川淵三郎はバスケ界の救世主になれるのか
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川淵三郎はバスケ界の救世主になれるのか

国際試合の無期限停止が続く日本バスケットボール協会の新会長に改革を主導してきた川淵三郎氏が就任する。川淵氏は五輪予選出場のため処分解除を目指して、引き続きリーグ統一を推進するが、戸惑いの声も漏れる。果たして川淵氏は新リーグを、日本のバスケ界を発展に導けるのか。

国際試合の無期限停止が続く日本バスケットボール協会の新会長に改革を主導してきた川淵三郎氏が就任する。川淵氏は五輪予選出場のため処分解除を目指して、引き続きリーグ統一を推進するが、戸惑いの声も漏れる。果たして川淵氏は新リーグを、日本のバスケ界を発展に導けるのか。

これで五輪に出られるの?

 国際バスケットボール連盟(FIB)から無期限の国際試合停止という制裁を科せられていた日本バスケットボール界の内紛がようやく収拾される見通しになった。国内男子のナショナルリーグ(NBL)とTKbjリーグの併存状況に終止符を打ち、リーグ統合の道筋が示されたからだ。2016年リオ五輪の出場権をかけたアジア予選が間もなく始まるので、なんとかそれに間に合わせるかたちにはなった。
 それにしても、と改めて思う。バスケットボールは競技人口で言えば、野球、サッカーに次ぎ、国内第3位の人気スポーツ。もともとファンも多いはずなのに、なんでこんなにこじれてしまったのか。女子はともかく、男子の五輪出場は今回もかなり厳しそうだ。(宮田一雄)

「選手不在」は解消されるか

最大の問題はリーグ併存

 2014年11月26日、日本のバスケットボール界に衝撃が走った。日本バスケットボール連盟が統括団体の機能を果たしていないと国際連盟(FIBA)から無期限の加盟資格停止処分を受け、男子、女子、ジュニア代表を含めた国際試合出場が不可能となったからだ。
 日本バスケット界でプロ化の動きは2000年代中頃から本格化。だがなかなかまとまらず、日本リーグ機構から独立した形で、05年プロリーグであるbjリーグが設立された。その後、プロ化を見据え日本リーグを13年からNBL(13チーム)に改組し、チーム名に地域を入れることを義務づけたが企業チームも残り(5チーム)、bjリーグ(現22チーム)との統合が見送られた。
 そんな中、4月にFIBAが日本協会にトップリーグ統合などを要請し、10月末までに統合をしないと制裁を加えると“外圧”がかかった。日本協会は16年に新プロリーグを発足する方針を決め、新リーグ組織委員会を立ち上げたが、同委員会がチーム名から企業名を外すと決めると企業チームが反対。このままでは調整がつかないとして、先月23日には日本協会の深津泰彦会長が引責辞任、理事全員も退陣を表明する事態に陥った。
 12月に来日したFIBAのパトリック・バウマン事務総長は「それぞれの(リーグの)中で競争が十分でない。全てが分散し、相乗効果もない」と改めて2つのリーグ併存の問題点を指摘。結局FIBAは日本協会に改革を促進する特別チームを送り込むことを決め、チェアマンに川淵三郎・日本サッカー協会最高顧問とFIBAのワイス財務部長が就任。改革を主導することとなった。

「善意」なら責任はないのか

統一新リーグは「JPBL」

 3月25日、バスケット協会の運営改革を主導するタスクフォースが男子の統一新リーグの参加要件を決定した。
 3部で構成される新リーグへの参加要件はホームタウンが決定し、ホームアリーナを確保など。12-20チームから12-16チームに軌道修正された1部リーグに入る基準として、(1)5000人規模のホームアリーナを持つか、2018年シーズン開始までに着工予定(2)本拠地で年間試合数の8割を実施(3)債務超過でないこと(4)3年間継続して純利益が出ていること(5)ユースチームを所有すること-などが示された。現状でクリアできていない場合、(3)は18年シーズン開始までに、(4)は16年10月以降にクリアできる、具体的な計画の提示が求められる。
 4月1日に発足した新リーグ法人「ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(JPBL)」が同月末まで参加申請を受け、審査を経て7月に1-3部の振り分けを決める。
新リーグの入会基準およびトップリーグ要件について(案)(PDFファイル JAPAN 2024 TASKFORCE、2015.03.25)

Jリーグ流改革は進むか

前代未聞のピンチ

処分解除なら五輪切符は?

 国際連盟による国際試合出場停止処分が解除された場合、男女の日本代表はリオデジャネイロ五輪出場権をかけたアジア予選に参加可能となる。五輪出場が有望視されるのは女子。ワールドカップ(旧世界選手権)出場権をかけた2013年のアジア選手権では43年ぶり2回目の優勝を果たしており、2大会ぶりの五輪切符をかけて中国・武漢で今年8~9月に開かれる同選手権でも2連覇が期待される。
WNBAに挑戦する渡嘉敷来夢
 中心は13年アジア選手権MVPで23歳の渡嘉敷来夢(JX―ENEOS)。史上最年少の16歳で日本代表候補入りした逸材は192センチの長身ながらスピードにも優れ、5月からは本場・米国のプロリーグ、WNBAのシアトル・ストーム入りが決まっている。WNBAでのプレー経験がある32歳の司令塔・大神雄子(日本協会)や13年アジア選手権ベスト5の間宮佑圭(JX―ENEOS)ら戦力は豊富だ。
 一方、1976年モントリオール五輪以降、五輪から遠ざかっている男子は厳しい。五輪切符獲得には今年9~10月に中国・長沙で開かれるアジア選手権での3位以内が最低条件だが、中国、イラン、韓国などの後塵を拝し、準優勝した1997年大会を最後に4強入りすらできないでいる。
 ただ昨年の仁川アジア大会では3位となり、5大会ぶりにメダルを獲得した。米NBA下部のDリーグ、テキサスでプレーした21歳の富樫勇樹や、米ジョージ・ワシントン大で活躍する20歳の渡辺雄太ら期待の若手が飛躍の鍵を握る。
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