東京一極集中が地方を救う

東京一極集中が地方を救う

「地方創生」―。この言葉のモヤモヤ感がたまらない。日本の人口がどんどん減り、海外との競争がより厳しくなる将来を考えれば、地方よりも前に東京や大阪などの中核都市の競争力をもっと引き上げる必要があるのではないか。このままでは世界はおろか、アジアの都市にも勝てない。

大江紀洋の視線

 「地方創生」――この言葉のモヤモヤ感がたまらない。 私は地方出身である。両親も田舎ものだ。地方が活気づくことが嬉しくないわけがない。
 「でも……」と立ち止まってしまう。日本の人口はどんどん減る。海外との競争は厳しくなる一方だ。地方より前に、東京・大阪・福岡などの中核都市の競争力をもっともっと引き上げなければ、世界はおろか、アジアの都市にも勝てないのではないか。
 地方活性化の取り組みはもう何十年もなされてきた。竹下登元首相の「ふるさと創生1億円事業」で「金塊」に手を出した自治体があったのが懐かしい。整備新幹線も何年もやり続けているので、毎年予算の時期にニュースになることに飽きてしまった。やれそうなことは結構やりつくしてきたのではないだろうか。
 アベノミクスは、デフレに沈んで失われた経済力を取り戻す経済政策とされる。地方創生の取り組みは、アベノミクスの足を引っ張ることになりはしないのだろうか。
 そんなことにモヤってしまう人に読んでほしい対談記事をご用意しました。(Wedge編集長 大江紀洋)

地方消滅に立ち向かう

  • それは「東京」でなければいけないのか

    それは「東京」でなければいけないのか

    アベノミクスの目玉として掲げられるローカルアベノミクス=地方創生の理論的支柱となっているのが、元岩手県知事で日本創成会議座長を務める増田寛也氏だ。「消滅」の真意や東京一極集中の是非、コンパクトシティ構想の実現可能性について、エコノミストの飯田泰之氏が聞く。

人も物も大都市へ

  • 新幹線で地方は復活するのか

    新幹線で地方は復活するのか

    人口減少の進行と地方経済の衰退を受けて、第二次安倍改造内閣が重要課題として掲げている「地方創生」。「官僚や有識者を地方に派遣し、地域の声を聞く」「補助金バラマキにはしない」などと政権内部からは勇ましい声が聞こえてくるが、具体像はまだ見えていない。

896市区町村「消滅」の衝撃

 2040(平成52)年に若年女性の流出により全国の896市区町村が「消滅」の危機に直面する―。2014年5月、増田寛也元総務相が座長を務める「日本創成会議」の人口減少問題検討分科会が発表した試算結果に衝撃が走った。消滅危機に直面する自治体は北海道や東北地方の山間部だけではなく、東京都豊島区や大阪市の西成区、大正区など大都市部にも及んだ。
 分科会は、国立社会保障・人口問題研究所が13年3月にまとめた将来推計人口のデータを基に、最近の都市間の人口移動の状況を加味して40年の20~30代の女性の数を試算。その結果、10年と比較して若年女性が半分以下に減る自治体「消滅可能性都市」は全国の49・8%に当たる896市区町村に上った。このうち523市町村は40年に人口が1万人を切る。
 試算結果について増田氏は「若者が首都圏に集中するのは日本特有の現象だ。人口減少社会は避けられないが、『急減社会』は回避しなければならない」と述べ、早期の対策を取るよう政府に求めた。
「自治体消滅論」に対する懸念(日経ビジネス、2014.09.03)
「自治体消滅論」はがさつ、農山村は残る(東洋経済オンライン、2015.01.24)

出始めたデメリット

  • 世界であまり例がない 東京一極集中の是非を考える

    世界であまり例がない 東京一極集中の是非を考える

    2014年の住民基本台帳に基づく人口移動報告で、東京圏への「転入超過」は19年連続となった。一極集中のメリットとデメリットを分析し、今後のあるべき姿を高橋洋一が考える。

石破氏、一極集中解消へ「最後のチャンス」

 石破茂・地方創生担当相は今年1月に大阪市内で開かれた講演で、地方創生の意義について「日本経済の在り方をどのように変えていくか。今が地方と東京との関係を変える最後の機会」と述べ、東京一極集中の解消を掲げる政府方針への理解を求めた。
 また石破氏は日本経済の約7割が地方経済で支えられており、「東京以外の経済をいかに伸ばすかが課題」とも指摘。財政難などを背景に、今後は公共事業や大企業の工場誘致による地方活性化が見込めないとして「(各地域が)農業や林業、観光や医療福祉分野などに新しい成長モデルを見いだすべきだ」と主張した。

「地方創生」の背景と論点(平成26年9月全国知事会、毎日新聞論説委員 人羅格)

「眠れる力」を活かす

  • 農業による地方創生は「日本全国、ブルゴーニュ化」

    農業による地方創生は「日本全国、ブルゴーニュ化」

    「地方創生」は安倍内閣の政策課題の柱として位置付けられている。どのような対外戦略の下に地方振興に掛かる政策が展開されるか。農業を軸とした「地方創生」の理念は、「日本全国、ブルゴーニュ化」とでも呼ぶべきものなのであろう。

  • 日本はイタリア地方都市のように国家や政府に頼らず世界化を

    日本はイタリア地方都市のように国家や政府に頼らず世界化を

    「地方創生」関連2法が成立したが、法律ができたところで、地方が蘇ることはない。そう断言する大前研一氏が地方創生のモデルプランを提起する。大前氏はイタリアのあり方に注目しているようだ。

東京一極集中が地方を救う

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