池上彰が語る朝日と日本のメディア論

池上彰が語る朝日と日本のメディア論

朝日新聞のコラム不掲載をめぐり、渦中にいたジャーナリスト、池上彰氏が一連の経緯や真相についてiRONNA編集部に独占激白した。経営の介入から編集権の独立をどう守るのか。朝日バッシングからみえる既存メディアの問題点とは…。日本のメディア論について、あの「池上節」が炸裂する!

渦中の朝日騒動を語る

  • 産経さんだって人のこと言えないでしょ?

    産経さんだって人のこと言えないでしょ?

    「私の中では終わってた話ですし、それがこんな形になってしまった」。朝日新聞のコラム不掲載問題をそう振り返った池上彰氏の話は新聞業界全体、日本のメディアの未来にまで広がった。

新聞の行く先は

  • 2015年は生き残りをかけて新聞が“二極化”する

    2015年は生き残りをかけて新聞が“二極化”する

    2014年は新聞とは何か、新聞記者とは何かを考えさせてくれる「1年」でもあった。 門田隆将は2015年、将来生き残る新聞と消えていく新聞が“二極化”していく年になるのではないかと考える。

朝日新聞は変わるのか


 朝日新聞社の渡辺雅隆社長は5日、東京都内で記者会見し、編集部門から独立した立場で報道内容を点検する「パブリックエディター制度」を今春に新設するなど一連の問題を受けた行動計画を発表した。過去の慰安婦をめぐる記事の作成経緯については「不明な部分が残ったとは考えていない。第三者委員会にしっかり議論していただいた」と述べ、これ以上は検証しない考えを示した。 慰安婦報道をめぐる第三者委の検証では、朝鮮人慰安婦を「強制連行した」とする吉田清治氏の証言を初めて報じた昭和57年の記事の筆者は特定できなかった。また、第三者委に「議論のすりかえ」と指摘された平成9年の特集記事をめぐっては、関係者間で証言の食い違いがあった。
 同社役員と社外有識者でつくる「信頼回復と再生のための委員会(再生委)」での議論を経て、同社は行動計画をまとめ、一連の問題を「過剰な使命感によって読者がどう受け止めるかという視点を見失い、公正さや正確さを軽視した」と総括。社内外の数人で構成するパブリックエディター制度に加え、訂正記事を集めるコーナーを紙面に設けることも公表した。
 渡辺社長は会見で、慰安婦報道や東京電力福島第1原発事故をめぐる「吉田調書」報道など、それぞれの問題の原因について「(行動計画に)あるものが私たちの考えだ」と繰り返し、各論への言及は避けた。社外有識者を加えた再生委での議論を「火消しでは」と疑問視した質問に対しては「火消しをするための委員会では全くない」と、強い口調で語る場面もあった。

<具体的な取り組み>
●パブリックエディター制度の導入
●多様な意見を載せるフォーラム面の新設
●訂正記事を集めるコーナーの新設
●調査報道をさまざまな形で充実
●「車座集会」を全国各地で開催
●経営にも社外の意見を反映
●改革推進へ研修や指標の設定
 
「読売は本当に誤報を訂正できるか」(GOHOO 2015年1月5日)

朝日の「慰安婦問題」

  • 秦郁彦×西岡力対談「朝日の誤報は日本の名誉毀損」

    秦郁彦×西岡力対談「朝日の誤報は日本の名誉毀損」

    朝日新聞元記者の植村隆氏から提訴を受け、注目を集める東京基督教大教授、西岡力氏と現代史家、秦郁彦氏の対談。歴史の真実を訴え続ける2人が朝日の「慰安婦問題」を語る。

“捏造”は名誉毀損

朝日叩きはイジメなのか

  • 朝日新聞攻撃の「ムラ社会」的構造

    朝日新聞攻撃の「ムラ社会」的構造

    両吉田問題に関わる朝日新聞のあきれ返る愚挙。朝日が作り出したこの2つの大きな国益毀損に対して、政府の具体的な動きも鈍いように思える。ムラ社会的な「朝日いじめ」の空気だけに流されず、誤ったイメージ払拭のための強力な宣伝戦に乗り出す必要がある。

「池上無双」を垣間見た瞬間


 朝日新聞の誤報問題を契機に既存メディアの在り方までも問われた日本のマスコミ。騒動の渦中にいた池上彰さんは何を語るのか。1月6日、取材で訪れた先は池上さんの研究室がある東京工大(東京都目黒区)。テレビで絶大な人気を誇る解説者として「分刻みのスケジュール」をこなす池上さんだが、当日は本館の玄関まで私たちを出迎えてくれた。
 前日、池上さんが休止していた朝日の連載コラムを再開するというビッグニュースが報じられたばかり。記者として「これほどおいしいタイミングはない」と思う一方で、「どこまで踏み込んで答えてもらえるのか」という不安も交錯する中、池上さんへのインタビューは始まった。
 コラムの再開について「どこかでひと段落させないと。もう各社に追いかけ回されっぱなしですから(笑)」と語った池上さん。取材の趣旨を改めて説明すると、「うん、うん」と頷きながら嫌な顔一つみせずに笑顔で答えてくれた。
 丁寧な語り口でインタビューに答える池上さん。じっと、こちらの目をみながら語り、分かりにくい話でも例え話を盛り込みながら説明するのは、やはり人気解説者ともてはやされる所以なのだろう。どんな質問にもきちんと答えていただき、むしろこちらが恐縮するぐらいだった。
 もちろん、朝日批判の急先鋒ともいわれる産経新聞に対しても、遠慮なく耳の痛くなるような苦言も要所要所で突っ込んでくる。まさにテレビで見る「池上無双」の姿を垣間見ることができたわけだが、そこには朝日の問題を既存メディアが「他山の石」にしてほしいという強い思いからでもある。
 12月14日に放送された『池上彰の総選挙ライブ』は衆院選の選挙特番として視聴率民放同率トップとなり、ネットでも注目を集めた。しかし、選挙自体は投票率が過去最低、議論も高まらなかったことについて「ものすごい無力感でしたよね」と振り返り、口をつぐんだ池上さん。饒舌さが影を潜めた瞬間だった。
 知ってもらいたいと思うニュースを届けることの難しさ。それは経験も知識も豊富な池上さんでさえ日々悩んでいる。
 インターネットが報道を伝える場として主流になるほど、重要なニュースはさらに埋没しないか。ネットでは今もどこかで「炎上騒ぎ」が起き、虚偽も正しい情報もごちゃまぜになっている。
 「皆さん苦戦、苦闘しているが、その中からルールなり作法が生まれてくる、作っていかなければいけないんだろうと思います。なかなか見えてこないですが、ひょっとしたら我々のような古い、オールドメディアの連中だからわからないのかも知れない。物心ついたころからインターネットでずっと慣れ親しんできた人たちがまた新しいものをつくるのかな、とも思います」
 いま、既存メディアは過渡期にある。「こういう時こそ、『プロの力』というのがネットでもとりわけ必要だと思うし、今まさに問われているんだと思う」。池上さんが朝日問題を通して、既存メディアに投げかけたメッセージをどう受け止めるのか。日本のメディアの未来は今こそ謙虚に、そして真摯に向き合う必要がある。(iRONNA編集部 川畑希望)
池上彰が語る朝日と日本のメディア論

あなたが思う最も信頼できるメディアとは何ですか?

  • 257

    新聞

  • 78

    テレビ

  • 1428

    インターネット

返信を入力