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    トランプ氏、英国民医療保険は「機能せず大勢が抗議」 英閣僚ら反発

    2018年02月06日 18:36 公開 ドナルド・トランプ米大統領は5日、英国の国民医療保険制度、国民保健サービス(NHS)をツイッターで「機能せず大勢が抗議している」と批判した。これに対して英国の保健相が「2800万人が無保険」の米国を逆に批判するなど、英政界からは反発の声が上がっている。 トランプ氏は、民主党が国民皆保険制度を求めていることを批判し、「英国では国民皆保険が、予算が底を突きかけて機能していないので」、「何千人もの人が抗議して行進している」とツイートした。これは、3日に英首相官邸前のロンドン・ダウニング街で、「NHSを救え」抗議行動があったことへの言及とみられている。大統領はさらに、「民主は本当にひどい、画一的な医療のために大増税をしたがっている。ノーサンキューだ!」と書いた。 https://twitter.com/realDonaldTrump/status/960486144818450432 トランプ氏のこのツイートに対して、ジェレミー・ハント英保健相は、「あの抗議行動で言われた内容に賛成しないとしても、2800万人が無保険の仕組みで暮らしたい人は誰一人としていない。NHSには問題もあるが、自分は国民皆保険を発明した国の出身だというのを、誇りに思う。この国では誰もが医療を受けられる。預金残高の額とは関係なしに」と反論した。 https://twitter.com/Jeremy_Hunt/status/960503230601089024 英首相官邸は、テリーザ・メイ首相がNHSを「誇りに思っている」とコメントした。官邸報道官はNHSは世界最高の医療制度だと評価されたばかりだと述べ、ハント保健相の発言は「政府を代表したものだ」と言明した。 3日の抗議行動「NHS危機――今こそ直せ」の主催者は、NHSへの国民の「愛情」を示すのが狙いだったと話している。緊縮財政に反対し、医療の充実を訴える主催者たちはトランプ氏に対して、抗議に参加した人たちは、「国民全員への課税を財源に、普遍的で包括的な医療を、受給者に無償で提供するNHSの原則に対して、愛を示すため」に行進したのだと述べた。 主催者たちはさらに大統領に対して、「世論を分断しようとする、あなたの不正確な物言いに同意しない」と批判した。 またNHSイングランドの責任者、サイモン・スティーブンズ氏は、トランプ氏が「まったく勘違いしている」と述べた。「この国の人たちは実際、NHSをなくしたいわけではない(中略)存続させて、もっと強くしたいのだ」と説明し、トランプ氏に訪英時には英国の病院を視察するよう呼びかけた。 そうすれば「米国の医療制度の半額で、全ての人に医療を提供する仕組みは、この国の人にとって当然ながらとても大事なものなのだ」と、大統領も理解するだろうと、スティーブンズ氏は話した。 野党・労働党のジェレミー・コービン党首もツイッターで、「違う。大勢が行進していたのは、みんなNHSを愛していて、保守党のNHS政策を嫌悪しているからだ。医療は人権だ」と書いた。 https://twitter.com/jeremycorbyn/status/960509403643498498 トランプ氏のツイートは、前イギリス独立党(UKIP)党首のナイジェル・ファラージ氏が、トランプ氏のお気に入りトーク番組「フォックス・アンド・フレンズ」に登場し、政府の移民政策による人口増でNHSの負担が高まり、医師も病院も不足して大変なことになっていると述べた後のものだった。 英国では、病院の負担拡大に伴い、NHSの財源をどう確保するかが激しく議論されている。 下院第4党の自由民主党が設置した検討会は、今年度だけでも40億ポンド(約6220億円)の追加予算、その後も2年は25億ポンドが必要だと主張し、特別の租税措置を要求している。 英政府は、NHS財源は「記録的な高水準」で、予算案には28億ポンドの追加予算措置が盛り込まれていると説明している。 (英語記事 President Trump: NHS 'going broke and not working')

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    トランプ氏、自分が演説中の民主党は「売国的」と

    2018年02月06日 17:22 公開 ドナルド・トランプ米大統領は5日、自分が1月30日に連邦議会で一般教書演説をした際の民主党議員たちの態度について、「売国的」で「アメリカ人らしくない」と述べた。 オハイオ州シンシナティの工場視察中に、自分が米国経済を復活させたと聴衆を前に強調する中で発言した。

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    モルディブ警察、最高裁長官を逮捕 大統領が非常事態宣言

    ちに「強くあるよう」呼びかけている。 モルディブで初めて民主的な選挙を経て就任したナシード元大統領はBBCに対し、政府がしていることは「恥知らずな違法行為」で、クーデターと変わらないと語った。 ナシード氏は、「モルディブ人はこの犯罪的で違法な政権にうんざりしている」とし、「ヤーミン大統領はすぐに辞任すべきだ」と述べた。 ヤーミン氏が2013年に大統領に就任して以来、言論の自由や司法の独立が守られていないとの指摘が出ており、大統領に反対する人々の拘束も懸念を呼んでいた。 米国務省はモルディブ情勢について、「心配しており、残念に思う」と述べた。国務省は、モルディブ警察が法にのっとった裁判所の命令に従っておらず、ヤーミン大統領が「主要な野党政治家たちを全員、拘束するか国外に追放している」と非難した。 また米国家安全保障会議(NSC)はツイッターで、「米国はモルディブの人々と共にある。モルディブ政府と軍は、法の支配や表現の自由、民主的制度を尊重しなくてはならない。世界が注視している」とコメントした。 https://twitter.com/WHNSC/status/960552460040507392 旧宗主国、英国のボリス・ジョンソン外相は、ヤーミン大統領に非常事態宣言を解除するよう求めた。同外相は声明で、「モルディブの民主的制度が損なわれており、間違った手続きが議会で繰り返されているのを深く懸念している」と述べた。 観光への影響 モルディブでは現在、観光シーズンのピークを迎えており、熱帯地方にある同国の海岸を何万人もの外国人が訪れる。 中国や米国、インド、英国など各国の政府はモルディブへの渡航者に警戒を呼びかけている。英外務省は、モルディブの首都マレに滞在する英国人に対し、「警戒を怠らず、抗議デモや集会に近づかないよう」呼びかけている。一方、首都から離れた島々やリゾート地、国際空港には影響は出てない。 人口わずか約40万人のモルディブでは、観光産業の経済規模は2016年に27億ドル(約2945億円)に上り、同国経済では最大。政治危機がさらに深まり、観光客が減少すれば経済への悪影響も懸念される。 (英語記事 Maldives: Supreme Court judges arrested amid political crisis)

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    若い裸婦像を英美術館が一時撤去 検閲か議論に

    イヤル・アカデミーで2009年に開かれたウォーターハウス展の学芸員を務めたリズ・プレットジョン教授はBBCニュースに対し、「展示から外すのは、セクシュアリティーやジェンダー関係について絵画が提起するかもしれない、本当に興味深い問題について、あらゆる議論をできなくしてしまう」と語った。 「ビクトリア時代の人々は性的なものを毛嫌いしたと言われ、そのせいでいつも批判されている。しかし、道徳に厳格だったと言われるビクトリア時代の人たちを、まるで私たちが真似しているかのようだ」 作品が撤去される様子は、美術家ソニア・ボイス氏が撮影した。3月に開かれる同氏の展覧会で展示される予定だ。 美術館のみやげ物店でも、絵画のはがきを撤去した。 2カ月前には、ニューヨークのメトロポリタン美術館からバルテュスの油絵について同様の問題提起があった。エロティックなポーズをとる隣家の娘を描いた油彩画の撤去、あるいは少なくとも展示方法の変更を求める請願を、2人の姉妹が開始したのだ。 姉妹は、メトロポリタン美術館が「盗み見や子供を物として見ることを美化している」と主張した。 美術館は姉妹の主張を受け入れず、「知識に基づいた議論と創造的な表現の尊重を通じた、現在の文化の継続的な進化」を促したいと述べた。 (英語記事 Victorian nymphs painting back on display after censorship row)

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    トランプ氏、なぜ英医療保険を批判 英政治家は反発

    2018年02月06日 12:12 公開 ドナルド・トランプ米大統領が5日、ツイッターでいきなり、英国の国民医療保険制度、国民保健サービス(NHS)を批判した。 「予算が底を突いて、機能していない」というトランプ氏の批判に対して、英国では反発の声が上がった。 しかしそもそもトランプ氏はなぜ、いきなり英国の医療保険制度を批判し始めたのか。

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    アジア株式市場も軒並み下落 米株急落受け

    との見方が市場参加者の間で広がった。 証券会社ラスボーンズの投資ディレクター、ジェーン・シデナム氏はBBCに対し、今回の下落は深刻な市場センチメントの変化を示すものではないだろうと語った。シデナム氏は、「判断するには時期尚早だが、最近の相場下落は調整の部類だと思う」と述べた。 「忘れてはならないのは、株式市場は非常に順調な上げ相場が続いてきており、過去1年3カ月で3%以上下落したことがなかった。ボラティリティー(変動)が本当に欠如していたのは、とても異例な状況だった」 シデナム氏はさらに、相場下落は景気後退の前に起きるものだが、現在は成長見通しが上方修正されていると指摘した。 S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのポートフォリオ・マネジャー、エリン・ギブス氏は、「経済が崩壊するわけではない」と語り、「経済が予想されたよりも実際は大幅に好調なので、再検討が必要になったという懸念だ」と述べた。 経済見通しが依然として低調な国のひとつが、日本だ。6日に衆議院予算委員会に出席した日本銀行の黒田東彦総裁は、2%の物価安定目標が掲げられているなか物価上昇率が1%にも達していない状況では、金融政策を変更するのは「適切ではない」と述べた。 しかし、アジア市場は米国での動きに連動することが多い。 東京市場以外では、香港株式市場のハンセン指数が4.5%安、韓国の総合株価指数(KOSPI)が2.6%安となったほか、オーストラリアのS&P/ASX200指数が3.2%下落した。 5日にはダウ平均以外の主要指数も下落し、より多くの銘柄を含むS&P500種株価指数は4.1%安、テクノロジー株比率が高いナスダック総合株価指数は3.7%安となった。 懸念を沈静化しようとするホワイトハウスは声明を出し、「(ドナルド・トランプ)大統領が焦点を当てているのは、わが国経済の長期的なファンダメンタルズであり、それは依然として並外れて強い」と述べた。 5日には、ジェローム・パウエル氏が新たなFRB議長として宣誓を行っている。世界に広がった相場下落は、市場を懸念させない形で経済を持続可能な成長軌道に乗せる政策決定が、パウエル氏など各国の中銀トップに求められていることを、あらためて認識させる格好となった。 (英語記事 Asia markets join global stock plunge)

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    「イスラム国」のネット・プロパガンダ、量が激減

    ッカ陥落を機に、大量だったプロパガンダの量が激減した。 ISのオンライン活動をモニターし続けている「BBCモニタリング」が解説する。

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    「世界一醜い町」と呼ばれて……ベルギーの工業都市は今

    2018年02月05日 17:14 公開 ベルギー中部の工業都市シャルルロワは、ヨーロッパ北部の工業地帯の一角にあり、かつて「世界で最も醜い町」と呼ばれてしまった。

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    ホッキョクグマの目に映る世界 首にGPSカメラ

    2018年02月05日 16:09 公開 米国の研究チームが2014年から3回の春にわたり、雌のホッキョクグマ9頭に全地球測位システム(GPS)カメラをつけて行動や体調を追跡したところ、栄養が十分にとれず、体重が減っていることが明らかになった。 米地質調査所(USGS)の生物学者、アンソニー・パガノ氏らによる研究報告は、2日付の米科学誌サイエンスに掲載された。パガノ氏らは、北極圏の海氷が減り続けている状況で、ホッキョクグマが主な栄養源のアザラシを満足に捕獲できなくなっていると指摘する。

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    英首相官邸、EU離脱で関税同盟からも脱退と強調

    脱に向けた交渉で、どのような条件の獲得を目指しているのか明確にするよう求める声が出ている。 官邸筋はBBCの取材に対し、「(憶測に)決着をつける。我々は間違いなく離脱する」と述べた。 今週にかけて、EUのミシェル・バルニエ首席交渉官と英政府高官との間で、重要な会談が複数予定されている。 エレノア・ガーニエ政治担当記者は、メイ首相が目指す合意には何らかの形での関税協定が含まれる可能性があるものの、詳細は依然として詰められていないと指摘した。 今週行われる交渉に先立ち、5日にはメイ首相とデイビッド・デイビス離脱担当相がバルニエ氏と会談する。その後、離脱後の移行期間について焦点を当てた最初の交渉が始まる。 協議難航が予想される争点のひとつは、英国内のEU市民の権利について、離脱前に入国したEU市民と同じ権利を移行期間の入国者には与えるべきでないとする英国の主張をめぐるもの。 9日には、デイビス氏とバルニエ氏が交渉の進捗状況を説明する予定。 「降伏はしない」 英国がEU離脱後、単一市場と関税同盟の仕組みをどの程度維持するのかをめぐっては、主要な離脱支持者とメイ首相側近との間で議論の的になってきた。 欧州懐疑派のバーナード・ジェンキン下院議員(保守党)は4日、フィリップ・ハモンド財務相がメイ首相の方針に沿った対応をしていないとして、政府が「あいまい」で「分裂している」と非難した。 2016年6月のEU離脱を問う国民投票で主要な離脱反対派だったアンバー・ラッド内相は4日、BBCの番組「アンドリュー・マー・ショー」に出演。内閣が分裂状態にあるとの見方を否定し、「ブレグジット支持者が驚くようなことをお教えしましょう。決定後押しのために開かれている委員会は、思われている以上に団結しています」と語った。 ラッド氏は、「摩擦のない貿易」の必要性や国際的な貿易協定を結ぶ権利、アイルランドとの国境での「ハードボーダー」(厳格な国境管理)の回避について合意ができていると述べ、これらの点での合意形成に懐疑的な見方に反論した。 ラッド内相は、「我々は誂えの合意を求めている」とし、「戦闘の前に今から降伏したりしない」と述べた。 同氏はさらに、メイ首相はブレグジット後の関税制度について「先入観を持っていない」と語った。 どのような仕組みが想定されるのか質問されたラッド内相は、関税同盟残留の可能性を警告する批判を受けても、「全く萎縮していない」と述べた。 ハモンド財務相は、ブレグジット後の英国とEUの経済に生じる距離が、「非常に緩やか」なものにとどまるのを期待すると語った。しかし、一部のブレグジット支持派は、EU離脱後に英国がほかの国と自由貿易協定を結ぶ障害になると主張している。 10人余りで構成されるブレグジットに関する内閣小委員会は7、8両日に会合を開く予定。 (英語記事 Downing Street insists UK will leave customs union)

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    少女が兵士の顔をたたいたのはテロか ヨルダン川西岸の村で

    平手打ちした。その動画がインターネットを通じて広く拡散され、アヘドさんとナリマンさんは逮捕された。 BBCのジェレミー・ボーウェン中東編集長が、「占領への抵抗だ」と主張するアヘドさんの父親と、アヘドさんを「テロリスト」と呼ぶイスラエルの国会議員に話を聞いた。

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    日本は道が自動できれいになる? 中東諸国の「日本風説」

    2018年02月05日 13:26 公開 BBCトレンディング 日本のことは、世界でどれくらい知られているのだろう? たとえば中東諸国では。 すさまじく技術が進んでいるので、道路が自動にきれいになるような国なのか。清掃員は特に尊敬される職業なので、給料は国の大臣と同じくらいなのか? 電車はあまりに時間に正確で、去年国全体で遅れた時間を合計しても、たった6秒にしかならないのか? 中東諸国のソーシャルメディアでは、「そうだ」という答えが返ってくるらしい。「ハッサン」氏は、日本に関するこうした妄想や不正確な情報を否定するため、アラビア語のハッシュタグ「日本についての風説」を立ち上げた。 匿名希望の「ハッサン」氏は、日本の社会や文化について正確な情報を伝えようとする多言語ポータルサイト「Nippon.com」で働いている。 「アラビア語ツイッターアカウント『@nippon_ar』でハッシュタグを使い始めたのは約1年前ですが、注目されるようになったのは数カ月前から」とハッサン氏は言う。 「人目を引くため、人気のアニメキャラの動画をよく使っています」 ハッシュタグを使った人気投稿には、たとえば日本のお辞儀に関する話題があった。「日本で停電が20分続いたため、エネルギー担当相が同じ20分間、頭を下げて公式に謝った」という説明つきで出回った写真について、ハッサン氏が「違う」とツイートしたのだ。 実際には写真は、着任間もないホンダの最高経営責任者が2015年に初めて会見した際のものだった。 ハッサンさんは、問題のツイートを本当は何が映っているのか解説しながらリツイートした。背景にあるホンダのロゴが、ヒントになる。 「でたらめが1200回もリツイートされた! 訂正するこのツイートは、何回リツイートされるんだろう」とハッサンさんは嘆いた。 ほかにも、日本では(まだ)パスポートをわずか3分で自分で印刷したりしないという説明ツイートもしている。日本では各自が専用の喫煙装置を使えばレストランででタバコに火をつけても大丈夫だ……などということも、本当ではないのだと。 ハッサンさんはハッシュタグを使い、「まるで日本のことみたいにこの写真が拡散されているけれど、日本とは何の関係もない!」とツイートした。 「これは数年前に米国の偽ニュースサイトに載った加工写真だ。コロラド州のマクドナルドではマリファナが吸えるという説明つきだった。ワシントンポスト紙が反証している」 このような誤解は、悪意があってのことには見えない。からかおうとしているのでもない。むしろ、アラビア語圏では、日本を過剰にものすごい場所だと見上げているのが原因のようだ。 アラビア語のソーシャルメディアでは、日本についてすごいと思う「おもしろ情報」を「惑星日本」と呼んで共有することが多い。いわく、日本はあまりに技術と文化が進んでいるので、まるで別の惑星のようだというのだ。 しかしハッサン氏は、日本に対するこういう見方はむしろ、国と国の間にありもしない偽の障壁を作ってしまうと懸念する。 「アラブの人たちに、日本は普通の国だし、日本人は自分たちと同じように、良い面も悪い面もある、普通の人間だと思ってもらいたい」 「日本文化には豊かな部分があるが、風説は事実を歪曲している」 日本についての偽情報はフランス語や英語のソーシャルメディアにも出現していると、ハッサン氏は言う。しかし、ツイッターやフェイスブックなどでは、アラビア語話者が拡散しているケースが特に目立つのだという。 ハッサン氏は、アラブ諸国の著名人や報道機関のツイッターアカウントによる偽情報も見逃さない。 ヨルダンの報道機関アカウントがツイッターで、壮大な彫刻の噴水を日本のものだとツイートしたが、これは本当に日本にあるのか? ハッサン氏によると、これは実際は3Dのデジタルデザインで、米国人アーティスト、チャド・ナイト氏のインスタグラムから盗んできたものだという。「この噴水はソーシャルメディアで広く共有されているけど、日本にはないし、僕たちの住む現実世界のどこにも存在しない」。 さらに、いいえ、日本には「教員の日」などありません、生徒が先生の足を洗ったりしません――。ハッサン氏はクウェートの議員に返信した。 では、ハッサン氏に訂正された人たちは、どう思っているのか。ほとんどの人は、自分たちがずっと信じてきた「事実」が誤っていたことにショックを受けているとハッサン氏は話す。 「多くの人は僕たちのやっていることに感謝して、日本についてもっと正確な事実を求めている。一方で、日本について抱いてきた『完璧な国』のイメージを台無しにされたと、僕たちを責める人もいる」 「アラビア語の人気テレビ局が以前、中国共産党の会議写真を、日本の国会だとツイートしたことがある。日本に関する情報はこれほどレベルが低い。だから僕たちがいるんです」 (アブディラヒム・サイード記者) (英語記事 The country where the streets clean themselves (or maybe not))

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    もう何もかもなくしてしまいそうだ……でもどうしてこんなことに 福祉制度の狭間で

    2018年02月05日 12:30 公開 ジョン・ケリー、BBCストーリーズ 運が悪くて、色々なことがたまたま次々とうまくいかなかったとする。すると、英国の福祉制度のからくりを前に途方にくれてしまう。そうこうしていると間もなく、収入がなくなり、住む家を失いそうになる。複雑怪奇な迷路のような福祉制度の決まりごとの中に放り込まれて、果たして出口を見つけられるだろうか? 自分ならどうだろうと、考えてみてもらいたい。 あなたの名前は「トニー・ライス」だ。誰とでもうまくやれる、気さくな奴だ。いつも周りを笑わせている。高校を出て以来、いろいろな仕事をしてきた。大工、廃品回収、クレーン技師、塗装工、内装など、肉体労働がほとんどだ。航空機メーカーのホーカー・シドリーにも勤めた。いい会社で、ずっとそのままいたかった。工場が閉じるまでは。 彼女と別れてしまい、自分のアパートが見つかるまでと母親に頼んで、両親と住み始める。家賃の浮いた分は貯金するつもりだ。両親とはとても仲がいい。一番の親友のようなものだ。父親は肺がんにかかっているので、面倒をみる必要がある。ずっと家にいるのを嫌がるので、毎日のように父親を乗せてドライブに出かける。父親はあなたと同じで、家でじっとしているようなタイプではない。一度に3つの仕事を同時にしていたこともある。今でも毎朝30分は庭仕事をして過ごす。 というわけで、ロンドン北東チングフォードの公営住宅に舞い戻った。8歳の時からここが自宅だ。独立した後も、ここを「うち」と呼んでいる。姉妹はそれぞれ家庭をもって子供がいるが、自分は、自分を育ててくれた両親の面倒をみたいと思っている。 しかし、大変なことが起きる。母親がいきなり、何の前触れもなく、病院で死んでしまうのだ。人工心臓弁を交換してから2週間後に。退院するはずだった前の日に。 なかなか母親の死を受け入れられない。自分の悲しみをどう処理すればいいか、分からないのだ。これまで生きてきた43年間、自分はいつでも強く、しっかりしようとやってきた。葬式で泣いたりしない。姉妹のために、自分がしっかりしないと。淡々とやるべきことをこなそうとする。けれども悲しみは抑うつとなり、次第に飲み込まれていく。 自宅には、自分と父親が残された。今ではフルタイムで自分が父親の介護係だ。母親がいなくなった今、ほかに誰も父親の世話をしてくれる人はいない。必要なことは何でもしてあげる。しかし、がんは肺から他の臓器に転移し、避けようもなく、父親も死んでしまう。 2年の間に、親が2人とも死んでしまった。自宅には、自分ひとりだ。 地元の役所から、一軒家を出てアパートに移るよう言われるので、さっさと引っ越す。引越し先は悪くない。それなりに広いし、2階で、共有の庭もあり、隣近所はいい人たちだ。部屋のあちこちに手を入れる必要があるが、それは自分には負担にならない。 また仕事をしたいので、エイボン化粧品の訪問販売を始める。次第に、ひどい肩こりに気づく。首も背中もガチガチだ。長年続けた肉体労働のせいだろう。若いころに何度か、交通事故に遭ったせいもあるかもしれない。バイクに乗っていたとき、前の車がいきなり方向転換したせいで、膝から相手の車にぶつかって、ボンネットを飛び越えて頭から地面に落ちてしまった。もう何年も前のことだ。 知り合いができる。友達の友達だ。毎朝、新聞を届けてやる。お礼に食事を作ってくれることもある。ある日、一杯やらないかと家の中に招かれたので、入って座った。すると、ほかに男がいた。友達の友達から酒を受け取る。向こうはもう初めていたようで、声がどんどんや大きくなるので、もうちょっと静かにしようぜと言う。 それが相手を怒らせてしまう。こちらに向かってくる。殴られる。自分はまだ椅子に座っていたが、立ち上がって、殴り返す。すると、もう1人の男が間に割って入る。部屋には未開封のナイフの包みがある。すべてがスローモーションで進行する。友達の友達が、ナイフを1本取りだす。まさか使わないだろうと思うそばから、ナイフで刺される。太ももを。自分を守ろうと、相手のナイフをつかもうとする。今度は腕と、目の周りを切られる。 「そうか」と言う。「じゃあな」と。外に出ようと向きを変えると、男は「誰にも言うなよ」と言い、そしてあなたの肩にナイフを突き立てる。これが一番きつい。いい奴だと思っていたのに。ダチだと思ってたのに。そうじゃなかった。 病院に行く。手当てを受けて、帰される。しかし痛みがひどい。背中と首と。おまけに、襲われた時のことを考え続けてしまう。考えるのをやめられない。何度も何度も頭の中で繰り返してしまう。眠ることもできず。 友達の友達は、自分を刺した罪で刑務所に行く。しかし、あなたは常に怯えている。道を歩きながら、通り過ぎる車やバイクを1台1台、じっと見てしまう。こちらに向かってくるんじゃないか。ピザを配達している男を見かける。誰かの家を探している。自分を狙ってきた殺し屋じゃないかと思う。配達人が立ち止まってこちらを見る。また襲われると思う。誰も信用できない。 前は本当に元気で、丈夫で、体も引き締まっていたのだ。しょっちゅう自転車に乗っていたし。でももう乗れない。自転車に乗るのは大好きなのに。全身がこわばってしまう。毎朝目が覚めるといつも、体のどこかが痛い。 かかりつけの医者に診てもらう。医者は、6カ月は働くなと言う。心的外傷後ストレス障害(PTSD)と鬱状態だからと。働けるわけがない。関節神経痛も診断される。それに、刺された傷跡のせいで、首を回すのが辛いし、肩より上に両腕を上げるのも痛い。 雇用支援給付(ESA)というものを受けている。最低限の国からの支援という意味だ。病気や障害のせいで働けない人のための給付だ。住宅補助も出る。それは公営住宅の家賃として直接、地元の行政区に払われる。 それからしばらくして、労働年金省(DWP)に呼び出される。 就労能力の判定だという。何ができて、何ができないか、用紙に記入させられる。1ポンド硬貨を持ち上げられるか。頭まで手が上げられるか。えーと、なんとかぎりぎり。痛いけど。言われる通りにすると、判定係に「働けますね」と言われる。いや、体がきかないと答える。かかりつけの医者もそう言っている。しかし、判定係の意見が何よりも意味を持つ。補助金の支給が止まる。ESAも住宅補助も。 収入が全てなくなった。ゼロだ。家賃の滞納分がたまっていく。食事は友達におごってもらっている。近所のフードバンクに行く。恥ずかしい。行きたくない。けれども、角を曲がったところにあるフードバンクは、そんなに悪くない。何も聞かれないので。ただ足を運んで、必要なものをもらう。自転車を押して。もう乗れない自転車を。パスタやジャガイモ、缶スープ、クスクスをもらう。クスクスはそんなに好きじゃないが、それでももらっておく。えり好みができる状態じゃない。買い物袋を自転車にぶら下げて、雨の中、家まで押して帰る。 食べるものが足りないので、体重が落ちた。まだあちこちが痛む。まだ落ち込んでいる。昔は本当に社交的だったのに。人と話すのが好きで、外出するのが好きで、色々なことをするのが好きだったのに。今はもう、そんな気分になれない。 役所が、アパートを差し押さえようとしている。裁判所が区の差し押さえ申請を執行猶予付きで認める。滞納した家賃を払えるなら追い出さないと役所に言われる。月に300ポンド(約4万7000円)払えるなら。 ハローワークに通い続けて、何かないのかと聞き続ける。やがてついに、まったく無収入の状態で7カ月が過ぎてついに、DWPから「ユニバーサル・クレジット(普遍的給付)」という新しい給付金が受けられると言われる。新制度の、求職者給付の代わりになる分だ。前は給付資格がなかったが、どうやら今はあるらしい。何が変わったのか、理解できない。しかし何の説明もない。どこかで何かミスがあったみたいだ。 家賃用に414.33ポンド(約6万4000円)と生活費用に317.82ポンド(約5万円)が支給されるようになった。前に受けていた補助金とは違うものだ。前の家賃給付は、区に直接払い込まれていた。今では、住宅手当と生活費がまとめて直接、自分の口座に振り込まれる。これは、地元選出の保守党議員、イアン・ダンカン・スミスが導入した「ユニバーサル・クレジット」制度の特徴のひとつだ。 ただし、そういう仕組みなのだと自分は気づかない。家賃は以前と同じように、区に直接払われているのだと誤解したままだ。振り込まれる給付金の中から家賃は自分で払うのだと、誰も説明してくれなかった。少なくとも、こちらが分かるような説明はなかった。おかげで、滞納家賃がますますたまっていく。 「ユニバーサル・クレジット」 求職者給付や住宅手当など従来の6種類の給付金をひとつにまとめたもので、就労年齢の人に支給される 給付金申請手続きを簡素化しょうとした 働くより行政支援を得たほうが得だという状態の回避が狙い 導入当初から問題が多く、賛否両論。コンピューターやオンラインの情報処理に問題が多発したと言われるほか、巨額のコストと行政上の問題が多数指摘されている 就労可能と判定されたので、毎週35時間かけて仕事を探すことになっている。職探しに何をどうしているのか話し合う求職者のミーティングに出るよう、DWPから呼び出される。しかし、その呼び出しが届かない。誰も教えてくれない。手紙もない。少なくとも、自分のところには届かない。DWPは電子的に連絡してきたのかもしれないが、自分はコンピューターが不得手だ。自宅にパソコンはないし、ハローワークで一度試しに使ってみよとしたら、どのキーが何なのか、半分も分からなかった。 そのせいで、求職者ミーティングに行かなかったわけだが、行かなかったせいで、いわゆる「制裁」なるものを受ける羽目になった。つまり、月317.82ポンドの生活費給付が止められてしまう。 何があったのか、自分は何も知らされない。自分が制裁されていることに212日もの間、気づかない。入ってくる金が前より少ないことだけは分かっている。 入ってくる金は、家賃手当のはずの414.33ポンドだけだ。それで生活しなくてはならない。しかし今でも、以前の家賃滞納分として月に300ポンドを区に払い続けている状態だ。つまり、残る114.33ポンド(約1万8000円)で、ひと月を生き延びなくてはならない。週26.38ポンド(約4000円)だ。 それでは生きられない。なので、またしても家賃が払えない。 またフードバンクに逆戻りだ。友達のおごりにも、また頼るしかない。手首のブレスレットを質屋に持っていく。 それでも足りない。 ハローワークに出向くたびに、誰かが前とは別のアドバイスをくれるような気がする。何とかしようとDWPに電話してみるが、そこでも誰も助けてくれない。電話をかけるたびに8ポンド前後かかる。携帯電話から請求窓口にかけると、料金は最高レベルだ。固定電話はない。 家賃滞納額は今ではもう、1万ポンド(約155万円)以上に膨れ上がった。 区役所は、自分の退去命令を裁判所に請求した。クリスマスは路上で過ごすことになるかもしれない。 法律相談に出かける。これまで弁護士に話を聞いてもらうことはなかった。生活給付の関連法はもはや、法律扶助制度の対象ではないので。ただし、住宅補助関連の一部は、今でも法的扶助の対象だ。 相談した弁護士も、市民相談のケースワーカーも、いったい何がどうなっているのか最初のうちはまったく理解できない。実は制裁を受けているのだとついに割り出すまでに、しばらくかかる。弁護士とケースワーカーは、「ユニバーサル・クレジット」の担当部署に繰り返し、説明を求めて手紙を書く。何をどうしたから制裁を受けていて、何をすれば制裁が解除されるのか理解するまでに、かなりの時間が過ぎていく。 しかしまずは、裁判所に出向き、強制退去させられないようにしなくてはならない。 法的なアドバイスをしてくれるのは、サイモン・マリングスという人だ。いかに深刻な状況かを説明してくれる。気休めは一切言わない。役所は一定の理解を示してくれるが、それでも滞納家賃の回収は役所にとって制度上の義務なのだ。裁判で負ければ、ホームレスになってしまう。 公判は3回。とても恐ろしい。弁護士たちが懸命に、自分の言い分を主張してくれる。 法廷弁護人はメアリーレイチェル・マケイブという人だ。「この人は、まるでカフカの小説のような目に遭ってきたのです」と裁判官に訴えてくれる。 「国の福祉制度は故障しています。そのせいで、トニーは必要な支援を受けられかった。トニーが昨年、ユニバーサル・クレジットを請求したその瞬間から、トニーは新制度の恣意(しい)的な規則や手続きの犠牲になり、そのせいでたちまち、滞納家賃やそれ以外の借金が増え続けた」 裁判官は見るからにショックを受けている。今の制度は「とんでもない」と言う。 マケイブ弁護士は法廷に、行政による制裁と、就労可能だという判定結果について異議申し立てをしているところだと話す。支援団体「市民アドバイス」の専門家の協力を得て。 もしそれがうまくいけば、月317.72ポンドの追加給付が得られるようになり、そうすれば家賃が払えるようになる。次回公判の期日が5月に決まる。つまりそれは、執行猶予だ。それまでに家賃を支払い続けていると示すことができれば、強制退去は免れるかもしれない。 法律相談員のマリングスさんは、そうは思えないかもしれないが実はあなたは運がいい方だと言う。住宅の問題だったから弁護人をつけることができた。もし弁護士がいなければ、行政の言うがままに退去させられてはずだと。 あなたが通っていたエドモントン地区裁判所では、同じように「ユニバーサル・クレジット」が原因の訴訟が相次いでいるとマリングスさんは言う。彼が担当するストラットフォードやロムフォードなど近隣地区の裁判所では、「ユニバーサル・クレジット」関連の訴訟はまだそれほど多くない。その地区では、新制度がまだ導入されていないからだ。 「けれどもいずれそうなる。なので、今はここがユニバーサル・クレジット問題の最前線だ。政府が方針を大幅に変えない限りは」 しかし、少なくともあなたの状況には期待が持てる。今でも大変なことは大変だが、少しだけ良くなっている。問題を抱えている間は前に進めない気がするけれども。もっと強く、元気になりたい。前の自分みたいに。昔は、何があっても大丈夫だったのに。 「体がどんなに痛くても、いつもがんばってきた」とあなたは言う。「ともかく、がんばり続ける。そういう風にできているので。でもプレッシャーがひどくて……冷静に考えられない。ひとつのことをじっくり集中して考えられなくなった。自分は大変なことになってると、そのことしか考えられない」。 「わたしは、ダニエル・ブレイク」という映画を見たかと、友達に聞かれる。福祉制度の悪夢のような官僚主義の網にがんじがらめになってしまった男性が主人公だ。見る暇などなかった。けれども、もし続編があるなら、自分が主役になるべきだと言う。 あなたの名前は、トニー・ライス。こんなことでくじけたりしない。 労働年金省の反応 労働年金省(DWP)報道官はこう答えた。 「給付金の管理を手伝うため、受給者に提供できる様々な追加支援の用意がある。家主への直接支払いや緊急資金提供や家計管理支援など。経済的に困窮している受給者は、こうした支援制度を活用し、勤労コーチと話をするようお勧めしたい」 (英語記事 You're on the verge of losing everything - but you don't understand why)

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    猛吹雪の中に1人残され……シリアの3歳少女

    2018年02月05日 12:16 公開 シリアから家族と一緒に、父親のいるレバノンへ逃れようとした3歳の女の子が、山の中で猛吹雪に巻き込まれた。家族は死亡し、残されたサラちゃんは顔にひどい凍傷を負った。

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    大きくなったら何になる? 国や男女で異なる上昇志向や性差意識

    2018年02月05日 12:05 公開 ショーン・コクラン、BBC教育・家族問題担当編集委員 子供が目指す将来の職業について、途上国の子供は英国男子よりも、高等教育を経た専門職を希望していることが、最近の国際的な調査で分かった。 英国の男の子がサッカー選手やYouTubeスターになりたがるのに対し、ウガンダやザンビアでは医師や教師になりたいという子が多い。 教育と雇用を推進する英慈善団体「Education and Employers」が2万人の子供を対象に調査を実施した。 研究チームは世界20カ国で7歳から11歳の小学生に、大きくなったらどんな仕事に就きたいかと質問し、答えを絵に描かせた。 男女の役割 同団体によると、子供がまだ小さい頃からいかに性別による役割のステレオタイプが固まってしまうかを示す結果となった。 英国では、技術者や科学者になりたいと答える女子の割合は、男子に比べてはるかに低かった 英国の女の子が憧れる職業の上位10種類には、看護師、ダンサー、美容師などが含まれた。 これに対して男子は、飛行機のパイロットや整備士などの希望が多かった。 女子に人気の仕事は、教師や獣医、医師など、学業での成功を重視する職種が多かった。 対照的に男子は、大衆文化の影響が大きい様子で、スポーツ選手のほか、ソーシャルメディアや警察の仕事などが人気だった。 社会的流動性 同団体によると、社会のだれもが階層を超えて高い地位を目指せるかどうかという「社会的流動性」については、幼少期から多様な職種に触れさせる必要があることが調査から分かった。 貧困地区の学校の女子は店員やエステティシャンになりたがる傾向が強く、比較的裕福な男子は経営者や弁護士を希望しがちだった。 英国以外の国では、苦しい生活にもかかわらず高い志を表す絵が目立った。 ウガンダとフィリピンでは、女子が最も希望する仕事は教師だった。パキスタン、バングラデシュ、コロンビア、インドネシアでは、医師志望が一番多かった。 中国では、男子に最も人気の職業は科学者だった。 しかし、英国でも他の国々でも、雇用市場の現実と子供の期待の間には、大きなずれがみられた。 独自性の発揮を 現実と希望のずれは、子供が大きくなっても継続すると同団体は指摘する。社会で実際にどんな技術が求められるのか、適切な助言を受けられないからだ。 「職業カウンセリングを中高で始めるのは、あまりにも遅すぎる」と、経済協力開発機構(OECD)教育・スキル局のアンドレアス・シュライヒャー局長は言う。 「子供は就学の時点ですでに、日常での経験をもとに、強い思い込みを抱いている。それは、子供たちの絵からも明らかだ」 英デロイトのグローバル会長のデイビッド・クリュックシャンク氏は、「社会的流動性を高めたい私たち全員にとって、意味のある結果だ」と話す。同氏は、調査を実施した慈善団体「Education and Employers」の理事長でもある。 「子供がどういうキャリアを目指すか、最も影響を与えるのは、その子の身近な人だ」 英国初等学校長会(NAHT)会長のアン・ライオンズ氏は、家族の期待というお仕着せの「枠」の外に出るのが、若い人にとっていかに大変なことかが、調査結果から分かると指摘する。 「Education and Employers」責任者のニック・チェンバーズ氏は調査結果について、小学生が早い段階で将来の可能性を限定してしまわないよう、「自分たちに開かれている幅広い選択肢」について知る必要があることを示していると語った。 英国の女子に人気の職業ベスト10 教師 獣医 スポーツ選手  医師  画家 音楽家  美容師  科学者  ダンサー  看護師 英国の男子に人気の職業ベスト10 スポーツ選手  ソーシャルメディア関係  警官  軍人  科学者  技師  医師  教師  獣医  整備士 (英語記事 Children in poorer countries have higher career aspirations than UK)

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    北朝鮮、平昌五輪代表団長に国家元首の金永南氏

    練習試合となった。スウェーデンとは五輪期間中に再度対戦する予定。 韓国大統領府、青瓦台の高官は匿名でBBCに対し、金永南氏の派遣は、緊張緩和を進めようとする北朝鮮の意思と真摯な態度を反映するものと受け止めていると語った。 統一省によると、北朝鮮の代表団は金氏と高官3人、随行員18人で構成される。開会式に代表団が出席するかどうかは明らかにされていない。平昌は韓国東部の山岳地帯に位置する。 米紙ワシントン・ポストによると、北朝鮮で約1年半にわたって拘束され、帰国後間もなく死亡した米国人学生オットー・ワームビアさんの父親、フレッド・ワームビアさんがマイク・ペンス副大統領の招待客として開会式に出席する。 ワームビアさんと妻のシンディーさんは、先月30日にドナルド・トランプ大統領が連邦議会で行った一般教書演説にも招かれ出席している。 核攻撃力を誇示しようとミサイル発射実験を繰り返してきた北朝鮮は、平昌五輪への参加表明によって融和姿勢への大きな転換を見せた。 きっかけとなったのは、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が先月発表された新年の辞で、南北対話と五輪への選手団派遣に意欲を示したことだ。 北朝鮮の選手たちはアイスホッケーのほか、スキーやフィギュアスケートにも出場する。選手団に加えて、応援団や芸術団も韓国を訪れる。 しかし、五輪開会式の前日となる8日に北朝鮮が大規模な軍事パレードを予定していることが明らかになるなど、一部には緊張緩和を妨げる動きもすでに見られる。 軍事パレードに関する否定的な報道が相次ぐなか、北朝鮮は自国の計画に異議を唱える権利は誰にもないとして、韓国と合同で開く予定だった文化的催し物をキャンセルした。 一方、韓国と米国は、北朝鮮が毎回激しく反発している米韓合同軍事訓練について、五輪・パラリンピック開催中は延期するものの、終了後には再開することで合意した。 (英語記事 North Korea to send ceremonial head Kim Yong-nam South)

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    ホワイトハウス、FBI「権力乱用」文書公表を承認

    tatus/959498570532577285 <分析> 爆弾か不発弾か――アンソニー・ザーチャーBBC北米担当記者 秘密は明らかになった。メモは公表され、その結果は……あらかた誰もが予想していた通りだった。 共和党作成の資料が言われていたほど衝撃的なものかどうかは、いまや悪名高い「スティール文書」をどう捉えているかによる。FBIがFISA裁判所にカーター・ペイジ氏の盗聴監視令状を請求した際、「スティール文書」が『不可欠な」要素だったという、ヌネズ・メモの主張を信じるか。それとも、ヌネズ委員長たちがあえて省いた情報が、令状請求の根拠として実はあったのか。 ヌネズ・メモは、FBIはスティール氏の立場についてFISA裁判所に説明すべきだったと主張する。つまり、スティール氏がトランプ氏に否定的で、報道機関としきりに接触し、そもそも文書のための調査活動費が一部、民主党やクリントン陣営から出資されていたことなどだ。 しかし、そのような情報開示がされていたとして、それでFISA裁判所は令状発行を拒否しただろうか? 1978年に設置されて以来、FISA裁判所は何万という監視令状請求を受けてきたが、令状を認めなかったのはごくわずかだ。そして、2013年の時点ですでに複数の米情報機関から要注意人物として注目されていたペイジ氏に対する監視活動ひとつを理由に、ロシア疑惑捜査の全てを疑問視しても良いのかどうか。FBIのロシア疑惑捜査は、ペイジ氏への監視を始める数カ月前から始まっていた。2016年7月に始まったトランプ陣営の外交顧問だったジョージ・パパドプロス被告への捜査が発端となっているのだ。 こうした疑問に対する答えによって、このヌネズ・メモが爆弾だったのか、それとも不発弾だったのか、今後への影響が決まる。 (英語記事 Trump-Russia: Republican memo accuses FBI of abusing power)

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    「ごめんなさい」 うそか本当かどうやって見分ける?

    2018年02月02日 17:29 公開 アレックス・テイラー記者、BBCニュース 1970年代に大ヒットしたエルトン・ジョンの「悲しみのバラード」によると、「ごめんなさいと言うのが一番難しい気がする」ものらしい。けれども、「ごめんなさい」という強力な言葉を、いともたやすく口にする人たちもいる。しかも公の場で。 ここ数カ月というもの、政治家からハリウッド俳優、ユーチューバーまで、実に様々な著名人が公に遺憾の意を表してきた。 最近の英国では、保守党青年担当副幹事長のベン・ブラッドリー議員が、過去の発言に関して2回も謝罪する羽目になった。英紙タイムズによると、警察の残虐行為を擁護するかのような発言をしたのが、最新の失言だった。 次から次へと謝罪の言葉がニュースで飛び交う昨今だが、無理やり言わされている謝罪と、誠心誠意の心からの詫びの言葉は、どうやって区別すればいいのか。 個人的な謝罪を 最も純粋なものとして、謝るというのは「悔恨を表す行為、自分の言動が誰かを傷つけてしまったと実感し、改めようとする行為」のはずだと、心理学者ジェラルディン・ホアキム氏は言う。 よく練り上げられた謝罪の言葉を早い段階で出すのは、多くの場合、非常に有益だ。ホアキム氏は、「事態を鎮めて、非難する相手の勢いを失わせる」ことができると説明する。 社会人として謝る必要が生じる場合は、誰にでもありえる。家族や友人に対して謝るべき事態も、同じようにありえる。どういう状況にせよ、謝罪が受け入れてもらえるかどうかは、自分個人への言葉なのだと相手が実感できるかにかかっている。 専門家によると有効な謝罪の秘訣は、「C・A・R」の3文字で表せる。 相手を気にかけて心配している(concern)と表す 具体的な行動(action)を見せる 安心させる(reassurance) この3つが大事だからだ。 「謝罪される側は、自分自身に謝ってもらいたいと思っている。自分たちの主張が、真剣に受け取られていると感じたいからだ」と、広告代理店タンクのマーティン・ストーン氏は話す。 仕事の世界では、「公式な謝罪」という表現がよく使われる。しかし、実際に求められているのは、その正反対だとストーン氏は言う。 企業、政府、団体など、当事者の状況はそれぞれ違っても、原稿を読み上げているだけのような対応は、共感や思いやりが伝わらず、人の心に響かない。 「テリーザ・メイ英首相もよくこの問題を抱えている。しかし、国民保健サービス(NHS)に関する最近の謝罪はとても人情味があったので、その変化は興味深い」とストーン氏は話す。 「事業でも個人でも、何がポイントかを理解することが不可欠だ。自分たちの行動について謝っているのか、苦情の主が何をどう感じたかについて謝っているのか」 本物と偽物をどう見分ける 自発性:対応が早いかどうかが大事だ。謝罪が早ければ早いほど、謝罪する人物が差し迫った罪悪感を持っていると分かる。 身振り:心からの謝罪なら、その人物はアイコンタクトや表情などに注目して、謝罪する相手が理解しているか確認しようとしているはずだ。 弱さ:うわべだけ謝罪には常に「演技している」感じがつきまとう。劇場型のジェスチャーが多すぎるなどだ。心からの謝罪ならば、うなだれるなど、自責の念や弱い立場にいることを意味する「謙虚なしぐさ」を伴うはずだ。 拒否のジェスチャー:うわべだけの不誠実な謝罪かどうかは、謝罪の言葉の直後のしぐさで一発で分かることもある。自分が言ったばかりの言葉を拒絶するかのような、非言語のメッセージがそうだ。たとえば、床に目線を落としてにやにや薄ら笑いを浮かべるのも、その一種。 一番良いのは率直な謝罪か 人が公式に謝罪する場面がここ数年で増えたのは、ソーシャルメディア(SNS)の普及に関係しているのかもしれない。というのも、SNSの普及で「きちんとした礼儀の崩壊」につながったからだとストーン氏は言う。 ツイッターや(ツイッターに比べるとそれほどでもないが)フェイスブックなどによって、私たちは即座に発言し、他人に影響できるようになった。 ウィットに富んだ的確な謝罪は、もし見事に的を射たものならば、SNSで広く「拡散」されることもあるし、何かミスをした会社にとってポジティブな結果となり得る。その企業が間違いを「認め」、修正できるのだと、広く示すことになるからだ。 SNSは「一般的なコメントに、面白いざっくばらんな返事」を返せる企業には、絶好のマーケティングの機会となる。しかし、もっと慎重な対応が必要な状況では、コメントや返事の仕方を抑える必要があり、その判断をしっかりできるかどうかが大事だと、ストーン氏はいう。 英鉄道会社バージン・トレインが1月上旬、乗客に冗談めかして謝ろうとしたところ、性差別的だと非難されて逆に恥をかいたことがあった。 ソーシャルメディアはユーザーとのかかわりが非常に大きいだけに、対応を誤るとむしろ悪評につながる。そうなると、謝罪を重ねるしかないが、それで当の相手はなだめられるても、問題に注目を集めてしまう。 インターネットではさらに、無防備なコメントが永遠に消えずに残ってしまうし、いつ何時過去のやりとりが再燃するかも分からない。英国人ジャーナリストのトビー・ヤング氏は先日、これで痛い思いをしている。 ヤング氏は、かつての性的で女性蔑視的なツイートが非難されると、「軽率、もしくはともかく間違っていた」と、「全面的に謝罪」した。 こうした風潮の中、ソーシャルメディア・マネジメントは大きなビジネスに成長した。求職用プラットフォーム「リンクトイン」によると、2010~2013年の間にこの職種の募集が10倍に増えたという。 素早くはっきりと オンラインでも面と向かってでも、決定的な意味を持つのが、謝罪のタイミングや言葉遣いだ。 「まず、理解して共感していると表現するのが大事だ」とストーン氏は言う。 「テリーザ・メイ首相はNHSについて謝る際に、これが上手だった。『難しいのは私も理解している』や『いらだたしいのは私も理解している』という言葉から始めたからだ。巨大企業だったとしても、自分の感情を軽んじてはならないし、相手の気持ちを無視してはならない」 言語学的にもまた、人間味のない発言や、守れない約束は避けることが重要だ。 「再発させない自信がないなら、絶対に二度と起こらないようにすると言ってはいけない。あとでで痛い目に遭いかねない」とストーン氏は説明する。 同様に、「しかし」と言ってしまうと、謝罪のトーンが大きく変わりかねない。 「申しわけありません。しかし……」と言うと、まるで言い訳をしているように聞こえ、実際は謝罪になっていないとストーン氏は指摘する 「わずか3文字かもしれないが、謝罪があっという間に、空っぽなものになってしまいかねない」 3つの事例 ボディランゲージ専門家ジュディ・ジェームズ氏が解説 1. イラク参戦に関するトニー・ブレア元首相の謝罪 「これは責任のかわし方としては、実に優れている。ブレア元首相はまず、今にも涙を流しそうに、過剰なほどの非言語の謝罪から始める。声が割れ、まばたきをして涙を抑えるような仕草を見せ、泣き崩れそうな様子で、つかえる」 「これはかなり年月がたってからの謝罪で、即座の反応とは程遠い。ブレア元首相の感情はいきなり変化するので、自責の念が本物だとは思えない。先ほどまで感情的だったのに、まるでスイッチのように切り替わり、なんでもかんでも謝罪するわけではないと言い、ボディーランゲージもそれに合わせて変化した。けんか腰の強い態度になり、怒りを表すまばたきの回数が増えた」 公演のキャンセルを謝罪するアデル https://www.instagram.com/p/BJOhkG-jCYB 「具合が悪いから休みますと職場に連絡する、そのポップスター版だ。体調が悪いと証明するために顔はノーメイクだ。カメラに向かって話しているだけだが、まるで自分に語りかけてくれているかのようだ」 「アデルの『本当に本当に』ごめんなさい、という言い方は、下手をするとうそっぽく聞こえてしまうが、ボディーランゲージを含めるとそうならない。揮者のように手を振って言葉を強調し、その後まるで、ファンの辛い思いを共有するかのように自分の腕をさする。録画ビデオでこれほどの誠心誠意を表現するのは大変なことだが、誠心誠意はアデルらしさとも言える」 メイ首相、総選挙で落選した議員に謝罪 「メイ首相の目線の合わせ方や目の表情は挑戦的に見えるが、口の歪みから、本当に申し訳ないと思っているのがうかがえる。なので、誠実な様子を示してしまったのが、むしろ失敗だったというケースだ」 「というのも首相はむしろ下手に謝ったりしないよう、堂々とした政治指導力を示すよう言われていたはずだが、押さえているはずの本物の自責の思いが、全身からにじみ出てしまっている」 (英語記事 'I'm sorry' - but how do you tell if an apology is fake or genuine?)

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    英国の東アジア系俳優、舞台やテレビ出演で差別と偏見に直面と

    2018年02月02日 16:55 公開 ヘリエ・チュン記者、BBCニュース 英国の舞台やテレビ・映画界で働く東アジア系の英国人俳優たちは、配役にあたって自分たちが今でも深刻な偏見を受けていると主張する。「目に見えない」マイノリティーとして扱われる恐れがあると懸念している。 女優のルーシー・シーン氏は、「東アジア系はステレオタイプな役柄に配役されたり、人種差別的な使われ方をすることが多い」と話す。 「コール・ザ・ミッドワイフ」や「イーストエンダース」などの人気ドラマに出演し、戯曲家でもあるシーン氏は、「女性はだいたい、スリムで小柄で髪の長い、従順な『蓮の花』のような役か、その逆で売春婦や不法移民として描かれる。一方で、東アジア系男性は中性的で男らしくない存在として描かれる」 東アジア系の俳優が、人種に関係のない役に選ばれることは珍しく、役の一環として中国人のアクセントを求められることが多いとシーン氏は言う。それでもなお、多くのプロデューサーは、中国人の役に白人俳優を使う「イエローフェイス」は許されるという認識なのだという。 シーン氏など複数の東アジア系英国人の戯曲家による初の作品集「Foreign Goods(外国製品)」が、このほど発表された。 編さんしたのは香港出身の戯曲家、ジンアン・ヨン氏。ヨン氏は「東アジア系の人たちの物語や声が、国中の舞台で足りていない」と話す。 「自分たちが正しく描かれていることは大事です。どう表現されているかで、人の認識は作られる。特に若いときはテレビやアート、本から、振る舞い方を学ぶので」 「ダブルスタンダード」 東アジア系英国人が芸術や娯楽分野で正しく表現されていない。そう感じる人は多い。 映画「ハリー・ポッター」シリーズに出演した女優ケイティー・リュン氏は以前、ステレオタイプに立ち向かうのは「大変」だとBBCに話した。ドラマ「ヒューマンズ」のスター、ジェマ・チャン氏は英紙テレグラフに、「ハリウッド映画ではアジア系女性よりも、エイリアンの方がたくさんいる」と話した。 中国を舞台にした昨年の舞台「In the Depths of Dead Love」の出演者が全員白人だったため、数十人がロンドンのプリントルーム劇場前で抗議した。リュン氏とチャン氏も参加した。 チャン氏は当日、「伝説のベネディクト・ウォンとプリントルームでの愛のある抗議」とツイートした。 https://twitter.com/Gemma_Chan1/status/822197042210607104 ロンドン大学ロイヤルホロウェイでドラマや演劇、ダンスについて教える上級講師のアシュリー・ソープ博士は、東アジア系英国人に対して「歴史的な差別の慣習が長く続いている」と指摘する。 「ほかの人種や民族に置き換えたら、考えられないような慣習が今も続いている。例えば、今となっては白人俳優が衣装と化粧をつけて、黒人の役を演じるなど絶対に考えられないはずだ」 東アジア系の配役については、ダブルスタンダード(二重基準)が働いていると、ソープ博士は言う。 英国の演劇では、肌の色にこだわらない配役、あるいは演劇作品の「普遍性」を理由に、白人の役に有色人種をキャスティングすることが多い。しかし東アジア系俳優に対しては、これが東アジア系の役だからといって東アジア系の俳優を起用しないことの言い訳に使われることがあるという。 「しかも同時に、東アジア系英国人は、なかなか他の人種の役に起用されない」 「東アジア系の俳優の間には、自分は決まったタイプの役、東アジア系の役しか与えられないという感覚が強い。なまりの強い英語を話す役か、移民の役が多い」 転換点? 東アジア系英国人俳優にどのような機会が与えられているかについて、明確な統計はない。ソープ博士はそれをもどかしく感じている。博士は、調査のため学術資金援助を「何度も」申請したが、「優先事項ではないと言われた」と言う。 それでも博士は、最近の事例をいくつか挙げる。 2009年―アーコーラ劇場の「More Light」。中国の初代皇帝の墓所に閉じ込められたから出られなくなった妾(めかけ)たちの話だ。俳優は全員白人で、女優たちは着物や東洋風の化粧をしていた。 2012年―ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)の「趙氏孤児」。「中国のハムレット」として知られるこの舞台では、17人の役に東アジア系俳優が3人しか起用されず、3人の役が犬とメイドだったため、物議を醸した。批判されたRSCは、多くの東アジア系俳優をオーディションしたと釈明し、「採用する東アジア系俳優が少ないのは、実際の、非常に深刻な問題」だと認めた。 2017年―プリントルーム劇場の「In the Depths of Dead Love (死んだ愛の深みで)」。古代中国を舞台にした作品のキャストは、全員白人だった。劇場の外で数十人が抗議し、「イエローフェイス」だと訴えた。劇場は不快な思いをさせたならと謝罪したが、「神話や古代を参考にしているだけだの、とても『英国的な劇』」なのだと述べた。 2017年―ウェールズ音楽劇場の「ザ・ゴールデン・ドラゴン」。アジア風レストランを舞台に中国系の不法移民を題材にした現代オペラだが、出演者は全員白人だった。ロンドン移転が予定されていたが、ロンドンの劇場側がキャンセル。ウェールズ音楽劇場は後に、「判断を誤った」と認めた。 テレビのステレオタイプ 2012年の「趙氏孤児」騒動は、演劇界の転換点になったと俳優たちはいう。 「見晴らしが良くなって、自分たちの存在が人目に止まるようになった」。ロイヤルコート劇場やナショナル・シアターやRSCへの出演経験があるダニエル・ヨーク氏はこう言う。状況は「確実に良くなっている」とも言う。 2017年にRSCが上演した中国の古典劇「Snow in Midsummer (原題「竇娥冤」)」では多くの東アジア系がアンサンブルとして出演した。 さらに今年は東アジア系の俳優と戯曲家が参加する作品が、相次いで上演される。日本と北朝鮮を舞台にした「The Great Wave」や、南京大虐殺について書いたアイリス・チャン氏を描く「Into the Numbers」、香港出身の作家による「Acceptance」などだ。 それでも、東アジア系が「エキゾチックなよそ者」や「残忍な悪党」、「鈍くて頑固な父親」として描写されがちなテレビは、大問題だとヨーク氏は話す。 BBCの人気ドラマ「シャーロック」では、サーカス団を装う中国の犯罪集団が登場した。動画配信チャンネル「BBC Three」の最新ドラマ「Chinese Burn」は、犬を食べることをからかったり、性的に不器用な中国男性を茶化すなど、ステレオタイプ的な描写が続いたことが批判された。 マイノリティの描写については、米国の娯楽業界の方が英国より進んでいるという意見は多い。 ホームコメディ「Fresh off the Boat (フアン家のアメリカ開拓記)」は、台湾系米国人家族の描写が称賛された。恋愛コメディ「クレイジー・エックス・ガールフレンド」には東アジア系が主人公の恋愛相手として登場し、異例の配役だと言われた。 ハリウッド映画は、「ゴースト・イン・ザ・シェル」や「ドクター・ストレンジ」は「ホワイトウォッシュ」(白人以外の役を白人が演じること)だと批判されたが、状況は改善しつつあるという意見もある。制作中の実写版「ムーラン」には中国出身の女優が起用されたし、「Crazy Rich Asians」のキャストは全員アジア人だ。 一方の英国では、アフリカ系や南アジア系の状況と比べると、東アジア系に対する人種的偏見はそれほど注目されていないとソープ博士は言う。 「英国の東アジア系は新自由主義的、多文化主義的なサクセスストーリーと捉えられている」ため、英国の大多数は、東アジア系が実際に人種差別に遭っていることに気づいていないという。 「自分たちの状況に満足していて、勉強熱心で、何も文句を言う必要がない人たちだとみなされている」 しかしヨーク氏は、だからこそ東アジア系は声を上げ続けなければならないのだと主張する。 「私たちは人種や多様性の議論から(今までは)うまく遠ざかっていた。しかしそれでは、声を上げなければ、脇に追いやられて無視されてしまう」 (英語記事 British East Asian actors 'face prejudice in theatre and TV')

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    「ハロー」「バイバイ」、人の言葉をまねするシャチ 保護団体からは批判も

    2018年02月02日 14:53 公開 仏アンティーブの水族館で飼育されている16歳の雌シャチ「ウィキー」は、「ハロー」や「バイバイ」など人間の言葉を模倣する初のシャチと見られている。 「ウィキー」は飼育員のまねをして、ほかに「エイミー」や「One, two three」などの音を噴気孔から出すという。 英王立協会の生物科学学術誌に31日、研究報告が掲載された。 一部の鳥類が人間の物まねをすることは良く知られている。ほ乳類では、イルカやマッコウクジラがお互いや別の種族の発する音をまねることが分かっている。 論文の筆頭著者、マドリード・コンプルテンセ大学のホセ・アブラムソン博士は、手話や絵を使ってオウムやイルカと「会話」した先行事例もあるため、いずれ「ウィキー」と初歩的な会話ができるようになるかもしれないと話す。 ただし、動物に人間の概念を押し付けて人間との会話を優先させるより、本来の生態系で動物がお互いに意思疎通を図る方法を理解する方が有益だと、博士は話す。 イルカやシャチなどの水族館飼育に反対する人たちは、シャチが物まねをすることはすでに知られており、捕獲状態で野生動物の研究を続けることは、野生動物保護につながらないと批判している。 (英語記事 The killer whale that can say 'hello' and 'bye bye' / Killer whale could be saying 'set me free')

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    「いっそ妻と母を撃ち殺してくれ」 亡命ウィグル男性

    族について信教の自由が侵害されている恐れがあると懸念を表明した。 トルコに亡命したウィグル族の男性はBBCに対して、残された家族が収容所で拷問されているかと思うと、「いっそひと思いに撃ち殺してほしい、銃弾の金は払う」とBBCに話した。 撮影も取材も厳しく規制されている新疆ウイグル自治区から、BBCのジョン・サドワース記者が報告する。 「いっそ妻と母を撃ち殺してくれ」 亡命ウィグル男性

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    キューバ故カストロ前議長の長男が死亡 自殺と国営メディア

    2018年02月02日 12:26 公開 キューバの最高指導者だった故フィデル・カストロ前国家評議会議長の長男、フィデル・アンヘル・カストロ・ディアス・バラートが1日朝、死亡しているのが発見された。68歳だった。キューバの国営メディアは、自殺と伝えている。 国営新聞グランマは、「重いうつ症状のため数カ月にわたり医師団の治療を受けていたフィデル・アンヘル・カストロ・ディアス・バラートが今朝、自ら命を絶った」と伝えた。 国営テレビによると、カストロ・ディアス・バラート氏は数カ月前に入院した後、外来で医師団の治療を受けていた。葬儀は家族が行う予定という。 原子物理学の訓練を、旧ソ連で受けた。死亡当時は、国家評議会の科学顧問で、キューバ科学院の副院長だった。 職歴によると、著作を複数発表し、各地の国際会議にキューバ代表として出席した。 現在のキューバ最高指導者、ラウル・カストロ国家評議会議長は故カストロ議長の弟で、今回亡くなったカストロ・ディアス・バラート氏の叔父にあたる。 (英語記事 Cuba: Fidel Castro's son 'takes own life')

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    ホワイトハウス、FBI「偏向資料」公表へ FBIは「深刻な懸念」

    2018年02月02日 11:43 公開 米司法省と連邦捜査局(FBI)がドナルド・トランプ米大統領に反して偏っている証拠だとして共和党幹部がまとめた資料について、ホワイトハウスは2日にも公表する見通しとなった。ホワイトハウス幹部の話として、複数の米メディアが伝えた。 トランプ氏は機密扱いの資料の公表を認め、議会に送付する見通し。FBIはメモの正確性が疑わしいため、公表について「深刻な懸念を抱いている」と、ホワイトハウスの方針に反対する異例の声明を出している。 問題の資料は、米下院情報委員会のデビン・ヌネズ委員長(共和党)のスタッフがまとめた長さ4ページのメモで、司法省が外国諜報活動偵察法(FISA)にもとづく偵察活動権限を乱用し、大統領選のトランプ陣営関係者を不当に監視対象にしようとしたと書かれているという。ヌネズ議員はトランプ氏の当選後、政権移行チームに参加していた。 公表に前向きなホワイトハウスに対してFBIは31日、メモの正確性が疑わしいため、公表について「深刻な懸念を抱いている」と、ホワイトハウスの方針に反対する異例の声明を出した。 民主党は、ヌネズ資料はFBIによるロシア疑惑捜査の正当性を否定するのが狙いだと批判している。 ヌネズ資料を点検した複数の議員によると、大統領選のロシア疑惑に関するいわゆる「スティール文書」を根拠に、FBIがトランプ陣営関係者の盗聴監視許可を延長しようとしたと指摘する内容になっている。FBIが昨年3月にFISA裁判所から盗聴令状の延長を得ようとする際に、内容が立証されていない「スティール文書」がその根拠だと裁判所に伝えていなかったと、ヌネズ委員長は問題視しているという。 資料によると、監視盗聴の対象はトランプ陣営の外交顧問だったカーター・ペイジ氏。同氏は昨年11月、下院情報委員会に対し、2016年7月にモスクワを訪れた際にロシア政府関係者と面会したと証言している。 スティール文書は、ワシントンの調査会社「フュージョンGPS」が元英国情報部員のクリストファー・スティール氏に作成を依頼したもの。費用の一部は、ヒラリー・クリントン氏の陣営と民主党が出資した。 ロイター通信は匿名消息筋の話として、FBIが盗聴令状申請に使ったスティール文書の内容はいずれも、米情報機関が独自に確認しているので、ヌネズ資料は誤解を招くものだと伝えている。 「資料は書き換えられた」=民主党 民主党幹部は1日、ヌネズ議員をただちに下院情報委員会の委員長の座から解任する必要があると主張した。 民主党は、トランプ政権移行チームに参加していたヌネズ氏が、2016年大統領選のロシア疑惑について捜査を妨げようとしていると批判。ヌネズ資料が公表されればホワイトハウスはそれを根拠に、ロシア疑惑を捜査しているロバート・ムラー特別検察官や、ムラー氏を任命したロッド・J・ローゼンスタイン司法副長官を更迭するだろうと、民主党は懸念している。 下院情報委員会のアダム・シフ筆頭委員(民主党)はさらに、ヌネズ委員長が資料を書き換えたと非難している。シフ議員によると、共和党多数の下院情報委員会が1月29日に資料公表を可決した後になって、委員長が内容を一部書き換えてホワイトハウスに送付し、機密指定解除を要請したという。 これについて、加えられた変更は文法的なものと、FBIや民主党が要請した細かい修正に過ぎないと、匿名の共和党関係者は話しているという。 上院情報委員会のダイアン・ファインスタイン議員(民主党)は、共和党が「特別検察官の捜査を損なおうとしている」のは明らかだと述べ、「極秘機密を政争の具にしていいはずがない」と非難した。 なぜ司法省がホワイトハウスに反対を FBIを所管する司法省は、ヌネズ資料の公表は、そのもととなったFBI資料作成に使われた機密情報や情報活動を危険に陥れる恐れがあると懸念している。 情報機関が連邦議会の議員に機密情報を報告するのは、それが公表されないという前提にもとづいているため、もしヌネズ資料が公表されれば、議会への機密情報共有手続きが今後は阻害される可能性もある。 トランプ大統領が前任者のジェイムズ・コーミー氏を解任後、昨年夏に指名したFBIのクリストファー・レイ長官は1日、もしヌネズ資料が公表されれば、反論を公表するつもりだと述べた。 (英語記事 White House 'to release' secret memo on FBI)

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    賃金格差に抗議のBBC前中国編集長 議会で経営陣を非難

    2018年02月01日 19:25 公開 男女の賃金格差に抗議してBBC中国編集長を辞任したキャリー・グレイシー氏は31日、英下院委員会に出席し、経営陣によるスタッフへの態度は、BBCへの「信用を損なっている」と述べた。

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    動物愛護は過激主義なのか 英で活動家と農家が対立

    2018年02月01日 18:57 公開 英国で動物の権利保護を主張する活動家たちと、養豚場などの飼育業者たちが対立している。 動物愛護団体の活動家は自分たちの活動は非暴力的抗議だと主張し、畜産業はかつての奴隷産業と同じだと世間に認識させて世論を変えることが目的だと言う。 その一方で、農場の関係者は自分たちは育てる動物に誇りを抱いているし、「動物の安全を守ろうという人たちから、殺害脅迫状が送られてくるのは皮肉だ」と話す。

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    心臓をバックパックで担いで退院 英国女性で初

    2018年02月01日 18:21 公開 英エセックス在住で2児の母親のセルワ・フセインさん(39)は、昨年夏に急性心不全となり、心臓移植が必要となった。 しかし臓器提供者を待つ余裕がなかったため、全置換型の人工心臓の埋め込み手術を受けた。 重さ約8キロの人工ポンプが、フセインさんの体内に埋め込まれたプラスチック心臓を経由して体内の血液循環を維持する。 フセインさんは人工心臓をバックパックで担いで退院できるまでに回復し、新年を家族と迎えられた。

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    ホロコーストに「ポーランド加担」の表現禁止する法案、上院可決

    2018年02月01日 17:12 公開 ポーランド上院は2月11日、ナチス・ドイツによるユダヤ人などの大虐殺(ホロコースト)について、ポーランドが加担していたと批判することを違法にする法案を可決した。法案については、イスラエルが強く批判するほか、米国が懸念を示していた。 異論の多いこの法案は、ナチス・ドイツがポーランド領内に作った強制収容所を「ポーランドの」と呼ぶことも禁止している。違反行為には罰金刑もしくは最長3年の禁錮刑が科せられる。 AFP通信によると、法案は賛成57、反対23、棄権2で可決された。法案は大統領の署名をもって成立する。 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は1月28日、「強く反対する。歴史を変えることはできないし、ホロコースは否定できない」と声明を発表し、法案を廃案にするよう呼びかけていた。 米国務省も1月31日、法案が成立すればポーランドの表現の自由を損なう恐れがあり、ポーランドの外交関係に悪影響を及ぼしかねないと懸念すると述べ、ポーランド政府に再考を促した。 これを受けてポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領はテレビ・インタビューで、ポーランドには「歴史の真実を守る」権利があると主張し、法案を取り下げるつもりはないと述べた。 ポーランドは1939年、ナチス・ドイツに侵攻、占領された。ホロコーストで殺害されたポーランド系ユダヤ人300万人を含め、市民数百万人が命を落とした。 ポーランド政府はかねてから、アウシュビッツ強制収容所などナチス・ドイツがポーランド領内に作った施設を「ポーランドの死のキャンプ」などと呼ぶのは、ポーランドにも責任があったかのような印象を与えると、強く反発してきた。 イスラエルのナフタリ・ベネット教育相はこれに同意し、「ポーランド内にある労働と死のキャンプについて、発案、計画、建設したのはドイツだった。これは歴史的事実だ。それが真実で、どのような法律もそれを書き換えることはない。次世代にも事実を教えなくてはならない」と述べている。 その上で教育相は、「多くのポーランド人がユダヤ人の殺害を支援したのは、歴史的事実だ。ユダヤ人を引き渡し、虐待した。ホロコーストの最中とその後で、自分たちでユダヤ人を殺したこともあった」と述べ、ポーランドの法案を「真実を無視する恥ずべきもの」と呼んだ。 ポーランド政府は、法案はホロコーストに関する研究や議論の自由を制限するのが目的ではなく、海外における国の名誉を守るためだと説明している。 法案を起草した法務省のパトリク・ヤキ副大臣は、イスラエルの反応がまさに「いかにこの法案が必要かという証明だ」と述べた。 (英語記事 Poland's Senate passes controversial Holocaust bill)

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    BBCの女性たちに「遠回しの脅し」 賃金平等めぐる質問で

    2018年02月01日 16:15 公開 BBCで働く女性たちが賃金平等の話題を取り上げようとすると、「遠回しに脅され」ていたことが明らかになった。BBCの女性スタッフ組織が30日、英下院委員会に報告書を提出した。 31日に開かれる下院デジタル・文化・メディア・スポーツ(DCMS)委員会の公聴会に先立ち、150人以上の女性が証拠となる報告書をまとめた。 これとは別に、監査法人PwC(プライスウォーターハウスクーパース)がキャスターや特派員、テレビ出演者の給料や多様性の評価を実施した。 BBCメディア担当編集長、アモル・ラジャン記者によると、BBCはニュースキャスターの給料に対して、32万ポンド(約4900万円)の上限設定を提案している。 BBCが一部の出演者に払っている高額報酬が昨年夏に公表されて以来、組織内の賃金格差が問題になっている。 今回の変更で影響を受ける人はごくわずかだが、テレビ出演者の給料の大きな見直しの一部となる。 ラジャン編集長によると、32万ポンドの上限案はまだ完全には合意も署名もされておらず、フルタイムで働くテレビ出演スタッフにしか適用されない。変更の対象はキャスターや編集者、特派員で、回答まで猶予期間が与えられるという。 テレビに出演する従業員が、娯楽番組への出演などBBC関連の他の仕事で給料を得られるかどうかは不明だ。 今月半ばには、BBCの著名男性キャスター6人(ニッキー・キャンベル、ヒュー・エドワーズ、ジョン・ソープル、ジェレミー・バイン、ニック・ロビンソン、ジョン・ハンフリーズ各氏)が給料の減額に同意した。 DCMS委員会のデイミアン・コリンズ委員長がBBCラジオ4の番組「トゥデイ」に出演し、32万ポンドの上限では自分の懸念は完全には解消されないと話した。 コリンズ委員長は、「この変更で実際に影響を受けるのは、比較的少数だ」と語った。 「他のBBC海外担当編集長と同額の給与を得ていないという、キャリー・グレイシーの苦情を思えば、新しい賃金の上限設定は問題に対応していない」 コリンズ委員長は、ニュース以外の娯楽やスポーツ番組の出演者たちの賃金格差についても取り上げた。 議員は「大勢があれを見て、『どうしてギャリー・リネカーが、クレア・ボールディングの何倍もの給料をもらっているんだ』と言うだろう」と話した。 リネカー氏はサッカーの元イングランド代表主将で、BBCのスポーツ・キャスターなどを務めている。ボールディング氏は英国で人気のBBCスポーツ・キャスター。 「ボールディング氏も、BBCで色々な番組に出て、スポーツを幅広く取り上げて、(リネカー氏と)同じ価値のある仕事をしているいと、大勢が言うだろう。だからこそ、もっと幅広い見直しが必要だ」と、委員長は指摘した。 「不信任」 全英ジャーナリスト組合(NUJ)と、BBCの女性記者やプロデューサーを代表する団体「BBC Women」は、下院委員会の調査に先立ち、BBCの賃金平等に対するこれまでの取り組みを批判した。 外部監査にもとづく給与改定について、自分たちへの聞き取りもなく、自分たちが除外された感じているため、内容を信頼しないという。 「幅広い男女差別のが風潮があり、昇進において散見される。特に女性が育児休暇を取った後、これが顕著になると考えている」と、「BBC Women」は指摘した。 「BBCの上司たちは支援してくれるものの、一部には批判に追い詰められて強く反発する空気もまだある。女性が賃金平等の話題を取り上げると、遠回しに脅されることもある」とも述べている。 同グループは、委員会に提出した報告書に複数人の証言を含めた。BBCスコットランドの元健康担当特派員、エレノア・ブラッドフォード氏の証言もその一つだ。 ブラッドフォード氏は、自分が「たびたび全国放送に出演し、特ダネ報道を繰り返していたにもかかわらず、BBCスコットランドで最も給料の低い特派員の1人だった」と述べている。 また、何度も昇給を求めた末に5000ポンド(約77万円)引き上げてもらったが、過去にさかのぼった支払いはなく、全く同じ仕事をしている男性同僚たちと比べて、約1万ポンド(約150万円)給料が低いままだったという。 ブラッドフォード氏はその後、BBCを退社した。 ブラッドフォード氏はBBCラジオ4の同番組に対し、賃金格差を「無意識の偏見」だと感じた一方で、在職中の最後の数年で「状況を変えようとする努力」がされていたとも話した。 「変化を大いに期待するが、変化のペースが遅すぎるので、この問題には光を当てる必要がある」 「BBC Women」が議会に提出した報告書ではこのほか、13人が匿名で証言している。 その一部の事例は次の通り――。 テレビのニュースキャスターは「隣席の男性は自分と全く同じ仕事していたのに、給与が何万ポンドも多かった。今は同じ日給だと言われているが、透明性はない」と話す 取材記者は、番組制作にフルタイムで関わる自分の給与が、同じ番組に関わる男性同僚の約半分の額だったと知った 専属とフリーランスの期間合わせて30年近くBBCに勤めているスポーツキャスターは、主力ラジオ番組の出演料500ポンド(約7万7000円)が、男性司会者の半分以下だったと知った 地方ニュースのキャスターは、男性同僚の給与が自分への提示額の3割増しだと知り、5%昇給を獲得した 主要美術番組を担当する受賞歴のあるキャスターは、男性同僚の給与が番組1本につき5割増しだっと知った。「格差是正を頼むと直接の上司は、『BBCに給与の平等はない』と答えた。問題を取り上げた私は、『強引で図々しい』とも言われた。私は引き下がらず、過去にさかのぼって男性同僚と同じ給与を得るようになった」という。 「女性を助ける」 BBC広報は、「議会の特別委員会で、事実全てと正しい情報に基づいた議論がされるのを期待している。BBCは賃金の平等に尽力しており、平等法に従っていないという主張は受け入れないし、性別や人種によって不利な契約を提示することはない」と話した。 「私たちは女性がキャリアを前進させ、性別による賃金格差を女性が埋めることで解消するため、意欲的な目標を設定した。さらに、目標達成に必要な行動に取り組んでいる」 「私たちはすでに従業員給与について真の透明性を実現するため、計画を策定し、実施している。放送出演者の賃金について管理方法を一変させ、将来に向けて明確で透明性のある公平なシステムが持てるよう、提案を本日発表する」 広報担当は、「現時点では給与水準について議論するつもりはない」と付け加えた。 下院DCMS委員会のコリンズ委員長によると、「BBC Women」と全英ジャーナリスト組合(NUJ)が提出した抗議の中には、「人種に基づく違法な賃金格差、産休後に職場復帰する女性への差別、非常勤や柔軟な勤務時間を求める従業員への差別」などが含まれるという。 昨年10月に発表された報告では、BBCで働く男性は平均して女性より9.3%多くの収入を得ているという。これは放送出演者を含む従業員全員を対象にしており、管理職は男性の方が多いことが理由として挙げられた。 英国全体の平均格差は18%で、それと比べると、「他のどの組織よりも良い状態だ」とBBCのトニー・ホール会長は当時話していた。 (英語記事 BBC women face 'veiled threats' over equal pay queries)

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    BBC前中国編集長、BBCの男女賃金格差は「侮辱」 英議会で証言

    2018年02月01日 14:54 公開 男女の賃金格差に抗議してBBC中国編集長を辞任したキャリー・グレイシー氏は31日、英下院委員会に出席し、一部の女性従業員に対するBBCの扱いに「とても怒っている」と証言した。 下院デジタル・文化・メディア・スポーツ(DCMS)特別委員会に出席したグレイシー氏は、BBC記者歴30年以上の自分が中国編集長として、北米編集長や中東編集長の男性同僚よりも大幅に少ない給料を得ていたのは、経営陣に自分がまだ「発展途上」だとみなされていたからだと知り、「侮辱」だと感じたと証言した。 55歳のグレイシー氏は、中国語を流暢(りゅうちょう)に話す中国の専門家。自分の給料が同僚よりも低かった理由をそのように正当化されたのは、「侮辱の上塗り」で、「女性幹部にそのような物言いをするなど、許されない」と主張した。 「そのような前提があったなら、最初から中国に赴任しなかった。私は最初から、賃金の平等を要求していた」 同じ委員会に出席したBBCのトニー・ホール会長は、BBCが「間違いをいくつか犯した」と認めた上で、グレイシー氏の「勇気を尊敬する」と述べた。 ホール会長は、給与の苦情申し立てに対するBBC内の仕組みは「機能している」と強調し、平等は「我々が体現するものの根幹」にあると述べた。しかし、一部の議員からはこの問題をめぐりBBCが「メルトダウン状態」にあると批判された。 グレイシー氏は、時にこみ上げる感情をこらえながら、苦情申し立ての手続きは「とても苦痛だった」と話した。組織と「対立していることは負担」で、苦情申し立ての過程で上司たちは「自分の仕事ぶりについて、こちらの自尊心を押しつぶそうとする」とも述べた。 30日に公表された外部監査報告は、「給与決定過程において性差別の証拠はみられなかった」と結論している。しかし、監査法人PwCによるこの報告について、女性従業員約200人を代表する組織「BBC Women」は、事実と異なると反発した。 BBCの給与については昨年7月、年間15万ポンド(約2300万円)以上の給与を得ている3人に2人が男性だと発覚し、格差が問題になっていた。 グレイシー氏は議会でさらに 複数の女性従業員から同じような話を聞いたとグレイシー氏は言い、「(BBCが)他の人にどういう思いをさせたか知って、とても怒っている。一部の女性がどのように苦しめられたか、見聞きした内容に、本当に怒っている」と述べた。 グレイシー氏は2013年に中国編集長に就任したが、中国、欧州、北米、中東の国際編集長4人のうち、自分と欧州編集長の女性2人より、北米と中東を担当する男性編集長2人が「少なくとも5割は多い」給与を得ていたことを知り、1月7日に編集長職を辞任した。 BBCは10万ポンド(約1500万円)を未払い分として支払うと提示してきたが、「賃金格差を暗黙に認めている」ような気がしたとグレイシー氏は話した。 「何より受け入れがたいのは、2014年と2015年と2016年の3年間の自分について、(BBCは)要するに私が『発展途上』段階にあると言っていたことだ」 グレイシー氏はさらに、経営陣の対応は「BBCの評判をまったく容認しがたい形で傷つけている」と強く批判した。 「私たちはBBCで歯磨き粉やタイヤを作っているわけではない。私たちは真実を扱う仕事をしている。真実がなくては機能できない」 「自分たちを正直に見つめる覚悟がないなら、他のことを正直に報道すると、どうやって信頼してもらえるのか」 グレイシー氏は中国を離れて、ロンドンの編集局の仕事に戻る。 「私は明日にもBBCを辞めて、もっと高収入の仕事に就くことができる。けれども、この状態では辞めたくない。BBCは大変な状態に陥っているので、みんなで何とかしなくてはならない。BBCの素晴らしい女性たちと一緒になって、BBCがきちんと対応するよう私も協力しなくてはならない」とグレイシー氏は強調した。 経営陣の反応 ホール会長をはじめ、複数のBBC幹部も下院委員会で発言した。 会長は、「(グレイシー氏が)皆さんに説明した苦情申し立ての結果から、確かに我々が間違いをいくつか犯したのは明らかです。そうでなかったら良かったのにとは思うが、確かに間違いがあった」と認めた。 会長はさらに、グレイシー氏が「BBCのために一級品の働き」をしてくれたと述べ、「彼女の仕事ぶりを否定するつもりはまったくない」と強調した。 BBC内の高給ポストが「男性に独占」されているのは間違いで、問題の解消に努めているとも述べた。 ホール会長は、給与は「性別によって決まるものであってはならない」と同意し、「もしそうだったなら、とんでもないことだ」と話した。 ただし、編集長同士の間に給与の順列があること自体は、問題ではないと述べた。 BBCでは男性同士の個人的なつながりで昇進などが決まるのかと聞かれると、会長は「そうは思わない。BBCはそうあってはならないし、そうではないと信じている」と答えた。 「私は機会平等を重視している。適切に可能な限り、BBCの重要ポストに女性を登用しようとしてきた。ニュースにおける重要ポスト、特派員や記者としても」と話した。 委員会の質疑の途中で、BBC理事長のサー・デイビッド・クレメンティは隣に座っていたグレイシー氏に向かって姿勢をただし、組織による過ちを謝罪した。 クレメンティ理事長は後に、保守党のジュリアン・ナイト議員に対して、苦情審査過程でBBCが「いくつかミスを犯した」のは明らかだと話した。 「彼女が経験したことについて謝罪する。関係当事者にとって、そういう申し立ての場がどれほどストレスだらけの不快なものか、承知している。私たちにとってもそうだが、本人にとってははるかにそうだろう。本当に申し訳なく思っている」と理事長は述べた。 なぜ中国と北米で編集長給与に差が BBCのニュース責任者、フラン・アンズワース氏は、グレイシー氏が中国編集長に選ばれた際、その給与は実は中東や北米の編集長より高かったと説明した。 「その時点でキャリーの給与額を決めた際、性別に関する問題は何もなかった」 ただし、グレイシー氏の就任後にソープル氏が北米編集長に就任し、給与が逆転した。 「ジョン・ソープルの経歴と、それまでの給与が理由だった。(テレビチャンネル)BBC Oneやワールドニュースのキャスターを経験していた。BBCニュースの元政治編集長で元パリ特派員だった。キャリーがBBCニュースでキャスターだった当時よりも、ジョンははるかに高い給与を得ていた。その彼に北米に行ってもらいたいと要請した際に、給与を減らしたりしなかった」とアンズワース氏は説明した。 さらにアンズワース氏は、「中国のニュースが多い時期でも」ソープル氏はピークの放送時間帯にグレイシー氏の「2倍は出演していた」と指摘。「中国のポストはそれとは性質が違う。中国編集長の仕事はもっと、解説や特集を中心とした報道で、北米編集長のように容赦ないトレッドミルで絶え間なく走り続けるような仕事とは異なる」と話した。 アンズワース氏は、グレイシー氏の職務を「パートタイム」などと呼んだことはないが、もし自分の「軽率」な物言いでそのような印象を与えたなら謝ると、グレイシー氏には伝えたと話した。 ホール会長も、ソープル氏が新しい北米編集長になった時点でグレイシー氏の給与を再検討しなかったのは、「間違いだった」と付け足した。 グレイシー氏を支援するのは この日はケイト・エイディー、マリエラ・フロストラップ、ケイト・シルバートン、ルイーズ・ミンチン、ナガ・ムンチェッティなど、多くのBBC女性記者が議事堂に集まり、グレイシー氏を応援していた。 グレイシー氏が証言するなか、野党・労働党のハリエット・ハーマン副党首はツイッターで、「下院特別委でBBCのキャリーが思いをこめて、大事な話をしている。キャリー、賃金格差についてこれほどはっきり話をしてくれてありがとう。BBCだけでなく働く女性すべてのため、変化のきっかけになる」と書いた。 https://twitter.com/HarrietHarman/status/958710765820760065 グレイシー氏は、辞任発表からこれまでに一般市民500人とBBCスタッフ300人から応援のメールを受け取ったと話した。 <分析> BBCメディア担当編集長、アモル・ラジャン 下院DCMS特別委へのグレイシー氏の証言から、新たに分かったことがいくつかある。未払い金として10万ポンドの受け取りを拒否したことや、BBCが賃金格差の理由として本人が「発展途上」だからと手紙で返信したことなどだ。全文を確認しなければ文脈は完全には分からないが、不用意な表現に思える。 グレイシー氏は委員会で、自分が2度にわたり乳がんになったことや、最近になって身内に不幸があったこと、娘が白血病にかかったことなど、近年の自分の個人的な状況が非常に辛いものだったことも明らかにした。 昨年1年の間に中国と香港と台湾で計214日を過ごしたという証言は、一部報道を覆すものだった。自分に対する否定的な報道は非常に残念だとグレイシー氏は述べ、否定的報道のもととなる情報の出所はBBCだったはずだと主張した。 グレイシー氏は数回にわたり、BBCで働く自分は幸運だと思うと述べた。その上で、「BBC経営陣」は、BBCで働くスタッフの利益を損なう「要塞」のようなものだと話した。 女性スタッフを代表する組織、「BBC Women」にはすでに190人が参加していると述べたほか、すでにソーシャルメディアで広く取り上げられている印象深いキャッチフレーズをいくつか口にした。 その中でも特に印象的だったのは、「BBCは歯磨き粉を扱っていない。私たちは真実を扱っている」というものだったかもしれない。公共放送、公共への奉仕という原理原則を基礎にしている組織が、必ずしも正直ではなかったという告発は、BBCに打撃を与えるだけの力がある。 (英語記事 Carrie Gracie tells MPs of BBC pay 'insult')

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    日本のスマホゲーム「旅かえる」、中国で大流行

    2018年02月01日 13:02 公開 ウェイ・チョウ記者、BBC中国語 自由気ままに旅する日本のカエルを育てるゲームが、中国で大流行している。 日本のスマートフォンゲーム「旅かえる」が2週間以上、アップル社中国版アップストアの無料ゲームランキングで1位を占めている。 ゲームは日本企業ヒットポイントが開発したもの。日本語版のみだが、操作は簡単だ。 小屋に住む、かわいい緑色の小さなカエルを育てるゲームだ。カエルは小屋の中で食事したり、文章を書いたり、鉛筆を削ったりする。ときには、本を読みながらうとうとすることもある。 飼い主は庭先でゲーム内の主要通貨、クローバーを集めることができる。3時間ごとに庭をスワイプ(指を画面に触れたまま滑らせる)すれば、クローバー20本を集められる。もしくは、クローバーが育つのが待てなければ、実際のお金で買うことができる。 しかし、それ以外はほとんどカエルをコントロールできない。それがなにより、このゲームの面白いところだ。カエルはしょっちゅう家を出て、日本各地を自由気ままに旅して回る。 カエルがいつ旅に出るか、いつ戻ってくるか、何を持って帰ってくるのか、まったく分からない。出かけてから数時間で帰宅するときもあれば、4日間も戻ってこないこともある。 絵葉書やクローバー、おみやげを送ってくれることもあれば、飼い主に全く何もしてくれないこともある。 飼い主はまったく、カエルをコントロールできないし、交流もできない。飼い主にできるのは、放浪するカエルに、食事や道具、お守りを用意することだけだ。 親とはこうしたもの シェンさん(27)はBBCに、「このゲームを気に入っている。カエルは好き勝手に動いているし、自分はあれこれしなくてもいいので」と話した。 シアンさん(25)はBBCに、友達が中国版フェイスブック「微信(ウィーチャット)」で写真を共有しているのを見て、自分も1週間前にカエルの飼い主になったと話した。 「仕事が退屈なので、職場でほぼ10分おきに自分のカエルをチェックしている。カエルが旅先から送ってくれる写真が、本当に素敵」とシアンさん。 「私が実家にいないと、うちの母親は早く戻ってきてと言うけど、いざ実家に帰ると今度は、どこか出かけなさいよと言われる。自分のカエルへの気持ちもまさにそれと一緒」とシアンさん。 「でもカエルが自分の写真ばっかり送ってくると、やきもきする。うちのカエルは人付き合いが下手で、友達も作らないの!」 「今日はネズミと一緒の写真を送ってきて、うれしくて泣きそうなった。カエルにやっと友達ができた!」 アプリに関する市場データを提供する米国拠点のアップアニー社の最新データによると、「旅かえる」は昨年12月の配信開始以来、中国のアップストアで390万回以上、ダウンロードされている。 中国のプレイヤーたちは、我が子のようなカエルのためにアプリ内課金で累計200万ドル(約2億2000万円)以上をつぎ込んでいる。 一方の日本では、アップストアとグーグルプレイで合計40万ダウンロード、ユーザー課金は累計10万ドル(約1100万円)にとどまっている。 では「旅かえる」の魅力とは一体何なのか? 「90年代以降生まれの世代にぴったりです。私たちは仕事で大忙しなので」とシェンさんは言う。 中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」で「旅かえる」が急速に広まるのを見て、シェンさんはすぐさまダウンロードした。そして今では頻繁に携帯でカエルの最新状況を確認している。 「アプリを開くたびに、どうなっているかわくわくします。カエルが旅をしているのか、どんな写真を送ってきたのか知りたい。まるで自分の息子です」 カエルが旅をしている間は、シェンさんは別の方法をみつけて時間をつぶす。 シェンさんはメッセージアプリ「微信(ウィーチャット)」で、「子供に巣立たれた90年代以降生まれの親が、ぬくもりを求めて寄り添う」グループを作っている。グループ内で若者たちは親心を共有し合い、カエルがいない時間を過ごしている。 中国では何かにつけてそうだが、「旅かえる」には政治的な側面も派生している。 プレイヤーの中にはカエルへの愛を、江沢民氏へのファン心理を結びつける人もいるのだ。 が驚くほど多くのファンを引き付けている現象「膜蛤」(カエルにひれ伏す=江氏を尊敬することを指す)に結びつける人もいる。 江氏は1989~2002年の国家主席だ。近年では、当時はまだ生まれていなかったような中国の若者たちから予想外の人気を集め、その現象は「膜蛤」(カエルにひれ伏す=江氏を尊敬することを指す)と呼ばれる。 江氏はその外見から、「カエル」の愛称で親しまれているからだ。 「自分のカエルに『長者』と名付けている」。中国・西南大学の学生リン・シーさんはウェイボーにこう投稿した。「長者」はネット上でよく使われる江氏の別のあだ名だ。 中国共産党は「膜蛤」については眉をひそめるかもしれないが、今のところカエルのファンは許容しているようだ。 中国共産党機関紙「人民日報」は、ゲームの人気を社会主義の「核心的価値観」を奨励する機会として利用している。つまり、もっと両親に会いに行くよう、若者に促しているのだ。 「旅するカエルは、実家を出た全員と同じだ」と人民日報はウェイボーに投稿した。 「子供の帰りを待つのはどんな気持ちか? さまようカエルの皆さん、どうか忘れずに両親に会いに行って」 (英語記事 Travel Frog: The cute Japanese game that has China hooked)

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    米FBI、共和党幹部の「偏向」資料公開めぐりホワイトハウスに「深刻な懸念」

    2018年02月01日 11:38 公開 米司法省と連邦捜査局(FBI)がドナルド・トランプ米大統領に反して偏っている証拠だとしてと共和党幹部がまとめた資料をめぐり、公表に前向きなホワイトハウスに対してFBIは31日、メモの正確性が疑わしいため、公表について「深刻な懸念を抱いている」と、ホワイトハウスの方針に反対する異例の声明を出した。 米下院情報委員会のデビン・ヌネズ委員長(共和党)のスタッフがまとめた長さ4ページのメモ(資料)には、司法省が外国諜報活動偵察法(FISA)にもとづく偵察活動権限を乱用し、大統領選のトランプ陣営関係者を不当に監視対象にしようとしたと書かれているという。 共和党内からはこの資料の公開を求める声が高まり、情報委員会は29日に公開を求める採決を可決した。一方の民主党は、ヌネズ資料はFBIによるロシア疑惑捜査の正当性を否定するのが狙いだと批判している。 トランプ大統領は今週末までに、機密扱いになっている資料を公表するか判断することになっている。30日夜の一般教書演説の後、トランプ氏が資料公表に自分は「100%」賛成だと共和党議員に話しているのが、電源の入ったままのマイクに拾われた。 ホワイトハウスのサラ・サンダース報道官は翌31日、CNNに対して公表しない「可能性は常にある」と述べた。しかしホワイトハウスのジョン・ケリー大統領首席補佐官は31日午前、フォックスニュース・ラジオに対して、「おそらくかなり近々、公表される。そうすれば世界中が読める」と話した。 ケリー補佐官は、フォックスニュースにトランプ氏が「何もかも表に出して、アメリカ国民が自分で考えを決められるようにしたいと考えている。責任をとるべき人間がいるなら、それも致し方ないことだと」と述べた。 ケリー補佐官の発言から数時間後、FBIはホワイトハウスの姿勢に異を唱える異例の声明を発表。「資料からは、重要な複数の事実が除外されており、それによって資料の正確性が根本的な影響を受けていると、深刻な懸念を抱いている」とFBIは表明した。 FBIはさらに「FISA手続きの正当性が今後も確保されるよう、適切な監察当局と引き続き協力を続けることを重視している」と述べた。 関係者の反応は ヌネズ議員はトランプ氏の当選後、政権移行チームに参加した。議員は自分の資料に関するFBIの声明を受けて、FBIが公表に反対するのは「何も意外ではない」と述べた。 「議会が情報提供要請を1年近く無視し続けたFBIと司法省が、自らの監視活動情報を米国民に提供することについて、もっともらしい反論をしている。それは、何も意外ではない」と議員は述べた。 一方で、下院情報委員会のアダム・シフ筆頭委員(民主党)は、資料を公表すれば「ホワイトハウスがムラー(特別検察官)や、今となってはそれよりおそらくロッド・J・ローゼンスタイン司法副長官を更迭するための、お膳立てが整う。そうすれば、憲政上の危機のリスクが高まる」と懸念を示した。 上院情報委員会のダイアン・ファインスタイン議員(民主党)は、共和党が「特別検察官の捜査を損なおうとしている」のは明らかだと述べ、「極秘機密を政争の具にしていいはずがない」と非難した。 ヌネズ・メモの内容は 問題の資料を点検した複数の議員によると、大統領選のロシア疑惑に関するいわゆる「スティール文書」を根拠に、FBIがトランプ陣営関係者の盗聴監視許可をFISA手続きを通じて得ていたと指摘する内容になっている。 スティール文書は、ワシントンの調査会社「フュージョンGPS」が元英国情報部員のクリストファー・スティール氏に作成を依頼したもの。費用の一部は、ヒラリー・クリントン氏の陣営と民主党が出資した。 FBIの声明に先立ち、司法省はすでに、ヌネズ・メモの公表は「極めて無謀」なことになると表明していた。 下院情報委の民主党議員たちは、ヌネズ・メモに対抗する内容の資料を公表させようと委員会に働きかけたものの、否決された。民主党はヌネズ・メモについて、極秘情報の中から都合のいい情報だけを選別してまとめたもので、国の安全保障を脅かしかねないと批判している。 民主党はさらに、ヌネズ・メモは、FBIとロバート・ムラー特別検察官によるロシア疑惑捜査の信ぴょう性に傷をつけようとするものだと非難している。 これに対してトランプ氏の関係者は、FBIが自分を不当に扱ってきたというトランプ氏の主張を裏付ける資料だと主張している。 トランプ氏は昨年5月に当時のジェイムズ・コーミーFBI長官を解任した後、8月まで長官代行を務めたアンドリュー・マケイブ副長官に対して、2016年大統領選で誰に投票したのか問いただしたといわれている。 大統領から、政治的に民主党偏向だと繰り返し非難されていたマケイブ副長官は29日に辞任した。3月に退任の予定だった。 (英語記事 FBI has 'grave concerns' about controversial Republican memo)

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    トランプ氏、団結を訴え 与野党の反応に明暗

    2018年01月31日 19:25 公開 ドナルド・トランプ米大統領は30日夜、連邦議会を前にした初の一般教書演説で、「アメリカン・ドリームを生き始めるのに、今ほど良い時はない」と強調した。 トランプ氏は、国民に「ひとつのチーム、ひとつの国民、ひとつのアメリカの家族」として一致団結するよう呼びかけたが、与党・共和党と野党・民主党の議員たちの反応は時に対照的だった。

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    チーターに追われたら……どうやって逃げればいい?

    2018年01月31日 16:53 公開 BBCテレビ「BBC One」は1月、世界のネコ科動物をとりあげた自然番組「BIG CATS」を放送している。2年にわたり14カ国で取材した中から、地上最速のチーターを取り上げる。 チーターによる獲物の追跡は自然界でも特に劇的な光景のひとつだが、英王立獣医大学の研究チームによると、狩りの決め手となるのは実はスピードではなく、追跡の最終段階にあるという。

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    カラスはやはり賢い 道具を使うだけでなく自分で作る

    2018年01月31日 16:31 公開 道具を使う動物は人間以外にも色々いるが、自分で道具を作るとなると人間だけ……ではないことが昨年、英セントアンドリューズ大学の研究チームによって確認された。 昨年12がつに生物学術誌「Current Biology」に掲載された論文によると、ニューカレドニアのグランドテール島などに生息するカレドニアカラスは、植物の小枝などからかぎ針状の道具を使って、えさを捕まえている。

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    トランプ米大統領、「新しいアメリカの時」主張 一般教書演説

    2018年01月31日 14:27 公開 強気なドナルド・トランプ米大統領は30日夜、連邦議会を前にした初の一般教書演説で、「新しいアメリカの時」だと宣言した。 テレビのゴールデンタイムに生中継された1時間20分に及ぶ演説で、トランプ氏は民主党に対して協力するため「手を開いて差し伸べている」とも述べた。 トランプ氏はさらに、テロ容疑者を収容してきたグアンタナモ米軍基地の収容施設は継続すると発表し、バラク・オバマ前大統領による閉鎖命令を覆す方針を示した。 米経済は活況を呈しているが、トランプ氏の支持率は低迷を続けている。 しかしトランプ氏は、1年前の「米国の殺りく」などと終末論的で暗い論調だった就任演説とは対照的に、就任から1年を経て自分の政権は「安全で強力で誇り高い米国」を築いていると宣言した。 上下両院の議員を前に大統領は、「アメリカン・ドリームを生き始めるのに、今ほど良い時はない」と強調した。 トランプ氏は、国民に「ひとつのチーム、ひとつの国民、ひとつのアメリカの家族」として一致団結するよう呼びかけた。 外交政策については トランプ氏は北朝鮮について「極悪」と非難し、「核ミサイルを無軌道に追及しており、近いうちに我々の国土を脅かすこともあり得る」と警告。「そうならないよう、最大限の圧力をかける作戦を展開している」と述べた。 トランプ氏は、会場に招かれていた松葉杖の脱北者、チ・ソンホ氏を紹介し、その苦労をねぎらった。 大統領はさらに、過激派勢力「イスラム国」(IS)がかつて支配していたシリアとイラク国内の大部分は、すでに奪還したと述べ、「ISISを打倒するまで戦いを続ける」と約束した。 外国での軍事展開については、過去に前任の大統領2人が一般教書演説でアフガニスタンでの米軍勝利を予測し宣言したが、トランプ氏はいまや米国にとって最長の戦争となったアフガニスタンでの軍事作戦についてはほとんど触れなかった。 アフガニスタンでの治安状況悪化を間接的に認めるかのように、大統領は「米軍はもはや人工的な日程表に足を引っ張られたりはしない」と述べた。 大統領選への介入疑惑が問題となっているロシアについては、中国と共に米国のライバルだと言及するにとどまった。 「手を開いて」 トランプ政権の1年目は、ロシア疑惑や司法介入疑惑のほか、移民政策や医療保険、税制改革をはじめとする政権の様々な政策について与野党が激しく対立してきた。政権に抗議する市民の運動も活発だった。 幼少期に不法移民として米国に連れてこられた若者への保護政策(DACA)を撤廃するという政権の決定に、多くの民主党関係者は強く反発している。 就任1年目の議会演説で大統領はこれについて、「苦しんでいるコミュニティー、特に移民コミュニティーも、米国人労働者と米国の家庭の利益を最優先する移民政策の恩恵を受ける」、「なので私は今晩、民主党と共和党の両方の議員に、手を開いて差し伸べる。あらゆる出身、肌の色、信条の市民を守るために」と超党派の協力を呼びかけた。 その一方で大統領は、包括的な移民政策について与野党が合意するには、民主党が国境の壁建設などで譲歩する必要があると述べた。 合法移民が家族を米国に呼び寄せる際の人数を制限したいと大統領が述べると、民主党議員の中からはブーイングの声も上がった。 大統領は、米国の老朽化した道路などのインフラ整備という得意の計画を推進すると強調したが、具体的な内容には触れなかった。 トランプ氏はさらに、自分の就任以来、新たに240万人の雇用が創出されたと述べた。 米国経済は約10年前の大不況から回復を続けており、トランプ氏の就任以来、ダウ平均株価は約33%上昇し、失業率は17年ぶりの低レベルに下がっている。株価上昇や失業率減少をトランプ氏は政権の成果として強調するが、政権の手柄だという評価が不十分だと大統領はしばしば不満をあらわにしている。 トランプ氏の昨年の平均支持率は38%。調査会社ギャラップ社が調査を開始して以来、就任1年目の大統領支持率としては過去最低という。 民主党の反論は 民主党側の反論は、ジョセフ・ケネディ3世下院議員(マサチューセッツ州選出)が読み上げた。議員は、故ジョン・F・ケネディ元大統領の弟、故ロバート・ケネディ元司法長官の孫にあたる。 37歳のケネディ議員はトランプ氏のお株を奪おうとするかのように、「忘れられ見捨てられたと思っている米国人」を代弁すると述べた。 「分裂した国」を嘆き、トランプ政権が「混沌状態」にあるとケネディ議員は述べ、「大勢がこの1年間、不安にかられ、怒り、怯えて過ごしてきた」と政権を批判した。 「他人をいじめる横暴な連中は、相手を殴ることはできるだろう。あざをつけることもできるだろう。しかし我々のこの米国の歴史上、連中は一度たりとも、未来を守ろうと一致団結する人々の力と心意気にかなわなかった」 トランプ大統領の演説の最中、共和党関係者は繰り返し立ち上がり、大統領の発言に拍手を送り、内容によっては民主党議員が拍手する場面もあった。しかし、アフリカ系米国人の失業率が記録的な低水準だと大統領が述べた際に、多くの議員が立ち上がり拍手するなかで、民主党の黒人議員団がことさらに無表情で着席したままだったのが、強い印象を残した。 アフリカ系米国人の低い失業率が、トランプ政権の手柄なのかについては、歌手Jay-Zさんが27日に大統領の言動をCNNで批判したのに対して、大統領が28日にツイッターで「自分の政策のおかげで黒人の失業率は史上最低になったと、誰かJay-Zに教えてやってくれ」と反論したため、論点として注目されている。 (英語記事 Trump hails 'new American moment' in State of the Union)

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    日本の女性、強制不妊手術で国を提訴

    2018年01月31日 12:37 公開 日本の旧優生保護法で不妊手術を強制された女性が30日、国に損害賠償を求める訴訟を起こした。同法をめぐる国家賠償請求訴訟は初めて。女性は1970年代、15歳のときに手術を強制されていた。 1996年に規定が廃止されるまでの間、日本では優生保護法の下で約2万5000人が、精神疾患やハンセン病などの症状を理由に不妊手術を受けた。そのうち約1万6500件の手術が強制だったとされている。被害者には9歳の子供もいた。 現在60代の女性は、「遺伝性精神薄弱」と診断されて1972年に不妊手術を受けていたことが、家族の調査で昨年夏に判明。今回の提訴に至った。 日本の報道によると、女性は乳児期に受けた口蓋破裂の手術後に知的障害が残り、15歳だった1972年に検査で「遺伝性精神薄弱」と判断され、不妊手術を強制された。 女性はさらに、不妊手術の副作用により、後に右卵巣の摘出を余儀なくされた。 女性は基本的人権を侵害されたと主張して、国に1100万円の損害賠償を求めて提訴したという。 女性の義姉は記者会見で、「妹は法律によって苦しみながら40年を過ごしてきた。障害者であっても明るい生活ができる、よい社会になってほしいという思いで提訴した」と話した。 加藤勝信厚生労働相は訴状が届いていないため、コメントは控えるとしている。 厚生労働省の担当者はAFP通信に対して、政府は支援を必要とする強制不妊手術の被害者と個別に話はするものの、被害者全員に包括的な支援措置を提供する予定はないと話した。 強制不妊手術のもととなった旧優生保護法は、1948年から1996年まで存続した。1996年に「母体保護法」に改正され、優生手術の規定が廃止された。 過去に同様の優生保護政策がとられたドイツやスウェーデンでは、政府が謝罪し、被害者に補償を提供している。 (英語記事 Japanese woman sues government over forced sterilisation)

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    ミサイル誤報でハワイ当局者辞任 当事者は罷免

    2018年01月31日 11:33 公開 ハワイ州で弾道ミサイル飛来の誤報が13日に発信され、訂正に時間がかかった問題で、州の緊急事態管理庁(EMA)の長官ら2人が30日、引責辞任した。誤報を発信した当事者は免職処分になったという。 ハワイ州では13日午前8時7分、住民や旅行者の携帯電話に「緊急警報。弾道ミサイルの脅威、ハワイへ接近中。ただちに避難を。これは訓練ではありません」という緊急メールが一斉送信された。「ハワイ州へミサイルの脅威や危険はありません」という訂正メールが送られたのは、38分後だった。 米連邦通信委員会(FCC)がこれについて30日、原因調査報告書を発表し、「人的ミスと不十分なミス防止策が重なり、この誤報につながった」と指摘した。これを受けて、EMAのバーン・ミヤギ長官とトビー・クレアモント次官が同日、辞任を発表した。 FCCの予備報告書によると、EMAの深夜責任者がシフト交代時の訓練を急きょ実施すると決めた後に、誤報が発生した。続く朝シフトの責任者は、午前8時5分の訓練に朝シフト担当者が関わると知らされず、朝シフト担当も訓練が行われると知らなかった。 訓練用の模擬警報は、米太平洋軍司令部からの通告があったと仮定したもので、冒頭と最後で「練習! 練習! 練習!」と繰り返していた。しかし、送信された警報には「これは訓練ではありません」という文言があった。これはFCCによると、規定の手順とは異なる内容だという。 FCC報告によると、この模擬警報を受け取った3人のうち1人の担当者が「練習!」という注意を聞き取らず、本物だと思い、EMAの警報ソフトウェアを使って本物の警報を発信した。 誤報を本物の警報として送信した担当者の名前は公表されていない。13日の誤報の後、一時的に配置換えとなっていたが、州当局によりEMAから罷免されたという。 FCCによると、この職員は主張を文書で提出する以外は、原因調査への協力を拒否している。 州政府も30日、この職員についてかねてから勤務内容が「不良」だったと報告を発表した。報告によると、同僚たちは10年前からこの職員の能力を不安視していた。少なくとも2回、緊急事態訓練を本物と勘違いしたことがあるという。 FCCは、EMAがすでに事態再発を防ぐための措置を講じており、警報発信には複数人の確認が必要となったと書いている。これまでは、個々の職員は他の職員の確認なしに、警報を携帯電話や州内のテレビ・ラジオに発信することができた。さらに、万が一誤報を出してしまった場合の対応手順を整えていなかったため、正式な修正までにソーシャルメディアに頼る羽目になったという。 FCCは、EMAは「異例な」数の警報訓練を予告なしに繰り返しており、それが「ミス発生の可能性を高めた」と指摘している。 (英語記事 Hawaii false alarm: Officials quit over missile alert)

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    世界を揺るがす――分子の「はさみ」で遺伝子を編集

    2018年01月30日 19:10 公開 2012年にCRISPR-Cas9(クリスパー・ キャス9)という遺伝子編集技術が発見され、大々的に発表された。簡単にいえば、「クリスパー」は「分子のはさみ」を使い、DNAの特定の場所を切ったり置き換えたり修正したりして、DNAを改変する。 「クリスパー」技術を臨床で応用できるように開発を進める複数の企業のうち、米インテリア・セラピューティクスを取材した。

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    列車で起きたら膝に100ポンド、見知らぬ人に英国人女性が感謝

    ベケット大学の卒業生。最終学年の時、勉強に専念するためアルバイトを諦めたため、借金ができてしまったとBBCに話した。 「素晴らしい人」 「自分がどれだけ金欠で、どれだけお金のことが心配かを母親に話して、落ち込んでしまった」とジョハンセンさんはフェイスブックに書いている。 目が覚めて現金を見つけ、見知らぬ人の優しさが「あまりにありがたく」て、泣き出してしまったという。 ジョハンセンさんは「父と父方の祖父母を両方ともなくして、ひどい18カ月間だったけれども、世界は優しいし、善い人たちがいると実感できた」とも書いている。 「助けてくれた人に、どれほど素晴らしい人か伝えたい。あなたのおかげでどれほど元気が出たか、どれほどありがたかったかと」 ジョハンセンさんは自分も慈善活動にボランティアとして参加することで、自分が受けた「優しさを次の人へ」つなげたいと話している。 (英語記事 Train passenger wakes to find £100 gift from stranger)

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    アイルランドで妊娠中絶禁止めぐる住民投票、5月実施へ

    2018年01月30日 16:22 公開 アイルランド政府は29日、人工妊娠中絶を事実上禁止する現行憲法について、住民投票を5月末に実施することで合意した。 住民投票では、中絶を事実上禁止した1983年の憲法修正条項を廃止するかどうかが問われる。 アイルランドでは現在、女性の生命が危険な場合のみ中絶が認められているが、強姦や近親相姦、胎児異常の場合は認められていない。 リオ・バラッカー首相は、自分は憲法改正のために運動すると明らかにした。 住民投票ではいわゆる「憲法修正第8条」と呼ばれる憲法第40条3項3を維持するか、廃止するかが問われる。 1983年の住民投票で成立した修正第8条は、「まだ生まれていない者の生存権を認め」ている。これによって、女性と胎児の生存権は同等だとみなされる。 5月の住民投票に先駆けて、保健相が新法案を作成する。法案では、妊娠12週間までの中絶は無制限に認め、特別な場合に限っては12週間以後も可能とする。 アイルランド議会が審議した後、具体的な投票日を決める。 「白黒はっきりしていない」 女性の中絶権を求める人たちは、長年にわたり法改正を求めてきた。昨年には、議会の超党派委員会と市民集会の双方が、修正第8条の撤廃を推奨した。 バラッカー首相は、「これはアイルランド人にとって、難しい決断になると分かっている」と述べた。 「これは非常に個人的かつプライベートな問題で、ほとんどの人にとっては白黒がはっきりしている話ではない。妊婦の権利と、胎児ないしは生まれていない者の権利の間で、どうバランスをとるかという、グレーな問題だ」 かつて保健相も務めたバラッカー首相は、アイルランドでは毎年、数千人の女性が中絶のために外国へ渡ったり、インターネットで注文したピルを自宅で飲んでいることを認めた。 バラッカー首相は、「ここ数週間で多くの人、主に男性が、自分たちが体験した個人的な道のりについて語った。しかし、何より悲しく孤独な旅をするのは、何千人というアイルランドの女性たちだ。妊娠を終えるために外国へ行く、女性たちの悲しみと孤独を忘れてはならない。そんな旅はしなくてもいいはずだ」とツイートした。 https://twitter.com/campaignforleo/status/958106676321759232 首相はさらに、現在アイルランドで受けられるで中絶は「安全でないし、きちんと規制もされていないし、違法だ」と指摘。「こんなことは起こらなくてもいいし、変えられる。変える力は、私たちの手にある」と強調した。 英保健省の統計によると、2016年にイングランドやウェールズの施設で中絶手術を受けた女性のうち、3265人がアイルランド在住だった。 アイルランド女性協議会(NWCI)は29日の発表を歓迎した。 オーラ・オコナー会長は「妊娠はどれも事情が違うし、妊娠に関する決定はどれも非常に個人的なものだ。アイルランドの女性や女の子たちは、尊厳を認められる権利がある。プライバシーや家族、そして家庭を守られる権利がある」と表明した。 アイルランドにおける人工中絶 現在アイルランドではほぼ全面的に、人工中絶は禁止されている。 強姦や近親相姦、あるいは胎児に異常がある場合でも、中絶は認められていない。そのため、毎年数千人の女性が中絶のために外国に渡っている。 1983年の住民投票で成立した憲法修正第8条は、「まだ生まれていない者の生存権を認め」、胎児と女性の権利を同等に位置づけた。しかし近年では、この条項への批判が強く、母体を守るための法改正が導入されてきた。 中絶容認を求める動きは2012年に加速した。インド人のサビタ・ハラパナバールさんがゴールウェイ大学病院で流産しかかっていたところ、中絶手術を拒否され死亡したことがきっかけとなった。 その翌年、合併症で女性の命に危険が迫っていたり、女性が自殺する可能性が高いと医師が判断した場合、中絶が認められる法改正が成立した。 ハラパナバールさんが死亡した20年前の1992年には、強姦被害を受けた14歳の少女が中絶手術を受けるためにイングランドへ渡航しようとしたところ、渡航を阻止された。 少女の匿名を守るため「事件X」と呼ばれたこの裁判は、アイルランドの最高裁が渡航禁止命令を覆して終わった。 その後の国民投票で、修正第8条は外国への渡航を禁止するものではないという、追加修正が認められた。 (英語記事 Irish abortion referendum: Vote to be held in May)

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    カンボジアで外国人が集団で性行為のまね ポルノ撮影疑いで10人訴追

    2018年01月30日 15:24 公開 カンボジアの検察当局は25日、集団で性行為のようなまねをしてその様子を撮影したとして、英国人5人を含む10人の外国人を訴追した。 北西部シェムリアップの別荘におけるパーティーに集まった複数の外国人が、大勢で性行為のような振る舞いをしている画像がインターネットに掲載され、逮捕につながった。 有罪になれば、最長1年の実刑判決を受ける可能性がある。 報道によると、逮捕された中には英国人の他にカナダ人、ニュージーランド人、オランダ人、ノルウェー人が含まれる。 (注意 この下に掲載した写真を不快に思う方もいるかもしれません) ただし、写真には写っているものの、逮捕されなかった人も何人かいると言う。 英外務省は、逮捕された英国人たちを支援していると発表した。 英通信社プレス・アソシエーション(PA)によると、カンボジア警察は外国人たちが集団でパブめぐりをする最中に、この別荘に立ち寄ったとみている。 現地駐在の外国人が運営するウェブサイトに掲載された写真では、着衣の人たちが別荘の床に横になり、性行為のまねをしているように見える。 逮捕された1人は拘置所から、約30人の警察官が「混乱状態で別荘に押し入り、強制捜査を行ったとPA通信に説明した。 「強制捜査で、一斉に取り押さえられた。パーティーには80人から100人ぐらいいた。何人かは観光客だった」 逮捕者の母親はPA通信に対し、逮捕者たちは「何が書いてあるか分からない」クメール語の書類に署名を強いられたと話した。 シェムリアップは、カンボジアで特に有名な観光地、アンコールワットの遺跡に近いため、観光客に人気だ。 バックパッカーや、低予算旅行の観光客も行きやすくなったため、シェムリアップの夜の娯楽産業はここ数年で急成長している。 しかしこのため時には、ナイトライフを楽しむ観光客と、保守的なカンボジア社会の価値観が衝突する事態も起きている。 シェムリアップ州警察で人身売買対策と青少年保護を担当するドゥオン・タウリー氏はAFP通信に対し、10人の外国人を逮捕したのは、「我々の文化に反する行動を取ったため」だと説明した。 (英語記事 Cambodia charges foreigners with making porn after fake orgy)

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    CIA長官「ロシアは米中間選挙を狙うだろう」

    :18 公開 ゴードン・コレーラ安全保障担当編集委員 米中央情報局(CIA)のマイク・ポンペオ長官はBBCに、今年11月に行われる米連邦議会の中間選挙をロシアが狙うだろうと話した。 ポンペオ長官は、ロシアは依然として欧州や米国の政治に介入しようとしており、その動きは衰えていないと述べた。 長官はさらに北朝鮮について、米国を核攻撃する能力を「ほんの数カ月以内」に手にするかもしれないとの見方を示した。 米国の複数の情報機関は2016年末、ロシアが同年の大統領選に介入したと断定した。 ポンペオ長官はほぼ毎朝、トランプ大統領に最新機密情報を報告している。長官は、トランプ氏の大統領としての能力を疑う最近の一部報道を、「くだらない」と一蹴した。 バージニア州ラングレーのCIA本部7階にある長官の会議室には、歴代長官と、それぞれが仕えた大統領の写真が並んでいる。 そしてポンペオ氏は、トランプ大統領の下のCIAについて、明確なビジョンを持っている。 ポンペオ氏はBBCに、「我々は世界最高の諜報機関だ」と話した。 「我々は現場に出て、米国人のためにとことん努力して秘密を盗んでいる。そのための最高の態勢を回復したかった」 長官就任から1年たった今、自分の使命はCIAをしがらみから解放して思う存分、活動させることだと言う。 CIAは予測不能な世界で活動する組織だ。CIAの情報分析は軍事行動の根拠となるだけでなく、政治論争の原因にもなりえる。 ロシアとの関係については、対テロ作戦で協力することはあるものの(CIAは昨年12月、ロシアのサンクトペテルブルグのテロ攻撃阻止に貢献した)、ポンペオ氏は今ももっぱらロシアを敵とみなしている。同様にロシアを警戒する欧州諸国と共に、ロシアの介入工作を懸念している。「ロシアの工作活動は失速していない」。 その懸念は今年11月の米中間選挙にも関わるのかと尋ねると、長官は「もちろんだ」と答えた。 「ロシアは確実に、そこでも介入しようとするはずだ。しかし同時に、米国は自由で公平な選挙を実施できるはずだと、確信している。ロシアによる選挙介入が結果にさほど影響しないよう、我々は精力的に対抗するはずだ」 米国はロシアの介入に対抗策をとっているとポンペオ氏は話す。情報の発信元確認なども必要な作業だったが、これはCIA本来の任務ではない。それでもCIAは妨害工作の背後関係特定に協力し、技術力を使ってロシアの工作阻止に関わった。 米国の複数の情報機関は、ロシアが2016年大統領選に介入したと結論している。しかし、トランプ氏はこれと対照的に、介入の主張を一蹴しがちだ。ということは、CIA長官としてポンペオ氏は、難しい綱渡りを必要とされているのだろうか。 「自分は綱渡りなどしない。自分にとって大事なのは真実だけだ。我々はほぼ毎日、CIAが知りえた最重要機密の真実を、大統領に直接伝えている」と長官は言う。 長官は、トランプ氏と自分が共にワシントンにいる場合はほぼ毎日、最新情勢や戦略などについて、大統領に報告している。大統領の海外訪問や外国首脳との会談前には、相手に対して「優位になれる情報」を提供するよう心がけている。 「大統領は我々が提供する情報に、強い関心を抱いているという意味で、集中力が高い。特定の内容について我々の判断の根拠を理解したがるという意味で、強い関心を抱いている」 「炎と激怒」の「たわごと」 ポンペオ氏は、トランプ氏の知的能力を疑問視する話題の近刊「Fire and Fury: Inside the Trump White House(炎と激怒――トランプ政権の内側)」に否定的だ。 「ばかげている。その本は読んでいない。読むつもりはない」 「大統領が職務に前向きでないとか、こうした重要な問題を理解していないなどの主張は、危険で誤っている。時間をかけてあんなたわごとをわざわざ書く人がいたと思うと、悲しくなる」 トランプ氏のツイートや外交政策をめぐる率直な物言いは、大統領として異例のものだ。トランプ氏は北朝鮮の金正恩氏をロケットマンと呼び、金氏の核兵器のボタンと比べて自分のボタンの方が大きいとも自慢した。 しかしポンペオ氏は、大統領の一連の公的発言のおかげで、金委員長にも他国の指導者たちにも、現状がいかに危険なものか知らしめることができたと主張する。 「大統領はあえてあのような表現を使っている。大勢が聞いているので。(中略)米国は本気だというメッセージで、金正恩もそれを理解しているはずだ」 ポンペオ氏はまた、北朝鮮への制裁強化を中国が国連で認めるなど、中国の姿勢にも変化が出ていると指摘しながら、中国にできることはまだあると述べた。 北朝鮮の核開発は、CIAにとって優先課題のひとつだ。「核兵器を米国に到達させる能力を、ほんの数カ月の内に手にするだろうと、そういう話をしている」と長官は言う。 「(北朝鮮の)リスクを外交以外の手段で減らし続けるための選択肢を、大統領に与えるため、必要な機密情報を大統領に確実に届けるのが、我々の任務だ」 ポンペオ氏は、北朝鮮と全面対決になれば甚大な破壊と人命損失につながり得ること、大統領も政権幹部も「意識」していると話した。 金正恩氏を排除すること、あるいは金氏が核ミサイルを発射できないようにすることは可能かと尋ねてみた。すると長官は、「可能なことは色々ある」と答えたものの、それが具体的にどういう意味かは明らかにしなかった。 (英語記事 Russia 'will target US mid-term elections' says CIA chief)

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    米FBI副長官が辞任 トランプ氏が繰り返し非難

    2018年01月30日 11:40 公開 米連邦捜査局(FBI)のアンドリュー・マケイブ副長官(49)が29日、辞任した。ドナルド・トランプ米大統領はこれまで繰り返し、副長官が政治的に偏向していると非難を重ねていた。 米CBSニュースは、FBIに対する監察総監報告の発表に先立ち、クリストファー・レイFBI長官がマケイブ氏に辞任するよう圧力をかけたと伝えている。マケイブ副長官はそもそも、3月18日に退任予定だったとされる。 CBSによると、レイ長官は内部書類で、FBIは最高の基準に照らして活動しなくてはならないという監察総監報告を受けて、マケイブ副長官の辞任が必要だと書いているという。 29日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、レイ長官が監察総監報告の前に、副長官の降格も検討していたと伝えている。 監察総監報告がいつ公表されるのかは、はっきりしない。 ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官は29日の定例記者会見で、「これはホワイトハウスによる決定ではない」、「この決定過程に大統領は関わっていない」と述べた。 なぜ重要なのか マケイブ氏は昨年5月にトランプ氏が、当時のジェイムズ・コーミー長官を解任した後、しばらく長官代行を務めていた。 コーミー氏はFBI長官として、2016年米大統領選にロシアが介入した疑いの捜査を指揮し、ロシアとトランプ陣営とのつながりも調べていると下院で証言した。 コーミー長官解任後、トランプ氏はレイ氏を後任のFBI長官に指名した。ブッシュ政権の司法次官補などを経験していたレイ氏は、昨年8月に上院で承認された. ワシントンを拠点とする米オンラインメディア「アクシオス」によると、レイ長官は最近、ジェフ・セッションズ司法長官にマケイブ氏罷免の圧力をかけられ、自ら辞任すると反発していたという。 マケイブ氏は連邦職員としての退職金と年金受給資格をすでに得たため、かねてから2018年の早い時期に退任する予定だったという。CBSニュースによると、今回さらに退任時期を早め、すでに有給休暇を消化中。 コーミー氏は29日、マケイブ氏辞任についてツイッターで、「アンドリュー・マケイブ特別捜査員はこの8カ月間、我々全員が頼みにする組織をつまらない連中がばらばらにしようとする間、堂々と立ち続けた。彼は20年にわたり、優秀に仕えた。アンディの今後を祝いたい。そして、残るFBIが引き続き、力強くあり続けるよう願いたい。アメリカには君たちが必要だ」とツイートした。 https://twitter.com/Comey/status/958145125120663553 トランプ氏は繰り返し非難 マケイブ氏の妻、ジル・マケイブ医師は2015年にバージニア州議会の上院選に民主党候補として出馬し、落選している。その選挙資金として、民主党の大統領候補だったヒラリー・クリントン氏に近い政治資金団体から50万ドル(約5500万円)近い寄付金を受け取っていた。 トランプ氏はこれについて、マケイブ副長官を繰り返し非難し、ツイッターでも副長官を「コーミーの仲間」と攻撃した。昨年12月23日のツイートでは、「ヒラリー・クリントンへの偽捜査(違法に削除したメール3万3000通も含む)を、リーク屋ジェイムズ・コーミーと一緒になって指揮してたアンドリュー・マケイブFBI副長官が、捜査中に、妻の選挙戦に、クリントンの操り人形から70万ドルを受け取ってたって、どういうことだ?」と書いている。 https://twitter.com/realdonaldtrump/status/944665687292817415?lang=en トランプ氏はさらにこの日、「FBIのアンドリュー・マケイブ副長官は、年金満額で退職できるまで、大急ぎだ。あと90日?!!!」と、マケイブ氏の在職残り日数を数えるようなツイートもしている。 トランプ氏は昨年7月には、「FBIのトップ代行でヒラリーの捜査の責任者、アンドリュー・マケイブは女房のためにHから70万ドルもらってるのが問題だ!」とツイートしていた。 23日付の米紙ワシントン・ポストによると、トランプ大統領の就任から間もなくマケイブ氏がホワイトハウスを表敬訪問した際、トランプ氏はマケイブ氏に繰り返し、大統領選で誰に投票したのかを問いただしたという。マケイブ氏は大統領の質問を異例のことと感じ、自分は投票しなかったと答えたと、複数の現職と元職の消息筋が同紙に明らかにしたという。 さらに、29日付の米NBCニュースによると、昨年5月にコーミー長官を解任した後、トランプ大統領はマケイブ氏に電話をかけ、なぜ解任されたばかりのコーミー氏が出張先のロサンゼルスからワシントンへ戻るのに、FBI専用機を使わせたのか詰問したという。消息筋によると、同じ通話で大統領は続いてマケイブ氏に対して、マケイブ夫人の落選をあてこすり、「負け犬になるのはどういう気分か」聞いてみるようにと告げたという。 利益相反があったのか 最近になって公表されたFBI関係者の内部メールからは、妻が民主党から出馬した以上、マケイブ氏はクリントン氏の私用メール問題捜査から身を引くべきだという意見が、FBI内にもあったことがうかがえる。 2016年10月28日のやりとりで、FBIのピーター・ストローク捜査員が同僚のリーサ・ペイジ捜査員に、FBIの首席補佐官は「『見られ方』の問題があるから、アンディ(マケイブ氏)は捜査から身を引くべきだと、100%確信している」と書いている。 マケイブ氏は結局、同年11月8日の大統領選の1週間前に、クリントン氏関連の捜査から身を引いた。 共和党が主導する上下両院の委員会は、FBIによるメール問題捜査について調査を開始し、FBIがクリントン氏をひいきしたかどうかを調べている。 これに対して民主党は、ロバート・ムラー特別検察官が率いるロシアとトランプ陣営の結託疑惑捜査から、世間の目をそらそうとしているだけだと反発している。 (英語記事 FBI deputy director Andrew McCabe quits ahead of agency review)

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    SNSの「フォロワー工場」を捜査へ 米ニューヨーク州

    2018年01月29日 16:39 公開 米ニューヨーク州のエリック・シュナイダーマン司法長官は28日、ソーシャルメディアのユーザーに大量の偽フォロワーを販売したとされる会社について、捜査に着手すると発表した。 27日付の米紙ニューヨーク・タイムズによると、問題の会社「Devumi(デブーミ)」は、他人の身元を盗み、ソーシャルメディアのユーザーに大量の偽フォロワーを売った疑い。同社はこれについて否定している。 米ニューヨーク州のエリック・シュナイダーマン司法長官は28日、「ニューヨークの法律では、なりすましや詐欺は違法だ」とツイートした。 ニューヨーク・タイムズは、「デブーミ」に関する詳しい調査報道記事で、多数の著名人アカウントが同社の「フォロワー工場」に関係していると書いた。 同紙は、自分のアカウントやプロフィール写真をコピーされて、本物そっくりの「ボット」を作られたという複数人から話を聞き、こうした「ボット」からのフォローを著名人が金で買っていると書いた。 「ボット」のフォローを買っているなかには、フォロワー数を増やしたい俳優や起業家、政治コメンテーターなどが含まれているという。 ソーシャルメディアでは、フォロワー数が多いと影響力も大きくなる。フォロワー数の多いアカウントは世論に影響を与えることもあるし、仕事やスポンサー契約などの具体的な利益につながることもある。 シュナイダーマン長官は、このような「不透明な」事業は民主主義を損なう恐れがあると表明している。 長官はツイッターで「ボットが増え続けると、開かれた場所での対話から本当の声がかき消されてしまいがちだ。フォロワーを金で増やせる人間が、見せかけの影響力を得てしまう」と警告した。 https://twitter.com/AGSchneiderman/status/957290420077199362 長官はさらに、「ニューヨーク州法では、なりすましや詐欺は違法だ。デブーミと、アイデンティティを盗んで作ったボットの販売について捜査を始める」とツイートした。 https://twitter.com/AGSchneiderman/status/957289783490957312 ウェブサイトを見ると、デブーミ社は顧客に対し、ツイッターのフォロワー最大25万人までの注文を受け付けている。価格は12ドル(約1300円)から。「いいね!」やリツイートも購入できる。 Pinterest(ピンタレスト)やリンクトイン、サウンドクラウドやユーチューブなどについても、フォロワーを販売している。 ウェブサイトには「私たちは20万以上の事業、著名人、音楽家、ユーチューバー、その他のプロを支援してきました。注目度を高め、客に大きな影響を与えられるよう、お手伝いしてきました」と書かれていた。 会社登記はニューヨーク市だが、ニューヨーク・タイムズ紙によるとこれは見せかけで、実際の事務所は米フロリダ州にあるという。また、フィリピンでも従業員を雇っているという。 ツイッターはニューヨーク州の捜査着手を受けて、デブーミや同様の業者を阻止するため取り組んでいると発表した。 ツイッターの広報アカウントは、「デブーミ社が弊社などのプラットフォームで使っていると、ニューヨーク・タイムズが今日伝えたやり口は、我々の規則に違反しており、容認できない。デブーミやほかの類似企業を阻止すべく、取り組んでいる」とツイートした。 https://twitter.com/TwitterComms/status/957316490889347072 ツイッターはかつて、この問題に真剣に取り組んでいないと非難されていた。同社はボットに関する調査の内容を、「不正確で、調査手法に欠陥がある」などと、往々にして相手にしてこなかった。 ツイッターは自動アカウントそのものは認めているが、自動アカウントの売買は厳しく禁止している。同社は、フォロワーやリツイート、あるいは「いいね」を買っていたと判明したアカウントは、停止する方針を示している。しかし、同社関係者はニューヨーク・タイムズに対し、証明するのが難しいため、実際にはほとんど停止していないと語った。 記事によると、デブーミは少なくとも350万人分の自動アカウントを保有し、その多くを何度も販売している。そのうち少なくとも5万5000アカウントが、「未成年も含めた実際のツイッター利用者の名前やプロフィール写真、出身地、そのほかの個人情報を使用している」という。 「こうしたアカウントは、活況なネット影響力経済における偽造通貨のようなものだ。巨大な観客へのリーチ、あるいは少なくともその幻想は、金銭化できる。今や政府や犯罪者、起業家が使う偽アカウントは、ソーシャルメディアに蔓延している」とニューヨーク・タイムズは書いている。 関係するアカウントは 記事によると、多くの有名なツイッターアカウントが、デブーミ「工場」製アカウントにフォロワーされている。またデブーミの顧客は政治姿勢の左右を問わず、リベラル系ケーブルテレビの評論家や右派オンラインメディア「ブライトバート」の記者、中国国営新華社通信の編集者なども含まれるという。 たとえば、英起業家で貴族院議員のマーサ・レイン・フォックス氏のアカウントは、「1年以上にもわたり、フォロワーを購入し続けていた」という。同氏が2016年4月にツイッターの取締役になった数日後には、フォロワーが2万5000人急増していた。同氏はニューヨーク・タイムズに対し、「従業員が勝手にやったこと」と説明している。 英国のテレビで有名なシェフのポール・ハリウッド氏のアカウントも、デブーミ社が運営するアカウントにフォローされていた。ニューヨーク・タイムズが取材のためにメールを送った直後、同氏のアカウントは削除された。 米CNNの政治コメンテーター、ヒラリー・ローゼン氏はフォロワー50万人超を購入していた。ただし、その大半は削除されている。ローゼン氏は、「どうなるのか試すため、数年前に実験として試してみた」と説明した。 鉄工所作業員から米政界入りを目指しているランディー・ブライス氏は27日、ブロガーだった2015年当時、実験としてフォロワーを購入したとツイートした。ブライス氏は2018年中間選挙で、共和党幹部のポール・ライアン下院議長の議席を奪おうとしている。 https://twitter.com/IronStache/status/957367157091946504 (英語記事 New York investigates company accused of selling fake Twitter followers)

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    コインチェック、460億円の返金を約束 不正アクセス受け

    2018年01月29日 15:35 公開 日本の仮想通貨取引所大手のコインチェックが28日、外部からの不正アクセスで流出した顧客の仮想通貨約580億円について、大半を返金すると発表した。 東京を拠点とするコインチェックは26日、流出した仮想通貨「NEM(ネム)」の保有者約26万人に対し、流出総額約580億円の約9割にあたる460億円超を、自己資金で返金すると約束した。 26日に不正流出が判明した後で同社は、NEMの損失額を評価するため、ビットコイン以外の全ての仮想通貨の売買や入出金を停止した。 流出したNEMは、ネットワークから切り離してオフラインで管理する「コールドウォレット」ではなく、常時ネットワークにつながっている「ホットウォレット」で管理されていたという。 同社は、NEMが送金されたデジタルアドレスを把握していると説明している。 日本では、仮想通貨での支払いを受け入れる店舗は1万店以上とされる。 2014年には同じく東京を拠点とする取引所「マウント・ゴックス」で、465億円分がネットワークから盗まれたことが判明し、マウント・ゴックスは経営破綻(はたん)した。 どういうハッキングだったのか 同社は発表文で、26日午前2時57分にハッカーの攻撃を受けたが、8時間半後の同日午前11時25分まで不正アクセスに気づかなかったと明らかにした。 同社の大塚雄介取締役によると、この間、コインチェックのNEMアドレスから5億2300万NEMが流出した。 大塚氏は東京証券取引所で記者団に対し、「検知した時点でのレートに換算すると、日本円で約580億円相当になる」と話した。 流出に気づいたコインチェックは次に、被害を受けた顧客数を確認し、ハッキングの出発点がが国内か国外かを調べたという。 大塚氏は、「(NEMが)送られた先というのは分かっています。そこを追跡し、そこからどこかに移っていきますので、そこでそれを把握さえできれば戻ってくるかもしれません」とも話した。 コインチェックは被害について、警視庁と日本の金融庁に報告している。 被害の影響は NEMは時価総額で10番目の仮想通貨だが、米ブルームバーグ通信によると、NEMの時価は24時間で11%下落し、87セントになった。 ブルームバーグによると、ほかの仮想通貨では26日、ビットコインが3.4%、リップルが9.9%それぞれ下落した。 今回の被害額は、2014年にマウントゴックスが85万ビットコインを消失したとされた時よりも大きい。マウントゴックスはその後、古いデジタルウォレットに20万ビットコインが残っているのを発見していた。 マウントゴックスの破綻はデジタル通過の世界を揺るがした。日本ではその後、コインチェックのような仮想通貨交換業者の規制強化のため、金融庁の登録制度が導入された。 英ロンドンのADMインベスター・サービシズ・インターナショナルのストラテジスト、マーク・オストワルド氏はブルームバーグに対し、「どういう影響が長続きするのか? それは分かりにくい」と指摘する。 「日本は20カ国・地域(G20)の中でも、最も仮想通貨の取引に肯定的な国の一つだ。徹底的な取り締まりはしたくないはずだ。なので、日本の規制当局がそもそも反応するのか、反応するとしたらどう反応するのか、興味深い」 コインチェックとは コインチェックは2012年、東京で設立された。昨年8月時点の従業員数は71人だった。 本社は、スタートアップ企業に人気の渋谷区にある。マウントゴックスも渋谷が拠点だった。 コインチェックは昨年12月、人気芸人の出川哲朗氏を起用したテレビコマーシャルところだった。 東京在住の佐藤邦彦さん(30)は共同通信に対し、この取引所に約50万円を預けていたと話した。 「日本では法整備が進んでおり、こんなことになるとは思っていなかった」と佐藤さんは話したという。 仮想通貨の仕組みは 法定通貨は国や中央銀行が発行するものだが、仮想通貨は「マイニング(採掘)」と呼ばれる複雑な手順で生まれる。「ブロックチェーン」と呼ばれる技術を使って、世界中のコンピューター・ネットワークから取引が監視される。 普通の法定通貨と異なり、大量の種類の仮想通貨が、主にオンライン上に存在している。 仮想通貨の価値は、どれぐらいの人が売買を希望するかによって決められる。 デジタル通貨というより、資産として考えた方が分かりやすいかもしれない。例えば仮想通貨ビットコインの保有者の大半は、投資家のようだ。しかし仮想通貨の匿名性は、犯罪者にとっても魅力的なものだ。 (英語記事 Coincheck promises 46bn yen refund after cryptocurrency theft)

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    アフガン首都でまた攻撃 国防大学近くの基地で攻撃 10人以上死傷

    日に、救急車を使った自爆テロで100人以上が死亡したばかり。 国防省報道官のダウラト・ワイジリ将軍はBBCに、アフガン兵10人も負傷したと話した。武装集団は5人で、2人は自爆して死亡し、2人は治安当局が殺害したが、1人は逮捕したという。報道官は、現場から自動小銃AK47を4丁、自爆チョッキを1つ、ロケットランチャーを1台、押収したと話した。 地元トロ通信が伝えた大統領報道官の話によると、襲撃犯はいずれも最初のゲートを突破できなかったという。 攻撃は現地時間午前5時(日本時間同9時半)ごろ、カブールの西にあるアフガニスタン軍基地で始まった。基地の隣には、ファヒム元帥国防大学がある。昨年10月には国防大学前の爆発で、士官候補生15人が死亡した。 過激派勢力「イスラム国」(IS)のアマク通信によると、ISが犯行声明を出した。 ISは、アフガニスタン東部ジャララバードで24日に起きた、慈善団体セーブ・ザ・チルドレンの事務所への襲撃についても、犯行声明を出している。事務所襲撃では職員3人と兵士1人が死亡。セーブ・ザ・チルドレンはアフガニスタンでの活動を一時停止すると発表した。 27日の救急車自爆テロについては、反政府武装闘争を続けるイスラム主義強硬派のタリバンが犯行声明を出している。カブールでは20日にも市内の高級ホテルが武装勢力に襲撃され、22人が死亡しており、これについてもタリバンが犯行声明を出した。 (英語記事 Kabul military academy hit by explosions and gunfire)

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    アフガン首都、救急車使う自爆攻撃の犠牲者追悼 死者100人超す

    タリバン系列の「ハッカニ」がパキスタンからの協力を受けて実行したと非難している。 カブールで取材するBBCパキスタン特派員のセクンデル・ケルマニ記者によると、病院の前にいた男性が、今回を含めて相次ぐ攻撃を防げなかったと、政府の対応不足を批判した。 ケルマニ記者は、以前はアフガニスタン国内でも首都カブールは比較的安全な場所だったが、今では最も危険な場所のひとつのように思えると話している。 (英語記事 Kabul mourns 100 dead after ambulance bomb)

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    ロシアの野党指導者拘束 BBC記者の目の前で

    放された。 モスクワの大通りを歩くナワリヌイ氏が警官隊にいきなりつかまれ、警察車両に押し込まれた際、BBCモスクワ特派員のスティーブ・ローゼンバーグ記者と取材チームが、そのすぐ隣にいた。

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    ロシア拘束の野党指導者、釈放 大統領選ボイコットで

    。モスクワとサンクトペテルブルクでの集会は、当局の許可が得られていなかった。 モスクワで取材していたBBCは、警官たちがナワリヌイ氏を押し倒す様子を撮影した。同氏はまもなくツイッターで、各地の抗議に参加するようフォロワーに呼びかけた。ナワリヌイ氏は、「1人を拘束しても、大勢がいればそれは無意味だ。誰か、僕の代わりをして」と書いた。 全国で180人以上が拘束されたという情報もある。 モスクワの警察は28日午前には、政府の汚職を非難するナワリヌイ氏の事務所を家宅捜索した。事務所で行われていた放送の録画が中断される様子が、YouTubeに投稿された。 ナワリヌイ氏の広報担当は、警官は爆発物の危険を調べると言い、電動器具で事務所に押し入ったと話した。 大統領選を前に、ロシア当局は各地でナワリヌイ氏の支持者を拘束したり、集会のビラを押収するなど、圧力を強めている。 ナワリヌイ氏は大統領選が公正ならば、プーチン氏を破ることができると主張しているが、ロシア中央選挙管理委員会は昨年12月、同氏が過去に公金横領事件で有罪判決を受けたことを理由に、出馬申請を却下した。同氏はこれは、政治的な意図による判断で違法だと主張している。 ナワリヌイ氏への有罪判決については、欧州人権裁判所(仏ストラスブール)が2016年に、「公正な公判ではなかった」と判断を示している。 プーチン大統領はナワリヌイ氏の名前を口にせず、その影響力を認めていない。大統領の支持率は高く、4期目(任期6年)の当選は広く確実視されている。 中央選管は、ナワリヌイ氏が今年2月、公金横領事件で有罪判決を受けているとして、申請を却下した。この事件について、欧州人権裁判所(仏ストラスブール)が昨年2月、「公正な公判が行われなかった」との判断を示しており、ナワリヌイ氏は「申請却下は違法」と訴えたが、中央選管は「判決の評価はできない」と退けた。来年の選挙では、プーチン大統領の再選が確実視されている。 (英語記事 Russian presidential elections: Navalny freed after day of protests)

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    アフリカ以外で最古の現生人類の化石 従来説変えるか

    2018年01月26日 16:43 公開 パラブ・ゴーシュ科学担当編集委員、BBCニュース 国際研究チームはこのほど、イスラエルで2002年に見つかった化石が、アフリカ以外で最も古い現生人類(ホモ・サピエンス)のものだと分かったと発表した。人類がアフリカから分散した時期が従来の説よりも早かった可能性が出ている。 化石は約18万5000年前のものとみられ、アフリカ以外でこれまで最も古い現生人類のものとされてきた化石より8万年ほど前になる。 研究結果は科学誌「サイエンス」に掲載された。 研究の共同筆頭著者、テルアビブ大学のイスラエル・ヘルシュコビッツ教授はBBCニュースに対し、今回の発見によって現生人類の進化についての見方に根本的な修正が迫られると語った。 同教授は、「人類の進化の物語全体が書き換えられる必要がある。我々の種だけでなく、当時アフリカの外で生きていたほかのすべての種についても」と説明した。 今回の研究に参加していないロンドン自然史博物館のクリス・ストリンガー教授は、「今回の発見は、現生人類は13万年前以前にはアフリカにしかいなかったという、長らく信じられてきた限界を打ち砕いた。新たな年代決定は、もっと古いホモ・サピエンスでさえ西アジア地域で発見される可能性を示唆している」と語った。 新たな年代決定の証拠が出たことで、現生人類とすでに絶滅したほかのヒトの種との間に、何万年にもわたる交流があった可能性が示されている。また、従来の説よりも早い時期に人類がアフリカから旅立っていたことを示唆する、最近の発掘成果や遺伝子研究の成果とも一致する。 研究者たちは、2002年にイスラエルのミスリヤ洞窟で見つかったあごの骨の一部を分析した。歯が8本残る骨はその特徴から、同時代に生きていた現生人類以外の種ではなく、現生人類のものだと指摘されていた。 発見当時に考古学者が当初抱いた印象が正しかったことが今回、国際研究チームによって証明された形となった。 研究者たちは、コンピューター断層撮影(CT)によって3Dのバーチャル模型を作り、アフリカや欧州、アジアで見つかったヒトの化石や現生人類のヒトの骨と比較。あごの骨が現生人類のものだと確認した。これとは別に、歯冠の下の組織をスキャンし、現生人類だけに見られる特徴があるのを発見した。 それぞれ異なる年代測定方法を使う3つの研究施設が、お互いの測定結果を知らされずに出した、この化石化した骨の年代特定では、17万7000年から19万4000年前となった。 これまでアフリカ以外で最も古いとされてきたヒトの化石は、イスラエルにある発掘現場のスクールとカフゼーで見つかった9万年から12万5000年前のものだ。 ミスリヤ洞窟で発見された化石は、その地域で25万年から14万年前にかけて使われていた石器のルバロワ型石核と同じ地層で見つかっている。もし、現生人類がその地域で生きていたこととルバロワ型石核とが関連付けられれば、現生人類がアフリカから出た時期は、ミスリヤ洞窟の発掘物の年代よりも前の可能性さえある。 最近までは、現生人類がアフリカから出発したことを示す早期の証拠はレバント(東部地中海沿岸地方)に限定されていた。しかし過去数年、中国湖南省の道県や中国南東部の広西壮族(チワン族)自治区にある智人洞窟で発見された現生人類の化石が8万年から12万年前のもので、従来考えられてきたよりも早い時期にユーラシア大陸で分散していた可能性が示されている。 さらに、アフリカから出たヒトとネアンデルタール人の間で早い時期に混血が起きていたことが遺伝子研究から判明している。 21万9000年から46万年前のネアンデルタール人との混血を示す、ドイツで見つかった骨に関する研究論文が昨年発表されている。また2016年には欧州の研究チームが、約10万年前にシベリアのアルタイ地方で、アフリカからやってきたヒトとネアンデルタール人との混血が起きていたことを示す証拠を見つけたと発表した。 ヘルシュコビッツ教授は、「新たな証拠の断片があまりに多くて、どこに当てはまるのか分からなかった」と語った。 「新しい発見があったことで、すべての断片がつなぎ合わせられた。(アフリカから)出た時期は、ミスリヤ洞窟で見つかった石器と同じ時期の25万年前までさかのぼれる可能性がある」 しかし、ミスリヤ洞窟から示唆される、早い時期での現生人類のアフリカからユーラシア大陸への分散の結末は、絶滅だったとの見方が一般的だ。遺伝子学および考古学研究では、アフリカ以外にいる現在の人類の祖先がアフリカから出たのはわずか6万年前だったとされる。これまでのDNA調査で、6万年前より前に我々の祖先がアフリカから出ていたことが示された例はほぼない。 アフリカにいたヒトが解剖学的に現生人類に進化した時期についても、新たな発見がされている。モロッコで見つかった初期の現生人類のものとみられる化石の年代特定で、31万5000年前という研究結果が昨年発表された。 これは、現生人類の始まりを20万年前とする一般的な見方よりも大幅に古い年代だ。従来の説は、遺伝子学研究やエチオピアのオモで出土した19万5000年前の化石などをその証拠とするが、今後の発見によっては年代がさらに早められるかもしれない。 (英語記事 Modern humans left Africa much earlier)