大塚家具は誰のものか
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大塚家具は誰のものか

父娘の対立が表面化してから連日メディアを賑わせた大塚家具の内紛劇は、娘の大塚久美子社長の続投が株主総会で決まり、お家騒動はひとまず決着をみた。企業統治の在り方にまで議論が広がった骨肉バトル。久美子社長にお尋ねします。結局、大塚家具は誰のものなんですか?

父娘の対立が表面化してから連日メディアを賑わせた大塚家具の内紛劇は、娘の大塚久美子社長の続投が株主総会で決まり、お家騒動はひとまず決着をみた。企業統治の在り方にまで議論が広がった骨肉バトル。久美子社長にお尋ねします。結局、大塚家具は誰のものなんですか?

家具屋姫の完勝

 3月27日、創業家が父側と娘側の真っ二つにわかれて激突した大塚家具の株主総会。委任状も含めて投票で株主の61%の支持を得て圧勝したのは長女の大塚久美子社長(47)だった。
 久美子氏と父親で創業者の大塚勝久会長(71)はこれまで支持を求めて激しい「委任状争奪戦(プロキシファイト)」を繰り広げてきた。
 議決に先立ち、久美子氏は、自らの取締役選任を求める会社提案について「企業価値を高め、株主の利益を向上を果たせる案だ」との考え方を改めて主張。勝久氏も株主提案を説明し、「私はクーデターで社長の座を奪われた。まだ10年、20年は(経営を)できる。今度は後任選びを間違わない」と訴えたが、経営陣から外れることとなった。
■これまでの経緯は…『大塚家具、「骨肉争い」の裏側

「委任状争奪戦(プロキシファイト)」

 株主総会で経営陣の示す議案に反対したり、株主から異なる提案が出た場合、経営陣と株主がそれぞれ議決権獲得のため、他の株主から委任状で賛成を集め、争うこと。

お家騒動は市場の外で

父、母、娘…総会とも思えぬやり取り

 株主総会開始から約1時間半が経過し、勝久会長の妻、久美子社長の母である大塚千代子氏が質問に登場。議論が終盤に入っていく。
 女性株主 「大塚千代子です、(久美子社長の)母親です。きょうはおわびに参りました」。思わぬ母親登場に会場がざわめく。
 千代子氏「社員が(会長派と社長派の)2つにわかれているというが、全く違います。いま社員は2つに分かれていない。(2月25日の勝久氏の会見で)後ろに立った社員は必死に会長にお願いしました。数字も久美子社長になってよくなったというが、受注と納品で半年以上の時間差がある」
 経営に対する批判というより、久美子氏批判を繰り広げる母親に対し、久美子社長は「簡潔にお願いします。総会であまり表情を変えなかった久美子社長だが、このときは眉をひそめる表情に。「ご質問内容を明確にお願いします」と言うと千代子氏が激高する。
 千代子氏 「株主にお願いしたくてやっているんです! 会長が経営をやってきたが、あなたはまったく聞く耳を持たなかった。社員が幸せになればこんなことしなかった、社員の言葉を聞いてください。わたしは中立の立場ですから、一族と言われるが、会社のどちらがよくなるか見守ってください。久美子に経営ができるとは思いません。社員をいじめないでください!」
 報道陣は、別会場でテレビモニターを通じて、総会をみているため、マイク以外の音声は極めて不明瞭。会場からは株主総会とも思えぬやり取りに、ヤジや笑いが漏れる。どちらを支持しているヤジなのかは分からない。
大塚家具 株主総会詳報 (1) / (2) / (3) / (4) / (5完)(SankeiBiz、2015.03.27)

「情」と「理」の激突

株主への責任果たすには

企業は誰のためのものか

 父娘の対立が表面化してから連日メディアを賑わせた大塚家具の内紛劇は、娘の大塚久美子社長の続投が株主総会で決まり、お家騒動はひとまず決着をみた。
 親子の対立を世間にさらし、株主を巻き込んでのひと騒動となったが、今回も浮き彫りになったのは、コーポレートカバナンスの問題だった。
 会社は誰のものか。今回の騒動をきっかけに、企業統治をめぐるこの議論に注目が集まった。大塚家具の場合も父娘双方の経営に対する価値観の違いが鮮明になり、対立の原因になったわけだが、会社法の原則に基づけば、当然企業は出資した株主のものということになる。
 ただ、企業が利潤の最大化を達成する上で、従業員や取引先、顧客などのステークホルダー(利害関係者)の存在を無視することはできない。つまり、この議論の先にあるのは、企業は誰のものというより、「誰のためのものか」という点に集約される。結論から言えば、株主も含めたすべてのステークホルダーにバランス良く利益が配分される仕組みをつくっていれば、今回のような問題にはならなかったはずである。
 骨肉バトルの結果は、株主利益を優先し企業価値の向上を訴えた久美子氏に軍配が上がった。とはいえ、社内外に大きなしこりを抱えたままの再出発は決して容易ではない。今後、久美子氏がどんなバランス感覚をみせるのか。はたまた、このまま突っ走ってしまうのか。まだまだ目が離せそうにない。(iRONNA編集部)
大塚家具は誰のものか

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