海洋に侵出する中国の脅威

海洋に侵出する中国の脅威

中国が海洋支配を本格化させている。南シナ海で7岩礁を埋め立て人工島をつくり、滑走路まで建設している。東シナ海と南シナ海はいまや「平和の海」とはいえない。ところが、沖縄県の翁長知事は訪米で辺野古移設に反対した。沖縄にとっての脅威が、中国の邪な欲望にあることをわかっているのだろうか。

前田守人の視線

 サミットでも確認されたが、日米を含む主要国はロシアのクリミア併合に続き、中国による南シナ海の岩礁埋め立てを強く非難した。一方、中国は「主権の範囲内のことであり、他国に干渉する権利はない」と反発した。米上下両院合同会議で演説した安倍総理は、アジアの海について「第1に、国家が何か主張するときは、国際法にもとづいてなすこと。第2に、武力や威嚇は、自己の主張のため用いないこと。そして第3に、紛争の解決は、あくまで平和的手段によること」を強調した。
 しかし、中国に「法の支配」を説いたところで、「はい、わかりました」と引き下がることはない。中国経済に依存している国際社会が制裁措置をとれるとも思えない。だが、このまま緊張状態が続き、外交的に解決できなければ、米中戦争も避けられないとさえいわれはじめた。日本の安保法制にも関係する大問題だ。

沖縄県 最大の脅威

  • 中国が虎視眈々と狙う日本の海と空

    中国が虎視眈々と狙う日本の海と空

    沖縄沖の海底鉱物資源を狙わんとする中国の動き。沖縄県において最も脅威となっている問題は東シナ海支配に乗り出している中国の動向に目を向けようとしていない沖縄県民に対して海洋安全保障の専門家、山田吉彦が警告する。

南シナ海で米を「仮想敵」

 5月26日に発表された中国の国防白書は中国の国家安全にとっての「外部からの阻害と挑戦」として、「日本の安保政策の転換」と「地域外の国の南シナ海への介入」を明記した。地域外の国とは米国を指すことはいうまでもない。中国政府の公式文書で中国人民解放軍の仮想敵を具体的に示すことは珍しい。自衛隊や米軍との東シナ海などでの軍事衝突に備え、中国が準備を進めていることがうかがえる。
 白書は、習近平国家主席が唱える「軍事闘争の準備」を強く打ち出し、南シナ海での紛争などを念頭に「海上軍事闘争への準備」を初めて明記した。1978年にトウ小平主導の改革開放が始まって以降、中国は経済発展に専念するため外国との軍事的対立をなるべく避け、外交交渉で解決をはかる「韜光養晦(とうこうようかい)(能力を隠して実力を蓄える)」戦略を実施してきた。
 しかし近年は海洋権益の拡大を求めて外洋への拡張を推進するようになり、軍事力をバックに領土問題などで強硬姿勢を示す場面も急増した。今回の国防白書は、脱「韜光養晦」の姿勢をさらにはっきりさせた。
 中国の海軍を近海型から遠海型へ、空軍を領空防護型から攻防兼務型へ変更する必要性も指摘した。中国軍は今後、作戦範囲を広げ、先制攻撃することもありうることを示した形だ。(産経ニュース、2015.05.26)
■『中国の軍事戦略』白書、専門家の解説(人民網日本語版、2015.05.28)

中国の挑戦に効果的な対応

  • 新日米防衛ガイドラインで中国の「挑戦」に有効に対処せよ

    新日米防衛ガイドラインで中国の「挑戦」に有効に対処せよ

    4月28日、日米2プラス2閣僚会合がニューヨークで開かれ、新しい日米防衛ガイドラインが発表された。今回の再改定は中国が東シナ海と南シナ海で繰り返す現状変更への対応が中心的課題である。

安保法制の裏付けに

 安全保障法制は、4月27日に日米両政府が決定した新たな「防衛協力のための指針(ガイドライン)」で日本の役割を拡大するための裏付けとなる。新指針がこれまでの指針と大きく異なるのは、日本による集団的自衛権の行使が可能になったことを踏まえ、「日本以外の国に対する武力攻撃への対処行動」が詳細に盛り込まれた点だ。
 昭和53年に最初に策定された指針では日本有事における日米協力に主眼が置かれ、平成9年に改定された旧指針では主に朝鮮半島有事を想定した「周辺事態」での対米支援が主要課題だった。いずれも集団的自衛権の行使が禁止されている中で、防衛協力をいかに確保するかが焦点だった。
 新指針では、他国が武力攻撃を受けた場合の「海上作戦」の一環として、「武力行使」に当たるとみなされる停戦合意前の機雷掃海を行うとした。武力攻撃事態対処法などの改正により、他国への攻撃が「存立危機事態」と認定されれば、武力行使も認められるからだ。同様に、新指針では米艦船防護や米国に向かう弾道ミサイルの迎撃も挙げられた。(産経ニュース、2015.04.28)

再改定「ガイドライン」

 日米両政府は4月27日午前(日本時間同日夜)、外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)をニューヨークで開き、ガイドラインの再改定に合意した。指針改定は約18年ぶり。日本の島嶼防衛で自衛隊と米軍が共同対処することが盛り込まれたほか、日本が集団的自衛権を行使する分野として(1)米艦船などのアセット(装備品など)防護(2)捜索・救難(3)機雷掃海や艦船護衛などの海上作戦(4)ミサイル防衛(5)後方支援の5分野を例示。共同声明では尖閣諸島が米国の日本防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象であることを明記し、「日本の施政を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対する」との米政府の立場を確認した。

野心隠さぬ中国

  • 不可解で危険な中国の言い分 米国による平和は維持できるか

    不可解で危険な中国の言い分 米国による平和は維持できるか

    5月末、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議は米国による平和維持に成功したか、あるいは中国による平和への転換点だったかを決める重要な会議だったと田久保忠衛は指摘する。

  • 南シナ海で国内から目を逸らさせようとする中国共産党

    南シナ海で国内から目を逸らさせようとする中国共産党

    中国の習近平主席は、訪中のケリー米国務長官に南シナ海を含むアジア地域の覇権を米国と分かち合う2大国構想を表明したという。しかし、ここにきて陰りが見えてきた中国共産党に余裕などないはずだと長谷川良は見る。

  • 中国の新・国防白書 2020年までに尖閣奪取行動起こすと示唆か

    中国の新・国防白書 2020年までに尖閣奪取行動起こすと示唆か

    5月26日に中国政府が発表した『国防白書』。今回が9回目となる白書の内容が『戦闘を準備する』といった直接的な表現や、米国や日本を名指しで批判するなど極めて好戦的だったことが専門家を驚かせている。

海洋に侵出する中国の脅威

南シナ海で危機が起きたら、日本は米国と共同で対応すべきだと思いますか?

  • 2527

    共同で対応すべきである

  • 68

    米国が対応すべきである

  • 74

    対応する必要はない

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