「センゴク」宮下英樹が語る真実の信長

「センゴク」宮下英樹が語る真実の信長

織田信長とはどんな人物だったのか。多くの研究者や歴史ファンを虜にする彼の人物像は、いまだ多くの謎に包まれる。数々の古戦場や城跡を踏査し、膨大な資料を読み解いた独自の解釈が専門家をも唸らせる人気漫画「センゴク」の著者、宮下英樹氏に、自身が思う信長像を大いに語ってもらった。

宮下史観の信長像

  • 「センゴク」宮下英樹が語る真実の信長

    「センゴク」宮下英樹が語る真実の信長

    後世の人は信長がすべて見通してやったっていうふうに見るけど、実はそうじゃない。その当時の葛藤とか苦悩とか、人知れず苦労してようやく解決策を見つけ出してきたはずなんです―。人気漫画「センゴク」シリーズの著者、宮下英樹氏が戦国時代の風雲児、織田信長を様々な角度から語る。

戦国史上最も失敗し、挽回した男

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(C)宮下英樹/講談社
 漫画「センゴク」(宮下英樹)の主人公・仙石秀久。これまで無名だったが、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の戦国の英傑に従い、2代将軍、徳川秀忠の信任も厚かった。戦国時代を生き抜き、出世と没落、どん底からの復活とジェットコースターのような振り幅の大きい生涯は痛快だ。
 信長からは「面構えがいい」と気に入られ、秀吉配下で順調に出世。だが、九州征伐・戸次川(へつぎがわ)の戦い(1587年)で大敗、取り潰された。そのどん底から小田原征伐の活躍で復活する。わずかな旧臣を集め、陣借りという形で出陣。正規軍ではなく、手弁当で戦場に駆けつけたようなもので、参戦には徳川家康の口添えもあり、家康との関係を深めるきっかけにもなった。小田原での活躍は、箱根の景勝地、仙石原の地名の由来との説もあるほどだ。
 信州・小諸を領有していた秀久は小山評定後、宇都宮を出発して中山道を西へ向かう秀忠を軽井沢で出迎えた。三男・忠政(当時は久政)とともに先鋒(せんぽう)として西軍・真田昌幸の上田城攻めに加わり、果敢に戦った。ただ、真田氏との攻防に時間をかけたため、秀忠率いる徳川主力部隊は関ケ原の戦いに間に合わず、家康の機嫌を損ねることになる。
 秀久も秀忠を追って西に急ぎ、家康の側近、井伊直政に真田攻めや木曽川増水などの遅参理由を詳しく説明。直政の取りなしで秀忠もようやく家康に面会できた。誠意ある秀久の対応は、秀忠を救い、秀忠の将軍就任後は重用された。
 仙石氏は千石氏ともいい、中興の祖、秀久の頃、「仙石」に統一されたようである。秀久以後、所領は小諸から信州・上田、但馬・出石(いずし)(兵庫県豊岡市)と移った。
 ■仙石秀久(せんごく・ひでひさ)1552~1614年。美濃・斎藤氏、次いで織田信長に仕え、豊臣秀吉配下で活躍。関ケ原の戦い後は、信州・小諸5万7千石安堵。(産経新聞 2014.09.06)

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なぜ「センゴク」なのか

(瀧誠四郎撮影)
 「なんとなく自分と重なるところがあるんですよね」。センゴクシリーズの著者、宮下英樹さんとのインタビューの中で、最も印象に残った言葉である。
 仙石秀久という武将は一般的にはあまり知られていない。なぜ彼の人生をマンガで描こうとしたのか。今回の取材のメーンテーマではなかったが、個人的にはどうしても直接、お尋ねしたかった。
 本作のキャッチコピーである「戦国史上最も失敗し、挽回した男」の数奇な人生をたどってみると、非常に興味深い。その生涯は本テーマの中でも触れているので詳細は省くが、彼には黒田官兵衛や石田三成のように何か特別な才能があったわけではない。槍働きだけで必死に武功を立て、この時代を生き抜いたのである。
 宮下さんによって主人公に大抜擢された仙石秀久だが、本作に登場する彼の姿は失敗を恐れず愚直に生きることだけに執着し、狡猾さや権謀術数とは無縁の、どこか憎めない人物として描かれている。
 「自分がここと決めたからには、ここで突っ走る。才能がなくて失敗してもいつか必ず取り返してみせる。そんな精神の持ち主というか、境遇というか、なんとなく自分と重なるところがあるんですよね」
 かくいう筆者もセンゴクシリーズのファンの一人だが、インタビューの後、最新刊を読み返してみると、主人公の顔がなぜか宮下さんに思えてきたから不思議である。(iRONNA編集長 白岩賢太)
歴史漫画『センゴク』累計750万部の“秘密”…「通説を否定」、徹底した取材・視点で描く物語に専門家もうなる(産経ニュース2015.3.28)
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