巨大地震に備えよ、首都壊滅の恐怖
3099

テーマ

巨大地震に備えよ、首都壊滅の恐怖

東京を震度4の地震が襲った。東日本大震災以降、余震や火山性地震が多発し、次なる巨大地震への懸念が広がる。そして、五輪開催を5年後に控えた東京でも、近い将来必ずやってくる首都直下地震への対策が急がれる。災害は忘れたころにやってくる。いま一度肝に銘じたい。

東京を震度4の地震が襲った。東日本大震災以降、余震や火山性地震が多発し、次なる巨大地震への懸念が広がる。そして、五輪開催を5年後に控えた東京でも、近い将来必ずやってくる首都直下地震への対策が急がれる。災害は忘れたころにやってくる。いま一度肝に銘じたい。

「おもてなし」どころではない

生きてる間に1度は発生

 平田直・東大地震研教授「南関東では、相模トラフからフィリピン海プレート(岩板)が北西方向に沈み込む影響で、首都直下地震の一種であるマグニチュード(M)7級の地震発生確率が30年以内に70%とされる。また、関東全域のどこかでM6・8以上の活断層地震が起きる確率は同50~60%とされた。首都圏では、まず70%の高い確率を意識すべきだ。30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われるリスクを示した地震動予測地図が毎年公表されており、全てのタイプの地震による揺れの予測が統合されている。
  30年という時間は人間の寿命に照らして、近い将来として想像できる長さで設定されている。目安として確率が50%以上なら、生きている間に1度は大きな地震が起きると考えるとよい。だが、40%以下でも子孫の代に起きるかもしれない。耐震基準を満たした家に住むことが大切だ。人口が集中している上、耐震性の低い建物が災害を大きくした。日本では現行の耐震基準を満たしていれば、震度7でもいきなり倒壊することはないだろう。ただ、首都直下地震が起きれば都内のエレベーターは全て止まる。高層マンションなどでは、防災用品を1週間分は備蓄してほしい」(産経ニュース 2015.5.18
■Flood Mapで調べる(海面上昇でどの地域まで水没するのか)

法だけでは対応不可

揺らぐ地震予知

※地震調査委員会の資料、防災科学技術研究所のサイト
「J-SHIS 地震ハザードステーション」を基に作成
 平成7年に阪神大震災(M7.3)を引き起こした野島断層は、研究者の間では活断層として知られていたが、社会的には無警戒だった。研究成果を防災に生かす体制の不備が明らかになり、政府は専門家らで構成する地震調査委員会を設置。全国の主な活断層や海溝沿いで起きる地震について、発生確率を算出して公表する長期予測を始めた。
 しかし、新潟県中越地震や岩手・宮城内陸地震など、その後に大きな被害が生じた内陸地震は全て、調査委が予測しなかった場所で発生。海溝型でも東日本大震災を起こしたM9.0の巨大地震は想定外だった。
 この反省から調査委と内閣府は、長期予測と被害想定の考え方を抜本的に変更。従来は過去の記録に基づき、同じ規模の地震が繰り返し起きると予測していたが、過去に起きた記録がなくても、科学的な知見から発生の可能性が否定できない最大級の地震を想定する方針に改めた。
 南海トラフでは、東海地震だけ切迫しているとした東海地震説を事実上否定し、M8~9級の地震がトラフ全域のどこかで起きる確率を30年以内に70%と予測。被害はM9.1を想定し、最悪で死者は32万3000人に達すると推計した。
 相模トラフでは、関東大震災型のM8級が30年以内に起きる確率を最大5%に引き上げたほか、首都直下地震などM7級の確率は70%と依然高い。首都直下の被害は最悪で死者2万3000人と想定した。(産経新聞 2015.03.11)

「要警戒」地域はここだ!

首都の減災は十分なのか

 今後10年間で、想定される死者数と建物被害を「おおむね半減」させるという。
 政府が掲げた首都直下地震の減災目標だ。
 平成25年12月に公表された被害想定では、阪神・淡路大震災と同規模のマグニチュード(M)7・3の地震が都心南部で発生すると、最悪のケースで死者は2万3千人、全壊・焼失する建物は61万棟にのぼる。
 地震を感知して電気を遮断し、
火災を防ぐ「感震ブレーカー」
 住民の命を守り、政治、経済の中枢機能を維持するために、具体的な数字を示して、自治体や関係機関、住民の意識を高めようという意図は理解できる。だが、首都直下地震の切迫性と特性を考えると、どうか。目標は「ゆるい」と言わざるをえない。
 その典型が「感震ブレーカー」の設置率だ。
 一定の揺れを感知すると電気が止まる感震ブレーカーは、電気に起因する火災防止に有効だ。ガスでは同様の対策が実施済みだが、感震ブレーカーの設置率は現状で数%程度と推定される。政府が減災目標で提示した設置率は「平成36年までに25%」である。
 中央防災会議の試算だと、感震ブレーカーが全戸に普及すると焼失棟数は半減し、その上で適切な消火を行えば焼失棟数と火災による死者は、ともに20分の1に減少する。減災効果に対して、目標の数値は低すぎる。
少なくとも火災リスクが大きい木造住宅密集地域については10年の期間設定も撤廃し、早期に全戸への普及(設置率100%)を目指すべきだ。国と自治体には短期集中的な、瞬発力のある施策が求められる。
 そのために何をすべきか。電気事業者や住民を巻き込んで知恵を絞るのは、行政の責務だ。
首都直下地震は、南関東で発生するM7級地震の総称だ。大まかな震源域や発生周期が分かっている南海トラフ地震とは特性が異なることにも留意が必要だ。
 南海トラフ地震では、10年程度の中期的な視野で計画的に対策を進めることが効果的だが、いつ、どこで起こるか予測できない首都直下地震に対しては「できる対策はすぐに」というスピード感のある実行力が、より重要となる。
 「被害半減」目標の達成期間は5年程度に短縮したい。2020年に五輪を開催する首都・東京は、「世界一の防災都市」でなければならない。(産経新聞主張2015.04.05)

次の備えに生かす

巨大地震に備えよ、首都壊滅の恐怖

みんなの投票

政府が掲げる首都直下地震の減災計画についてどう思いますか?

  • 計画は十分である

    318

  • 切迫性に欠け、不十分だと思う

    2433

  • よく分からない

    348