日韓基本条約 50年目の真実
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日韓基本条約 50年目の真実

「日本を批判はするがカネはくれ」――「用日論」をいう韓国の本音だろう。韓国経済がウォン高で悲鳴を上げるなか、6月22日、日韓国交正常化から50年目を迎えた。しかし、首脳会談はいまだ開かれず、両国関係は最悪の状態だ。日韓の真の友好は、どうすれば築かれるのだろうか。

「日本を批判はするがカネはくれ」――「用日論」をいう韓国の本音だろう。韓国経済がウォン高で悲鳴を上げるなか、6月22日、日韓国交正常化から50年目を迎えた。しかし、首脳会談はいまだ開かれず、両国関係は最悪の状態だ。日韓の真の友好は、どうすれば築かれるのだろうか。

前田守人の視線

 河野談話のときもそうだったが、日韓基本条約についても当初の約束は反故にされた。日韓間の賠償問題は完全かつ最終的に解決したはずなのだが、いまでも慰安婦に賠償しろと隣国はいう。ゴールの場所を次々と動かすから、どこが決着なのかさっぱりわからない。何度謝罪しても、気持ちが足りないと謝罪を求めてくる。
 日本は韓国に3億ドルを無償で支払い、有償2億ドル、民間借款3億ドル以上も低利融資されている。1965年当時、韓国の国家予算は3.5億ドルである。この巨額の資金で「漢江の奇跡」と呼ばれる高度経済成長が成し遂げられる。日韓両国の先人たちが恩讐を超えて国交を正常化させたのだろうが、そんな美談を信じているのは日本人だけなのかもしれない。
 韓国はいま経済的に厳しいので、また日本に助けてもらおうと考えているのかもしれないが、「用日論」を許すほど日本人も御人好しではなくなった。

批判はするがカネはくれ

始まりは“用日”

1962年11月、東京・外務省で大平正芳外相(右)と日韓国交正常化交渉を行う金鍾泌中央情報部長(肩書は当時、「写真と読む 大統領朴正熙」から)
 日韓国交正常化の立役者とされるのが、大統領の朴正煕の命を受けて秘密交渉に当たった金鍾泌である。中央情報部(KCIA)の初代部長を務めた金は「反日より、“用日”こそ困難な道である」という話をよく朴と交わしたという。
 日本を用いて経済発展の道を探る-。1962年に始まった経済開発5カ年計画は莫大(ばくだい)な資金を必要としていた。
 当時、ソウル大学生で学生運動のリーダーの1人だった玄勝一(ヒョン・スンイル)(73)と金道鉉(キム・ドヒョン)(72)に、かつて学生たちがデモ隊を組織した光化門(クァンファムン)前の大通り沿いのホテルで会った。
 「朴正煕のリーダーシップで韓国が発展を遂げたのは事実だ。が、だからといって軍事クーデター、人権・民主化弾圧などを許すことはできない」
 玄は逮捕され服役した後、米国に渡った。帰国できたのは79年に朴正煕が暗殺されてからだ。その後の民主化過程で、国民大学の総長や国会議員を務めた。
 「反日デモというより、クーデターで樹立された朴政権への不満、批判が爆発したデモだった」
 こう振り返る金道鉉は、文民大統領の金泳三(キム・ヨンサム)政権(93~98年)時代に文化体育省次官などを歴任した。
 国交正常化の前年に起きた6月3日の騒乱は、韓国の近代化を優先する勢力と、民主化を求める勢力の衝突でもあった。民主化勢力も反日を利用して朴政権打倒を目指した意味では、“用日”だったのである。(2015.6.18 産経新聞)

露呈した無策無能

将来よりも過去

韓国主要3紙はどう伝えた

 日本と韓国が国交回復した日韓基本条約からちょうど50年となる22日、韓国の主要メディアはこの問題をどう伝えたのか。
韓国の尹炳世外相(左)から、韓国を
訪れた外相時代の安倍晋太郎氏の
写真をプレゼントされ、笑顔で
見つめる安倍晋三首相=6月22日、
首相官邸(斎藤良雄撮影)
 韓国最大の発行部数を誇る朝鮮日報は「両国民の決断が左右する韓日関係の未来」との見出しで社説を掲載。「現在の両国関係は国交正常化以来最悪という状況だが、今回ついに互いに顔を背けず向かい合ってテーブルに座ることができた。しかし歴史問題における安倍政権の言動や一方的な主張など、これまでの対立要因は何も解決していないため、関係改善に至ったと断言するのはまだ時期尚早だ」と慎重な見方を示した上で、「韓国が各国の思惑に振り回される単なる従属変数と成り下がらないためには、日本とのつながりを完全に断ち切ることができないのも現実だ」とも指摘した。
 「韓日関係正常化は先送りできない」とする社説を掲載したのは東亜日報。「両国関係を決定的に悪化させたのは指導者の言動だった」とし、安倍首相が就任後に靖国神社に参拝したことや、村山談話の見直しを示唆した政治姿勢に疑問を示したが、一方で李明博(イ・ミョンバク)前大統領の竹島上陸や、朴槿恵大統領の言動が「韓日首脳の対話を困難にした」と指摘。その上で「日本を恨むだけでなく、韓国も誠意を見せなければならない」と理解を求めた。
 一方、中央日報は「韓日首脳の修交50周年式典出席を歓迎する」との見出しで社論を展開。「史上最悪という韓日関係にもかかわらず、両国首脳が今日ソウルと東京で開かれる祝賀レセプションに相互参加することにしたのは良い決定だ。韓日関係の梗塞を解く転機になると期待する」との期待感を示し、慰安婦問題や歴史認識についても「国家次元で日本が責任を認めて謝罪し、補償するならば韓国もこれ以上再論しないという線で大妥協が可能だと思われる」と指摘、両国関係の流れを変える歴史的出発点にすべきと主張した。

深化する日韓

長老世代の苦言

韓国・亀尾にある朴正熙元大統領
の生家(藤本欣也撮影)
 韓国の現代政治は1970年代以来、長く“3金時代”と呼ばれた。うち金泳三(キム・ヨンサム)氏と金大中氏は大統領になったが、残る金鍾泌(キム・ジョンピル)氏(89)だけが首相どまりで「永遠のナンバー2」といわれた。今は引退しているが、最近、夫人の朴栄玉さんが亡くなったことでその愛妻家ぶりが話題になっている。
 金鍾泌氏は“韓国中興の祖”だった朴正煕(パク・チョンヒ)大統領の片腕として知られ、夫人は朴正煕氏のめいだったから朴槿恵(クネ)大統領とは親戚筋にあたる。50年前の日韓国交正常化は朴正煕氏との二人三脚で推進され、金鍾泌氏は長く韓国政界で最大の知日派といわれてきた。
 その彼が今回、弔問客たちと交わした会話にも日本がらみがあって「われわれもやたら日本を刺激する批判は控えるべきだ」と語っている。以前、彼と会ったとき「韓国にあれだけ謝罪しろ反省しろと言い続けられては日本でなくてもいいかげんいやになるだろう」と語っていたことを思い出す。
 今回、安倍首相についても「父親(安倍晋太郎元外相)に比べちょっと…」と評したというが、日韓関係の悪化では朴槿恵大統領についても同じく「父親に比べてちょっと…」という思いがあるようだ。50年前の“歴史的決断”の長老世代からすると、もどかしいに違いない。(産経新聞ソウル駐在客員論説委員・黒田勝弘、2015.02.28)
■「売国奴と言われながら作り上げた韓日関係…両国首脳が回復してくれたら」(1) / (2)(中央日報、2015.6.22)
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