責任感なき独立論 スコットランドと沖縄
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責任感なき独立論 スコットランドと沖縄

スコットランド独立は住民投票で否決されたが、一連の動きは世界に大きな波紋を広げた。 日本でも、ごく少数とはいえ沖縄の独立論者が存在することをどう考えるべきか。

スコットランド独立は住民投票で否決されたが、一連の動きは世界に大きな波紋を広げた。 日本でも、ごく少数とはいえ沖縄の独立論者が存在することをどう考えるべきか。

スコットランド独立運動

スコットランドは1707年、イングランドとの長年の対立の末に吸収されて連合王国を形成。大英帝国が発展する中、経済成長を遂げた。しかし、1979年に誕生したサッチャー保守政権による国営企業の民営化で、スコットランド経済を支えた造船、鉄鋼など重厚長大産業は壊滅的打撃を受けた。失業者があふれ北欧諸国のような高福祉政策を求める声が高まった。
そして2014年9月18日住民投票が行われ、即日開票の結果「反対」が多数を占め独立が否決された。最大都市グラスゴーなど一部の都市部などで賛成が過半数を獲得したが、地方部では反対派が多数を占め国力低下や経済混乱につながる分裂の危機を辛うじて回避した。独立が実現しなくなったことで、英通貨ポンドの下落などの経済混乱には歯止めがかけられそうだが、キャメロン英首相は事態収拾に向けて対策を迫られた。スコットランドではもともと強かった保守党が退潮。2011年の地方議会選挙で、英国からの独立を主張する行政府のサモンド首相のスコットランド民族党(SNP)が大勝したことが、住民投票実施につながった。
(2014年8月19日・9月19日産経新聞抜粋)

各国メディアの論調

沖縄独立活動の変遷

 そもそも日本では憲法で独立を認める条文がないため(総務省:地方自治制度の概要・第一編 総則、地方公共団体の組織及び運営に関する制度の体系) 独立は不可能だが、過去には沖縄で動きがあった。

 2010年9月の尖閣沖中国漁船衝突事件直後から、中国メディアは「沖縄(琉球)は中国の属国だった」「日本には琉球の主権がない」「琉球人民は沖縄返還以降、反米・反日の独立運動を休むことなく続けている」といった記事や論文を流していた。
 沖縄にも琉球独立を主張する政党はあるが、県知事選に候補者を擁立しても得票率1%に満たないなど、まったく話にならなかった。
 ところが、去年5月状況は変わった。沖繩で「琉球民族独立総合研究学会」が設立され、地元メディアが大きな紙面を割いて「琉球民族に自由を」などとそれを肯定的に報じたのである。
 中国共産党の機関紙、人民日報の国際版「環球時報」は、「中国の民衆は支持すべきだ」とする社説を掲載。中国の各テレビ局も「沖繩では琉球独立旋風が起きている」などと、独立学会のインタビューや、反米集会の映像を組み合わせて報道した。(産経新聞 2013年11月7日)

沖縄独立に関するツイート   Twitter #沖縄独立  

 そして2014年、11月16日投開票が行われる沖縄県知事選でも論点にされるべきだという意見も。

知事選の争点を米軍の普天間基地の辺野古移設の是非のみに絞っているようだが、この議論だけに選挙の帰趨(きすう)がかかってきそうな方向にあることには違和感がある。

 沖縄知事選では「中国」も問え 東海大学教授・山田吉彦 (産経ニュース)


榊原智

 産経新聞論説委員。専門は政治、安全保障。東大文学部国史学科卒(近現代政治史専攻)。政治記者として、宮沢喜一内閣以来の国政を取材。防衛政策や憲法改正の問題に取り組み、産経新聞が2013年に発表した憲法改正案「国民の憲法要綱」の起草作業を担当した。11年から2年間、防衛大学校総合安全保障研究科前期課程(修士課程)に在籍し、核軍備と日本の安全保障論の歴史的関係について研究、卒業した。現在、防衛省防衛人事審議会委員も務める。著書に『未来史閲覧』『未来史閲覧2』(産経新聞社、共著)など。06年11月から14年7月までの各「政権考」82本は「SANKEI EXPRESS」に掲載された。

安倍政権考

歴代政権を改めて考える

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