なぜ「泡沫候補」は選挙に出るのか

なぜ「泡沫候補」は選挙に出るのか

自身の裸体を選挙ポスターに掲げた人もいれば、元グラビアアイドルや大物歌手の元カレといったユニークな経歴の人たちが、今回の統一地方選に立候補し、地方自治の在り方とは違った意味で注目されている。当選する見込みがほとんどないのに、なぜ彼らは選挙に出るのか。

どーでもいい「多数派のお祭り」

  • “選挙に強い泡沫候補”はすべて計算ずくのことである

    “選挙に強い泡沫候補”はすべて計算ずくのことである

    「泡沫候補」として著名な政治活動家の外山恒一は実は7年間、選挙に出ていなかった。選挙に出た目的からその後模索した選挙“便乗”活動、更には選挙への考察まで思う存分語り尽くす。

負ケルトワカッテ、ナゼ戦ウ?

  • 映画「立候補」監督が問う 泡沫候補とは何か?

    映画「立候補」監督が問う 泡沫候補とは何か?

    泡沫と呼ばれる立候補者たちを取材した「映画『立候補』」監督の藤岡利充。「負ケルトワカッテ、ナゼ戦ウ?」。映画のコピーにした問いかけに対して、泡沫候補たちが出した答えとは。

 2011年、知事が任期途中で辞職したことにより実現した40年ぶりの大阪ダブル選。市長選にくら替え出馬した橋下徹知事(当時)は争点に「大阪都構想」を据える戦略で現職を落選に追い込む圧勝劇を演じ、「大阪維新の会」旋風を巻き起こした。
 藤岡利充監督が第2作目として選んだのは、そんな“大阪秋の陣”に名乗りを挙げた4人の泡沫候補にスポットを当てたドキュメンタリーの「映画『立候補』」だった。
 選挙戦を通して彼らの生き様を追い、また今回寄稿している外山恒一氏や4月に急逝した羽柴秀吉氏へのインタビューで選挙についての信念に迫った異色作は多くの反響を集め、昨年1月「毎日映画コンクール」でドキュメンタリー映画賞を受賞した。

供託金

 選挙に立候補する場合、候補者一人につき一定の現金(もしくは国債)を供託しなければならない。これは、まじめに選挙を戦う意思のない候補者の乱立を防ぐためのもの。供託金の額は、衆院の場合、選挙区で300万円、比例では600万円。ただし重複立候補の場合、比例の額が減額される。選挙区では得票数が有効投票総数の10%に満たなければ、全額没収される。比例の場合は、当選者数が少なければ、没収される額は増える。

独特の存在感

  • 有名候補者、“唯一神”又吉イエス代表の素顔に迫る

    有名候補者、“唯一神”又吉イエス代表の素顔に迫る

    地盤もカバンも看板もなく国政選挙に出馬し“独自の戦い”を繰り広げる候補者たちの中で伝説的な存在となっているのが、「世界経済共同体党」の又吉イエス代表。彼の素顔に迫った2009年7月のルポを再掲する。

  • 本気で当選目指した羽柴秀吉氏 家では別の顔を持つ父だった

    本気で当選目指した羽柴秀吉氏 家では別の顔を持つ父だった

    日本一有名な「泡沫候補」が死去した。自分を生まれ変わりと信じていた「羽柴秀吉」の名で東京都知事選など多くの選挙に出馬した三上誠三氏が4月11日、肝硬変のため65歳で亡くなった。三上氏が選挙にのめり込むようになったきっかけとは。

選びたくても選べない

村議選が無投票となった鹿児島県
三島村の3離島の一つ、黒島
 4月26日投開票の第18回統一地方選の後半戦。19日の100市区長選と316市区議選に続き、21日に122町村長選と373町村議選が告示されたが、各地で無投票当選が相次ぎ、民意を示す機会の多くが失われる形になった。     
 このうち89市長選のうち、津、長崎の県庁所在地を含む3割の27市で無投票当選が決まった。一方、市区議選には計9519人が立候補したが、市議選では前回から倍増となる246人の無投票当選が決まった。また、町村議選は89町村の930人が無投票で当選。町村長選に至っては無投票当選が53町村と全体の4割を超えた。
 前半戦の41道府県議選では計501人が無投票で当選し、総定数2284のうち21・9%を占めた。

ユーザー投稿

  • なぜ誰も「無投票当選」を問題視しないのだろう

    なぜ誰も「無投票当選」を問題視しないのだろう

    著者 G-3(鹿児島県) 統一地方選挙の前半が終わり「総括」記事を読むと、「低投票率」が見出しに踊っている。前回の総選挙に関して「一票の格差」を問題にして「選挙無効」を訴えた皆様方は、このような事態をどう捉えるのでしょう。

泡は光で虹色に輝く

 先日、羽柴秀吉(本名・三上誠三)さんが亡くなったニュースがちょっとした話題になりました。そう、生涯17度の選挙に立候補し、いずれも落選した「伝説の泡沫候補」として知られた人物です。
 彼の素性については、既に多くのメディアで取り上げられているので、あえて触れませんが、有権者の多くは、「泡沫」と呼ばれながら、なぜ選挙に出続けたのかという疑問を抱いたのではないでしょうか。
 ただの目立ちたがりとか、「選挙バカ」などと嘲笑する人もいますが、実業家として成功し、富と名声を得た彼が最後に欲したものは「権力」だったという人もいます。いずれにせよ、今となっては知る由もありません。
 ただ、一つ言えるのは、彼ら泡沫候補が出馬したことで無投票当選が回避された選挙もあったという事実です。
 全国唯一の財政再生団体である北海道夕張市では、今月19日に市長選が告示され、現職が無投票で再選しました。8年前の市長選では、件の羽柴さんも立候補し、342票差まで迫って善戦しましたが、そのときの投票率は80%を超える盛り上がりだったそうです。
 当時の記事などによれば、「私財を投げ打ってでも再生させる」との訴えが市民の心をつかんだようですが、夕張市民にとっては自治の在り方を真剣に考える良い機会になったはずです。
 今回の統一地方選でも、自分の裸体を選挙ポスターに掲げた人や元グラビアアイドル、大物歌手の元カレといったユニークな面々が顔をそろえました。奇抜なパフォーマンスばかりが注目されるこの人たちに、政治家としての資質があるのかという疑問はありますが、高額な供託金をドブに捨てる覚悟で政治に参加する心意気だけは感心したくもなります。
 それでも、彼らの選挙活動が主要メディアで取り上げられることはほとんどありません。当落が分かりきった選挙であればなおさらです。有権者も「無駄な活動」と冷ややかな視線を向けるとはいえ、住民の代表を選び、自治の在り方を考える機会が失われる「無投票当選」よりは、ずっとましだと思います。
 そういえば、本日のテーマを公開するにあたって、12日投開票の千葉市議選に「職業ニート」で立候補した上野竜太郎さんに寄稿をお願いしました。残念ながら、丁重なお断りのメールが編集部に送られてきましたが、ただ一文、泡沫候補について自身の考えを書き記していました。コラムの最後に彼の考えをぜひ紹介したいと思います。
 「泡は光で虹色に輝きます。『泡沫候補』と呼ばれた人々が脚光を浴びる事によって、色々な人が、色々な思いを持って政治に挑んでいると言うことを、色々な人々に知って貰えればいいなと思います」(iRONNA編集長、白岩賢太)
なぜ「泡沫候補」は選挙に出るのか

「泡沫候補」たちの立候補についてどう思いますか?

  • 464

    無駄な選挙活動はやめてほしい

  • 351

    無投票当選よりはマシだ

  • 60

    そもそも選挙に関心がない

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