「右傾エンタメ」の嘘
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「右傾エンタメ」の嘘

愛国心をくすぐる作品を「右傾エンタメ」というレッテルを貼って、日本の右傾化の象徴として危険視する朝日。「永遠の0」のような感動作や、「艦隊これくしょん」のような美少女ゲームまであげつらう魂胆とは何なのか。右傾エンタメの「嘘」を暴く。

愛国心をくすぐる作品を「右傾エンタメ」というレッテルを貼って、日本の右傾化の象徴として危険視する朝日。「永遠の0」のような感動作や、「艦隊これくしょん」のような美少女ゲームまであげつらう魂胆とは何なのか。右傾エンタメの「嘘」を暴く。

右傾エンタメは朝日の「印象操作」

 「『永遠の0』は特攻賛美の右傾エンタメなのですか?」
 インターネット投稿サイト「Yahoo! 知恵袋」にこんなタイトルの書き込みがあった。本文を読んでみると、下記のような一文も綴られていた。
 「死ねと命じた者の罪と責任を、問う映画を撮るべき。現実の国家による戦争にはいっぺんの感動も美談も存在しない、そこには悲劇しか存在しない」
 投稿主は恐らく、反戦への強い意思を持った人なのだろうが、少々思いが先走っている感が否めない。この質問に対する回答者のコメントの指摘通り、投稿主は本当に原作や映画を一度でも見たのか。いささか疑問に思う。むしろ、原作や映画を見た多くの人は、この作品が戦争を美化した内容ではないことを感じたはずである。
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映画「永遠の0」のワンシーン=(C)2013「永遠の0」製作委員会
 「永遠の0」は、直木賞作家、石田衣良氏による造語として世に広まった「右傾エンタメ」の代表格とも言われる作品だが、2013年6月の朝日新聞紙面に掲載された石田氏の論評はこれまた酷かった。
 「かわいそうというセンチメントだけで読まれているが、同時に加害についても考えないといけないと思う。読者の心のあり方がゆったりと右傾化しているのでは」
 小説や映画が大ヒットした背景には、「日本の右傾化」があるとでも言いたいのだろうが、いったい原作のどこを読んで何を考えれば、ここまで飛躍した論評ができるのか。不思議でならなかった。
 本日公開したテーマでも、石田氏の談話記事を掲載しているが、文化論としての氏の個人的な意見はまだ傾聴する価値があっても、朝日の記事は同じ人物とは思えないほど、偏見に満ちていた。となると、やはり紙面を編集した朝日の意図を感じざるを得ない。
 著名な作家を担ぎ上げて「右傾エンタメ」のレッテルを貼り、日本は政治もエンタメもあらゆる方面が右傾化し、危険な世の中になっている―。そんな「印象操作」の意図は本当になかったのか。エンタメまで無理やり右と左にジャンル分けし、意図的に日本人の対立を煽っているだけではないのか。
 もっと言えば、「かわいそうというセンチメント」だけでデタラメな慰安婦記事を掲載し続けて、嘘を広めたのはどこの誰だったか。一方的な視点でレッテルを貼ることの危険性は、一連の慰安婦報道を振り返れば明らかである。これにも懲りず、今度は「右傾化」をキーワードにお得意の印象操作を繰り返しているのだから、もう呆れるしかない。
 良識あるiRONNAのユーザーの方々は、もう既に右傾エンタメの嘘を見抜いているとは思いますが、本日はぜひこのバカバカしくも腹立たしい「右傾エンタメ論」について考えたい。(iRONNA編集長、白岩賢太)

いい加減にしろ!

そもそも右傾エンタメって何?

 右傾エンタメは、直木賞作家の石田衣良氏が造語として広めた言葉として知られる。2013年6月18日、朝日新聞に掲載された「売れてるエンタメ小説 愛国心くすぐる」と題した記事で、石田氏が「君たちは国のために何ができるのか、と主張するエンタメが増えているような気がします」と指摘。「右傾エンタメ」という言葉を使って問題視したことで注目を集めた。また、自衛隊を舞台にしたラブコメなども右傾エンタメに属するとされ、記事中では「愛国エンタメ」とも表現している。
「右傾エンタメ」とは何か?(BLOGOS 2013.08.22)
「安倍政権で日本エンタメが右傾化!」 朝日&韓国紙「ネガキャン」に作者反論(JCASTニュース 2013/6/21)

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日本の新聞はドリーマー?

 選挙の結果をあらかじめ予想していたのか、朝日新聞にも興味深い記事があった。投票前日の11日、日本の「右傾化」について、丸々一面を使って「耕論」というページで大特集が組まれていた。そこには学者、政治家、ライターの3人が登場し、意見を披瀝(ひれき)していた。それは、いまだに朝日は左右の対立という単純な視点しか持ち得ていないことを示すものでもあった。
 1989年のベルリンの壁崩壊以降、左右の対立は、世界史的にも、また日本でも、とっくに決着がついている。自民党と社会党との左右の対立で始まった「55年体制」の思考からいまだに抜け出すことができないメディアのありさまは“マスコミ55年症候群”とでも呼ぶべきものだろう。だがそんな旧態依然の論調とは無関係に世の中はとっくに違う段階に移っている。
 それは、「左右」の対立ではなく、「空想と現実」との対立である。冷戦下、米国の軍事力の傘の下、空想的平和主義を謳歌(おうか)してきた日本が、中国の膨張主義と軍事的脅威にいや応なく向き合わざるを得ない時代を迎えている。その現実を前に、「相手に手を出させない」ため、つまり、「平和を守る」ために、さまざまな手を打たなければならなくなった。しかし、左右の対立という単一の視点しか持ちえない朝日は、「日本の右傾化が問題」という論調を今も続けている。
 実際には、どうだろうか。左右の対立などではなく、すでに「空想家、夢想家(dreamer)」と、現実を見据えようとする「現実主義者(realist)」との対立、つまり“DR戦争”とも言うべき時代が来たのではないだろうか。はからずも、この朝日の「右傾化」の記事の中で、国際政治学者の三浦瑠麗(るり)さんがこう語っている。「これは中国の軍事的脅威の増大と米国の力の低下という実情にリアルに対応するものと見るべきで、右傾化とまでは言い難いと私は考えます」
 それは、簡潔にして実に明快な見解であり、同時に朝日に対する痛烈な皮肉でもある。日本の新聞は、いつまで時代の変化に取り残された“ドリーマー”であり続けるのだろうか(門田隆将 産経新聞 2015.4.19
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