「自分探し」の地方議員

「自分探し」の地方議員

号泣県議をはじめ、昨年は世間を騒がせる地方議員が相次ぎました。中でも目立ったのが「若手」といわれる議員でした。さあ、間もなく4年に一度の統一地方選挙です。

そうだ! 地方議員をやろう

 もちろん若い人が地元の政治に関心を持つのは決して悪いことではありません。年配の議員でも問題のある方はたくさんいます。ただ、若いお騒がせ議員たちを見ていると、その生き方が、それぞれ何となく似ているように思えるのです。
 例えば、号泣した40代の元兵庫県議は大阪でもトップの府立高校を卒業していますが、その後の経歴を見ると、恐らく本人としては納得がいかなかっただろうなと思います。「自分はこんな場所にいる人間ではない」と思ったかどうかは知りませんが、安定した市役所職員を辞め、4回も落選したうえで議員になった背景には、何か怨念のようなものを感じてしまいます。
政務活動費の不自然な支出に関する会見で、記者の
質問を聞く野々村竜太郎元県議=平成26年7月1日、
兵庫県庁
 詳細は省きますが、全国最年少の27歳で奈良県葛城市議に当選し、女子高校生とのわいせつ行為で逮捕された市議や、LINEで中学生に威圧的な文章を送った30代の大阪府議らにしても、その経歴は何だか「自分探しをしている人」のように見えるのです。お叱りを承知で言えば、一時乱立した政治塾のようなものに参加する人たちも、はたから見れば、「自分探し」のセミナーのように感じてしまうのです。
 昭和の終わりくらいまで、日本の各都市にはもう少し特色があり、地域のつながりも深かったと思います。その中で、商店街や地場産業の代表や地区の長老らが、それぞれの住民の総意として議員になっていました。そこには利益誘導的な側面もあったのかもしれませんが、今や多くの街で商店街や地場産業はさびれ、大型ショッピングセンターを中心にした同じような街づくりが進んでいます。住民の年齢や職業の構成もだいぶ変わってきたのかもしれません。
 その隙間に登場したのが、「政治に関心のある若い世代」ではないでしょうか。ただ、かつてのような業界代表やご隠居さんならいざ知らず、若い方は普通に社会で生活していれば仕事を辞めてまで立候補するのはかなり難しいことだと思います。
 やや古いデータですが、NPO法人ドットジェイピーが2010年、全国の市区町村議会それぞれの直近の選挙での議員定数と立候補者数を調べたところ、平均倍率はなんと1.21倍で、立候補者が少なく、「全員当選」となった自治体も150市町村以上あったようです。これなら、普通の会社に就職するほうがよほど難しいかもしれません。
 全国の地方議員の数は約35000人。これでも市町村合併などによって約半数に減ったようですが、やはり問題は質です。「議員として」というよりも「大人として」いかがか、という方が増えているように思えます。「そうだ、議員という手があったか」。そんな自分探しに有権者がつき合うのはまっぴら御免です。(皆川豪志)

悪貨が良貨を駆逐する

  • 負のスパイラルに陥った地方議会

    負のスパイラルに陥った地方議会

    昨年来から各地で不祥事連発の地方議員。議員の質の低下を招くという負のスパイラルに陥ってしまっている理由を地方自治を追い続けるジャーナリスト、相川俊英が指摘する。

資質なき議員たち

  • もはや「就職活動」と化した地方選挙

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    政務活動費に加え“第3報酬”まで支払われ、「勤務」は年間100日足らず。そんな地方議員の「行政チェック機能」の現状を、元市川市議会議員で中大特任准教授の高橋亮平がデータを元に考察する。

無投票で決まってしまう

 総務省の地方選挙結果調によると、前回(2011年)の統一地方選では地方自治体の議員選挙で無投票で当選したのは1419人で全体(定数15602人)の9.4%だった。内訳を見ると道府県議会選で17%、町村議会選では20%で無投票となり、いずれも前々回より上昇した。
 また、2014年に行われた地方議員の一般、補欠選挙合わせて428件のうち、無投票だったのは82件で2割近くを占めていることが総務省の調査で分かった。
 公益財団法人「明るい選挙推進協会」が有権者に行った前回の統一地方選の意識調査では「投票なしで決めるのはおかしい」と考える人が38.6%、「無投票になってもやむを得ない」は42・9%、「無投票でよい」は11・2%だった。過去の調査でも「やむを得ない」と考える人が「おかしい」という人よりも多かったが、15年には逆転したこともある。
地方議会を変える国民会議 - 議会開催を土日・夜間にして兼業議員を当たり前にすることを目指して有識者らが結成。
「3ない議会」なんて、いらない 全地方議会を調査(Astand(朝日新聞WEB新書)、2011.02.25)

不祥事議員はもうこりごり

  • やっぱり若者はダメだ…広がる失望を払拭できるか

    やっぱり若者はダメだ…広がる失望を払拭できるか

    若い議員のトラブルが政治不信と若手への失望の側面でイメージダウンになった―。そう指摘する若者と政治を結ぶNPO法人理事長の佐藤大吾は「どんな議員であっても、選ぶのは有権者だ」と説く。

  • 「時代の変革」は地方から始まる

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    今から150年前、高杉晋作が長州で起こしたクーデターから幕末維新の動乱が始まり、国全体の倫理と体制が一変した。時代の大きな変化は、地方の動きから始まるものだと堺屋太一は指摘する。

元美人すぎる市議はいま何を思う

 かつて「美人すぎる市議」として注目され、選挙区への居住実態がないとして当選無効になった立川明日香という女性を覚えているだろうか。元タレントの立川さんは、2012年2月の埼玉県新座市議選に立候補し、2067票を得て候補者32人中5番目(定数26)で初当選した。整った顔立ちと26歳という若さで一躍注目を集めたが、当選直後に市民から「選挙区への居住実態がない」と異議申し立てがあり、市選挙管理委員会が調査。その結果、当選前に住居として届け出た場所で水道やガスを使用した形跡がほとんどなかったことが分かり、同年4月に当選を無効とする決定を下した。
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埼玉・新座市選管の「当選無効」判断を不服として、県選管に審査を申し立てた後、 記者会見に臨んだ立川明日香さん=埼玉県庁、2012年5月14日
 公職選挙法では、市町村議被選挙人の資格として「同一市町村の区域内に引き続き三カ月以上住所を有していること」と定められているが、立川さんは決定を不服として提訴するも、同年12月に突然「一身上の都合」を理由に議員辞職した。
 騒動の最中に記者会見した立川さんは、居住実態を示す根拠を問われ、「トイレは駅やコンビニで借りていた」「朝、洗顔や化粧はせず、髪を整えたらすぐに電車に飛び乗った」などと苦しい言い訳を繰り返し、世間からバッシングを浴びたことでも知られる。
 今回、元市議だった彼女が、地方議員の役割や選挙についてどう考えているのか、自身の経験も踏まえて寄稿をお願いしたところ、本日夜iRONNA編集部に手記を寄せてくれた。議員辞職後、衆院選への出馬が取り沙汰されたり、テレビ出演などで話題にもなった彼女だが、最近は表舞台に出ることがほとんどない。そんな彼女はいま何を思っているのか。「美人すぎる元市議」の手記をお読みいただき、地方議員とは何か、ユーザーの皆さんにも考えていただければ幸いである。(iRONNA編集部)

  • 「美人すぎる市議」と呼ばれた私がいま思うこと

    「美人すぎる市議」と呼ばれた私がいま思うこと

    「美人すぎる市議」と注目され、当選からわずか10カ月で議員辞職した元埼玉県新座市議の立川明日香さんが、iRONNA編集部に手記を寄せてくれた。表舞台から姿を消しておよそ1年半。彼女はいま何を思うのか。

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