ナッツリターンに潜む韓国財閥の深い闇
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ナッツリターンに潜む韓国財閥の深い闇

韓国を代表するエアライン、大韓航空の信用を失墜させたナッツリターン事件をめぐり、韓国財閥が揺れている。傲慢な経営体質、政治との癒着…。「ナッツ姫」とも揶揄された財閥令嬢の振る舞いからは、韓国財閥にはびこる宿痾も垣間見える。事件を機に明るみになった財閥国家に潜む深い闇とは。

韓国を代表するエアライン、大韓航空の信用を失墜させたナッツリターン事件をめぐり、韓国財閥が揺れている。傲慢な経営体質、政治との癒着…。「ナッツ姫」とも揶揄された財閥令嬢の振る舞いからは、韓国財閥にはびこる宿痾も垣間見える。事件を機に明るみになった財閥国家に潜む深い闇とは。

「世間知らず」に試練

“悪習”も露呈

 航空保安法違反などの罪に問われた大韓航空前の副社長の趙顕娥(チョ・ヒョナ)被告(40)らに対する求刑公判が2月2日、ソウル西部地裁で開かれ、検察は趙被告に懲役3年を求刑した。判決は12日に言い渡される予定。
 「ナッツ・リターン事件」をきっかけに韓国の「財閥」と呼ばれる企業グループに厳しい視線が向けられている。韓国財閥をめぐっては、創業家のやりたい放題ぶりが次々と明らかになった。
 輸出主導型の経済成長を目指した韓国の財閥のほとんどは創業者一族による経営だ。1970年代の高度成長以降、政府の後押しもあり、財閥の力が増大。現在、韓国経済の大部分は財閥が握り、国内総生産の75%余りは10大財閥の売上高が占めている。
 一方で、政権の財閥優遇の構図も浮き彫りになっている。米ウォールストリート・ジャーナル紙は2月1日付で「ソウルの財閥執着症」とするコラムを掲載した。そこでは、韓国与党から脱税や横領などで立件された財閥出身役員の仮釈放や優遇措置を要求していると指摘、「韓国の財閥依存が、大企業オーナーらの免罪符文化につながっている」と批判した。
 そして、前政権の財閥優遇を批判してきた朴槿恵(パク・クネ)大統領も「財閥の呪いにかかっているようにみえる」と評している。

大前研一が解説

ナッツ姫だけじゃない

バッシングの原因とは

“情治主義”に注目

 大韓航空(KAL)のニューヨーク便でファーストクラスに乗っていたKALの当時の女性副社長(会長の長女)が乗務員に横暴を働いた事件が内外で話題だ。彼女は韓国で逮捕され裁判にかけられている。初公判では拘置所から“囚人服”で出廷し目を引いた。
 この事件の“鑑賞法”では「財閥一家の娘の傲慢不遜」が焦点になっている。根底には大金持ちに対する世論の嫉妬がらみの恨みの感情があるが、「それにしても逮捕されるほどのことかしら」との疑問が残る。
 事件はナッツの出し方をめぐり飛行機の出発を10分ほど遅らせたこと以外は、基本的には上司と部下という社内のできごとだ。ゴーマン上司から理不尽にどやしつけられた部下が後日、その不満を外部に漏らして明らかになった。まず、この社内処理(労使?)で収まらないというあたりが実に韓国的なのだ。
 だから鑑賞法としては、内部のことをすぐ外にばらす告発・不信社会ということと、世論に便乗し法律より見せしめを重視する法治主義ならぬ“情治主義”に注目ということになる。
 今回の“ナッツ姫逮捕”は世論に迎合する検察の横暴である。こうした韓国検察の法感覚は産経新聞記者に対する名誉毀損(きそん)での起訴にも通じる。面白がってばかりではいけないのです。(黒田勝弘・産経新聞ソウル駐在客員論説委員 2015年1月24日、産経新聞朝刊掲載) 
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  • 社内トラブルに過ぎず、少し騒ぎすぎだ

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  • 財閥企業の傲慢さの象徴である

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  • 関心がない

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