日本の初等教育は世界一
854

テーマ

日本の初等教育は世界一

『なぜ日本人は、一瞬でおつりの計算ができるのか』の著者でドイツ在住の作家、川口マーン惠美さんは、ともに技術大国である両国を比較し、日本の初等教育の充実ぶりを実感することが多々あるという。世界を見渡せば「11人に1人」の子供が初等教育を受けられない現実もある。わが国の教育水準やいかに。

『なぜ日本人は、一瞬でおつりの計算ができるのか』の著者でドイツ在住の作家、川口マーン惠美さんは、ともに技術大国である両国を比較し、日本の初等教育の充実ぶりを実感することが多々あるという。世界を見渡せば「11人に1人」の子供が初等教育を受けられない現実もある。わが国の教育水準やいかに。

ドイツとの比較

日本の先生よ、自信を持って

 昨年、アラブ首長国連邦の大統領補佐官で教育部門担当をしている方が、日本の初等教育の現場を見せてほしいということで来日された。
 かつて私が学校運営連絡協議委員をしていたつながりから地元の小学校にお願いして学校内を案内していただいた。校長先生の案内で校内を見て回った後、昼食は学校給食を一緒にし、地元の教育委員会の指導担当の主事にも参加してもらって、教育事情について意見交換をした。
 大統領教育担当補佐官は、「アラブ首長国の方が教育予算は多いのに、教育内容が低いのは先生に問題があるように思える」と話し、「多くの先生は教育を天命だと思わず、他の仕事とかけ持ちをしたり、小銭がたまったりするとすぐ辞めてしまう」とこぼしておられた。
 近隣諸国からの「出稼ぎ先生」にも問題があるようだ。日本の教育事情の説明の後、校長先生は「日本の先生は一般的に一生涯、学校教育に尽くす気持ちで毎日を過ごしている」と答えられた。
 事実、海外に駐在していると、2部制の半日授業も多く、学校の授業だけでは食べていけないので、内職をする先生の多いことに気づかされる。ブラジルに赴任していた時代の私の秘書は、英語の先生を辞めて、私の所に来てくれるという状況であった。
 一時期、世界で最も進んだ教育をしているのはフィンランドであるといわれ、競い合ってフィンランドに視察に行ったこともあった。フィンランドを代表する通信機器メーカーのノキア社の代表が、「なぜノキアは業績が伸びないのか」と聞かれたときに、「フィンランドの教育が悪い、平均点は高いが、個性的かつ独創的な人材が育たない」と言ったという報道もある。
 教育問題を話しだすと限(き)りがないほど議論が沸騰する。しかし、私は多くの学校訪問をし、授業参観もした印象では、日本の教員の能力と熱意については、大したものだと評価している。(日本漢字能力検定協会代表理事・高坂節三、産経新聞 2014.08.23)

未来を考えるということ

「脱ゆとり」の成果

 2013年12月、経済協力開発機構(OECD)が65カ国・地域の15歳男女約51万人を対象として2012年に実施した国際学習到達度調査(PISA)の結果を公表した。日本は09年の前回調査に比べ、「読解力」が8位から4位に、「科学的応用力」が5位から4位に、「数学的応用力」が9位から7位に上昇。「脱ゆとり路線」の成果が着実に表れた結果となった。
 公表結果によると、OECD加盟34カ国の平均を500点と換算したときの日本の得点は、読解力が538点で過去最高を記録。科学的応用力は547点、数学的応用力は536点で、いずれも前回調査の得点を大きく上回った。
 日本の順位はこれまで、00年調査ではトップクラスだったが、03年調査と06年調査で連続して急落した。このため文部科学省は平成19年から全国学力テストを実施するなど学力向上策に取り組み、2009年調査で読解力が15位から8位に回復、一定の成果を見せていた。

OECDの国際学習到達度調査(PISA)

 学校に通う15歳の生徒を対象に、義務教育で学んだ知識や技能を実生活で活用する力を評価するテスト。出題は「読解力」「数学的応用力」「科学的応用力」の3分野で自由記述式と選択式で構成され、解答までのプロセスや概念の理解が重視される。2000年から3年ごとに実施し、5回目の今回は65カ国・地域が参加。数学的応用力を重点的に調査した。日本では今回、無作為に抽出された約6400人の高校1年生が3分野のテストを受けた。

早期教育で人材は育つか

家庭教育 話題の「福井モデル」

 いま、福井県の子育て環境が、教育関係者の間で注目を集めている。福井県が公開しているデータによれば、同県の女性の有業率は53・0%で全国1位、共働き世帯割合も36・4%で1位と、女性の社会進出が目立つ上、昨年の全国学力テストの平均正答率が全科目3位以内となるなど、教育でも成果を上げる。
 このほか生活環境の充実を示すデータが多く、日本総合研究所が1月に発表した都道府県幸福度ランキングでは、福井県が総合1位だった。
 なぜ、教育などに関する福井県のデータは軒並み全国トップレベルなのか。
 鍵を握るのが、家族形態だ。同県の3世代同居率は全国2位の17・6%。同居していなくても近くに祖父母がいる家庭が多く、子供たちは両親からだけでなく祖父母の愛情と“しつけ”を受けて育つ。
 仕事と両立できる同県の子育て環境。それを教育関係者らは「福井モデル」と呼び、少子化対策などのヒントにもしている。(産経ニュース、2014.07.31)

親や地域が教えられること

日本の初等教育は世界一

みんなの投票

わが国の初等教育でより充実させる必要がある分野は何だと思いますか?

  • 語学力

    289

  • 数学的応用力

    244

  • プレゼン力

    321