ドッジボールはいじめの温床なのか
1779

テーマ

ドッジボールはいじめの温床なのか

ドッジボールはいじめにつながる―。あるコラムニストのツイートをきっかけに、学校現場でのドッジボールの在り方をめぐり、ちょっとした論争が起こりました。そういや、最近は子供のボール遊びやペットの持ち込みまで禁止する公園とかも増えましたが、なんでも「禁止」もここまでくると少々やりすぎ?

ドッジボールはいじめにつながる―。あるコラムニストのツイートをきっかけに、学校現場でのドッジボールの在り方をめぐり、ちょっとした論争が起こりました。そういや、最近は子供のボール遊びやペットの持ち込みまで禁止する公園とかも増えましたが、なんでも「禁止」もここまでくると少々やりすぎ?

米では「殺人玉」

「やりたい人だけがやれば良い」

 作家でコラムニストの勝部元気氏が自身のツイッター上で提言したことで火がついた「学校でのドッジボール禁止」論。勝部さんは「野蛮なスポーツ」「暴力性が強い」などとドッジボールの問題点をツイートした上で義務教育での全員参加禁止を主張した。
 この提言への反響の大きさはインターネット上だけではなく、テレビのワイドショーでも取り上げられたことでもよくわかる。日本テレビ系「スッキリ!」の街頭インタビューでは「みんなでやるものだから禁止しないほうがいい」「ボールを怖い人は本当に恐怖だと思っているはず」「勝ち負けを学んで欲しい」「時代の流れ」など賛否が分かれた。

危険だから禁止でいいのか

教材として適当なのか

なんでも禁止もここまで…

父とのキャッチボール

 幼いころ、子供用のグラブを買い与えられ、父とキャッチボールに興じた。次第に野球に夢中になり、中学では「玉澤」の、高校では「イソノ」の硬式グラブを買った。硬式野球をやっている間はさすがに途絶えたが、大学生になると再び時たま誘われるようになった。父のグラブは、クリームパンのままだった。
 高校野球を経て、投げる球も多少は強くなっていたはずである。手加減はしたが、古い型のグラブに深いポケットはなく、ボールは手のひらでつかまなくてはならない。帰宅後よく、父が赤く腫らした左手を冷水にさらしていたと、後になって、母に聞いた。
 勤めだし、家を離れ、キャッチボールの機会も次第になくなった。近所には原っぱも空き地もなくなり、学校の校庭は出入りが不自由となり、公園には「キャッチボール禁止」の看板が立った。
 昨年の文部科学省の体力・運動能力調査によれば、子供のボール投げの力は年々低下している。体は大きくなり、50メートル走などほとんどの項目で運動能力が向上しているのに、ボール投げは11歳男子で28・4メートルと過去最低を記録した。
 東京五輪の昭和39年当時は33メートル超で、15%も落ちたことになる。ボール投げは体力や筋力よりコツがものをいう。キャッチボールの機会が減った結果と思えば、なんとも寂しい。
 「フィールド・オブ-」の原作、W・P・キンセラ著、永井淳訳の「シューレス・ジョー」(文春文庫)では、映画には出てこないエディ・シズンズ老人が、こう吟じる。
 「野球の名を称(たた)えよ。その言葉は虜囚を解き放つだろう。死者をして立たしめるだろう。きみたちのなかに野球という言葉は生きているか? 世に出て野球を語れ」。映画の感動的なラストシーンは、亡き父とのキャッチボールだった。「バンクーバー」でも白人嫌いの英語を解さない父が息子のためにグラブを買うシーンが山場の一つだった。
 もっと野球を。
 父のグラブは今、どこを捜してもない。いつどこで、失ってしまったのだろう。(産経新聞副論説委員長・別府育郎、2015.01.18)

日本男児はどこへ…

ドッジボールはいじめの温床なのか

みんなの投票

学校現場でのドッジボールの禁止提言についてどう思いますか?

  • 禁止すべき

    246

  • 禁止はやりすぎ

    1417

  • どっちでもいい

    116