少年法の「壁」を考える
1570

テーマ

少年法の「壁」を考える

少年による凶悪事件が止まらない。川崎市の中1殺害事件の容疑者も少年グループだった。更生と保護を理念とする少年法の厳罰化の流れが進む中で起きた今回の事件。「18歳選挙権」の成立が確実となった今、20歳を成人と扱う少年法との整合性をどうつけるのか。少年法の「壁」を考えたい。

少年による凶悪事件が止まらない。川崎市の中1殺害事件の容疑者も少年グループだった。更生と保護を理念とする少年法の厳罰化の流れが進む中で起きた今回の事件。「18歳選挙権」の成立が確実となった今、20歳を成人と扱う少年法との整合性をどうつけるのか。少年法の「壁」を考えたい。

少年法とは何か

つまようじ事件

今年1月、店頭のスナック菓子につまようじを刺したとみられる動画をインターネットに投稿したなどとして、東京都三鷹市に住む19歳の少年が警視庁に逮捕されたつまようじ事件。少年は「18歳以上に少年法はいらない」「超余裕」などと挑発的な内容の動画を投稿しながら逃走を続け、東京から約500キロ離れた滋賀県米原市のJR米原駅で身柄を確保され、少年法の理念を逆手に取った事件としても注目を集めた。

成人年齢の行方はどうなる

 選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法。成立すれば、早くて平成28年夏の参院選から適用され、その際は約240万人の未成年者が有権者に加わる。
 しかし民法では成人年齢を20歳とし、少年法も20歳未満を少年としており、18歳以上20歳未満の人は主権者でありながら、刑事事件では少年法によって原則家庭裁判所の審判を受けることになるため、成年年齢に関わる法律を見直して選挙権年齢と一体にすべきとする声も挙がっている。日弁連は2月26日、少年法の「成人」年齢引き下げに反対する声明を法務大臣に提出した。
少年法の「成人」年齢引下げに関する意見書(日本弁護士連合会、2015.02.20)

進む厳罰化

 凶悪な少年事件が起きるたびに、少年に対する刑事処分の厳罰化が進められてきた。昨年4月には有期刑の上限を15年から20年に引き上げる改正少年法が成立。18歳未満でも無期懲役の判決が出された例もあり、 高校生の少年らにも、厳罰が科される可能性がある。
模擬少年審判の見学会
 少年法は本来、罪を犯した少年の処罰よりも保護と立ち直りに主眼を置いてきた。しかし、平成9年に神戸市で起きた連続児童殺傷事件をきっかけに厳罰化へかじが切られた。残忍な犯行形態だったにもかかわらず、当時14歳だった少年は医療少年院送致となり、17年には退院している。
 13年に施行された改正少年法では、刑事罰の対象を16歳以上から14歳以上に。19年には、少年院送致の下限も14歳から「おおむね12歳」に引き下げられた。
 21年に大阪府富田林市で、少年=当時(17)=が男子高校生=同(15)=をバットで殴るなどして殺害した事件では、大阪地裁堺支部の判決で、有期刑の場合、5年以上10年以下の不定期刑が一般的になっている少年法の不備を指摘する異例の言及があった。これを機に、昨年4月の改正では有期刑の上限を15年から20年に引き上げる一方、国費で弁護士をつけられる事件の対象を拡大した。
 金沢市で16年9月に夫婦が殺害された事件では、金沢地裁が18年12月、強盗殺人罪などに問われた犯行当時17歳だった男(20)に対し、成人なら死刑に相当するとして無期懲役の判決を言い渡している。

「子供のころから殺してみたかった」

 名古屋市昭和区のアパートで同市千種区の77歳女性の遺体が見つかった事件で、殺人容疑で逮捕された住人の名古屋大1年の女子学生(19)の恐ろしい素性が明らかになりつつある。女子学生は女性を殺害した翌日に東北地方の実家に戻り、自宅アパートに遺体を1カ月以上放置。女子学生は「子供のころから人を殺してみたかった」などと供述している。
 また本人のものとみられるツイッターには、殺害予告ともとれる内容や、殺人事件の加害者への強いあこがれをつづるなど殺人への興味で埋め尽くされていた。犯行直前の昨年12月5日には、《名大出身死刑囚ってまだいないんだよな》との記述があり、殺害したとされる7日には、《ついにやった。》としていた。
 この事件をめぐっては「週刊新潮」が2月12日号(5日発売)で特集した際に女子学生の実名と顔写真を掲載したことにネット上で賛否が分かれた。少年法61条では「未成年者は匿名にし、本人と特定できるような写真を掲載してはならない」と定めてられおり、匿名報道が原則だ。
 週刊新潮編集部は「事件の残虐性と重大性に鑑み、19歳という年齢なども総合的に勘案した上、顔写真と実名を報道しました」とコメントしている。

少年の実名報道は問題なのか

少年法の「壁」を考える

みんなの投票

少年法の成人年齢引き下げについてどう思いますか?

  • 15歳まで引き下げるべき

    1223

  • 18歳まで引き下げるべき

    230

  • 現状のままでいい

    117