テレビは生き残れるか
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テレビは生き残れるか

ようやく、というべきか。テレビ局がいよいよインターネット戦略に本腰を入れ始めた。2015年はテレビにとって「ネット戦略元年」として記録されるだろう。「巨人」ネットフリックスの日本参入で生き残りへと動き出した民放キー局。この先視聴者が選ぶのは一体誰なのか。

ようやく、というべきか。テレビ局がいよいよインターネット戦略に本腰を入れ始めた。2015年はテレビにとって「ネット戦略元年」として記録されるだろう。「巨人」ネットフリックスの日本参入で生き残りへと動き出した民放キー局。この先視聴者が選ぶのは一体誰なのか。

生き残り策をかけるテレビ局

 世界50か国、6,200万人のユーザーを抱えるアメリカの定額制動画配信サービス「Netflix」。自ら100億円かけヒットドラマを製作・配信するという恐るべき“巨人”の日本上陸で、テレビ業界に激震が走っている。
 「このままでは視聴者をネットに奪われかねない」。そんな危機感からネット戦略を加速させようと重い腰を上げたテレビ局だが従来のビジネスモデルからの脱却は容易ではない。生き残り策をかけ、各社暗中模索が続く。(Japan In-depth編集長・安倍宏行)

ネット戦略元年

動画配信の巨人、進撃開始

 もともとネットフリックスは1997年、DVDレンタルの宅配サービス会社として出発。創業の経緯が面白く、最高経営責任者(CEO)にして創業者でもあるリード・ヘイスティングス氏がレンタル店で借りた映画「アポロ13」で延滞料を40ドルもとられたことに“腹を立てた”からという。
6月17日、記者会見するフジテレビの
大多亮常務(左)とネットフリックスの
ピーターズ社長
 そこでヘイスティングス氏は郵送でDVDがやりとりできるサービスを始めた。しかも月額固定料金で、遅延を気にせず、自分のペースで観賞できる。実はここに、録画不要でいつでもどこでも動画を楽しめる今の配信サービスにつながるヒントがあった。そして満を持して2007年、動画ストリーミングのサービスを新たに開始する。
 試練もあった。それまでDVDレンタルとストリーミングがセットの料金で見放題だったが、両者を切り離して新料金体系を導入したことで「実質値上げ」と受け止めたユーザーが反発し脱会が相次いだ。さらに配給元が、ネットフリックスに「脅威を感じ始めた」(米メディア)のか、契約で難航するケースも。米アマゾンなど類似のサービスを始めるライバルが増え、米テレビ局もオンライン配信の強化へ乗り出した。
 そこで最近力を入れているのがオリジナルコンテンツやこだわりの作品の配信だ。13年公開の政治ドラマ「ハウス・オブ・カード」は、シーズン1だけで100億円以上も投じた大作だったが、大ヒット。米エミー賞を獲得した。(産経WEST、2015.07.10

誰とどこで競合するのか

「テレビよりネット動画のほうが面白い」

 NHK放送文化研究所が昭和60年から5年ごとに行っている視聴者への意識調査「日本人とテレビ」。「テレビ離れ」とインターネットの普及、活用というメディア環境の急激な変化が結果として表れた。
 週に1日以上、テレビに接触する人は79%で5年前より5ポイント減少した反面、メールを除くインターネットは38%と11ポイントも増加した。
 「もっとも欠かせないメディア」がテレビだと答えた人も55%から50%に減り、ネットを選んだ人が14%から23%へと大きく増えた。テレビよりネット動画のほうが面白いと答えた人は40代以下で高くなり、特に20代は54%と半数を超える結果となった。
■「日本人とテレビ・2015」調査結果の要約(NHK放送文化研究所、2015.07.07)

 総務省の調査によると、10~20代の若年層では、ネット利用時間がテレビの総視聴時間を上回る。メディアの王者として君臨してきたテレビも業界内の視聴率競争だけでなく、「『可処分時間』をスマホゲームやSNS(交流サイト)と奪い合う」(民放幹部)時代に直面している。各企業もテレビCMにかけてきた宣伝費をネット広告へと振り分けている。電通によると、民放各社の売上高の大半を占める広告費は2006年まで2兆円を超えていたが、昨年は1兆8347億円にとどまった。


フル動員の“総力戦”

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  • 有料放送事業者

    108

  • NHK

    61