膨張する「中華の夢」にどう立ち向かうか
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膨張する「中華の夢」にどう立ち向かうか

中華民族の偉大な復興が中国の夢―。そんな政治理念を掲げる習近平国家主席の下、中国は政治、経済、軍事で不気味に膨張を続ける。周辺諸国との軋轢を生んででも、かの中華思想をむき出しにして突き進む中国。膨らみ続ける「中華の夢」に日本はどう立ち向かえばいいのか。

中華民族の偉大な復興が中国の夢―。そんな政治理念を掲げる習近平国家主席の下、中国は政治、経済、軍事で不気味に膨張を続ける。周辺諸国との軋轢を生んででも、かの中華思想をむき出しにして突き進む中国。膨らみ続ける「中華の夢」に日本はどう立ち向かえばいいのか。

日本の国益を考えれば…

日本が選ぶべき脅威

揺れる対日観

中国にとって日本はもはや「大国」ではなくなったのか

 中国にとって日本は大国か否か。中国はこれまで日本を大国として位置付けてきたが、その中国の対日観に変化はあるのだろうか。
 中国は外交において、相手国を大国、周辺国、発展途上国の3つに分けている。もっとも、この分け方も不変ではない。
 中国外務省が毎年、編集、出版している外交白書「中国外交」を見ると、2002年の外交を論じた03年版までは、西側先進国、周辺国、発展途上国の3つに分けており、日本やロシアは周辺国の範疇(はんちゅう)に入れられていた。
 03年の外交について記した04年版の外交白書からは、西側先進国が消えて大国が登場し、現在のような分け方になっている。この変化に伴い、ロシアや日本は米国や欧州連合(EU)とともに大国に分類された。
 西側先進国から大国への変化は、ちょうど江沢民時代から胡錦濤時代への転換と一致しているが、文化大革命後の急速な経済発展による中国の台頭、中国の大国化ともかかわっているといえよう。
 中国の外交白書において、日中関係はその後、常に大国との関係の一部として論じられてきた。
 ただ、両国関係が悪化していた小泉時代の05年の外交について記した06年版外交白書は、日中関係を大国との関係ではなく、周辺国との関係に含めている。
 もっとも、06年の外交を論じた07年版外交白書では、安倍政権の登場で関係が改善されたこともあり、日中関係は再び、大国との関係の中で記されている。
 胡錦濤時代から習近平時代に移行した13年の外交を論じた14年版の外交白書では、米国、ロシア、EUとの関係は従来通り、大国との関係として触れられているが、日本との関係は言及されていない。
 周辺国との関係にも日本は登場せず、わずかに別項で、尖閣諸島問題などに関する記述があるだけだ。
 中国にとって日本はもはや大国ではなくなったのか。それとも、06年版の外交白書と同じく、関係悪化を背景とする一時的なものなのか。
 王毅外相は昨年末の講演で、日中関係について、大国外交ではなく、周辺外交の部分で言及している。
 中国にとって日本とは何かという問いは、日本にとって中国とは何かという問いと同様、きわめて重要なものである。戦後70年となる今年、私は日中関係の改善を願うが、あまり楽観的にはなれない。
(元滋賀県立大学教授・荒井利明)

中国に許した譲歩

「膨張」に立ちはだかる壁

果たして「21世紀は中国の時代」になってしまうのか。中国は政治・経済・軍事力を不気味に拡大、習近平国家主席が唱えた「中華の夢」の実現に向け邁進しているようにも見える。しかしこの中国の「膨張」に対し多くの問題点が噴出、乗り越えるべき高い壁が立ちはだかっている。この連載シリーズで、様々な角度から実態に迫り、その行方を占ってみたい。
■ <追求!膨張中国(1)>バブルは崩壊するか?シャドーバンキングの行く末は?GDPで米国を抜くか?(同天 2015.1.8)
■ フィリピンは中国の膨張にどう対抗するか(東洋経済オンライン 2014.7.19)

「不動産バブル崩壊」気配も

にらみあう軍拡

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  • 「力には力」で対抗すべきではない

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