寛容と偏見、同性婚を問う
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寛容と偏見、同性婚を問う

同性カップルを「結婚に相当する関係」と認め、証明書を発行する全国初の条例が今年4月、東京都渋谷区で施行された。性的マイノリティーの権利を保障する動きは世界に広がっているが、家族制度をめぐる議論にも直結するだけに慎重な意見が根強い。寛容か偏見か。同性婚について考えたい。

同性カップルを「結婚に相当する関係」と認め、証明書を発行する全国初の条例が今年4月、東京都渋谷区で施行された。性的マイノリティーの権利を保障する動きは世界に広がっているが、家族制度をめぐる議論にも直結するだけに慎重な意見が根強い。寛容か偏見か。同性婚について考えたい。

先鋭化する性差否定

「結婚相当」婚姻とは別

 証明書発行の時期などは今後、区の規則で定める。区は早ければ夏ごろの開始を目指しているが、桑原敏武区長が今期で引退するため、事実上の運用は4月の区長選で当選する新区長の下で進められる。条例は、男女平等や多様性の尊重をうたった上で「パートナーシップ証明書」の発行を明記。不動産業者や病院に、証明書を持つ同性カップルを夫婦と同等に扱うよう求めるほか、家族向け区営住宅にも入居できるようにする。条例の趣旨に反する行為があり、是正勧告などに従わない場合は事業者名を公表する規定も盛り込んだ。
 証明書の対象者は区内に住む20歳以上の同性カップルで、互いに後見人となる公正証書を作成していることなどが条件。カップル解消の場合は取り消す仕組みもつくる。証明書に法的な効力はなく、区側は「憲法が定める婚姻とはまったく別の制度」としている。

■「パートナーシップ」と「同性婚」 渋谷区がHPで公表している世界各国の状況では、パートナーシップ(何らかの夫婦に準じる権利)を認めているのはドイツ、イタリアなど25カ国、同性婚はオランダ、スペインなど19カ国が認めている。
今問い直す、日本の「同性婚」と「結婚制度」 欧米“先進国”はどう実現したのか?(東洋経済ONLINE)

人口の3~5%、LGBT(性的少数者) 同性愛のレズビアンやゲイ、両性愛のバイセクシュアル、生まれつきの性別に違和感を持つトランスジェンダーなどの頭文字を取って「LGBT」と総称される。日本の人口の3~5%存在するという。文部科学省が平成25年度に初めて実施した調査で、肉体的な性別に違和感を訴える児童生徒が、全国の小中高校に少なくとも606人在籍していたことが判明。教育現場でも対応が求められている。

「伝統的家族観の破壊」

世田谷、宝塚も追随?

3月31日、東京都渋谷区で同性カップルを
結婚相当と認める条例が成立し、横断幕を
掲げ喜ぶ人たち
 渋谷区の条例制定を受けて、他の自治体でもLGBT支援を具体的に検討する動きが広がっている。東京都世田谷区の保坂展人区長は同性カップルをパートナーとして公的に認める制度に「区長判断でできることに絞り、具体化したい」との見解を示し、横浜市の林文子市長も「社会の一員として受け入れていくのは大事」と支援について検討する考えを表明している。
 渋谷区同様、条例制定を視野に入れているのは兵庫県宝塚市だ。中川智子市長は「人が自分らしく生きるために大切な施策だ」と述べ、庁内検討会設置の方針を示した。同市では4月28日に、市総務部長ら職員13人で構成する検討会の第1回会合が開かれ、法律や事業計画上でのLGBTの位置づけの確認や、各部署で行われている取り組みの情報共有を図った。今後、有識者を招き、議論を深めていく。

法的容認への問題点

「境界のないセカイ」問題

C/KADOKAWA
(C)幾夜大黒堂/KADOKAWA
 18歳から性選択ができる世界を描き、”性の境界”を世に問う話題作として注目が集まったものの、「表現上の問題」から単行本の発売が中止となり連載も打ち切りになった問題作、幾夜大黒堂の『境界のないセカイ』(KADOKAWA)。そのコミックス第1巻が2015年4月25日(土)に発売された。また同日発売の『月刊少年エース』でも連載が開始されている。(ダ・ヴィンチNEWS 2015.4.29
■【境界のないセカイ】講談社がLGBTへの配慮で発売中止か 「腫れ物扱いは不幸でしかない」(ハフィントンポスト 2015.3.16)

性差を超えて

東京都世田谷区の保坂展人区長に
要望書を提出する上川あや氏
(左から2人目)と同性カップル
=3月5日
 4月26日開票が行われた統一地方選の後半戦では、性的少数者(LGBT)を公表した候補者も当選した。心と体の性が一致しない性同一性障害(GID)であることを公表している上川あや氏(47)は東京都世田谷区議選に3位の得票で四選を果たした。上川氏は2003年にGIDを公表し、女性として出馬して初当選。04年末に性別適合手術を受け、翌年4月に性別変更が認められた。
 02年に自著で同性愛をカミングアウト、前回の東京都豊島区議選に初当選した石川大我氏(40)も同区での同性パートナーシップ証明書発行を公約に掲げて返り咲いた。石川氏は任期途中で14年12月の総選挙に社民党から比例代表東京ブロックに出馬したが、落選。13年の社民党の党首選にも立候補していた。

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