地方消滅と東京老化
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地方消滅と東京老化

日本の人口が加速度的に減り始めている。厚労省によれば、昨年の人口の自然減は約27万人で過去最多で、毎年100万人ずつ人口が減る時代も遠くはない。過去の発想にとらわれていたのでは、「地方消滅と東京老化」には対応できない。

日本の人口が加速度的に減り始めている。厚労省によれば、昨年の人口の自然減は約27万人で過去最多で、毎年100万人ずつ人口が減る時代も遠くはない。過去の発想にとらわれていたのでは、「地方消滅と東京老化」には対応できない。

老いる東京

 日本の総人口が加速度的に減り始めている。厚生労働省の発表によれば、昨年の人口の自然減は約27万人で過去最多となった。毎年100万人ずつ人口が減る時代も遠くはない。
 昨年、民間有識者による「日本創成会議」(座長・増田寛也元総務相)が、2040年までに全国の自治体の半数は将来的な「消滅」の危機にさらされるとの推計を公表したが、日本はもう一つ大きな危機を抱えている。東京の高齢化である。
 人口減少の議論において見落としがちだが、「地方消滅」の裏側で東京の高齢化が猛スピードで進んでいる。
 われわれは「地方消滅」と「東京の高齢化」という2つの難題に同時に取り組まなければならない。
 東京が高齢化してきた大きな理由は、かつて地方から上京してきた若者たちが年齢を重ねたことに加え、現在の若者たちが故郷の老親を呼び寄せているからだ。「日本創成会議」の推計によれば、2025年には東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)に住む75歳以上の高齢者は、全国の3分の1にあたる175万人も増加するという。
 東京圏の自治体はこれまでビジネス優先、効率性優先の街づくりをしてきており、高齢者向けの施設やサービスは遅れがちだ。「日本創成会議」は6月、深刻な介護施設不足が起こるとの推計を発表した。東京の高齢化は今後、大きな社会問題となることだろう。
 だが、もはや日本に残された時間は多くはない。今求められているのは現状分析ではなく、具体的な取り組みに着手することだ。
 増田寛也氏は新著「地方消滅と東京老化」(ビジネス社刊)で、地方移住や産業構造の変革、大胆な少子化対策といったこれまでの常識を打ち破る8つの提言を行っている。
 日本はこれまで経験したことのない激変期に突入している。過去の発想にとらわれていたのでは、「地方消滅と東京老化」には対応できまい。やるべき政策課題は山積みとなっている。重要なのは、勇気を持って第一歩を踏み出すことである。(産経新聞論説委員 河合雅司)

地方から世界

日本人 過去最大の27万人減

 総務省が1日発表した住民基本台帳に基づく人口動態調査(今年1月1日現在)によると、国内の日本人は前年よりも27万1058人減少して1億2616万3576人となった。6年連続の減少で、減少数は調査を開始した昭和43年以降で最大。9割近い市町村で人口が減る一方、東京都は0・57%増となるなど一極集中がさらに進んだ。
 年間の出生数は過去最少の100万3554人で、前年の微増から反転して再び減少局面に突入。死亡者数は過去最多の127万311人となり、死亡数から出生数を引いた「自然減」は過去最多の26万6757人と、8年連続で増加した。
 年齢別にみると、14歳以下は1631万18人で、人口に占める割合は12・93%。一方で65歳以上は3268万764人で25・90%となり、14歳以下の2倍を超えた。
 都道府県別で人口が増えたのは6都県で、トップの東京が7万2516人増。次いで神奈川、埼玉、愛知、沖縄県と続いた。最も減少したのは3万2323人減の北海道だった。(産経新聞 2015.7.1)
■2040年、896自治体が消滅危機 日本創成会議が試算、若年女性流出で(産経新聞  2014.5.9)
■老いる大都市・東京…「限界集落」も現実味、深刻な介護離職(産経新聞 2014.3.28)

1人では人口減防げず

“移住先”適地 歓迎と違和感

 有識者らでつくる民間団体「日本創成会議」(座長・増田寛也元総務相)が提言した東京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川の4都県)の高齢者の地方移住をめぐり、「適地」とされた地域から「自分たちの市の課題解決で精いっぱい」「違和感がある」などと異論が噴出している。一部には期待感を抱く自治体もあるが、地方には困惑と戸惑いが広がっており、政府は「姥(うば)捨て山をつくるのではない」と火消しに躍起だ。
 日本創成会議は、東京圏の75歳以上の高齢者は今後10年間で175万人増え、医療、介護の人材が80万~90万人必要になると指摘。提言では施設や人材に余裕があり、サービス費用も安価な地方への高齢者移住を推進するよう求め、26道府県41地域を移住先に挙げた。(産経新聞 2015.6.11)
■75歳以上1000人に対する市区町村収容能力過不足順リスト(日本版CCRC構想有識者会議 高橋泰氏資料 2015.04.04) 
■全国二次医療圏別 医療・介護余力レベル一覧(日本創成会議・首都圏問題検討分科会提言「東京圏高齢化危機回避戦略」資料 2015.6.4)

消える地方

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