橋下徹という人間

橋下徹という人間

「大阪都構想」の賛否については不勉強で何とも言えませんが、「橋下徹」という人物についてはずっとウオッチし続けてきました。一言で言ってしまえば、「自分にできることが、他人にできないはずはない」と考える人だと思います。

橋下徹という人間

 筆者は産経新聞の記者時代、「橋下徹研究」という連載をやっていました。ちょうど府知事に初当選し、大阪中が「橋下改革」に熱狂していたころです。「なぜ、こんな簡単なことができないのか」「なぜ、この程度の発想力がないのか」…。当時彼は職員の能力に相当苛立っていました。
大阪都構想の設計図を作る法定協議会後に、かこみ
取材に応じる橋下徹・大阪市長
=2014年7月9日、大阪市中央区の大阪府庁
 幼少期から青年期にかけての経験は、その後の考え方に大きな影響を与えると思います。あまり裕福ではない家庭に育ちながら、塾にも行かず府内トップ高校に進学した橋下氏は、スポーツも目いっぱいやりながら早稲田大学に進学し、親の援助も受けずに司法試験に合格しました。まさにサクセスストーリーですが、彼には、他人の力をほとんど借りずに自分の努力だけでそれを成し遂げたという強烈な自負があるのです。だからこそ、「できない」人が許せない。世の中のできない人は「できない」のではなく、「努力していない」「努力が足りない」人ではないかと考える節があるように感じられました。
 その後、「維新」の立ち上げや、大阪市長への鞍替えなどで権力の基盤をますます強固にしていった橋下氏。そのためには、地元議員だけでなく、国会議員まで取り込まなくてはならないようになりました。ただ、彼らにしても、橋下氏と全く同じ意見、同じ理屈で動いているわけではありません。そのとき、普通の政治家ならば、説得して理解してもらうか、良し悪しは別として折衷案的な提案でお茶を濁すことを考えるかもしれませんが、彼の場合は考え方がやや違うような気がするのです。
 「なぜこれほどよい案なのに、この人は理解しないのか。理解する努力が足りないのではないか。努力さえすれば、普通はよい案だとわかってくれるはずだ」
 橋下氏には明らかに自分の歩んできた道、自分の見てきたものが最善であるという思いもあります。特に、教育や文化に対しては、「自分がわからないものはみんなもわからない」「自分がつまらないと思うものはみんなもつまらない」という意味合いの発言が多いように思います。
 実は、私はこういう「個」が突出した人間が決して嫌いではありません。ただ、人間関係の機微を最も大切にしなければならない政治家の仕事では、必ず壁にぶつかってしまいますし、実際何度もぶつかっています。
 上西小百合衆院議員や中原徹元府教育長など、「橋下チルドレン」と呼ばれる議員や行政関係者がよくトラブルを起こすのも、彼と同タイプの人間を選んでいるからだと思います。ただ、タイプは似ていても、やっぱり橋下氏と同じようにはできないのです。中には「努力」以前の方もいるかとは思いますが、「努力」だけではどうにもならないことがあることは、「チルドレン」たちを見ていてもわかるのではないかと思います。(皆川豪志)

持たざるものへの想像力

  • 橋下徹が本当に冷たい人とは思わない

    橋下徹が本当に冷たい人とは思わない

    橋下徹氏の物言いについて、旧態依然としたものに対しては、たまに清々しさすら感じる反面、「なんだか時々たしかに物悲しさを感じる」という鈴木涼美。彼の言葉の端々から1年もたたずに別れた元カレを思い出す。

小泉劇場と橋下流

街頭演説をする大阪維新の会
代表の橋下徹大阪市長
=4月3日、大阪市中央区
2003年総選挙で熱弁を
ふるう小泉純一郎・自民党
総裁=東京・渋谷
 「国民の皆さんが怒り心頭。あの国会議員と秘書の給料には、国民の税金を充てることはできないと判断した」。本年度予算を採決した衆院本会議を欠席したなどをめぐり、維新の党から除名処分を受けた上西小百合議員について、統一地方選の街頭演説でマイクを握った橋下徹大阪市長が、「あの議員」呼ばわりして突き放した。
 上西議員の釈明会見では、横に並んで同席し「フォロー役」に徹したかにみえた橋下氏だが、大阪都構想の是非をめぐる住民投票が来月に控え、その前哨戦とも言える統一選への影響を考慮したのだろう。世間が「上西叩き」に傾いているとみるや、すぐに「もう維新とは関係ない」と切り捨てた。
 「永田町の感覚では『処分は重いのでは?』というらしいですけど、維新の会は税金の無駄遣いを改める。それが原点」とちゃっかりPRするところも、大衆を存分に意識した「橋下流」ならではである。
 「劇場型政治」と揶揄された小泉純一郎元首相を彷彿とさせる橋下流。仮想敵をつくり、単純明快なキャッチフレーズで有権者の心をつかむ政治手法は、小泉劇場のそれと瓜二つだが、今回の選挙でも大阪第一党を維持した政治的な結果をみれば、橋下流の「ポピュリズム政治」が一定の支持を集めていることがうかがえる。

礼儀正しいスポーツマン

  • こんな政治家みたことない 橋下徹は「本物」なのか

    こんな政治家みたことない 橋下徹は「本物」なのか

    「長く中央の官僚をやってきたが、このようなやり方の政治家をみたことがない」。橋下氏に驚嘆する元財務官僚の高橋洋一が他の政治家と大きく違う点を鋭く分析する。

都構想 攻防激化へ

 大阪市を5つの特別区に分割して大阪府と再編する「大阪都構想」が最大の争点となった大阪府議選(定数88)と大阪市議選(同86)は4月12日投開票され、橋下徹大阪市長が代表を務める大阪維新の会は府市両議会で第一党を維持したものの、目標としていた府議会での単独過半数には届かなかった。
 最重要課題に掲げる「大阪都構想」の実現に半歩近づいた大阪維新だが、都構想の賛否を問う住民投票(5月17日)を容認した公明党府本部が「(維新の都構想は)賛成できる内容ではない」(代表の佐藤茂樹衆院議員)と改めて反対の姿勢を強調するなど、最終決戦に向けた賛成、反対両派の攻防はさらに激しさを増しそうだ。
 橋下氏は開票当日に姿を見せず、自宅にいたといい、一夜明けた13日午前までにツイッターも更新していない。

「一大阪市民」より

  • 実験台にされた大阪府民 都構想にみる橋下徹

    実験台にされた大阪府民 都構想にみる橋下徹

    全ては8年前から見えていた―。橋下徹批判の急先鋒、帝塚山学院大学教授の薬師院仁志が大阪都構想を通じて「一大阪市民」の立場から苦言を呈する。

再録「橋下徹研究」

  • 「スネ夫」的生き方を是とした橋下徹の少年時代

    「スネ夫」的生き方を是とした橋下徹の少年時代

    橋下氏のパーソナリティーは、彼の政策にどのような影響を与えているのだろうか―。平成20年産経新聞の大型連載「橋下徹研究」から彼の少年期に焦点をあてた第1部を再録する。

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