のあるピーター・ヨーク氏は今年3月、米政治ニュースサイト「Politico」で、トランプ・タワーの装飾について、「ある意味では、上昇志向の表れだ。多くの市民が夢見ることしかできない財力の表現として」と書いた。 「しかし同時に、よく似た例がいくつかあり、その類似性が重要だ。トランプ氏のスタイルが似ているのはイタリア・ルネッサンスやフランス・バロックではなく(派手さはルネッサンスやバロックを模したものだが)、もっと最近のものだ。トランプ流スタイルを最も端的に表現するなら、『独裁者風』と呼ぶのがいいと私は思う」とヨーク氏は書いている。 『Dictator Style(独裁者スタイル)』という著書のあるヨーク氏によると、トランプ氏のペントハウスは「自分はとてつもない金持ちで、想像を絶する権力の持ち主だ」と大声で叫んでいるようなものだ。これは、ワシントンの抑制されたスタイルと、少し違うどころの騒ぎではない。ワシントンで多く見かける「新古典様式」の公共の建物はいずれも、「抑制を通じて安定性と信頼性を喚起する」ことを意図しているのだからと、ヨーク氏は書く。 とはいえ、ホワイトハウスに自分流のスタイルを持ち込むのはどの大統領でもやることで、トランプ氏もすでに自分なりのデザイン変更を施したはずだ。 大統領執務室の赤いカーテンを金色のものに付け替えたことは、すでに知られている。しかし非公開の住居部分で何がどうなったのかは、はっきりしない。メラニア夫人は今年初めに、インテリアデザイナーのサーム・カナリカム氏に住居部分のデザインを依頼しているが、実際にどういうデザイン変更が行われるのかは不明だ。 一方で、メラニア夫人の上級顧問、ステファニー・ウィンストン・ウォルコフ氏はライフスタイル・サイト「WWD」に対して、「トランプ夫人はホワイトハウスの歴史的側面をとても大事に思っています。サームの伝統的デザインと高い技術によって、心地よいエレガンスをさりげなく組み合わせて、大統領とファーストレディーと(息子の)バロンが自宅と呼び、家族の時間を過ごす場所を、作り上げていく予定です」とコメントした。 大規模リフォームの費用は 確かに1940年代後半のホワイトハウスは、「ごみため」や「ボロ屋」呼ばわりされても仕方がなかった。大恐慌時代と第2次世界大戦のせいだ。 記録によると、ハリー・トルーマン大統領が初めて訪れたホワイトハウスの住居部分は、狭すぎるというだけでなく、浴槽が床板にめりこんでいた。そして床はきしむどころか、「ぐらぐら揺れていた」のだという。 1948年に始まった大規模修繕は、複数情報によると総工費570万ドルだった。この時にかなりの増築も行われた。現在では年間補修費だけでその3割ほどの金額がかかると言われるだけに、全面的な大規模修繕を現時点で実施するとなったら、どの程度の金額になるのか想像に難くない。 英国では、バッキンガム宮殿が10年ぶりの大規模修繕を予定している。3億6900万ポンド(約535億円)かかる予定だが、775室のバッキンガム宮殿はホワイトハウスよりやや大きい。 バッキンガム宮殿の前回の大規模修繕は1950年代のことだった。つまり、鉛管や配線や給湯システムの老朽化など、エリザベス女王の公邸が抱えてきたのと同じようなトラブルが、ホワイトハウスの華やかな表面の裏で進行しているのかもしれない。とはいえ、ホワイトハウスでは1993年以来、設備の刷新を繰り返してきたため、バッキンガム宮殿ほどの状態にはなっていないかもしれない。 他方、フランスではベルサイユ宮殿が2003年以降、5億ユーロ(660億円)規模の大規模修繕の最中で、工事を終えるまでにまだ3年かかる。 要するに、ホワイトハウスでもし大規模修繕を行うとなると、その費用は数千万ドル単位になる見通しだ。トランプ氏が公約してきた数十億ドル規模の壁の費用も捻出しなくてはならない以上、ホワイトハウスの改修は当面、最優先事項とはならなさそうだ。 (英語記事 Is the White House really a dump?)

  • Thumbnail

    記事

    トランプ米大統領、対ロ制裁強化法案に署名 問題あると指摘も

    2017年08月03日 11:37 公開 ドナルド・トランプ大統領は2日、ロシアが昨年の米大統領選に介入したとの疑惑にもとづく対ロシア制裁強化法案に署名した。 イランと北朝鮮への制裁も含む法案への署名は非公開で行われた。トランプ大統領は、対ロシア制裁を緩める大統領の権限に法案が「手錠」をかけたとして、立法府の行き過ぎだと批判した。 一方、ロシアのドミトリー・メドベージェフ首相は、制裁が「新たな米政権」との関係改善への「希望をつぶした」とし、米国がロシアに「全面的な貿易戦争」を宣言したに等しいと述べた。 イランの準国営イラン学生通信(ISNA)によると、イラン政府は制裁が2015年の核合意に違反しているとして、「適切かつ同等」の対抗措置を取ると表明した。 ロシア政府は米大統領選への介入を否定している。トランプ大統領は、陣営関係者がロシアと結託した事実はないとしている。 ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は制裁が署名されて間もなく、「これはニュースではない」と語った。「要は、法案は可決され、大統領の署名があろうがなかろうが自動的に成立することになっていた」。 ロシアはすでに先週、米大使館と領事館の外交官ら755人を国外退去処分にする報復措置を発表している。 ドイツを含む欧州各国の一部は、制裁がもたらす経済的な影響に強い懸念を示している。ジャンクロード・ユンケル欧州委員長は「欧州のエネルギー安全保障の利害に意図されない一方的な影響」が及ぶ可能性を警告した。 トランプ大統領は、今回の「経済制裁を通じた米国の敵対者への対抗措置」法案に署名する際、声明を追加し、法案には「深刻な問題がある」と述べた。 トランプ大統領は、法案を圧倒的多数で可決した議会が憲法上の権限を逸脱したと非難。「大統領として、議会よりもずっと良い取引を外国とすることができる」と述べた。 法案には、ロシアが2014年にウクライナのクリミア半島を併合したことへの追加制裁も含まれる。バラク・オバマ前大統領は昨年12月に、ロシアが大統領選に介入したとして35人のロシア外交官の国外退去処分を実施している。 共和党のリンジー・グレアム上院議員は法案を称賛し、大統領が拒否権を行使した場合でも議会で再可決されるのに十分な賛成が得られているため、選択肢は限られていたと指摘した。 グレアム議員はCNNテレビに対し、「(ウラジーミル・)プーチン大統領は米国の誰もできなかったことを成し遂げた。議会を団結させたのだから」と語った。 ロシア上院の大物議員コンスタンティン・コサチェフ氏は、議会に対抗しなかったことでトランプ大統領は「降伏した」と述べた。 トランプ大統領とプーチン大統領は先月ドイツ・ハンブルクで開かれた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で、初めて顔を合わせた。 昨年の米大統領選でロシアがトランプ陣営を勝たすために介入したとの米情報機関による主張をめぐっては、議会が調査を行っているほか、ロバート・ムラー特別検察官による捜査も進められている。 (英語記事 Trump approves new 'flawed' Russia sanctions)

  • Thumbnail

    記事

    ベルリンの学生たち、画才でネオナチに対抗

    2017年08月03日 9:00 公開 ベルリンの学生たちが、スプレーペイントを使う路上アーティストとしての才能を駆使して、市内に出没するナチスのシンボル、鍵十字の落書きを消して回っている。

  • Thumbnail

    記事

    社員の体にマイクロチップ埋め込み 米ソフトウェア会社

    2017年08月03日 9:00 公開 自動販売機用のソフトウェアを開発する米ウィスコンシン州の「スリー・スクエア・マーケット」が、マイクロチップを人体に埋め込む技術を社員に提供している。マイクロチップを入れた人は、同社内では手をかざすだけで入退室ができ、自販機が使え、コンピューターにログインできる。しかし、応じた社員は約半数に留まった。

  • Thumbnail

    記事

    ぽっちゃりサイズのモデル、機内で「肥満批判」をした男性に立ち向かう

    2017年08月02日 18:04 公開 ぽっちゃりサイズのモデルが飛行機で移動中、この女性について「意地悪で醜い」テキスト・メッセージを送っていた乗客に立ち向かったとして絶賛されている。 ナタリー・ハージさんは撮影のためロサンゼルスに向かう際、飛行機で隣になった男性が、ハージさんの体重のせいで飛行機が離陸できないと友人に複数のテキスト・メッセージを送っていた、と話した。 別のメッセージで男性は、「ハージさんがメキシコ人を食べたんだと思う」とも書いた。 後になって男性は、搭乗前に酒を数杯飲んだとしてハージさんに謝罪した。 ハージさんは、6日に起こったこの出来事をソーシャルメディアに投稿。やり取りを録画した動画の再生回数は100万回以上に上った。 ハージさんは自身を「ひどい飛行機恐怖症」だと説明し、「ちょっと広めの足元スペースが必要だと分かっている」ため、広めのシートピッチ用に70ドル(約8000円)を支払ったと言う。しかし中央の座席しか空いていなかった。 ハージさんはインスタグラムの投稿に、「私が席に座ったとたん、左側の男性が大げさにイライラして、ため息をついたり、座り直したりし始めました」と書いた。 ハージさんはその後、この男性が友人にハージさんについてテキストメッセージを送っているのに気付いたという。 「『その女性、メキシコ料理を食べたんでなければいいけど』と書いてきた友人に対し、男性は「メキシコ人を丸ごと食べたんだと思う」と返信しました。さらに、壁に向かってひどく押し潰されてるから、『窓に自分の首の跡が付いている』と続けました」 ハージさんは、右側に座っていた男性に事情を説明し、席を変わってくれるようお願いしたが、笑って断られたと言う。 「これは太った人に日常的に起こる現実で、飛行機だけの話じゃない。バスで、食料品店のレジを待つ列で、コンサートで、インターネットで起こります。誰のことも邪魔せずに自分の空間にいるだけでも、人はちょっかいを出してきて傷つけようとします」 「できることはただ、存在するだけで悪いことなど何もしていないと気づくこと。そして前に進むこと」 ハージさんはその後、男性に立ち向かい、その時の動画をフェイスブックに投稿した。この投稿は7000人以上から「いいね」を集めた。動画の中で男性は謝罪をしている。しかし男性はその後、ハージさんは緊急事態の時に人々が避難するのを手伝えないため、非常口の座席に座るべきではないと言ったという。 男性が送ったとされるテキスト・メッセージの一つをハージさんが引き合いに出すと、男性は笑った。「二度と誰かをそんなふうに扱ったりしないで」とハージさんは男性に話した。 フェイスブック上では、ハージさんの勇気を褒め、ハージさんが「勇敢な女性」だと称賛する声が集まっている。 (英語記事 Plus-size model confronts man over 'fat-shaming' during flight)

  • Thumbnail

    記事

    エジンバラ公、最後の公務へ

    2017年08月02日 17:09 公開 英エリザベス女王の夫、エジンバラ公フィリップ殿下(96)は2日、引退前の最後の公的行事として、英海兵隊のパレードに出席する。 エジンバラ公はこれまで、何十年にもわたり女王を支え、自身が支援する慈善団体や組織の行事に出席するなどしてきたが、公務の引退を5月に発表していた。 フィリップ殿下は1952年以降、2万2219回の行事に単独で出席した。 殿下は2日、慈善活動で1664マイル(約2700キロ)のトレッキングに参加した兵士らと顔を合わせる。 海兵隊が慈善活動の資金集めとして行った、強さと耐久力で一連の課題に挑む「1664グローバル・チャレンジ」の最後を飾るパレードに、海兵隊名誉司令官として出席するもの。 フィリップ殿下の公務はこれで終了となるが、王室は、殿下が今後も特定の行事に女王と共に出席することを決める可能性があると述べている。 女王の公務は今後も通常通り続けられる。 フィリップ殿下が今年初めに公務引退を発表した際、長年にわたる務めへの称賛が集まった。テリーザ・メイ首相は国民を代表して「最大限の謝意とお祝い」を述べた。野党・労働党のジェレミー・コービン党首も、殿下の長年の働きを称え、引退への祝意を表した。 数字で見るエジンバラ公のプロフィール  96歳 女王の配偶者として70年 22,219 回の単独公務( 1952年以降) 5,496 回のスピーチ 785 組織のパトロン(後援者)、会長または会員 400万 人がエジンバラ公賞に参加 (英語記事 Prince Philip to carry out final official engagement)