「移民化」が日本を滅ぼす

「移民化」が日本を滅ぼす

介護部門での外国人大量受け入れ、技能実習制度枠の拡大。これが「移民国家化」の始まりでなくてなんなのか。人口減が深刻化する一方の日本の外国人政策を考える。

「安い労働力」という筋違い

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平成21年5月、経済連携協定(EPA)
に基づき、日本で介護福祉士と看護師の
資格取得を目指すフィリピン人候補者
200人以上が来日。当時は新型イン
フルエンザ対策として、全員がマスク
姿で成田空港に到着した(早坂洋祐撮影)
 安倍政権が、日本で習得した技能を母国で役立ててもらうという外国人技能実習制度の趣旨をねじ曲げ、「単純労働者」の受け入れを実質的に解禁しようとしている。
 その象徴とも言うべき政策の大転換が、これまで原則認めてこなかった介護分野での容認である。
実習生の日本語能力要件を甘くすることにしており、現場では混乱が懸念されている。にもかかわらず、早ければ来年度から受け入れを始めるという強引なやり方だ。
 高齢化の進展で介護需要の伸び、人手不足が懸念されることから、実習生を「安い労働力」と見なして手っ取り早く「穴埋め」しようというのである。
 だが、高齢化は各国で進んでおり、介護人材は国際的な争奪戦が予想される。外国人に依存しすぎたのでは、彼らが来なくなった途端に日本の介護は大混乱に陥るだろう。
 安倍政権は介護分野以外でも、国家戦略特区における家事支援人材(メイド)や医師の受け入れを進めようとしている。その先に透けて見えるのは「外国人を入れるしか労働力不足に対応できず、日本の成長もない」との世論形成だ。
 このまま「単純労働」を進めて行けば、気が付いた時には外国人が日本中にあふれ、移民受け入れに近い社会になっているかも知れない。
 だが、外国人の大量受け入れはあまりにデメリットが多い。それは、欧州各国の苦悩ぶりがすべてを証明している。
 人口が減少する日本において急がれるのは安易な数合わせではなく、限られた人口で経済成長を成し遂げ、豊かな社会を実現する方策を考えることであるはずだ。
 われわれは、外国人労働者受け入れ拡大の本質を考える必要がある。(産経新聞論説委員 河合雅司)

日本人の覚悟が問われている

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外国人実習生に「介護」できるのか

 政府は、外国人労働者の門戸を介護現場にも広げようとしている。厚生労働省の有識者検討会は1月26日、外国人に日本で働きながら技術を習得してもらう「外国人技能実習制度」の対象職種に介護職を加えるよう促す中間報告書をまとめた。「安価な働き手」を確保してでも介護現場の深刻な人手不足を少しでも解消したい、という「苦肉の策」でもある。しかし、高齢者らを相手に日本語で会話する「言葉の壁」が問題視されるほか、国民の生活を支えるための日本の社会保障を外国人が支えることから、社会保障制度の矛盾になりかねないという批判も出ている。(産経新聞 2015.2.8
外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会における議論の中間まとめ(厚生労働省)

 外国人技能実習制度 発展途上国の人材が最長3年の期限で、働きながら日本の技術を学ぶ仕組み。政府は途上国の経済発展に資する国際貢献と位置付けているが、安価な単純労働力として外国人を利用しているとの批判がある。昨年6月末現在の実習生は約16万2千人で、中国が最多の10万人超。昨年6月に閣議決定された新成長戦略で、職種拡大や期間延長など抜本的見直しが明記された。

加速する単純労働者受け入れ

 政府は2014年4月、東日本大震災からの復興や2020年東京五輪に向けた建設需要で人手不足が慢性化しているとして、建設業に限り、外国人の単純労働者の受け入れを閣議決定した。外国人労働者を活用し、経済成長を維持する狙いがあるとみられる。 水面下では移民の大量受け入れも検討されているといわれ、年間20万人の受け入れで人口を維持できるというのが内閣府の試算だ。
 許可要件の緩和に伴う一般永住者の急増で、外国人労働者の受け入れは実質的に進んでいる。 
  政府は平成4年、外国人の受け入れに関する基本方針を示した「出入国管理基本計画」を策定。大学教授や経営者、高度な技術者など「国の利益になる高度な人材」の受け入れを進める一方で、単純労働者は受け入れないとしてきた。
 だが、これはあくまでも“建前”にすぎない。
 すでに2年には日系人に限って就労制限のない「定住者」の受け入れを開始。5年には農場や工場で研修させる技能実習生制度も導入された。10年には日本人と結婚して3年たてば、一般永住者として認めるようになったことで、単純労働者の受け入れは加速度を増している。(産経新聞 2014.9.3)

外国人材を考える

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在外女性社長からの報告

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相次ぐ失踪 受入停止措置ゼロ

 日本で働きながら技術を学ぶ「外国人技能実習制度」をめぐり、各地で実習生の失踪が相次いでいるにもかかわらず、失踪者を出した団体・企業への新規受け入れ停止措置が過去5年間で一度も行われていないことが15日、法務省入国管理局への取材で分かった。
 法令上、受け入れ先に失踪の責任があることが措置の前提になっているが、いなくなった実習生を捜し出して理由を聞くこともできず、どちらに責任があるか見極めが困難なため、停止措置の適用が難しいことが背景にあるとみられる。現行規定は事実上空文化しており、実効性のある対策が求められそうだ。
 入管難民法に基づく省令では「行方不明者の多発」を不正行為として規定。過去1年間に受け入れた実習生の失踪が一定数に達した団体・企業は、新規受け入れが3年間停止されることになっている。だが、平成22~26年の5年間に受け入れが停止された団体・企業はゼロ。さらにさかのぼっても適用事例は数件しかないという。(産経新聞 2015.5.15

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「移民化」が日本を滅ぼす

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    現行方針を維持すべき

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    移民の受け入れを拡大すべき

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    移民の受け入れを縮小すべき

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