大阪都構想、やってみなはれ

大阪都構想、やってみなはれ

橋下徹大阪市長が政治生命をかけた「大阪都構想」の是非を問う大阪市住民投票が5月17日に迫った。反対派が優勢との情勢が伝わる中、賛成派も巻き返しを図る。都構想は改革か、それとも破壊なのか。二者択一の選択で揺れる大阪市民のみなさん、ごちゃごちゃ悩まんと(やれるもんなら)やってみなはれ。

大阪人の東京コンプレックスとは

住民投票を控えた大阪市。手前は大阪市役所
=5月11日午後、大阪市(共同通信社ヘリから)
 大阪人には「東京コンプレックス」なる深層心理があるらしい。つい先日、酒場で仲間とぐたぐた語り合っていた際、生まれも育ちも東京という知人から「ほんと、東京コンプレックスの塊ですね」と鼻で笑われた。酒に酔っていたので、具体的な会話の中身まで記憶していないが、彼は筆者と四方山話をしているうちにそう感じたらしい。
 筆者は上京してから2年になるが、東京に対する引け目みたいな感情を意識する機会はそんなになかった。むしろ、東京に来てから大阪の良いところばかりに気が付くようになり、大阪への愛着は増す一方だった。
 だが、彼にしてみれば、「やっぱ、大阪はええとこやで」というフレーズが筆者の口から出るたびに、コンプレックスの塊だと煩わしく思えたという。「こう言っては何ですけど、東京の人間は、そんなに大阪のことなんか気にしていませんよ!」。最後はぴしゃりと言い切られてしまったが、考えてみれば同じようなことを言われた経験は、これまでの人生で一度や二度ではなかった気がする。それだけに、複雑な思いだった。
 大阪人はとかく過剰に東京を意識する。これこそが東京コンプレックスと揶揄される所以だが、そこには首都と地方都市に成り下がった大阪という歴然とした格差が背景にある。東京一極集中と言われて久しいわが国にあって、排他的とも言われる独自の文化と地域性を有しながら、地盤沈下が進む大阪の存在感は、ますます小さくなるばかりである。
 何事においても目立ちたがりな大阪人にしてみれば、自らの存在価値の大きさこそがアイデンティティーであると言えなくもない。「東京にまたもってかれた!」とすっかり負け犬根性が染みついてしまった現状にフラストレーションがたまっていることは容易に想像がつく。そういった意味で、東京への対抗心や嫉妬の裏返しがコンプレックスだという指摘は分からなくもない。
 だとすれば、今まさに大阪が「都」になるか否かで揺れる大阪都構想の行方は、大阪にとって「国家百年の計」とも言える関心事である。もっと言えば、「負け犬」になった大阪が、ようやく東京に張り合うチャンスを得たという見方もあながち間違っていないと思う。
 にもかかわらず、新聞各紙が実施した大阪都構想の最新世論調査では、いずれも反対派が優勢との結果だった。「都構想にメリットなし」「集権化による異論の封じ込めは危険だ」「戦後最大の詐欺」…。橋下徹という大阪ではかつてない独裁的なリーダーが発案したプランなだけに、実現後の成り行きに不安を抱く反対派の主張は、一見論理的で筋も通っている。
 ただ、こうした抵抗勢力の中に、大阪市議や大阪市職労といった自分たちの「既得権益」を守ろうとする人たちが交じっているのをみると、せっかくの主張のすべてが霞んでみえてくるのだから不幸としかいいようがない。(iRONNA編集長、白岩賢太)

論理のイカサマに学者として一言

  • 紙芝居で勉強したら大阪都は「無駄使い5倍増計画」とわかった

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    「都構想」推進側の紙芝居で勉強してみると、弁護士や政治家としては屁理屈上等なのだろうが、純粋に論理学の観点から見ると、ひでぇなぁ、この説明を本気で言っているのかよ、と思った。

賛否両派が発信合戦

 5月17日投開票の住民投票をめぐり、特別区制度の“先輩”である東京都の区長や研究者が論戦に加わっている。賛成派、反対派の説明会に出席したり、記者会見を開いたりして、都構想の意義や問題点をそれぞれ強調した。
 6日夜、大阪市内のホテルで行われた都構想を推進する大阪維新の会主催の説明会で、東京都中野区の田中大輔区長が市民ら約170人の前で「都構想ではわれわれが望む権限が相当盛り込まれている。ぜひ実現していただきたい」と力説。
 一方、反都構想の急先鋒として知られる藤井聡・京都大大学院教授が中心となる研究者グループは9日、市内で「『大阪都構想』の危険性(リスク)に関する学者説明会」を開いた。

政策割り当てと改革手法

  •  大阪市「特別区設置住民投票」を考える経済学的ポイント

    大阪市「特別区設置住民投票」を考える経済学的ポイント

    大阪市の「特別区設置住民投票」について考えるとき、経済学では重要な「政策の割り当て」の観点を採用することがまず必要だろう。もう一つのポイントは改革をすすめる手法にある。

「質」問われる一票

=2015年5月10日現在

下限規定なく、1票差でも決定

 住民投票を17日に控え、投票率の行方にも注目が集まっている。投票率は、投票結果に民意が十分反映されているかをはかる重要な指標の一つだけに、過去には下限規定が設けられたケースもある。ただ、今回の住民投票にそうした規定はなく、たとえ低投票率でも賛成が反対を一票でも上回れば市の廃止と特別区の設置が決まる。それだけに有権者の一票は重く、専門家は「一票の質にこだわるべきだ」と指摘する。(産経新聞 2015.5.11)
■市選管、開票の公平性確保に全力 賛成・反対派双方に立会人の推薦要請(産経新聞 2015.5.9)

 期日前投票、最終13%程度か 17日の投開票まで1週間となった10日現在、有権者約211万人の約8・5%に当たる18万人余りが投票。1日平均で約1万4千人に上る。住民投票は期日前投票期間が19日間とほかの選挙より長いため、平均投票者数がこのままのペースで投票最終日(16日)まで推移すれば、期日前投票者総数は全有権者約211万人の約13%に当たる約26万7千人に達する計算。大阪市長選の約23万8千人を超え、民主党が政権交代を果たした21年8月の衆院選(大阪市内の投票率65・00%)の約26万9千人に迫る可能性もある。(産経新聞 2015.5.12)

都構想の「原点」

  • 若き大阪市民に知らせたい「大阪市職」の不埒な悪行三昧

    若き大阪市民に知らせたい「大阪市職」の不埒な悪行三昧

    今回は投票権を持つ大阪市民、なかでも若き大阪市民に正しい判断を期待して、当ブログ読者とともに、そもそも橋下氏の『大阪都構想』がなぜ生まれたのか、原点に戻った問題提起を試みたいと考えます。

大阪の未来を選ぶ

  • 「天下の台所」と「大大阪」から見える都構想の成否

    「天下の台所」と「大大阪」から見える都構想の成否

    「迷ったら、一歩前に踏み出そう」「迷った時こそ、立ち止まって考えよう」賛成、反対両派の呼びかけに、大阪市民はどのような選択をするのか。ヒントとして、大阪の成り立ちを振り返ってみたい。

都構想、やってみなはれ

繁華街の大型ビジョンには投票を呼びかける
画面が映し出された=大阪市中央区(恵守乾撮影)
 大阪市を解体されて本当に困るのは、市民ではなく、こうした既得権益者たちではないのか。彼らが表舞台に立って必死に訴えれば訴えるほど、そう疑いたくもなる。そして、都構想を批判するインテリの方々も「橋下憎し」の一点だけで結束しているようにみえてならないのは、筆者だけだろうか。
 むろん、筆者の疑問はこれだけではない。都構想を否決した先に大阪が輝くビジョンなんて本当に存在するのか。126年に及ぶ大阪市制の歴史を守り抜くことが、本当に未来の大阪の発展につながるのか。
 何の変化を求めず、たとえ現状を維持したとしても、大阪が輝きを取り戻すまともな対案が本当にあるのであれば、反対派にはぜひ示してほしい。「都構想でなくてもできる」という主張はごもっともだが、それを実現できるリーダーはどこにいるのか。はっきり言って対案なき批判は、それこそ「論外の代物」ではないのか。
 筆者は都構想を支持する。それは橋下氏の言う「二重行政の解消」とか、「大阪が東京のように発展する」とか、そんな甘い言葉を信じているからではない。いや、むしろ彼が発する「甘言」はすべて嘘だと思っている。
 それでも、「東京には負けへんで!」という大阪人の心をくすぐる、彼の攻めの姿勢には賭けてみたい。正直、今のままではいつまでたっても大阪人の「負のマインド」は消えない気がする。
 かつて、大阪が元気だったころ、大阪人には「やってみなはれ」の精神でどんな困難も乗り越えてきた自負があった。何もやろうとせず、前を向こうとしない人を嫌う半面、そういう人たちの背中をどんどん押して、前に進ませる活力があった。
 そんなフロンティア精神こそ、大阪の活気の源であると信じたい。そして来る5月17日、大阪の未来のために、大阪市民が賢明なる選択をしてくれることを願ってやまない。(iRONNA編集長、白岩賢太)

大阪都構想、やってみなはれ

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