日本人力士よ、恥を知りなさい

日本人力士よ、恥を知りなさい

白鵬は偉大なる横綱なのか。今年1月、審判部批判や外国人差別を匂わせる自身の発言が物議を醸した白鵬。問題が尾を引く中で迎えた春場所も日本人力士を寄せ付けぬ圧倒的な強さで34度目の優勝を果たした。外国人力士に押されっ放しの相撲界。日本人力士たちよ、少しは恥を知りなさい。

怒りの根底にあるもの

  • 白鵬よ、日本人の心を持て

    白鵬よ、日本人の心を持て

    白鵬はいったい何に怒っていたのか―。「優等生」白鵬がご法度である審判批判をし、大バッシングを呼んだ怒りの会見。相撲を見続けてきた相撲ジャーナリスト、荒井太郎が白鵬の怒りの理由を探るとともに、謝罪をせず、ますます孤立を深める横綱に喝を入れる。

朝青龍の二の舞になるな

断髪式で白鵬に声をかけられる朝青龍 =2010年10月、両国国技館(撮影・千村安雄)
 白鵬に何があったのか―。1月26日の会見での審判部批判を契機に、頑なに取材拒否を続けたり、週刊誌に朝まで飲み歩いたりする姿が報じられるなど、これまでの「優等生」のイメージを覆すような言動が目立っている。最近はその圧倒的な強さよりも、自身の言動ばかりが注目される白鵬。「横綱の品格」という言葉も囁かれる中、この言葉を聞いて忘れられないのが同じモンゴル出身の元横綱、朝青龍(本名:ドルゴルスレン・ダグワドルジ)である。
 2003年の5月場所、旭鷲山との対戦で土俵上で審判に対して物言いを要求、続く7月場所の対戦で髷を掴んで反則負けとなるなど「禁じ手」や暴言が問題となり、圧倒的な強さで優勝を重ねながらも批判が殺到、2010年に起こした暴行事件の果てに引退を余儀なくされた朝青龍。現在は実業家としてモンゴルで暮らしているが、今年2月3日にツイッターで「審判部間違えもうあるよ! 何回もう、あった俺の時!!」と突然つぶやき、「白鵬もう帰って来て欲しい!! つまらない事に意地悪されたら!! 世界広いよ」とも感想を述べ、日本で孤立を深める白鵬を擁護した。
 春場所も自らが持つ史上最多記録を更新する34度目の優勝を果たした白鵬だが、結局、優勝後の会見でも謝罪の言葉はなかった。好角家として知られる漫画家、やくみつるさんは「今の白鵬の態度は、確実に日本人を敵に回しつつある。今後、優勝や連勝の記録を上乗せするほど嫌われる、つまらない方向に突き進んでいる」と指摘する。横綱に必要なのは強さだけではない。本人も重々理解しているだろうが、やはり横綱には「品格」こそ求められる。

<白鵬の審判部批判>

初場所千秋楽から一夜明けた1月26日の会見で、初場所13日目の大関稀勢の里との取組を同体取り直しとされた勝負審判の判断を「子供が見ても分かる」などと批判した。これを受け、北の湖理事長(元横綱)と伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)が、白鵬の師匠、宮城野親方(元幕内竹葉山)に直接注意している。北の湖理事長は2月24日に「いつまでも尾を引くことをしていてはいけない」と述べ終結宣言するも、白鵬自身による謝罪がないことから、批判が続いている。

単なるスポーツではない

  • 何が相撲の伝統を守ったか

    何が相撲の伝統を守ったか

    相撲界に外国人が増えるのはグローバル化の影響であり、もはや止めようもない。しかし、大相撲が単なるスポーツではなく、日本の伝統文化、伝統芸能であり、そして何より相撲は神事であるということも忘れてはならない―。元力士で相撲解説者の舞の海秀平が相撲への熱い思いを語る。

日本人はなぜ勝てないのか

  • かげりが見えない白鵬  モンゴル勢の強さの秘密を科学する

    かげりが見えない白鵬 モンゴル勢の強さの秘密を科学する

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白鵬に感じる切なさ

 王貞治さんが今でも台湾籍とは知らなかった。
 「あなたは日本人ですか?」。第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表を率いた際に海外メディアから問われた。
 「父は中国人だが、母は日本人。生まれたときより日本で育ち、日本の教育を受け、日本のプロ野球人として人生を送ってきました。疑うことなく日本人です」。毅然(きぜん)とした態度で答えたという。
 数年前に博多のすし屋で、突然店内のお客さんから拍手が起こった。王さんが現れたからだ。地元の方から「俺たちはとにかく王さんを盛り上げたいんだ」という話を聞いたこともある。
 白鵬が九州場所で大鵬に並ぶ最多32回目の優勝を飾り、インタビューで「この国の魂と、相撲の神様が認めてくれたからこの結果がある。天皇陛下に感謝しています」と語った。世界に類を見ない125代にわたる皇室を中心としたわが国の成り立ちと、大相撲の歴史をしっかり理解していることに感心させられた。
大相撲 相撲教習所に、北海道・滝川産の「白鵬米」を贈呈
した横綱白鵬=2012年2月8日、両国国技館(撮影・春名中)
 最近、講演の仕事で白鵬が名誉観光大使を務める北海道の滝川市を訪れた。同市には横綱自身が田植えをして育てた「白鵬米」というコメがある。農協の関係者に話を聞くと、白鵬は「この日本のおいしいコメをどうしてもモンゴルの人たちに食べさせたい。何とかモンゴルにも水田をつくって、栽培できないか」と相談してきたという。
 そんな白鵬の熱意にほだされ、滝川市ではモンゴルからの研修生を受け入れるようになったとも聞く。一昔前の相撲界なら現役力士は「相撲に専念しろ」と一喝されていただろう。だが、白鵬は土俵の上で横綱としての責任を十二分に果たしている。
 白鵬の広い見識と豊かな発想力があれば、これからの相撲界をもっと発展させられるかもしれない。
 また、ここまで来たら自分の部屋を構えて、強い力士を育てたいという思いが芽生えるのは当然だろう。しかし、今のところ白鵬が現役引退後に親方として活動できるめどは立っていない。
 相撲協会は年寄名跡の襲名者を「日本国籍を有する者に限る」と規定している。日本国籍を取得していないことから、力士名のまま親方になれる「一代年寄」を授与しないとする見解も変わっていない。
 何かを実現するためには犠牲にしなければならないこともあるだろう。だが、愛(いと)しき祖国を捨てきれずに煩悶(はんもん)し続ける白鵬の心を思うと、どうしても切なさを感じてしまう。(元小結 舞の海秀平)
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