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    トランプ米大統領、国務長官に一緒にIQテスト受けようと提案

    2017年10月11日 13:10 公開 ドナルド・トランプ米大統領は10日、レックス・ティラーソン国務長官と一緒にIQテストを受けてどちらが頭が良いか比べることを提案した。 トランプ氏の発言は、不仲が伝えられるティラーソン国務長官が今年夏、トランプ氏について「間抜け」と語ったとの報道を受けたもの。フォーブス誌とのインタビューでトランプ氏は、「フェイク・ニュースだと思う。だけどもしそう言ったなら、IQテストの結果を比べてみる必要があるだろうな。誰が勝つのかは分かっているけど」と述べた。 トランプ氏は10日、ティラーソン長官と昼食を共にした。 昼食会の直前、トランプ大統領は記者団に対し、ティラーソン国務長官への信頼は変わらないと表明し、「僕は誰だろうと相手の立場を損なったりしない。相手の立場を損なうのは僕の流儀じゃない」と語った。 定例の記者ブリーフィングでトランプ氏のIQテスト発言について質問を受けたサラ・ハッカビー・サンダース大統領報道官は、「あれは冗談。ユーモアのセンスを学んだ方がいい」と答えた。 トランプ大統領とティラーソン長官との関係に亀裂が生じているとの報道がされるなか、米国は北朝鮮とイランをめぐる外交上の難問に直面している。 ティラーソン長官は先週、辞意報道を否定する緊急の記者会見を行った。しかし、今年7月に国防総省で開かれた会議でトランプ氏を「間抜け」と呼んだとするNBCテレビの報道については、直接否定しなかった。 トランプ大統領は今月、ティラーソン長官が中国訪問時に北朝鮮との対話の可能性を探っていると述べたことを受けて、核兵器を手に入れている北朝鮮と交渉しようとするのは「時間の無駄」だとツイートし、長官の立場を損なう発言を公然としてした。 米紙ニューヨーク・タイムズは先週、いかにトランプ氏が外交政策の基本を理解していないか、ティラーソン長官が驚愕したと報じた。 同紙は、ティラーソン氏に近い筋の話として、ティラーソン氏が会議中に見せる態度にトランプ氏が不快感を示していたと伝えた。ティラーソン氏はトランプ氏の決断に同意できない時に、あきれた表情をしたり肩の力を落としたりしていたという。 (英語記事 Trump challenges Rex Tillerson to IQ test)

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    カタルーニャ指導者ら、独立宣言に署名 施行は延期

    2017年10月11日 11:39 公開 スペインからの独立を問う住民投票を今月1日に実施した北東部カタルーニャ自治州で10日、カルレス・プッチダモン首相ら州指導者が独立宣言に署名した。しかし、中央政府との対話の可能性を残すため、施行は数週間延期する方針という。 カタルーニャが「独立した主権国家」として認められることを求めた独立宣言の文書を、中央政府は即時否定した。 カタルーニャの州指導者たちは1日の住民投票で独立が支持されたと主張しているが、スペインの憲法裁判所は住民投票は無効との判断を下している。 バルセロナにある州議会で10日演説したプッチダモン首相は、住民投票の結果、カタルーニャは独立する権利を得たと述べた。 同州当局によると、住民投票での独立支持率はほぼ90%に上った。しかし、独立に反対する有権者の大半は投票をボイコットしており、投票率は43%だったもよう。投票に不正があったとの報告もされている。 住民投票阻止の裁判所命令を受けた国家警察は、有権者たちを乱暴に扱うなど暴力行為を行った。 州指導者たちが署名した独立宣言は、「すべての国家と国際機関にカタルーニャ共和国を独立した国家として承認するよう求める」と述べている。 プッチダモン首相は州議会での演説で、中央政府から分離することが「人々の意志」だと語ったが、独立問題をめぐる緊張を「緩和」したいとも述べた。 プッチダモン氏は演説で、「我々は皆、同じ社会に属していて、一緒に前進する必要がある。前進する唯一の道は民主主義と平和だ」と語った。 一方で、カタルーニャの自決権が否定され、中央政府に過剰な税を課されているとも述べた。 10日の一連の動きについて中央政府のソラヤ・サエンス・デ・サンタマリア副首相は、「プッチダモン氏だろうと誰だろうと(中略)仲裁は強要できない。民主主義者の間のいかなる対話も法律の枠内でなくてはならない」と語った。 さらに、「史上最も緊張した状況をカタルーニャにもたらし、ここまで来てしまったプッチダモン首相は今や、自分の自治州をこれまでになく不透明な状況に置いている」と述べた。「きょう行われた(中略)首相の演説は、自分のいる場所や、どこに向かおうとしているのか、あるいは誰とそこに行きたいのかが分かっていない人物によるものだった」。 スペインのマリアノ・ラホイ首相は11日午前に臨時閣議を開き、カタルーニャをめぐる直近の状況について協議する予定。 プッチダモン氏が州議会で独立宣言を議会に求めるだろうと憶測が広がるなか、カタルーニャ独立支持派はツイッター上でハッシュタグ「#10ODeclaració(10月10日宣言)」を使っていた。 しかし、バルセロナのアダ・クラウ市長や欧州連合(EU)のドナルド・トゥスク大統領など影響力を持つ人々がプッチダモン氏に独立宣言をしないよう促していた。 何百年にもわたってスペインの一部でありながら独自の言語と文化を保ってきたカタルーニャは、スペイン憲法の下で幅広い自治権を得ている。 しかし、カタルーニャを「民族」として再規定し、独自言語の地位を高め税金や司法に関する自治権を強めた2005年の改正は、憲法裁判所によって2010年に無効化された。 さらに、経済危機のなか有権者の不満が強まり、2015年の選挙で独立を支持する政党が州の政権を握った。 スペインの輸出の4分の1を占めるカタルーニャ州は、経済的に最も豊かな地域の一つ。しかし、独立をめぐる危機が深まるなか、同州から拠点を移す意向を表明する企業が相次いでいる。 EUは、カタルーニャがスペインから分離独立した場合にはEU域外になると明確にしている。 (英語記事 Catalonia independence declaration signed and suspended)

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    女優G・パルトロー、A・ジョリーさんも被害公表 ワインスティーン氏セクハラ

    2017年10月11日 11:37 公開 米ハリウッドの大物映画プロデューサー、ハービー・ワインスティーン氏(65)が女性従業員に性的嫌がらせを繰り返し、自身の映画会社から解雇された問題で、今や大スターの地位を確立した女優たちも、若いころにセクハラ被害にあったと公表している。さらに米誌ニューヨーカーは10日、ワインスティーン氏に性行為を強要されたという複数の女優の話や、同氏が女性をホテルの部屋に誘う様子を録音した警察音声を記事で伝えた。 女優で監督のアンジェリーナ・ジョリー氏、女優で実業家のグウィネス・パルトロー氏は10日付の米紙ニューヨーク・タイムズ記事で、自分たちも駆け出しのころにワインスティーン氏のセクハラ被害に遭ったと明らかにした。 ジョリー氏は同紙にメールで、1990年代後半に映画「マイ・ハート・マイ・ラブ」公開の際にホテルで関係を迫られ拒否したと明かし、「若いころにハービー・ワインスティーンと不快な経験をしたため、決して一緒に仕事をしないようにしたし、彼と仕事をする人には忠告するようにしていた」、「どの分野、どの国でも、女性へのこのようなふるまいは容認できない」と語った。 パルトロウ氏は同紙に対して、ワインスティーン氏に1996年映画「エマ」の主役に選ばれた後、ホテルの部屋に呼ばれ、体を触られ、寝室でマッサージしてもらいたいと迫られたと明らかにした。当時22歳だったパルトロウ氏は同紙に、「私は子供で、契約していて、恐怖で固まってしまった」と説明した。 当時の恋人だったブラッド・ピット氏に打ち明けたところ、ピット氏がワインスティーン氏に映画館で面と向かって対決し、二度と同じことを繰り返さないよう警告したという。同紙によると、ピット氏の広報担当はこの話を認めたという。 パルトロー氏は、ワインスティーン氏の当時の会社ミラマックス製作の1998年映画「恋に落ちたシェイクスピア」で、アカデミー賞主演女優賞を獲得した。 「合意の上の関係」とワインスティーン氏 ニューヨーク・タイムズ記事とは別に、ニューヨーカー誌は、ワインスティーン氏の会社の計16人の元従業員と現従業員の話として、「ワインスティーンの映画に関するイベントや会社で、強引に性的行為を迫ったり、体に触れたりした件を目撃したり、そういうことがあったと承知していた」と伝えた。 同誌記事ではさらに、イタリア人の女優で監督のアーシア・アルジェント氏と、ルシア・ストラー(現ルシア・エバンズ)氏が、ワインスティーン氏に性行為を強要されたと話している。エバンズ氏は、ワインスティーン氏に関係を迫られた2004年当時、自分は映画業界入りを夢見る若手女優だったと話している。 匿名を希望した3人目の女性も同誌に、ワインスティーン氏が「自分に性的にのしかかってきた」と話した。 アルジェント氏は、これまで発言しなかったのは、そのようなことをすれば自分のキャリアは終わりだと恐れていたからだという。 「私の場合、これは20年前の話で、だからこういう話は、内容が古いものもあって、今まで表に出ていなかった」とアルジェント氏はニューヨーカーに話した。 ほかにも同誌記事では、女優ミラ・ソルビノ氏が、ワインスティーン氏に関係を強要されそうになったと話している。ソルビノ氏は1996年、当時ワインスティーン氏が率いたミラマックス社製作の「誘惑のアフロディーテ」でアカデミー助演女優賞を受賞した。 女優ロザンナ・アークエット氏も記事で、ワインスティーン氏の要求を拒否したと語り、その結果として女優としてのキャリアが妨げられたと感じていると話している。 ニューヨーカー記事について、ワインスティーン氏の広報担当サリー・ホフマイスター氏は声明で、合意のない性行為を否定した。 「合意のない性行為があったという主張について、ワインスティーン氏は全面的に否定している。ワインスティーン氏はさらに、自分の申し出を断った女性に報復的行為をとったことなどないと確認した」 「ワインスティーン氏はもちろん、匿名の告発に応えることはできないが、実名で自分を糾弾した女性たちについては、ワインスティーン氏はどの関係も合意の上だったと考えている。ワインスティーン氏はセラピーを受け始めた。自分の周囲の意見を聞き、より良い道を追求している」 強力な民主党支持者のワインスティーン氏は、ヒラリー・クリントン氏の選挙戦を大々的に支援し、バラク・オバマ前大統領夫妻とも交友があった。 クリントン氏は10日、広報担当のニック・メリル氏を通じて「ハービー・ワインスティーンについて明らかになった内容に、衝撃を受け、あぜんとしている」と声明を発表。「名乗りを挙げる女性たちが語るふるまいは、容認できない。このようなふるまいをやめさせるには、(発言した女性たちの)勇気や周りの人たちの支援が不可欠だ」とクリントン氏は述べた。 オバマ夫妻も声明で、「ハービー・ワインスティーンに関する最近の報道内容をおぞましく思う」とコメント。「女性をこのような形でおとしめ、辱める男性には、富や地位がなんだろうと、責任をとらせなくてはならない」と糾弾した上で、「名乗りを挙げた女性たちの勇気を称える」、「今後はこのような行動が減るように」社会文化を作っていかなくてはならないと述べた。 ワインスティーン夫人で英国人デザイナーのジョージーナ・チャップマン氏(41)は10日、米誌ピープルに、夫と別れるつもりだと話した。2人の間には子供が2人いる。 「許せない行動のためとてつもない苦しみを負ったすべての女性を思うと、胸が張り裂けそうだ」とチャップマン氏は同誌に話している。 (訳注――日本では「ワインスタイン」と表記されることが多いハービー・ワインスティーン氏の名前は、本人や複数のハリウッド関係者の発音に沿って表記しています) (英語記事 Harvey Weinstein: Paltrow and Jolie say they were victims)

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    1分1200発連射 米一般市民が使える銃の威力

    2017年10月11日 9:00 公開 現代の米国史上最悪となったラスベガス銃乱射事件のスティーブン・パドック容疑者は、約10分間の銃撃の中で、時に10秒で90発も連射していた。銃撃拠点にしたホテルの部屋では、20丁以上の銃が発見されている。一般市民がそれほどの銃撃力を手にしていたことは、特に米国外の大勢に衝撃を与えた。しかし米国では一般市民も、軍仕様の銃を合法的に所有できる。米国内のほとんどの州で合法的に入手できる銃と、その発射速度をいくつか並べてみた。

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    「ファーストレディは私」 トランプ氏最初の妻にメラニア夫人が反撃

    2017年10月10日 16:00 公開 ドナルド・トランプ米大統領の最初の妻、イバナ・トランプさんがテレビ番組で「ファーストレディは私」と語ったことをめぐり、現トランプ夫人のメラニアさんは報道官を通じて、「注目されたがりで自分勝手」な発言だと批判した。 イバナさんは米ABCテレビの番組「グッドモーニング・アメリカ」に出演した際、2週間に1回ほどトランプ大統領と話すと語り、「ホワイトハウスの直通番号を持ってますけど、メラニアがいるから彼(トランプ大統領)に電話はあまりしたくないんです」と述べた。 「嫉妬とかそんなものを、いっさい引き起こしたくないんです。基本的に私が、最初(ファースト)のトランプの妻。私がファーストレディ、そうでしょう?」 10日発売の著書「Raising Trump(仮訳:トランプを育てる)」を宣伝中のイバナさんは、1977年にトランプ氏と結婚。しかし1990年代に、のちに2番目の妻となるマーラ・メイプルズさんとトランプ氏との不倫をめぐって離婚した。 イバナさんはトランプ氏との間に、ドナルド・ジュニアさん、イバンカさん、エリックさんの3人の子供をもうけている。 <番組の公式アカウントは、「イバナ・トランプさんは父親としてのトランプ大統領について、『乳母車を押して(ニューヨークの)セントラルパークに行くような父親ではなかった』と語った」とツイートした> これに対して、メラニア夫人は報道官を通じて、厳しく反論した。 ステファニー・グリシャム報道官は文書で、「トランプ夫人はホワイトハウスをバロン君(夫妻の息子)と大統領にとって、自分たちの家と呼べるような場所にした」と述べた上で、「(メラニア夫人は)ワシントンでの生活が大好きで、合衆国のファーストレディとしての役割を名誉に思っている。自分の立場を子供たちへの支援に役立てるつもりで、本の販促に利用したりしない。先妻の発言には明らかに、実質的な内容が伴っていない。残念ながら、単に注目されたいだけの、自分勝手な真似だ」と批判した。 大統領夫人と先妻が公の場で衝突したのは、今回が初めての様子。トランプ氏のほかに離婚経験のある大統領は、故ロナルド・レーガン氏のみ。 (英語記事 Melania Trump hits back at Ivana 'first lady' jibe)

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    ワインスティーン氏解雇とメディアの恥辱

    2017年10月10日 13:39 公開 アモル・ラジャンBBCメディア担当編集長 (文中敬称略) 自分に向けられた数多くのセクハラ疑惑についてハービー・ワインスティーンは否定しているが、その否定の仕方はあまりに錯綜して分かりにくい。それだけに、成功と栄光を重ねてきた長年の間、彼の行動は時には胸が悪くなるほどおぞましいものだったと結論しても、決して時期尚早ではない。 弟のボブと一緒に立ち上げ、自分の名前を冠する会社から解雇された今、ワインスティーンには過去の様々な行状について滝のように非難が浴びせられている。そして長年にわたりワインスティーンに忠誠を誓ってきた大勢は、はたと立ち止まり、なぜ自分がそうしてきたのか自問自答している。 ワインスティーンに対する糾弾の内容は、ロジャー・エイルズ、ビル・オライリー、ビル・コスビー、そしてドナルド・トランプに向けられた下劣な内容とよく似ている。フォックス・ニュースの最高経営責任者だったエイルズ、フォックス・ニュースの看板キャスターだったオライリー、人気コメディアンだったコズビー、そして米国大統領に対する告訴・告発や糾弾と、ワインスティーンに対する糾弾を、比べるなと言う方がむしろ大変だ。そして、多くの女性がいまだに、トランプから性的な侵害行為を受けたと主張し続けていることは忘れてはならない。ただし、その内容は立証されていないし、大統領は否定している。 権力を手にする男性のふるまいについて、評価基準が変化している。それに伴い、社会の風潮も変化している。性的行為を目的にしたいじめや威圧的行動がこれで減るなら、ほとんどの人は遅すぎたくらいだと思うはずだ。 ソーシャルメディアの出現も、女性の発言を後押ししているのではないかと私は思う。糾弾すれば、それが広く拡散される可能性があり、そうすれば瞬く間に世界的に幅広い注目と支持を獲得することが、ソーシャルメディアによって可能になった。おかげで、かつては公に発言することを恐れたかもしれない女性も、正直に語ろうと思えるようになったのかもしれない。 しかし、こうした非難が米国のメディアやクリエイティブな業界からあふれ出ているのを無視したりすれば、それは職務怠慢だ。 公然の秘密 事実はつらい。実に多くの人が長年にわたり、ワインスティーンのふるまいに気づいていたのだ。まさにいわゆる「公然の秘密」だったのだ。著名人との交友関係や、マリア・オバマをインターンとして採用できる権限が、ワインスティーンをある程度、守ってきたに違いない(バラク・オバマ前大統領の長女、マリア・オバマは、知られている限りとことん礼儀正しい扱いを受けたという)。ヒラリー・クリントンを大いに支持していたというのも、決して不利には働かなかったはずだ。 それに加えてワインスティーンは、その強烈な人柄そのものが彼を守っていた。ニューヨークでわずかながら何度か会ったことがあるが、そのたびに彼はパーティーや、マンハッタンでも特に著名人に人気の有名店で、場の中心にいて、高説を披露していた。ワインスティーンが太陽で、その周りを綺羅星(きらぼし)のごとく数多のスターがぐるぐると回っていたのだ。もちろん実にみっともないことだ。しかし、なぜ大勢が彼の悪事を知りながら発言しなかったかといえば、招待主のワインスティーンに招かれるのを楽しんでいたからだ。 米国のメディアでは今、大勢が激怒している。しかし、フォックス・ニュース社内で相次いだ赤裸々なセクハラ疑惑に対して激高したのに比べると、今回のマスコミ業界内の怒りは静かなものだという指摘も多いはずだ。それだけに今回のこのスキャンダルは、米国のリベラルの試金石となる。 醜聞を露見させたのは、ニューヨーク・タイムズ紙。リベラルな米国を象徴する存在のひとつだ。しかし、もし深夜トークショーの司会者や取り巻きのマスコミ関係者たちが、たとえばオライリーを痛罵し続けたと同じように、ワインスティーンも徹底的に非難しないならば、偽善的な二重基準(ダブルスタンダード)だと批判される可能性がある。 なぜマスコミ業界のスキャンダルがこうして次々と噴出しているのか。性的な威圧行為が、たとえばウォール街など他の業界よりもハリウッドで特に顕著だという確かな証拠はない。しかしもしも、もし万が一にでも本当にそうなのだとしたら、ワインスティーンのような存在はクリエイティブな業界内の経済の中の経済の一部だからだろうか。つまり彼らは、名声を買って売るのが商売だ。 ワインスティーンは、自分の権力を使って財産と名声の両方を可能にする存在の一人だった。大量の観客動員力を持ち、それによって巨額の収益を生み出す力を持っていた。被害に遭ったという女優たちの主張が本当ならば、ワインスティーンの行状が許されてきたのは、許されないことに、その力ゆえだったのかもしれない。周りの人たちに富をもたらす力だけでなく、その人たちを有名にする力と合わせて。 それはロジャー・エイルズが持っていたのと同じ力だ。自分にこうして性的に奉仕してくれれば、テレビ画面に出るチャンスが増えるよ――。これが、エイルズの腐った論法だったと言われている。 発言する覚悟のある女性がもっと増え、金と名声と引き換えに性的奉仕を強要するわいせつな男がもっと減る。そういう展開になれば、ワインスティーンその他の連中による下劣な行状が、せめてもの前向きな結果につながったと言えるようになるのかもしれない。 (英語記事 Weinstein and the media's shame)

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    カタルーニャ独立運動主導の州首相に圧力高まる 演説控え

    求めるとの予想があり、その場合には、中央政府が憲法155条を基づき自治権の剥奪に動く可能性がある。 BBCの取材では、プッチダモン氏の演説の詳細は分かっていないものの、カタルーニャ州法に基づき48時間以内の独立宣言を議員らに義務付ける取り決めが、演説によって発動されるもよう。 しかし、プッチダモン氏が所属する政党の議員は8日にBBCに対し、一方的な独立宣言ではなく「象徴的な声明」にとどめるのが現時点での計画だと語った。 バルセロナではこれまでに独立の支持と反対両方の大規模デモが行われている。8日には、独立に反対するデモに少なくとも35万人が参加した。 住民投票の最終結果によると、投票率は43%で、独立支持は90%に上った。しかし、独立反対派は投票そのものをボイコットしている。 (英語記事 Catalonia Spain: Catalan leader under pressure ahead of key speech)

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    米カリフォルニア州北部で山火事 少なくとも10人死亡

    2017年10月10日 11:25 公開 米西海岸カリフォルニア州北部で大規模な山火事が発生し、ワイン生産で知られるソノマ、ナパ、メンドシーノ各郡で9日までに少なくとも10人が死亡した。 少なくとも1500の建物が延焼し、ナパ、ソノマ、ユバ各郡からは約2万人が避難した。被害はこれまでに同州で起きた山火事の中で最大級の1つになっている。 ジェリー・ブラウン州知事は非常事態宣言を出し、「山火事によって建物が焼け落ち、何千もの住宅が危険な状況にあり、何千もの人々が避難を余儀なくされている」と述べた。 死者数はソノマ郡で7人、ナパ郡で2人、メンドシーノ郡で1人。メンドシーノ郡では1つの谷で何千エーカーもの土地が延焼している。 このほかにも負傷者や行方不明者が報告されている。 カリフォルニア州森林保護・防火局のキム・ピムロット局長は、約1500の建物がすでに延焼していると語った。8日夜に発生した山火事の原因は依然として分かっていない。 <ナパの「Cakes」さんはツイッターで、「ナパは今すごく大変な状態です。みんなが無事家に帰れて、被災者支援に地域社会が協力できるよう祈っています」とコメントした> ナパ郡の消防当局者は、州各地から支援が到着しているものの、消火活動は困難な状況にあると語った。 9日朝にかけてブドウ園の労働者数十人が飛行機によって救助されたもよう。 強風や乾燥した空気、高い気温が合わさり、火は急速に広がった。 米国立気象局(NWS)はサンフランシスコ地域に警報を発令し、「火が始まれば急速に広がる可能性が高い」と述べた。 ブドウ園を所有するケン・モホルト=シーバートさんはロサンゼルス・タイムズ紙に対し、8日夜遅くに家族と共に避難したもののブドウ園は焼失しただろうと語った。 モホルト=シーバートさんは、「風がない状態から、風が一気に吹いてまた止まった。その後、別の方向からまた突風が吹いた。我々を覆うように炎が上がった」と語った。「煙と燃えさしが襲ってきた。あっという間だった」。 カリフォルニア州消防当局のウェブサイトによると、同州では少なくとも14件の火災ですでに何万エーカーもの土地が焼失したとみられ、被害は過去最大級になっている。 先月には、南部ロサンゼルス市で過去最大の山火事が発生し、約5000エーカーに燃え広がった。 (英語記事 California fires: Deadly wildfires sweep through wine country)

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    米共和党重鎮、トランプ氏は米を「第3次世界大戦への道に」

    例の記者会見で否定している。 <解説> トランプ氏にとって代償は高くつくのか アンソニ・ザーチャーBBC北米担当記者 ドナルド・トランプ氏はこれまでも、自分の党の関係者を攻撃してきた。しかし攻撃されたほとんどの人は、歯を食いしばって黙って耐え忍んできた。 ボブ・コーカー氏は違う。もしかすると、来年の選挙で怒れるトランプ支持者の波に対面しなくてもいいと思うと、自由になるのかもしれない。あるいは、トランプ氏が米外交を大混乱に陥れていると信じる以上、外交委員会の委員長として非難しないわけにはいかないと思ったのかもしれない。 コーカー氏の痛烈な非難に、大統領はまだ反応していない。しかしホワイトハウス関係者によると、大統領は「コーカーをこのままにしない」つもりだという。 コーカー議員は政界引退を発表したものの、上院での任期は2019年1月まで続く。それが大統領にとっての問題だ。 それまでの間、コーカー氏は強力な委員会の委員長だ。そして本会議場でも、共和党からほんの数人が造反しただけで、共和党提出の法案は否決されてしまう。 大統領は落とし前をつけるつもりかもしれないが、その代償はかなり高くつく可能性がある。 (英語記事 Bob Corker: Trump puts US on course for 'World War Three')

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    「家の裏が炎に包まれていた」 カリフォルニア山火事

    2017年10月10日 9:00 公開 米西海岸カリフォルニア州北部で大規模な山火事が発生し、ワイン生産で知られるソノマ、ナパ、メンドシーノ各郡で9日までに少なくとも10人が死亡した。少なくとも1500の建物が延焼し、ナパ、ソノマ、ユバ各郡からは約2万人が避難した。被害はこれまでに同州で起きた山火事の中で最大級の1つになっている。

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    仲良しのカップル でもカタルーニャ独立で対立

    2017年10月10日 9:00 公開 スペイン・バルセロナに住むパブロ・インサ・イグレシアスさんとエリサベス・ベソさんは、6年前から一緒のカップルだが、カタルーニャ独立については意見が一致しない。

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    まるでジェットコースターの日々 不法移民の子として米国で成人

    と呼べる場所は米国しかない。カリフォルニア州フレズノで将来に不安を抱えて過ごす「ドリーマー」たちに、BBCが話を聞いた。

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    ワインスティーン氏、自身の映画会社から解雇 セクハラ疑惑受け

    2017年10月09日 16:18 公開 米ハリウッドの代表的映画プロデューサー、ハービー・ワインスティーン氏(65)が8日、30年近くにわたり女性従業員に性的嫌がらせを繰り返していたとの非難を受けて、同氏が共同設立した会社の取締役会で解雇されたことが明らかになった。 ワインスティーン・カンパニーは8日、「不品行をめぐる新たな情報を受けて」、ワインスティーン氏の雇用を「即時」停止したと発表文で述べた。発表文は、ロバート・ワインスティーン氏、ランス・マエロブ氏、リチャード・コエニグズバーグ氏、タラク・ベン・アマール氏の連名で出された。 ワインスティーン氏は解雇を事前に知らされていた。 映画製作会社ミラマックスやワインスティーン・カンパニーの共同設立者として、ワインスティーン氏は「恋に落ちたシェイクスピア」、「英国王のスピーチ」、「アーティスト」など、これまで多数のアカデミー賞受賞作品を世に送り出してきた。 米紙ニューヨーク・タイムズによるセクハラ報道を受け、ワインスティーン氏は謝罪し、休職する予定だと明らかにしていた。 同氏は「同僚に対する過去の振る舞いが多くの苦痛を与えたと受け入れ、心から謝罪する」と述べた。 しかしその後、少なくとも8人の女性と和解に至ったとの報道を否定し、ニューヨーク・タイムズに対し法的措置を取ると言明。ワインスティーン氏の顧問弁護士リサ・ブルーム氏は、同氏に対する疑惑の多くは「まったくのでたらめだ」と同氏が否定していると述べた。 ブルーム氏は、「彼は自分のこれまでの間違いを認めています。色々な本を読んで、カウンセリングを受けている。新しい振る舞い方を学んでいる、古臭い恐竜なのです」と説明していた。 しかしブルーム氏は、ワインスティーン氏の顧問弁護士を降りたと7日にツイートで明らかにした。 「私はハービー・ワインスティーン氏の顧問弁護士を辞任しました」とツイートした。「私の理解では、ワインスティーン氏と取締役会は合意に向けて話を進めている」 声を上げる被害者たち ワインスティーン氏はハリウッドで最も影響力のある男性の1人。ニューヨーク・タイムズの記事によると、ワインスティーン氏からセクハラ被害に遭ったと糾弾しているのは主に映画業界で成功しようとする若手女優によるもので、アシュリー・ジャド氏やローズ・マッゴーワン氏らの著名人も含まれる。 指摘によると、ワインスティーン氏はマッサージを強要したり自分の裸を直視するように強要したりした。セクハラ行為に対する見返りとして、映画界で出世するための助力を約束したという。 ワインスティーン氏は英国のファッションデザイナー、ジョージナ・チャップマン氏と結婚している。1970年代末に弟と映画プロダクション、ミラマックス社を設立し、ディズニーに売却した。 ワインスティーン兄弟はその後ワインスティーン・カンパニーを設立し、「ジャンゴ 繋がれざる者」「LION/ライオン 25年目のただいま」「大統領の執事の涙」などのヒット作をプロデュースしている。 (英語記事 Harvey Weinstein sacked after sexual harassment claims)

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    バルセロナで大規模集会 カタルーニャ独立に反対

    相の政党に所属するマルタ・パスカル議員は、今のところそこまでする予定はないと話した。 パスカル議員はBBCに対し、プッチダモン首相が「象徴的な声明」を出すと話した。 パスカル議員はさらに、プッチダモン首相は住民投票の結果を認め、大多数のカタルーニャの人々が独立を求めているとした上で、独立に向けた道筋を歩むことを宣言すると語った。 中央政府のラホイ首相は7日、スペイン紙エル・パイスのインタビューで、住民投票をめぐって同氏と政府が取ってきた厳しい姿勢をあらためて示した。 ラホイ首相は、「政府は、いかなる独立宣言も無に帰すようにする」と語った。 また、住民投票前にカタルーニャに派遣された追加の警官隊を、危機が終わるまで同州に残す予定だと話した。さらに早期の国政選挙実施の要求を拒否した。 ラホイ首相は、国会による自治州の統治への介入を可能にするスペイン憲法155条を発動する用意があるかを聞かれ、「法律の範囲内でいかなる手段を取ることも決して排除しない」と強調した。 2014年に英国からの独立を問う住民投票で独立を主張したものの敗北した英スコットランドのニコラ・スタージョン自治政府首相は8日、危機を乗り越える唯一の方法は、「双方が共に(中略)法の支配や民主主義、選択する権利を尊重するような今後の道筋を模索する」ことだと話した。 スペインの首都マドリードでは7日、何千人もの人々がスペインの団結を求める集会に参加した。また、政治的対話を訴えるデモもバルセロナなどで行われた。 一方、政治不安が続くなか、企業が相次いでカタルーニャからの撤退を発表している。 (英語記事 Catalonia independence: Huge Spain unity rally in Barcelona)

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    ホワイトタイガーが飼育員かみ殺す インド南部の動物園で

    2017年10月09日 13:03 公開 インド南部のバーナガッタ生物公園で7日夜、希少動物のホワイトタイガー2頭が飼育員の男性(40)をかみ殺すという事件が起きた。 飼育員はトラたちを囲いの中に追い込む作業をしていた際に襲われた。 当局によると、4つあるゲートのうち1カ所の掛け金がきちんと掛けられていなかったという。 ホワイトタイガーはベンガルトラの白変種で、劣性遺伝子を受け継いでいるため体が白い。 死亡した飼育員は施設で働き始めてわずか1週間余りだった。8日には飼育員の親族たちが公園の前で抗議を行った。親族たちは男性が死亡したのは公園の過失だとして、損害賠償を求めている。 (英語記事 India national park: White tigers kill keeper)

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    米国とトルコ、ほぼすべてのビザ発給を互いに停止

    2017年10月09日 12:19 公開 米国とトルコは8日、互いにほぼすべてのビザ(査証)の発給を停止したと発表した。イスタンブールの米総領事館の職員が先週、昨年のクーデター未遂事件に関連した捜査で拘束されたことを受けて両国間の軋轢(あつれき)が深まるなかで起きた。 在米トルコ大使館は声明で、大使館・領事館と職員の安全確保に向けた米政府の姿勢を「再評価」する必要があると述べた。一方で、在トルコ米大使館もほぼ同様の声明を出した。 トルコ当局は先週、クーデター未遂事件の黒幕だとする在米のイスラム指導者フェトゥラ・ギュレン師とつながりがあるとの疑いで米総領事館の職員を拘束。一方、米側は根拠がなく、二国間関係を損なうとして強く非難した。 トルコ国営アナトリア通信は、拘束された職員はトルコ国籍の男性だと報じている。 8日の声明で在米トルコ大使館は、「再評価を進める間の大使館と領事館への訪問者を最小限にするため、米国の大使館、領事館での米国市民に対するすべてのビザ業務を停止する」と述べた。 在米トルコ大使館の声明は、先に発表された在トルコ米大使館の声明をほぼなぞったもので、国名を変えただけだった。 トルコ政府は、2016年7月のクーデター未遂事件を扇動したとしてギュレン師をトルコに送還するよう米政府に求めているが、ギュレン師は事件への関与を否定している。 クーデター未遂事件を受けて、4万人が逮捕されたほか、12万人が解任もしくは職務停止処分を受けた。 (英語記事 Turkey and US suspend most visa services)

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    ペンス米副大統領、国歌斉唱で選手が膝をついた試合から立ち去る

    2017年10月09日 12:06 公開 米国歌斉唱中に数名の選手が起立を拒否したため、マイク・ペンス米副大統領はナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の試合を後にした。 ペンス氏は「私たちの兵士、国旗に対する礼節を欠いた」試合に出席することはできないとして、地元インディアナ州での試合観戦を放棄した。 ドナルド・トランプ米大統領はツイッターで、ペンス氏に対して、選手が膝をつくことがあれば観戦を取りやめるように頼んだと述べ、ペンス氏の行動を「誇りに思う」とコメントした。 NFLの試合で膝をつくことは、人種差別に対する抗議の表明となっている。 トランプ氏は選手たちの抗議を鋭く批判しており、NFLが禁止するよう要求している。 ペンス氏は8日のツイートで、「きょう開かれたコルツの試合を立ち去った。トランプ大統領と私は、私たちの兵士、国旗、国歌への礼節を欠いた試合は尊重しない」と述べた。 試合では、遠征試合のため訪れていたサンフランシスコ・フォーティナイナーズの選手が、地元チーム、インディアナポリス・コルツとの試合前の国歌演奏中に起立しなかった。 「全ての人に自分の意見を持つ資格があるが、国旗に敬意を表するよう、NFL選手たちに要求することが無理な注文だとは思わない」とペンス氏は付け加えた。 ペンス氏は試合前、ゲームを楽しみにしているとツイートしていた。 <ルーカス・オイル・スタジアムで私たちのコルツを応援し、背番号18ペイトン・マニング選手の偉大なキャリアに敬意を表する機会を楽しみにしている。コルツがんばれ!> トランプ氏は以前、NFL選手たちの抗議に対する非難は「人種問題とは無関係」だと語っていた。 しかし、抗議行動に対する批判は選手たちを活気づかせているようだ。 最近の抗議では選手たちが膝をついたり、腕を組んだり、アメリカ国歌演奏中にロッカールームにとどまるという形を取っている。 昨年、警察による暴力に抗議してサンフランシスコ・フォーティナイナーズのクオーターバック、コリン・キャパニック選手が国歌演奏中に膝をつき、議論を巻き起こした。 以来、米国の著名人の間で大きなイベントで「膝をつく」行動が広がり、ハッシュタグ「#TakeAKnee(膝をつこう)」をソーシャルメディアで使用している。 (英語記事 Trump NFL row: Mike Pence walks out of game after players kneel)

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    前線で生きる――軍事境界線近くの韓国で

    る核・ミサイル開発をめぐる緊張が高まるなか、南北軍事境界線に近い韓国側の生活はどのようなものなのか。BBCのルーパート・ウィングフィールド=ヘイズ記者が現地を取材した。巨大な防空壕が建設され道路沿いにコンクリートの防御装置が並ぶ状況は、この地域を訪れる人に「前線」が近いことを、いやおうなく意識させている。

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    転がり落ちて落ちてまた落ちて――パンダのユニークな映像集

    2017年10月09日 9:00 公開 カナダ東部のトロント動物園はこのほど、2年前に生まれた双子のパンダの誕生日を祝って、パンダたちが木や台から転がり落ちる瞬間ばかりをとらえた映像集を公表した。

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    「ハルキスト」たちのノーベル賞をめぐる冒険 秋の季語にも?

    する作家のノーベル賞受賞をひたすら待ちわびては落胆を繰り返してきた熱烈なファンの、憂愁に満ちた世界をBBCが探ってみた。 ノーベル賞をめぐる飽くなき冒険 静かで思索的な小説で知られる村上春樹さんは現在、世界で最も有名な日本人作家だ。 日本の熱心なファンはもう長年にわたり、世界で最も栄誉のある文学賞の受賞を期待している。そして、「ノーベル文学賞の発表を待ちわびる村上春樹ファンの集い」という現象は、マスコミがさかんに報道する年中行事と化した。 ここで登場するのが、「ハルキスト」と呼ばれる人たちだ。国内各地に集まり、とことん読み込まれてくたくたの村上作品を持ち寄り、(村上作品によく出てくる)ウィスキーをなめる。後ろでは(村上作品によく出てくる)ジャズが流れている。すべて、テレビカメラの前で。 今年も5日夜には、村上さんがかつてジャズ喫茶を経営していた場所に近い東京・千駄ヶ谷の鳩森八幡神社に約200人の「ハルキスト」が集まり、スウェーデン・アカデミーの発表をインターネット中継で見ながら、お祝いのクラッカーを手に待ち構えていた。多くの報道陣に囲まれて。 しかし、今年も期待はかなわず、英作家カズオ・イシグロさんの受賞が発表された。毎日新聞によると、「来場者は『えー』と声を上げて驚いたり、落胆して黙り込んだりしたが、その後は拍手をしたり、クラッカーを鳴らしたりしてイシグロさんの受賞をたたえた」という。 東京・新宿の大型書店、紀伊国屋新宿本店では、もう少し大慌てだった。朝日新聞によると、約30点の村上作品を特設売り場に心を込めて並べていたが、イシグロさんの受賞が発表されると、「おーーー」という声の後、村上作品を急きょ、イシグロ作品に取り換えたという。 この間、イシグロ作品の日本の版元、早川書房の公式アカウントは担当者も「動転しています」とツイートした。 ノーベル賞選考委員会のフェイスブック・ページには、村上ファンをからかう書き込みもあった。ヘルナン・M・サナブリアさんは、「ノーベル賞委員会は、村上ファンと(村上本人に)最大限に嫌がらせをしてるな」と書いた。スダルシャン・ラジブハンダリさんは「カズオ・イシグロ、おめでとう! でも村上もいつかは受賞しないと……来年とか……その次の年とか」と書いた。 これで秋が来る? この時期になると毎年繰り返される、「村上春樹さん、ノーベル賞受賞ならず」騒ぎは、熱心な「ハルキスト」以外の日本人にとっては、年中行事、もしくは毎年恒例のギャグとなりつつある。村上氏がまたしても受賞を逃さなければ、秋になった気がしないという意見が、ツイッターなどに次々と書き込まれている。 「村上春樹がノーベル文学賞を逃して、全国のハルキストたちが崩れるように悔しがるのを見ると秋の訪れを感じる。#村上春樹 #季語」というツイートはその一例だ。 世界的な人気者でありながら、あるいは高く評価されていながら、そして繰り返し賞にノミネートされていながら、あるいは受賞確実と言われながらも、その人の業界の最高の栄誉をなかなか手にできない表現者は、ほかにもいる。選りすぐりの少数精鋭の集団のようなもので、たとえば米俳優エイミー・アダムズや、故ピーター・オトゥール(ただしアカデミー賞の名誉賞は受賞)、歌手のビヨークやケイティー・ペリー各氏などだ。 でもハルキストの皆さんは決してあきらめてはいけない。あのレオナルド・ディカプリオでさえ、23年待たされた挙句、昨年ついにアカデミー賞を受賞したのだから。 たとえば当時、「ケイリー」さんはツイッターで、「レオ、おめでとう、ついにやったね。オスカーはあなたもの。みんなすごく誇らしい」と書いた。 でも受賞者は日本人だし……というわけにはいかない? イシグロさんは日本で生まれ、5歳で英国に移住した。英国市民で、作品は英語で書いている。 それでも日本では、イシグロさんを「自分たちのノーベル賞受賞者」と受け止める人もいる。産経新聞やサンスポは、川端康成、大江健三郎両氏に続く「3人目の日本出身」受賞者と書いた。 他の日本メディアも、イシグロさんが「自分が育った中の『日本』の部分は、自分という人間や作家にとって不可欠なもの」など、自分にとっての日本について語った部分を大きく取り上げた。 熱心な「ハルキスト」で書店経営者の斎藤祐さんは日刊スポーツに対して、村上さんが受賞を逃したのは残念だと述べながら、イシグロさんが「日本の血を引いた人だから我慢します」と話したという。 しかし、イシグロさんが日本生まれだという部分に注目するこの風潮に対しては、批判もある。ソーシャルメディアでは、たとえば父親が台湾出身の政治家・蓮舫さんなど両親の出身国が異なる人に関する論争を念頭に、海外で育ち成功した日本人を「自分たちの仲間」と歓迎するのは二重基準(ダブルスタンダード)だという指摘も相次いだ。 たとえば「イギリスで育ち イギリス国籍のカズオ イシグロを三人目の日本人受賞者と言い 日本で生まれ育ち日本国籍の蓮舫を中国人と蔑む。 恥ずかしい国 ジャパン」というツイートも、そういう批判のひとつだ。 (加藤祐子、テッサ・ウォン) (英語記事 Chronicle of the wound-up 'Harukists')

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    銃規制、米国民はトランプ氏に何を期待? ベガスで聞く

    2017年10月06日 14:54 公開 ラジニ・バイディヤナザン記者、BBCニュース(ラスベガス) 現代の米国史上最悪の銃乱射事件を受けて、多くの米国民は大統領に答えを求めている。だが、ドナルド・トランプ米大統領はラスベガスを訪問した際、その答えを提供しただろうか? ルート91カントリー音楽祭で事件が起きた10月1日夜、ボブさんとハイディさんはピザを提供していた。 2人は地元アーカンソー州からコンサート会場に働きに来ていた。そんななか、銃声を聞いた。 高熱のピザの窯を背に屋台の中に避難しながら、観客たちが安全な場所に避難するのを手伝った。 いまだに動揺が収まっていないものの、2人はここラスベガスの多くの人と同じように、あの残虐な事件を防ぐため何かできることはあったのか、答えを探している。 ボブさんは、「銃そのものじゃなくて、銃を所持する人たちの方が問題だ」と購入者の精神状態の審査を強化すべきだと考えている。 トランプ大統領は今年、ほとんど注目されないなか、オバマ前大統領政権下に制定された重い精神病を患う人の銃購入を防ぐ規制を廃止した。 この動きには、ラスベガスで私が会った大統領の支持者らも反対している。 ミズーリ州ブランソンから来たクリスタルさんは、「銃ではなく、人の心が事件を起こしている」と話す。 クリスタルさんは、「誰もが銃を携帯する権利を持つべきだけど、だからと言って、頭のおかしい行動をとっていいわけじゃない」と言い、自分は地元では銃を携帯しているとも語った。 「銃を携帯している。誰にも撃ったことはないけど」 クリスタルさんは、憲法で保障された銃を所持する権利にはいくつかの条件が伴うべきだと考えている。 クリスタルさんは銃器を所持する許可を得る前に、銃の安全な使用方法を教える「コンシール・アンド・キャリー(隠して携帯する)講座」の受講を求められていた。 だが地元ミズーリ州の法律が今年初めに変わり、見えないように隠して持つ銃を携帯する際の許可が必要なくなった。 クリスタルさんは、この法律は元に戻すべきで、銃を所持したい場合は、訓練を受けて責任を持って銃を使用する方法を学ぶべきだと考えている。 夫で同じくドナルド・トランプ氏に投票したテリーさんは、規制強化すべき別の領域を提案した。 警察によると、ラスベガス乱射事件のスティーブン・パドック容疑者の部屋にあった12丁の銃にいわゆる「バンプストック」が取り付けられているのが発見された。バンプストックは合法の装置で、取り付けると、半自動式の銃を複数の弾を一度に連射できる自動式の銃に変えることができる。 AK47やコルトAR15などの半自動式の銃も合法だ。このような武器がコネチカット州ニュートンのサンディ・フック小学校やフロリダ州オーランドのナイトクラブでの銃乱射事件で使用された。そして1日のラスベガス乱射事件では、付属の装置がこのような武器に取り付けられたようだ。 テリーさんは、これらの装置に加え、複数の弾を一度に連射できる全ての自動式の銃を禁止すべきだと主張する。 「銃を所持する権利は信じているけど、アサルト(攻撃用)ライフルが本当に必要だろうか」とテリーさんは信じられないといった面持ちで問いかけた。 テネシー州在住のダイアン・クワストさんも、同じ疑問を抱いている。乱射事件があったマンダレイ・ベイ・ホテルの外で話してくれた。 周辺の道路を封鎖するために張ってある黄色い規制テープの向こうをじっと見つめるクワストさんには32階の窓が2つ割れているのが見えている。パドック容疑者が残忍な殺人を実行した場所だ。 「絶対に、銃規制を支持します」とクワストさんは口にした。「この悲劇の結果として、何かが生まれればいいと心から願っています」。 ここのところ銃乱射事件が起こるたびに、自身を含む何百万人という銃規制を求める声に政治家が耳を傾けてくれるよう、クワストさんは願ってきた。 しかし、クワストさんのような人が多くいるのと同じくらい、問題の本質は銃所有の法規制とはまったく関係ないと感じる人も多いのだ。 「トランプ大統領は銃規制について何も言う必要はないと思う」と言うのは、ペンシルベニア州ハリスバーグ在住のボブさんだ。 「銃規制でこうした攻撃がなくなるとは思わない。ホテルに入る時にもっと厳しいセキュリティチェックが必要だと思う」 パドック容疑者が滞在していたスイートルームからは、20丁以上の銃が見つかった。報道によると、同容疑者は少なくとも10個のスーツケースに入れて部屋に持ち込んだ。 ボブさんは、ホテル入口に金属探知機を設置していれば、今回のことはそもそも防げたはずだと主張する。 私がここで会った数人は、同じ意見を口にした。インドのムンバイやイスラエルのエルサレムのような都市では、多くのホテルや公共施設の入り口で、空港のようなセキュリティ・チェックが行われている。インドでは、174人が死亡した2008年のムンバイ同時多発テロ以降、このように変わった。 現在では、インドの大都市で大型ホテルに入る車はすべて、爆弾がないか車両の底部を調べられ、武器がないか後部座席を調べられる。 ラスベガスの旅の終盤、インディアナ州在住のデニース・マーフィーさんとクアネッタ・サッグスさんが、銃に関してはこの国がいかにジレンマに直面しているかを思い出させてくれた。 「大統領はただ、銃を購入しにくくすればいい。それだけの話し」というのは、デニースさん。「誰もが手にするべきものじゃない」。 私がベガスで会った誰もが、パドック容疑者はあれほど多くの武器を手に入れるべきではなかったし、改造までできたのはもってのほかだ、という意見に同意する。しかし解決策を突き止めるのはずっと難しい。 今回の銃乱射事件を受けたトランプ大統領の言葉は、この悲劇で傷ついた多くの人たちにとって、いくらかの慰めとなるだろう。 しかしトランプ氏の大統領職にとってもっと大きな課題は、銃をめぐる深い分断をなくすことだ。この分断は、この国を何世代にもわたり苦しめてきた。 米国が、銃乱射事件を受けて銃規制問題と向き合うのは、今回が初めてではない。そして恐らく、最後にもならないだろう。 (英語記事 What does Las Vegas want Trump to do in wake of shooting?)

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    米大物映画プロデューサー、セクハラ報道で謝罪 「多くの苦痛を与えた」

    ばむものを克服するためのものになる」 ワインスティーン氏は当初、ニューヨーク・タイムズ紙に送り、後にBBCにも送った声明でこのように書いている。 「私はすべての女性を尊敬している。起きてしまったことを後悔している」とワインスティーン氏は続け、さらに、「自分が傷つける人について、これ以上はないというほど残念に思い、全員につぐなうつもりだ」と書いた。 ワインスティーン氏が共同設立した映画製作会社ミラマックスやワインスティーン・カンパニーは、「恋に落ちたシェイクスピア」、「英国王のスピーチ」、「アーティスト」など、これまで多数のアカデミー賞受賞作品を世に送り出してきた。 一方でワインスティーン氏の顧問弁護士リーサ・ブルーム氏は、ニューヨーク・タイムズ紙が問題行為として指摘する内容の多くは「まったくのでたらめだ」とワインスティーン氏は否定していると述べた。 ブルーム弁護士は、女性の権利拡大を推進する一人として、ワインスティーン氏の行動の中には「不適切、場合によっては威圧的と受け止められる」者もあると率直に批判したと説明した。 「彼は自分のこれまでの間違いを認めています。色々な本を読んで、カウンセリングを受けている。新しい振る舞い方を学んでいる、古臭い恐竜なのです」 しかし、もう一人の顧問弁護士、チャールズ・ハーダー氏は業界紙ハリウッド・リポーターに対して、ワインスティーン氏はニューヨーク・タイムズを訴える準備をしていると明らかにした。 ハーダー弁護士は、記事は「でたらめで侮辱的な発言に満ち満ちている」と、文書で批判。さらに、記事内容は「ほとんどが伝聞と、どうやら盗まれた従業員の人事ファイルの内容に依拠している。人事ファイルの内容は、9人の目撃者に否定されている」と指摘した。ニューヨーク・タイムズ記事のどの部分が問題なのかは、具体的に挙げていない。 ハーダー弁護士は、ニューヨーク・タイムズが「事実と証拠」を無視していると非難し、裁判で獲得する損害賠償は女性支援団体に寄付すると説明した。 (英語記事 Harvey Weinstein: Film producer says 'I have caused a lot of pain')

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    全米ライフル協会、銃改造部品の新たな規制求める

    2017年10月06日 13:13 公開 銃規制強化に反対する団体、全米ライフル協会(NRA)は5日、ラスベガスで起きた銃乱射事件でスティーブン・パドック容疑者が使用した「バンプストック」と呼ばれる銃改造部品に対する新たな規制を求めた。 NRAは、「半自動小銃が自動小銃のように機能できるようにする装置に対しては、追加的な規制が設けられるべきだ」とし、「これらの装置が連邦法に合致しているか、すぐに検討されるべきだ」と述べた。 与党・共和党は長年にわたりあらゆる銃規制に反対してきたが、今回はバンプストックの禁止を検討すると表明している。 連邦議会ではバンプストック禁止法に関する公聴会が開かれる予定で、審議が進む見通し。 NRAによる発表後、ドナルド・トランプ米大統領は記者団に対し「短期間のうちに」装置を禁止するかどうか考えると述べた。 NRA幹部のウェイン・ラピア、クリス・コックス両氏は、連名の声明で、「ラスベガスでの邪悪で無意味な攻撃の後、どうすれば悲劇が将来起きないようにできるのか米国民は答えを探している」と述べた。 両氏は「頭のおかしい男による犯罪行為に基づいて、法に従う米国人に銃を禁止するのは将来の攻撃の予防に何ら役立たない」とし、銃規制を訴える政治家たちを批判した。 死者58人負傷者500人近くを出したラスベガスの事件以来初となった今回のNRA声明は、バンプストックがバラク・オバマ前大統領の政権時に、アルコール・たばこ・火器爆発物取締局(ATF)によって承認されていたと指摘した。 声明発表直後に記者団と話したサラ・サンダース大統領報道官は、「(共和・民主)両党議員や複数の団体がバンプストックを検討する予定だ。我々は歓迎するし、議論に参加したい」と語った。 NRAの声明はさらに、銃を携帯して州間を自由に行き来できるようにする法律の可決を議会に求めた。法案は団体が長らく擁護してきたもので、州ごとに銃規制が違うなかで、地元で銃所持の許可を得ている人物がより厳格な規制がある州にも銃を持って行けるようにするのが狙い。 銃のサイレンサー(消音器)の規制緩和にもNRAは力を入れているが、ラスベガスでの事件を受け下院の共和党議員らは法案を取り下げた。 4日には、民主党のダイアン・ファインスタイン上院議員(カリフォルニア州選出)がバンプストックの禁止法案を提出。共和党のカルロス・カーベロ下院議員(フロリダ州)は記者らに対し、共和党案が5日中にも提出される可能性があると語った。 カーベロ議員は、事務所には法案に関心を示す議員たちから電話が「殺到」しているとし、超党派での合意が形成されつつあると述べた。同議員は「分別のある銃政策という点で、大きな進歩が目前にあると思う」と話した。 バンプストックには、バンプファイア・ストック、サイドファイア・アダプターとも呼ばれ、購入には自動小銃のような詳細な身元確認を必要としない。 ラスベガスの事件のスティーブン・パドック容疑者は乱射に使用した12丁のライフルにバンプストックを装着していた。 バンプストックは通常200ドル(約2万2500円)以下で売られており、関連企業の広告によると、わずか7秒で100発近くの高速弾を撃つことができる。 バンプストックの製造で大きな市場シェアを持つスライド・ファイア社は、ラスベガスでの事件以降「非常に大きな需要があったため」売り切れ状態になっていると述べた。 (英語記事 Las Vegas shooting: NRA urges new rules for gun 'bump-stocks')

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    ノーベル文学賞受賞のカズオ・イシグロさん、騒ぎの渦中で落ち着き

    2017年10月06日 10:55 公開 ウィル・ゴンパーツBBC芸術担当編集長 「ノーベル賞受賞者は、どういう服を着たらいいのかな」。自分がノーベル文学賞を受賞したと40分前に知ったばかりのカズオ・イシグロさんは5日、こう尋ねた。 「意外な」知らせだったという表現は控えめ過ぎる。文字通り、本当のことだと信じられなかったのだ。 ただし間もなく、電話が絶え間なく鳴り始め、自宅前にテレビの取材陣が整然と並び始め(「どうしてみんな僕の家を知ってるんだ?」)、版元が精鋭の応援チームを派遣してくるに至って、やっと理解したのだという。 これはフェイクニュースではないと。これは素晴らしい、びっくりするニュースなのだと。もしかして受賞にふさわしい作家はほかにもいるのかもしれないが、とイシグロさんは思った。「けれども、賞というのはそういうものだから。宝くじのようなもので」。 混沌に取り囲まれながらも、イシグロさんはゆったりと落ち着き、穏やかに思慮深く、(このインタビュー用にきちんとした上着を取りに、パッと2階に上がって戻ってきてから)、いかに物語の力を信じているかを語った。そして自分の書く物語がしばしば、無為に終わった人生や機会について探る内容になっていると。 「物語の語り方によっては、人種や階級や民族性といったバリアを超えられるはずだと、僕は常に信じてきた」 私にとっては、イシグロさんは使う言葉のくくりを問わず、世界最高峰の現役作家の一人だ。どんな作家も物語を語ることができる。イシグロさんが語る物語は、次元が違う。 イシグロさんは読者を、代替現実のような世界に引き込む。その世界は未来かもしれないし、現在かもしれないし、過去かもしれない。完全体で本物の場所のように思えるが、見知らぬ場所だ。 イシグロ作品の世界は奇妙で、必ずしも幸せな場所でない。しかし自分の居場所がみつけられる世界、親近感を感じることのできる世界で、読者は登場人物たちに深く引きつけられていく。これは作家の仕事そのものだが、彼はただほかの多くの作家よりも、これが上手なのだ。 英国にいながら日本人の家庭で育ったことは、自分の物語作りに欠かせない要素だとイシグロさんは言う。そのおかげで、周りのイギリス人とは違った視点で、世界を見ることができるようになったと。 確かに彼の作品では語り部の多くが、物語から一歩身を引いた距離感で語る。これは「表面は穏やか、表面は抑制されているという、日本の芸術の長い伝統からきている。表面の下に抑え込んだ感情の方が、より激しいという感覚がある」とイシグロさんは話す。 しかし受賞発表後に会った時、イシグロさんの感情は表面的なものだけではなかった。大喜びしていたし、それは当然の喜びだ。 カズオ・イシグロはノーベル文学賞にふさわしい受賞者だ。 (英語記事 Kazuo Ishiguro keeps calm amid Nobel Prize frenzy)

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    イシグロ氏、ノーベル文学賞「間違いかと思った」

    ばれた英作家カズオ・イシグロさんは5日、「フェイクニュースのこの時代、間違いかもしれないと思った」とBBCのウィル・ゴンパーツ芸術担当編集長に話した。また、「自分が育った中の『日本』の部分は、自分という人間や作家にとって不可欠なもの」だと語った。

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    8メートルのニシキヘビと格闘 勝って村全員で食べた

    の病院に運ばれ、療養中。けがの程度がひどいため、医師たちが「切除する必要があるかもしれない」と同氏はBBCに話した。 エリナリヨン氏は、バタン・ガンサル地区に巨大ニシキヘビは珍しくなく、「毎年少なくとも10匹は目撃される。乾季になると飲むものを探して出てくるし、雨季には雨の中で体を洗うために出てくる」と話した。 「パーム油農場には通常、ネズミがたくさんいるので、ネズミを捕りに出てくる」 エリナリヨン氏は、人間は巨大ニシキヘビと格闘するべきではないと忠告する。「本当にやめた方がいい。(中略)ヘビと戦って殺そうとすれば、もちろんヘビはかんかんに怒るわけで、そうなれば反撃してくるから!」。 村の人たちがニシキヘビを食べてしまったことについては、「友人たちによると、本当においしいらしい。7メートル以上もあるのだから、たっぷり食べられる!」とエリナリヨン氏は話した。 「(ニシキヘビの)血は治療薬になると信じている人たちもいる」 今年3月にはインドネシアのスラウェシ島で、ニシキヘビに飲まれた男性の遺体が発見されている。 (英語記事 Giant python: Indonesians eat huge snake after man defeats reptile)

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    国王は「何百万もの人々を無視」 カタルーニャ自治州首相が批判

    による国王批判は、同氏の「現実からの乖離(かいり)」を示したと付け加えた。 プッチダモン首相は3日のBBCとのインタビューで、「今週末もしくは来週初めにも」独立を宣言すると語った。 カタルーニャ自治州政府は、来週9日に州議会が臨時会議を開き、議論が戦わされている住民投票の結果について話し合うと明らかにした。 カタルーニャ自治州の当局者は独立支持が90%近くに上ったとしているが、最終的な結果は発表されていない。投票率は推計42%だった。 4日夜のプッチダモン首相の演説では、独立宣言のさらなる詳細については触れられなかった。カタルーニャ語で演説していたプッチダモン首相は、スペイン語に言葉を切り替え、カタルーニャとの連帯を表明したスペイン市民に感謝すると語った。 1日の投票では、裁判所の命令を受けた警察が投票を阻止しようとし、900人近くのけが人が出た。スペイン政府は投票を違法だとしている。 一部の警官がゴム弾を発砲し、投票所を襲撃したり、女性たちの髪の毛を引っ張って連行したりする姿が見られた。地元医療当局者によると、一連の衝突で警官33人も負傷した。 警官による乱暴に衝撃を受けた多くのカタルーニャ住民が3日、街頭に出て抗議デモを行った。また、投票の際に「権利と自由の重大な違反」が見られたとして、ストライキが呼びかけられた。 「ジョン・スノウみたいな王様が必要」――パトリック・ジャクソン記者、BBCニュース(スペイン・ジローナ) 公の場では稀なスペイン国王に対する批判だった。しかし、国の統合の象徴とされるフェリペ6世が自身がテレビで国民向けに演説するのも珍しく、プッチダモン州首相は対応を迫られていた。 プッチダモン氏の地元にあるバーでは、演説の終了後、客たちは自分たちの指導者に満足し、仲裁の呼びかけを歓迎して礼儀正しく拍手した。話題はその後、人気ドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」にひっかけた冗談に移った。 ある女性は笑いながら、「ジョン・スノウみたいな、国の統合を守ろうと頑張って人民と共にいる王様が必要なんだよ」と語った。 マリアノ・ラホイ首相はドラマの「ナイト・キング」だというのが、一座の一致した見解だった。カタルーニャに永遠の冬をもたらそうとする悪役だと。 女性は真顔になり、「すべての文化を大切にするスペインになってほしい」と話した。「どうして、すべての文化を愛してはいけないのか。フェリペ6世の演説は理解できない」。 (英語記事 Puigdemont: Spanish king ignored millions of Catalans)

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    米国務長官、辞任を否定 トランプ氏を「間抜け」と呼んだかは答えず

    2017年10月05日 13:37 公開 レックス・ティラーソン米国務長官は4日、予定にない異例の記者会見を急きょ開き、辞任するつもりはないと、報道を否定した。同日付の米NBCニュースは、ティラーソン氏が夏の間、ドナルド・トランプ大統領と対立を重ねて「間抜け(moron)」と呼んだこともあり、副大統領が慰留していたと伝えていた。 国務省で記者会見したティラーソン長官は、「辞めようなど思ったことがないので、副大統領が私を慰留する必要などなかった」と、NBC報道を「誤報」と呼んだ。自分が必要とされる限り、政権に留まるつもりだと強調した。 NBCは、ティラーソン長官が7月にトランプ大統領を「間抜け」と呼んだほか、大統領がボーイスカウトの集会で党派制の高い演説をしたことに激怒し、辞任するつもりだったのを、ペンス副大統領がなだめたと伝えていた。 NBCよると、7月にアフガニスタン戦略をめぐる会議で、トランプ氏がアフガン駐留米軍の最高司令官解任をほのめかし、司令官による部隊展開の判断は、ニューヨークの高級レストランを改装するようなものだと述べたため、安全保障担当幹部たちが反発。このやりとりについて、ティラーソン氏は大統領を「間抜け」と呼んだという。 本当に大統領を「間抜け」と呼んだのかと記者に問われると、ティラーソン長官は「そんなつまらないことの相手をするつもりもない」と答え、具体的に否定はしなかった。 その上で長官は、「私はワシントンに来てまだ間もないが、トランプ大統領の政策目標を損なうことを目的に、他人の関係を引き裂き、対立を植え付け、自分たちの目的を推進しようとする者たちがいるのだと分かった。私はそのような真似はしないし、今後もそのような動き方はしない」と述べた。 ティラーソン長官が会見する直前、トランプ大統領はツイッターで「NBCニュースは#フェイクニュースで、CNNよりもずっと嘘だらけだ。優れた報道の名を汚す連中だ。道理でNBCのニュース視聴率はぐんと落ちてるわけだ!」とNBCニュースを批判した。 乱射事件の被害者などを慰問するため訪れたラスベガスでも、トランプ氏は「まったくでたらめな話だ(中略)NBCのでっちあげだ」と批判。「レックスのことは全面的に信頼している」と述べた。 ティラーソン長官は自分自身ではっきりと「間抜け」発言を否定しなかったが、国務省のヘザー・ナウアート報道官は後に、そのような発言はなかったと言明した。 「長官は、合衆国大統領についてそのような表現を使っていない。長官は誰についても、そのような表現を使わない」と報道官は述べた。さらに、長官は「タフでしぶとい人」なので、辞任させたい人たちは「これからも圧力をかけ続けてみるといい。そうすればするほど、長官の決意は強固に固まっていく」と話した。 マイク・ペンス副大統領も、国務長官の辞任をめぐるやりとりは一切ないと声明を発表した。 一方でCNNは、自分たちも独自に「間抜け」発言を確認したと伝えた。CNNのホワイトハウス担当記者は、「ティラーソン氏が夏の間に自分を『間抜け』と呼んだことを(大統領は)承知している」とツイートした。 しかしこの後にトランプ氏は、同じくツイッターで、NBCニュースの記事は「完全に否定された」と強調。NBCは「米国に謝罪すべきだ」と書いた。 トランプ氏とティラーソン氏の関係では、8月のシャーロッツビル衝突についてトランプ氏が双方に責任があると発言し非難された際、国務長官は報道番組で「大統領は自分の意見を話している」と発言し、注目された。 また北朝鮮危機をめぐっては、ティラーソン氏が北朝鮮との対話を模索していると発言した直後に、トランプ氏が交渉は「時間の無駄だ」とツイート。「レックス、労力を無駄にしないで。やらなくてはならないことをやるから!」と大統領がツイートしたことは、ティラーソン氏の国務長官としての立場を損なうものだと取り沙汰されていた。 国務長官は大統領の権限継承順位において、副大統領、下院議長、上院仮議長に次いで4位。 (英語記事 Tillerson denies resignation rumours, but not 'moron' remark)

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    乱入され、せきが止まらず、文字は墜落……メイ英首相の党首演説

    ーガンから、まず「FOR」の「F」の文字が落下し、次に「EVERYONE」の最後の「E」が落ちた。 BBCのローラ・クンスバーグ政治担当編集長は、今回の党大会は「テリーザ・メイの権威再生が目的だったはずだが、今回のことでいっそう損なわれてしまうかもしれない」と指摘する。 スコットランド保守党のルース・デイビッドソン党首は、メイ首相の演説について、「逆境の中で闘うということの比喩そのものだった」と述べた。 党首演説の内容としては、首相は「現代的で思いやりあふれる英国」が必要だと呼びかけ、社会正義と公平の実現に注力していくと表明。「次世代の生活は今より良くなるはずだ」という「英国の夢」は現在、あまりにも多くの人にとって手の届かないものになっているため、自分が首相としてこの状態を是正すると約束した。 首相はさらに、マンチェスターの党関係者を前に、自分が率いた総選挙の選挙運動が「あまりに筋書重視で、大統領的過ぎた」と謝った。 ブレグジット(英国の欧州連合離脱)については、「英国と欧州の双方にとってうまくいく合意が見つけられると確信している」と述べた。さらに、英国在住のEU市民に対して、「皆さんにはこの国にいていただきたい」と強調し、すでに英国で生活するEU市民の在住継続を可能にする合意成立の必要性を呼びかけた。 演説後は、ハプニングについて話題が集中したものの、労働党のジョン・マクドネル影の財務相は、首相が演説で約束した政策をすべて実現するには150億ポンド(約2兆2500億円)かかると指摘。「保守党の『魔法の金の木』が戻ってきたようだ」と皮肉った。 野党・自由民主党のビンス・ケーブル党首は、「勇敢な首相が懸命にがんばっているのをよそに、不忠な閣僚たちが堂々と反乱を企てている。そういうなかでの首相演説だった」と論評した。 (英語記事 Theresa May battles a sore throat and prankster in conference speech)

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    【ラスベガス乱射】 恋人は「何も知らなかった、予兆もなかった」

    2017年10月05日 10:57 公開 現代米国史上最悪の被害を出したラスベガス乱射事件の容疑者の交際相手は4日、「優しく、思いやり深く、物静かな」パートナーが何を計画していたか何も知らなかったと明らかにした。弁護人が記者会見で声明を読み上げた。 1日夜の事件当時、フィリピン滞在中だったダンリーさんは、3日に米国に戻り、連邦捜査局(FBI)の事情聴取を受けた。 ダンリーさんは声明で、スティーブン・パドック容疑者は事件の予兆となるようなことは「私に何も言わず、そのような行動も取らなかった」と表明した。 「私は彼を愛していたし、穏やかな将来を一緒に過ごしたいと願っていた」とダンリーさんは言い、「言葉にならない恐ろしい暴力行為」に衝撃を受けたと強調した。 事件発生直後、ラスベガス市警はダンリーさんを「参考人」として行方を探した。 フィリピン生まれでオーストラリア市民のダンリーさんは、元カジノ従業員。ラスベガスから北東に130キロ離れたメスキートでパドック容疑者と暮らしていた。事件の約2週間前に容疑者がいきなり、フィリピンの家族に会いに行くようにと「格安航空券」をプレゼントしてくれたという。 ダンリーさんがフィリピンに滞在中、容疑者は家の購入資金だとして、10万ドル(約1100万円)を送金してきたという。 「ありがたかったけれども、正直言って、手切れ金のつもりなのかと心配だった。まさか誰かに危害を加えようと計画していたなんて、まったく何一つ思い当らなかった」とダンリーさんは文書で説明した。 ダンリーさんの姉妹たちはこれに先立ち、豪「7ニュース」に対して、「自分の計画の邪魔にならないよう(ダンリーさんは)追い払われた」のだろうと話した。 パドック容疑者は9月28日、マンダレイ・ベイ・ホテル32階のスイートルームにチェックインした。この際に、ダンリーさんの身分証を使ったという情報もある。 10月1日午後10時8分ごろ、ホテルの向かいにある屋外コンサート会場で開かれていたカントリー音楽祭の観客約2万2000人に向かって、乱射を始めた。 それから9~11分の間に、容疑者は58人を殺害し、500人以上にけがをさせた後、自殺したとみられている。 ラスベガス市警のジョーセフ・ロンバルド保安官は4日の記者会見で、パドック容疑者の足取りについてさらに分かった内容を説明した。 ホテルに停めてあった容疑者の車から、銃弾1600発以上と、新たに爆発物も発見 発砲を始める数時間前まで、容疑者はギャンブルをしていた 事件の前週には、ラスベガス市内の別の野外音楽祭を見下ろす高層賃貸マンションの一室を借りていた。9月22~24日の音楽祭には、ミューズ、ロード、ブリンク182などが出演。観衆は約15万人だった ドナルド・トランプ米大統領は4日、メラニア夫人と共にラスベガスを訪れ、被害者や救急対応の担当者たちを慰問した。 事件の被害者が多数救急搬送されたユニバーシティ・メディカル・センター(UMC)で大統領は記者団に、「この人たちの働きぶりを見ると、アメリカ人でいることがとても誇らしく思える」と話した。 「人間性の最悪の部分が打って出てくると、そして今回はまさにそうだったが、人間性の最高の部分が反応する」と大統領は述べ、負傷した警官たちを称えた。 「恐怖のどん底にあっても常に、我々の命のために自分たちの命を危険にさらしてくれる人たちに希望を抱く」 「日曜夜に世界中が目撃した勇気は、とても言葉にならない。米国人は死と憎しみに愛と勇気で対抗した」 (英語記事 Las Vegas shooting: Paddock's girlfriend denies knowledge of attack)

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    広場恐怖症の女性が世界を旅できた理由

    2017年10月05日 9:00 公開 ジャッキー・ケニーさんは、自身の広場恐怖症を世界中を旅行できない理由にしなかった。「グーグル・ストリートビュー」があったからだ。症状に負けずに生きるケニーさんはインスタグラムで多くのフォロワーを獲得している。

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    ティラーソン米国務長官、「間抜け」発言報道に「そんなつまらないこと」

    2017年10月05日 9:00 公開 レックス・ティラーソン米国務長官は4日、予定にない異例の記者会見を急きょ開き、辞任するつもりはないと、報道を否定した。同日付の米NBCニュースは、ティラーソン氏が夏の間、ドナルド・トランプ大統領と対立を重ねて「間抜け(moron)」と呼んだこともあり、副大統領が慰留していたと伝えていた。

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    メイ英首相演説、5つの予期せぬ事態

    2017年10月05日 9:00 公開 英与党・保守党の党大会最終日となった4日。テリーザ・メイ英首相の演説では、闖入(ちんにゅう)者のいたずらから、内心をうかがわせるような閣僚たちの行動まで、予期せぬ事態が相次いだ。

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    世界一長い舌の犬 米サウスダコタ州

    2017年10月05日 9:00 公開 米サウスダコタ州のカーラ・リッカートさんが飼うセント・バーナード犬のモチはこのほど、世界一長い舌を持つ犬としてギネス世界記録に認定された。

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    「男性特権」の値段 トランスジェンダーの起業家が算出

    5万ドル(約2800万円)という結果が出た。大きな影響力を持ち人々の心を動かしている女性100人を、BBCが世界中から毎年選ぶ「100 Women(100人の女性)」では今年、「ガラスの天井」や一部の国での女性の識字率の低さ、公の場でのハラスメント、スポーツにおける性差別という、世界の女性が現在直面する4つの大きな問題に焦点を当てている。

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    悪化の一途たどる米国の銃乱射事件 データで見る

    2017年10月05日 9:00 公開 米国では凶暴な銃乱射事件がより頻繁に起きるようになっており、死者数も増加している。1980年代からの統計データを振り返った。

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    ありし日の香港 1950年代の人々と風景

    2017年10月05日 9:00 公開 1950年代の香港を撮影したこれまで公表されことのなかった写真からは、現在の香港よりもゆっくりした時間が流れていた時代を垣間見ることができる。

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    【ラスベガス乱射】 犯人はテロリストなのか

    スト教徒だとなるといきなり、精神病の人がやったことだから何もかも大丈夫ということになる」 価値判断 BBCでは、「テロリスト」や「テロ」という言葉の使い方に、明確な基準を設けている。 BBC編集ガイドラインでは、「テロリストやテロ行為の構成要件について、幅広い合意は成立していない。テロという単語の使用にはしばしば、価値判断が伴う。そのため私たちは、人が『テロリスト』と言っている言葉を引用する際に表現を変更してはならないが、私たちとしては使用を避けるべきだ」と書いている。 さらにBBCの編集ガイドラインは、「だからといって、特定の行為の実態や恐ろしさを伝えることを回避してはならない。むしろ、自分の言葉の使い方によって、BBCの客観報道に対する評価にどう影響するかを検討すべきだ」と念押ししている。 ソーシャルメディアでは大多数の人が、パドック容疑者を「テロリスト」と呼ばない捜査当局やマスコミを批判している。しかし、大多数に異論を唱える人たちもいる。 ドニー・インバーソさんはツイッターで、「テロではない。テロは、恐怖によって人の政治信条や信仰を変えさせようとするものだ。これは乱射事件だった」と書いた。 M・G・ミッチェルさんは「政治的な動機の証拠を見つけていないなら、スティーブン・パドックは大量殺人犯だ。テロリストの定義にマッチしない」とツイートした。 プレストンさんは、「動機が分かるまでテロかどうか判断できない。乱射事件とテロは同義語じゃない」とツイートした。 (英語記事 Las Vegas shootings: Is the gunman a terrorist?) By UGC and Social News Team, additional reporting by BBC Reality Check

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    フランス、厳格な反テロ法案可決 非常事態宣言の解除控え

    )の戦闘員によるパリで銃撃と爆破攻撃で130人が殺害された事件を受けて、発令された。 パリで取材するBBCのヒュー・スコフィールド記者によると、非常事態宣言は6度延長されたが、無期限に続けるのは非民主的だとの意見で世論は一致していた。 法案は賛成415票、反対127票で可決された。棄権は19人。現在の非常事態宣言の期限が切れる11月1日の前に施行される見通し。 ジェラール・コロン内相は3日、議会に対し警戒レベルは依然として「非常に差し迫っている」とし、「我々は依然として戦争状態にある」と語った。 新しい法律の下、個人の移動を在住地域に限定し、一日に一度警察に出頭することを義務付けるのを、判事ではなく政府が判断できるようになる。 当局は鉄道の駅や空港など危険と判断される場所に警戒区域を設定することができ、区域内では人や車両を調べることができる。 モスクなどの礼拝の場所で宗教的指導者が極端なイデオロギーを説いていることが分かれば、当局は閉鎖を命じることが可能になる。 保守系のル・フィガロ紙の世論調査によると、フランス人の57%が措置を法制化することに賛成している。 しかし、人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」フランス支部のベネディクト・ジャヌロ代表は、フランスで対テロ措置への司法チェックが徐々に「弱め」られており、「非常事態での権限が正常化され、新たな一線を越えた」と語った。 (英語記事 France approves tough new anti-terror laws)

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    銃社会アメリカ 数字で見る被害と支持

    2017年10月04日 14:31 公開 現代米国史上最悪の乱射事件を機に、米国でまたしても銃所有と規制強化の是非をめぐる議論が再燃している。 米ピュー研究所の2017年調査によると、米国市民の約4割が、銃を所有している、もしくは銃のある世帯に住んでいると答えた。そして、米国で発生する銃器による殺人や過失致死の割合は先進国で最高だ。 米国は諸外国と比べてどうなのか 2016年の米国では1万1000人以上が銃によって死亡した。これは、殺人と過失致死の合計件数の約3分の2に相当する。 下表は、各国内で発生する殺人事件に占める発砲案件の割合。2016年の米国が64%だったのに対し、2015~2016年のイングランドとウェールズは4.5%、2015年のカナダは30.5%、2013~2014年のオーストラリアは13%だった。 市民がたくさん銃を持っている国は 世界各国で民間人がどれくらい銃を所有しているのか正確に知るのは難しいが、米国の約2億7000万丁はどのような推計でも群を抜いて突出している。欧州で人口1人当たりの持つ銃の数が特に多いのは、スイスとフィンランドだ。 下表は、住民100人あたりの銃の数を国別で比較したもの。2位のイエメンを米国が大きく引き離している。 米国で銃で死ぬ人たちの内訳は 1982年以降の米国では、4人以上が犠牲になる大量射殺事件が90回起きている。しかし乱射事件の被害者は実は、米国で銃によって死ぬ人のごく一部に過ぎない。下図が示すように、2016年に米国で銃によって死亡した合計1万1004人のうち、約5500人は自殺で、乱射事件の犠牲者は71人だった。 2015年には、銃による自殺件数は銃による殺人件数の2倍近くで、その割合は増加を続けている。米疾病対策センター(CDC)と米自殺防止基金によると、銃による自殺は米国内の自殺件数の半数近くを占める。 2016年の米公衆衛生学会機関誌に掲載された研究によると、市民の銃所有率が高い州では、男女を問わず自殺率も高いという、強い正の相関が確認された。 ラスベガス乱射 ラスベガスの乱射事件は、近年の米国で最悪の死傷者数を出した。犠牲者の数が極めて高かった乱射事件3件は、いずれも過去10年の間に起きている。 昨年6月にフロリダ州オーランドのナイトクラブが襲われた事件では、49人が死亡した。バージニア州のバージニア工科大学で32人が死亡した乱射事件は、2007年4月。コネチカット州ニュータウンでサンディーフック小学校が襲われ、児童20人と教職員6人、そして学校襲撃前に犯人の母親が殺害された事件は2012年12月だった。 どのような銃が米国人を死なせているのか 軍隊が使うような殺傷力をもつ自動小銃が、オーランドのナイトクラブ襲撃やコネチカット州のサンディフック小学校襲撃で使われたと批判されている。 警察よると、ラスベガス乱射の容疑者が犯行現場としたホテルの室内には23丁の銃器があり、ラスベガス北東郊外メスキートの自宅からも銃19丁や爆発物、大量の銃弾が発見された。 下表は、米国で銃を使った殺人事件を、銃の種類別に分けたもの。多い順から、短銃、ライフル、散弾銃、その他となっている。 米国では自動小銃は2004年まで10年間、民間人の所有は全面的に規制されていたが、現在では少数の州のみが禁止している。一方で、連邦捜査局(FBI)の統計によると、ほとんどの銃による殺人事件では短銃が使用されている。 銃はいくらで買えるのか 市民が銃をほとんど持たない国からすると、米国では銃がいかに安く買えるかは、意外に思えるかもしれない。 ラスベガス乱射のスティーブン・パドック容疑者がいたホテルの部屋で発見されたという自動小銃は、一般的に約1500ドル(約18万円)で買える。マックブックと同じような価格帯だ。 同様に、容疑者の室内で発見されたという短銃は、安いものは200ドル(約2万3000円)程度。たとえばクロームブックのラップトップなみで、銃砲店で手に入る。 ホテルの部屋で銃が23丁、さらに自宅から19丁が発見されたということは、つまりパドック容疑者は武器と付属品(三脚、照準器、銃弾、カートリッジなど)に合わせて7万ドル(約780万円)使った可能性がある。 銃規制を支持するのはどういう人か 短銃の所有禁止について、米世論は過去60年の間に劇的に変化した。データは不完全ながら、調査会社ギャラップによると、現在ではかなりの大多数が短銃規制に反対している。下図は、「警察その他の所持が許可された人物を除いて、短銃所持を法律で禁止するべきか」という質問に対して、「禁止すべきでない」という回答率を赤線で、「禁止すべき」という回答率を緑の線で、その移り変わりを示している(紫の線は「特に意見なし)。 しかし、たとえば精神病の病歴がある人や当局の監視対象人物への銃販売を規制することについては、政治的な主義主張を越えて幅広く大勢が支持している。 ドナルド・トランプ米大統領は、ラスベガス乱射事件の後、「銃の法律については時間がたつにつれて、話をしていく」などと反応した。ホワイトハウス報道官は、今は「銃規制を議論すべき時ではない」と述べた。 前任者のバラク・オバマ前大統領は、共和党が支配する議会の抵抗に遭い、銃規制強化の実現に苦労した。 銃規制に反対するのは誰か 全米ライフル協会(NRA)は、米国のあらゆる銃規制に反対するロビー団体で、市民がより多くの銃を持てば持つほど、国は安全になると主張する。 NRAは米国で最も強力な圧力団体のひとつ。国の銃政策に影響力を行使するため、多数の連邦議員に多額の寄付をしている。 ピュー研究所によると、米国で銃を所有する5人に1人が自分はNRA会員だと認めている。特に、共和党支持者の銃所有者は、多くがNRAを支持している。 ロビー活動面では、NRAは年間約300万ドル(約3億4000万円)を銃政策のために使っていると公称する。 上のグラフは、上院公文書局が公表した、届け出のあった議員への寄付金のみを示している。NRAはこれ以外にも、銃規制に反対する候補の選挙戦を支持するなどの活動に何百万ドルと使っている。 (英語記事 America's gun culture in eight charts)

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    数日中に独立を宣言=スペイン・カタルーニャ自治州首相

    ルーニャ自治州のカルレス・プッチダモン首相は3日、数日中にカタルーニャの独立を宣言する考えを示した。BBCとのインタビューで語った。 住民投票後初めてインタビューに応じたプッチダモン首相は、自治州政府が「今週末もしくは来週初めにも行動を取る」と述べた。 一方、スペイン国王のフェリペ6世は3日、国民向けのテレビ演説を行い、住民投票を主導した人々が「法の埒外(らちがい)」に身を置いたと語り、スペインが「非常に深刻」な状況にあるとして、国の団結を呼びかけた。 警察が住民投票を阻止しようと介入し900人近いけが人が出たことに、カタルーニャ各地で何十万人もの人々が抗議行動に参加した。 医療当局によると、投票日の衝突では警官33人も負傷している。 BBCとのインタビューで、スペイン政府が介入し自治州政府を掌握した場合の対応を問われたプッチダモン州首相は、「すべてを変える間違い」になると語った。 プッチダモン州首相は、現時点で中央政府と自治州政府との接触はないと述べた。さらに、欧州委員会が2日の声明で、住民投票をめぐる一連の出来事はスペインの内政問題だと位置づけたことに反論した。 インタビューは国王のテレビ演説の直前に行われた。 フェリペ6世は演説で、住民投票を主導したカタルーニャ自治州の指導者たちが「国家の権限を軽視した」とし、「民主主義の原則である法の支配に違反した」と述べた。 国王は「現在、カタルーニャ社会は分裂している」と語り、住民投票が経済的に繁栄する同自治州とスペイン全体の経済を脅かしていると警告したが、スペインは「困難な時期を克服する」と強調もした。 中央政府は住民投票を違法だとしている。 カタルーニャ自治州では3日に大規模な抗議デモが開かれた。AFP通信はバルセロナ市警の話として、同市だけで70万人が街頭で抗議したと報じたが、中央政府はこれを確認していない。 バルセロナ市内の50カ所以上で道路が封鎖され、大きな交通渋滞が発生した。地下鉄の運行本数は、ラッシュアワー時には通常の4分の1になり、それ以外の時間帯はゼロになった。 労働組合によると、バルセロナの港は業務を停止した。 サグラダ・ファミリア大聖堂を含む市内の観光名所も閉館した。 大規模な卸売市場メルカバルナでは、約770の食品関連業者が業務を停止。場内にはひと気がなかった。 多くの中小企業や商店が営業せず、学校や大学、医療機関も閉鎖されているか、必要最低限の業務のみ行った。 カタルーニャの労働組合などが、住民投票の最中に「権利と自由の重大な違反」があったとして、ストライキを呼びかけていた。住民投票の際には、一部の警官がゴム弾を発砲し、投票所を襲撃したり、女性たちの髪の毛を引っ張って連行したりする姿が見られた。 それでもなお220万人以上が投票したとみられている。カタルーニャ自治州政府は独立を支持する票が90%近くに上ったとしているが、正式な投票結果は発表されていない。 投票率は42%と比較的低調だったとされており、プッチダモン氏の立場を弱める可能性もある。 バルセロナで取材するBBCのトム・バリッジ記者は、投票時の混乱状態を考えると投票率や投票結果は多少疑ってみる必要がある、と指摘した。 マリアノ・ラホイ首相は、住民投票は民主主義に対する「嘲笑だ」と批判していた。 フアン・イグナシオ・ソイド内相は3日、「カタルーニャの政府が住民たちを奈落の底に突き落とし、街中での反乱を呼びかけているのを毎日のように見ている」と語った。ソイド内相は、中央政府が「嫌がらせ行為をやめさせるのに必要なあらゆる措置を取る」と警告した。 一方、ソラヤ・サエンスデサンタマリア副首相は、抗議デモ参加者たちが警察の宿泊先に集まり、警官の立ち退きを求めたことについて、「マフィア」のようだと強く非難した。 ラホイ首相は2日遅くに、主要な野党である社会党のペドロ・サンチェス党首やシウダダノス党のアルベール・リベラ党首と会談した。 サンチェス党首はラホイ首相に対し、カタルーニャ自治州の指導者とすぐに会談するよう求めた一方、リベラ党首はカタルーニャ自治州の自治権を停止する憲法155条を発動すべきとの考えを示した。 (英語記事 Catalan referendum: Region's independence 'in matter of days')

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    【ラスベガス乱射】 容疑者、ホテル室内に監視カメラ設置=警察

    にもなる。 銃砲小売りチェーン「ニュー・フロンティア・アーマリー」のデイビッド・ファミリエッティ氏はBBCに対して、容疑者が北ラスベガスの店舗で今年春に銃器を購入したと話した。連邦捜査局(FBI)による経歴調査を含め、州法や連邦法の規定はすべて満たしていたという。 ただし、容疑者が店頭で購入した散弾銃とライフル銃だけでは、「ビデオで見聞きした(攻撃は)不可能で、改造が必要だ」とファミリエッティ氏は話した。 容疑者が乱射の標的にしたカントリー音楽祭の会場で撮影された様々な動画で聞こえる、連射の速度からは、容疑者が合法的に入手した付属品を使い、ライフル銃を自動式に近い速度で連射できるよう改造した可能性がうかがわれる。 交際相手は日本ではなくフィリピンに 警察は、パドック容疑者とメスキートの一軒家で住んでいたとされる交際相手のマリルー・ダンリーさんについて、依然として「参考人」だと話した。当初は日本に滞在中で、もはや参考人ではないと話していたが、実際にはフィリピン滞在中だと訂正した。 ロンバルド保安官は、ダンリーさんと「まだ会話中だ」と述べた。 米メディアによると、62歳のダンリーさんはフィリピン生まれのオーストラリア市民。9月末からフィリピンに滞在していたが、3日夜にロサンゼルスに帰国し、連邦捜査員に出迎えられた。 容疑者は9月28日に、ダンリーさんの身分証などを使い、ホテルにチェックインしたとみられている。 フィリピン警察はAFP通信に対して、パドック容疑者が事件の数日前、フィリピンにいるダンリーさんに10万ドルを送金していたと話した。 大統領は銃規制強化議論に消極姿勢 現代米国史上最悪の乱射事件を機に、米国の銃規制法制をめぐる議論が再燃している。しかしドナルド・トランプ米大統領は、仮に対応が必要だとしてもその議論は「今すべきことではない」、「銃の法律については時間がたつにつれて、話をしていく」などと反応した。強力な銃ロビー、全米ライフル協会(NRA)の後押しを得ているトランプ氏は、大統領選の最中も、米国民の武器携行権を保障する連邦憲法修正第2条を保障すると繰り返していた。 大統領はパドック容疑者を「病気の男、頭のおかしい男だ」と呼んだ。 しかし、匿名を条件に取材に応じた米国土安全保障省の高官はロイター通信に対して、「精神疾患や脳障害があったと示す」「証拠は何もない」と話した。 連邦捜査局(FBI)も、国際テロ組織との関連をうかがわせる事実関係は見当たらないと判断を示している。 一方で、9月20日にハリケーンで甚大な被害を受けた米自治領プエルトリコを3日に訪れたトランプ氏は、銃規制議論にふさわしい時は「いずれ来るかもしれない」と述べた。 銃規制に関してトランプ氏の姿勢は長年にわたり二転三転している。 今回の乱射事件は「国内テロ」なのかという問いかけにも、トランプ氏は明言を避けた。 (英語記事 Las Vegas shooting: Paddock placed cameras in hotel)

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    ハリケーン被害のプエルトリコ 9日間助けを待った老人ホーム住民たち

    もかかったのかと語る。自治政府所在地サンフアンから離れた地域に支援物資を届ける活動を行う沿岸警備隊にBBC取材班が同行した。

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    【ラスベガス乱射】 ホテルに向かう警官たち ボディカム映像公表

    2017年10月04日 9:00 公開 米ネバダ州のラスベガス市警は3日、乱射被害に遭う音楽祭会場から、銃弾が向かってくるホテルへと接近する警官たちの、着用カメラ(ボディカム)が記録した映像を公表した。スティーブン・パドック容疑者は1日夜、銃の乱射で58人を殺害し、500人以上を負傷させた疑い。容疑者は警察特殊部隊が突入する前に、ホテルの部屋で自殺したとされている。

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    ハリポタのキャラを黒人にしたらダメ? 原作者が支持したのは…

    2017年10月04日 9:00 公開 世界で読まれている人気児童文学「ハリー・ポッター」シリーズのファンの一人でイラストレーターのアヌーシャ・サイードさんが、登場人物のハーマイオニーを黒人にした絵をインターネットに投稿したところ、「白人じゃないのはおかしい」と批判の声が集まった。原作ではハーマイオニーの人種については触れられていないとサイードさんは指摘する。さりげなく議論にかかわった原作者J・K・ローリングさんが支持したのは?

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    銃規制、各国でどのように強化されたのか

    2017年10月04日 9:00 公開 死者58人という現代の米国史上最悪の銃乱射事件となったラスベガスの事件を受け、議員らの間で銃規制をめぐる議論が再び熱気を帯びるようになった。銃乱射は米国以外の国でも起きているが、各国の政治家たちはどのように反応したのか。主な事例をまとめた。

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    カトリーナみたいな本当の大惨事とは違う――プエルトリコ訪問したトランプ米大統領

    2017年10月04日 9:00 公開 ドナルド・トランプ米大統領は3日、ハリケーン被害からの復旧が続く自治領プエルトリコを訪問した。リカルド・ロッセロ知事と共に記者会見したトランプ氏は、2005年のハリケーン「カトリーナ」被害で米ルイジアナ州を中心に2000人近い死者が出たことを引き合いに、今回の死者は少なかったと強調し、地元当局などの対応を称賛した。

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    スペイン・カタルーニャ自治州でゼネスト 投票妨害に抗議

    2017年10月03日 18:49 公開 スペインからの独立を問う住民投票を今月1日に実施した北東部カタルーニャ自治州で3日、中央政府による締め付けに抗議するゼネストが始まり、公共交通はほぼ機能停止状態となっている。 カタルーニャの労働組合などが、住民投票の最中に「権利と自由の重大な違反」が見られたとして、ストライキを呼びかけた。 カタルーニャ州内の少なくとも24カ所で道路が封鎖され、大規模な交通渋滞が発生している。労組筋によると、バルセロナの港は稼働を停止している。 一方で、バルセロナのエル・プラット空港や空港のタクシーは通常通りに運営されている。 自治州内の多くの中小企業や商店がストライキに参加。学校や大学、医療機関も閉鎖されているか、必要最低限の業務のみ行っている。 中央政府は住民投票を違法だとみなしており、1日には警察が投票実施を阻止しようとするなか900人近くのけが人が出た。 警官隊の中には、ゴム弾を発砲し、投票所を襲撃したり、女性たちの髪の毛を引っ張って連行したりする姿が見られた。 カタルーニャの医療当局者によると、一連の衝突で警官33人も負傷した。 それでもなお220万人以上が投票したとみられている。カタルーニャ自治州政府は独立を支持する票が90%近くに上ったとしているが、正式な投票結果は発表されていない。 投票率は42%と比較的低調だったとされており、カタルーニャ自治州のカルレス・プッチダモン首相の立場を弱める可能性もある。 一方、政治指導者たちは今後の道筋を模索している。 プッチダモン州首相は、中央政府との新たな合意を求めていると語ったが、マリアノ・ラホイ首相率いる中央政府はカタルーニャの自治を停止する可能性があると警告した。 (英語記事 Catalan referendum: Anti-police strike hits public services)

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    米ロックミュージシャン、トム・ペティさんが自宅で急死

    2017年10月03日 16:18 公開 米ロックミュージシャンのトム・ペティさんが2日、カリフォルニア州マリブの自宅で急死した。66歳だった。家族が発表した。 ペティさんは2日早朝、呼吸も止まった心停止状態で発見された。病院に救急搬送されたが、同日夜に亡くなったという。 長年のマネージャー、トニー・ディミトリアデスさんは文書で、「米西岸時間午後8時40分(日本時間3日午後0時40分)、家族やバンド仲間や友人に囲まれて、穏やかに亡くなった」と発表した。 ペティさんは、「トム・ペティ・アンド・ザ・ハートブレイカーズ」のリードシンガーとして、「アメリカン・ガール」、「Free Fallin'」、「Learning to Fly」、「Refugee」などのヒット曲を生み出した。 ペティさんとハートブレイカーズは、ブルース・スプリングスティーンやボブ・シーガーなどと共に、米国のハートランド・ロックの流れの最先端にいた。ハートランド・ロックは、シンセサイザーやファッション的要素を排除した曲作りを重視した。 ペティさんは1980年代後半には、「トラベリング・ウィルベリーズ」に参加。ボブ・ディラン、ロイ・オービソン、ジェフ・リン、ジョージ・ハリソンと組んで、ツアーして回った。 ディランさんは米紙ロサンゼルス・タイムズに、「ショックで打ちのめされている」と話した。「トムは最高だった。素晴らしい演奏者で、光にあふれて、友達で。絶対に忘れない」。 ペティさんは1989年にソロアルバム「Full Moon Fever」でも高く評価された。このアルバムで、ジェフ・リンと共作した人気曲「Free Fallin'」を発表した。 ペティさんは2002年に、ロックの殿堂入りした。 ペティさんは1950年にフロリダ州ゲインズビルで生まれた。 1950年代にエルビス・プレスリーと握手したのを機に、音楽の道を志したと言われている。 17歳で高校を中退し、後に「ザ・ハートブレイカーズ」を結成するマイク・キャンベル、ベンモント・テンチと共にバンド「マッドクラッチ」に参加。後にペティさんは、このころにラジオでポップスを聞いて腕を磨いたと話している。 バンドは1970年代初め、レコード会社との契約を求めてロサンゼルスに移動。ペティさんはプロとして仕事するようになったが、バンドは間もなく解散した。 1975年になって仲間4人が再び集まり、「ザ・ハートブレイカーズ」を結成。翌年にアルバム「トム・ペティ・アンド・ザ・ハートブレイカーズ」でデビューした。 バンドは今年夏、ロンドンのハイド・パークで演奏した。結成40周年を祝うライブだったが、今となっては英国での最後の演奏となった。 ツアーを1週間前に終えたところだった。 (英語記事 US musician Tom Petty dies aged 66)

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    ラスベガス乱射 容疑者は裕福な元会計士の「ギャンブラー」

    していた。 銃砲小売りチェーン「ニュー・フロンティア・アーマリー」のデイビッド・ファミリエッティ氏はBBCに対して、容疑者が北ラスベガスの店舗で今年春に銃器を購入したと話した。連邦捜査局(FBI)による経歴調査を含め、州法や連邦法の規定はすべて満たしていたという。 ただし、容疑者が店頭で購入した散弾銃とライフル銃だけでは、「ビデオで見聞きした(攻撃は)不可能で、改造が必要だ」とファミリエッティ氏は話した。 過激派勢力のいわゆる「イスラム国」(IS)は、容疑者がイスラム教に改宗したばかりだとして裏付けを示さないまま犯行声明を出した。しかしFBIの捜査員は、現時点では海外テロ組織との関連は見当たらないと判断していると記者会見で話した。 容疑者の弟、エリック・パドック氏はフロリダ州オーランドの自宅前で記者団に対し、自分たちの父親はかつてFBIの最重要指名手配人の1人だった銀行強盗で、連邦刑務所を脱獄したこともあると話した。 FBIが1969年に作成した指名手配ポスターは、連邦刑務所を脱獄したパトリック・ベンジャミン・パドック服役囚が「反社会的精神病質と診断された」と書いてある。 容疑者の弟、エリック・パドック氏は報道陣に、兄が乱射の実行犯とされていることについて家族全員、衝撃を受けていると話した。 「まったく理屈に合わない。こんなことをする理由がまるでない」とエリック氏は当惑をあらわにし、「ただポーカー・ゲームをして、船旅に出かけて、タコ・ベルでブリートを食べてるだけの人だ」と兄について語った。 エリック氏によると容疑者は、「熱心なガンマニアでもなんでもない」ほか、軍隊経験もなかった。可能性としては、「いきなりプツッと切れてしまった」くらいしか考えられないという。 米NBCニュースは、容疑者がここ数日の間にラスベガスのカジノで「数万ドル」をギャンブルに使っていたようだと伝えた。ただし、容疑者がギャンブルで勝ったのか負けたのか、事件と関係するのかは不明だ。 容疑者のもうひとりの兄弟でカリフォルニア州在住のブルース・パドック氏は、NBCニュースに対して、容疑者はマンション経営で資産を築いたと明らかにした。 米防衛・航空大手ロッキード・マーチンによると、パドック容疑者は30年前、同社の前身企業のひとつに内部監査人として勤めていたことがあるという。 ラスベガス警察は、容疑者に犯罪歴はなく、警察との接触はありきたりな交通違反だけだと説明した。 パドック容疑者は2012年には、ラスベガスのコスモポリタン・ホテルに対し、床の「障害物」のせいで転倒したと損害賠償の訴えを起こしたが、2014年に双方が訴えを取り下げた。 容疑者は昨年6月、ネバダ州リノからメスキートの一軒家に引っ越し、交際相手のマリルー・ダンリーさん(62)と暮らしていた。 警察は事件発生当初、ダンリーさんを重要参考人として探したものの、日本にいることが確認され、事情聴取の末に「もはや重要参考人ではない」と発表した。 容疑者はダンリーさんの身分証を「一部利用して」ホテルにチェックインしたが、ダンリーさんは同行していなかったという。 かつてパドック容疑者の隣人だったというダイアン・マッケイさん(79)は、米紙ワシントン・ポストに対して、容疑者とダンリーさんは常に家のブラインドを閉じていたと話した。 「変わり者だった。人づきあいが悪くて。まるで、隣には誰もいないみたいだった」とマッケイさんは言い、「せめて機嫌が悪いとか、何かあるでしょう。それが彼の場合、何もなかった。ただひたすら静かで」と振り返った。 (英語記事 Stephen Paddock: Vegas suspect a gambler and ex-accountant)