嫌煙権は人類を滅ぼす?

嫌煙権は人類を滅ぼす?

正月早々、またも喫煙トラブルが大きな話題となりました。こういうことが起きるたびに愛煙家の肩身は狭くなる一方ですが、今年もまた嫌煙権をめぐる動きは活発になっていくのでしょうか。ということで、禁煙ファシズムについて考える第2弾は「嫌煙権は人類を滅ぼす?」。ちょっと大げさでしょうか(笑)。

喫煙者はモルモットである

 社会から蔑(さげす)みの視線を受け、蛇蝎(だかつ)のごとくに嫌われながら、あらがいもせずに高い税金を粛々と払っている人がいたら、これはもう立派な社会的弱者ではないだろうか。喫煙者たちである。
 健康増進法には、多数の人々が利用する施設の管理者は、受動喫煙の防止に努めなければならない、とある。この条項によって、禁煙個所は繁華街の街路や新幹線、航空機、駅のホーム、タクシーなど、一気に急増した。ビルの喫煙ルームも、煙が廊下に流れるという理由で撤去されはじめた。
 喫煙者は社会から、まさにパージ(浄化)されようとしている。「受動喫煙」や「副流煙」というコトバは、あたかも妖怪のように喫煙者にまといついてくる。
 ある思想や考え方を絶対に正しいものとしてイデオロギー化させ、それに従わないものをパージしようとする運動を社会ファシズムと呼ぶ。昨今の禁煙運動を「禁煙ファシズム」と評する識者もいるが、禁煙は基本的には「正しいこと」なのだから、これは極論であろう。
 ことほどさように、たばこをめぐる議論には、どうも冷静さに欠けるところがある。
 理由は簡単である。世の中には喫煙者か非喫煙者か嫌煙家の3種類の人しかいない。非喫煙者というのはたばこは吸わないが、たばこの煙も気にならず、喫煙者を嫌ったりもしない人を指す。この非喫煙者をのぞく、喫煙者と嫌煙家がたばこを論じると、公平に論じているつもりでも、必ずバイアスがかかってくるからだ。
 バイアスがかかるのだから、論じるときは、自らがどこに属するかを言明するのが最低限の礼儀である。読む際に、逆のバイアスをかければいいからだ。というわけで、筆者は喫煙者である。
 フランスの哲学者、サルトルは主著『存在と無』の中で、喫煙行為は世界を「我有化」することだと書いている。たばこを吸うことによって、自らの周囲(世界)を自分だけのものにすることだと解釈したい。だが自分の周囲には、自分以外の存在者、つまり他者もいる。
 その他者が嫌煙家の場合、我有化などされたら、たまらないであろう。喫煙者が時として他人のことなど考えず、我が物顔で吸っているように見えるゆえんである。喫煙者と嫌煙家を徹底的に「棲(す)み分け」させればいいのだが、サカナでもできる棲み分けがヒトにできないのは、棲む領分が時として重なってしまうからである。ここは両者が謙譲の精神を発揮するしかない。
 「1000円たばこ」についても、冷静に考える必要がある。
 商品の値段には、かならず閾値(いきち)がある。閾値とは、消費者が「買う」「買わない」とされる限界値のことである。
 だが「1000円たばこ」では、閾値を予想することは極めて困難である。20円や30円の値上げなら、累積された過去のデータがあるから、どの程度減るかは予想できる。だが3倍以上ともなると、過去のデータはほとんど参考にならない。
 しかも通常の商品と違って、常習性が極めて強く、禁煙に踏み切るには相当のエネルギーを要する。西田幾多郎のような哲学者でも、日記に「今日を限(かぎり)として絶対禁煙」と繰り返して書くなど、思春期の少年のように悶々(もんもん)と苦しんだ。悶々と苦しみながら喫煙し続ける人もいるだろうし、ヘビースモーカーであっても、あっさり禁煙に踏み切ってしまうことも十分に考えられる。
 どれだけ禁煙に踏み切るかについて、さまざま事前予測やアンケート結果も出されているが、特殊な商品だから、あまり信用はできない。9割が禁煙するというデータもある。そうなったら、たばこ生産農家や日本たばこ産業(JT)など、さまざまな関連産業からの税収入が総体として減ってしまうであろう。
 ようするに、「1000円たばこ」は実施してみなければ分からないのである。実施してみなければ分からないような値上げは実施すべきではない、というのが筆者の、幾分かバイアスのかかった結論である。
 あえて提言すれば、期間を区切って、実験的に100円ずつ、2000円くらいまで値上げしていけばどうだろうか。「買う」「買わない」の閾値がどのように推移するかも分かり、どの値段で税収入がもっとも多くなるかも分かる。その段階で、正式に値段を決定すればいい。
 喫煙者を実験台、つまりモルモットにするわけである。やっぱり社会的弱者だ。(産経新聞論説委員 福島敏雄)

文化としてのタバコ

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舛添氏、受動喫煙防止「失速」

2020年の東京五輪開催を見据えて制定を目指していた「受動喫煙防止条例」について、東京都の舛添要一知事は、昨年末の朝日新聞の取材に対し、当面見送る考えを示した。ただ、来年度予算案で飲食店などの分煙へ向けた改装費を補助する制度を新設し、分煙の取り組みを後押しする意向も示したが、「当面見送り」の方針にトーンダウンしたことで嫌煙派の間では今も物議を醸している。

受動喫煙防止、条例見送り 舛添知事インタビュー(朝日新聞デジタル 2014年12月27日)
都庁・都議会議事堂が喫煙天国なのに、禁煙(受動喫煙防止)条例ができるわけもない(BLOGS 2015年1月7日)
東京の受動喫煙対策「強制なら経営苦」(NEWSポストセブン 2014年12月19日)



異常な嫌煙社会

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喫煙は社会悪なのか

 1月5日、北海道のJR根室線を走行中の札幌発釧路行き特急列車で、60代の乗客が車内喫煙をめぐり車掌に注意されたことに腹を立て、列車が途中駅で1時間半以上停車するトラブルがあった。乗客の男は車掌と口論になり、車内の備え付けのテーブルを壊したため、北海道警が器物損壊容疑で逮捕するという刑事事件に発展。正月早々、喫煙マナーをめぐるトラブルが大きな話題となり、ネットでも「喫煙は社会悪」などと批判的な意見が多く書き込まれた。
 ネットの書き込みをみると、「もはや喫煙の社会悪ぶりが凄い」「やっぱりヤニカスは糞だなッて思いますね」などと一部の喫煙者ではなく、喫煙自体を非難する声も多く寄せられたが、その一方で「喫煙者の肩身がますます狭くなる…」と愛煙家のつぶやきも。また、車掌の応対や長時間の停車など不祥事が続くJR北海道の姿勢を問う意見や、「老害」を問題視する意見までさまざまな方面に議論が飛び火した。
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