北陸新幹線開業 百年に一度の期待と不安
203

テーマ

北陸新幹線開業 百年に一度の期待と不安

3月14日、延伸開業した北陸新幹線。首都圏と2時間台で結ばれることで北陸2県合わせて200億円超の経済波及効果が生まれるという。千載一遇の好機に沿線自治体の期待も高まるが“副作用”も指摘されている。果たして北陸新幹線は地方創生につながっていくのだろうか。

3月14日、延伸開業した北陸新幹線。首都圏と2時間台で結ばれることで北陸2県合わせて200億円超の経済波及効果が生まれるという。千載一遇の好機に沿線自治体の期待も高まるが“副作用”も指摘されている。果たして北陸新幹線は地方創生につながっていくのだろうか。

宮田一雄の視線

 新聞やテレビのニュースでも、バラエティやグルメ番組でもこの1週間、あふれるほどに取り上げられているので、いまさら紹介するまでもないが、3月14日、北陸新幹線・金沢~東京間が開業した。これまでの長野新幹線からさらに日本海側の新潟、富山、石川県へと延伸され、とりわけ、これまで新幹線が通っていなかった富山、石川両県の盛り上がりは大きい。
 石川県の北陸新幹線ホームページには真っ先に「北陸新幹線は石川県の未来を切り拓いていく希望の星です」と書かれている。富山県のホームページには歓迎動画がショートバージョン(約2分)、標準バージョン(約8分)、ロングバージョン(約15分)と3種類も紹介中だ。富山県高岡市出身の産経新聞、佐野慎輔特別記者によれば「100年に一度の好機」と地元の期待感はふくれあがっている。
 だが、一時的な開業ブームの後はどうなるのか。富山も金沢も日帰り出張圏になってしまえば、首都圏に本社を置く企業が支社を撤退させるのではないか。そんな懸念がある一方で、企業によっては本社機能を東京から北陸に移す動きも見られる。先が読みにくい。人の流れが変わることで、北陸は活性化するのか、それとも逆に経済の地盤沈下が進行するのか。高速鉄道輸送という線の変化を地域という面の波及効果に広げる工夫がいまこそ必要だ。地元にとっては100年に一度の知恵の出しどころといってもいい。間もなく開業1週間、整備新幹線の前倒しは地方創生につながるのか、つながらないのか。北陸の挑戦はその試金石でもある。

ストロー現象は起こるか

地価では「新幹線効果」

 国土交通省が3月18日発表した公示地価(2015年1月1日時点)。鉄道や高速道路といった交通網の整備が地価の押し上げ役を担う構図が鮮明になった。交通アクセスの向上が呼び水となって一帯の開発が進み、地価上昇につながる循環的な動きとなっている。
 アクセスの向上が地価を押し上げる現象は、多くの地域で起きている。3月14日に北陸新幹線が開業した金沢市。金沢駅金沢港口(西口)の調査地点は上昇率が全国の商業地でトップの17.1%だった。反対側の兼六園口(東口)が観光スポットの兼六園や金沢城、繁華街の香林坊に向いているのに対し、金沢港口側は「発展が遅れていた」(地元住民)。だが新幹線開業で様相は一変し、首都圏からの客を狙うホテル、マンションなどの建設に沸く。新幹線効果は富山市でも顕著で、富山駅近くの商業地は7.8%上昇した。

未来はバラ色?

他の整備新幹線も前倒し

 1月14日、政府・与党は整備新幹線開業前倒しを検討してきた延伸区間のうち、北海道新幹線の新函館北斗-札幌間を現行予定から5年、北陸新幹線の金沢-敦賀間を3年、それぞれ早める方針を決定した。九州新幹線(長崎ルート)の武雄温泉-長崎間も現行予定の34年度から可能な限り前倒しする。
 国交省によると、北海道を5年、北陸を3年それぞれ前倒しすると、国内総生産(GDP)を総額約4千億円押し上げる効果があるといい、交流人口の拡大など、早期開業による経済効果は大きいと判断した。

若者を定着させられるか

北陸新幹線開業 百年に一度の期待と不安

みんなの投票

整備新幹線はさらに必要だと思いますか?

  • 必要だ

    81

  • 不要だ

    101

  • どちらともいえない

    21