そんなに自衛官を殺したいのか
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そんなに自衛官を殺したいのか

「首相は自衛官の命を軽くみている」。安保法案が衆院を通過し、野党や護憲派メディアの間では相変わらずこんな論調が目立つ。自衛隊の活動拡大による「仮想リスク」ばかりをことさら強調するが、そもそも国民の「リスク」には目を向ける必要はないのか。政争の具と化した自衛官のリスク論争を考える。

「首相は自衛官の命を軽くみている」。安保法案が衆院を通過し、野党や護憲派メディアの間では相変わらずこんな論調が目立つ。自衛隊の活動拡大による「仮想リスク」ばかりをことさら強調するが、そもそも国民の「リスク」には目を向ける必要はないのか。政争の具と化した自衛官のリスク論争を考える。

特定秘密法批判の矛盾

直ちに改善せよ

パロディー動画で法制批判

 自民党が安保法制を分かりやすく解説するために公開した動画のパロディ版が“本家”よりも再生回数が上回り、いまちょっとした話題になっている。
 党が7月2日に公開した「教えて!ヒゲの隊長」は、ヒゲの隊長こと自民党の国防部会長、佐藤正久参院議員が、アカリちゃんというキャラクターから安保法制に関連した疑問に答えるアニメ。ところが、公開から一週間後、アカリちゃんを名乗る人物が「ヒゲの隊長に教えてあげてみた」というパロディー動画をアップし、偽アカリちゃんが佐藤議員のせりふを逆手にとる形で「安保法制は違憲」「立憲主義の否定でどこの独裁国家だ」などと痛烈に批判した内容が話題となった。
 動画を見たネットユーザーは「最強のカウンターだ」「100倍わかりやすく、1000倍センスある」「パロディから先にオリジナルを知った」「聞き比べてみよう」「無知と妄想がひどい」などと様々に反応。再生回数も7月23日現在で“本家”を上回る31万回を超えた。当の佐藤議員も「中身は間違っているけど、思わず吹いた」などとツイートするなど、関心の高さに驚いている様子だった。

法整備なき危険

自衛隊活動「切れ目」ふさぐ

 現在の日本の防衛法制はいくつもの「切れ目」が存在し、自衛隊が対処できない場合があるという大きな欠陥がある。集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案は、この「切れ目」をふさぎ、自衛隊の活動に機動性を持たせることが眼目にある。安保関連法案が成立すれば、何ができるようになるのか。
海上自衛隊が報道陣に公開した機雷処分訓練。
潜水員が海面に仕掛けられた機雷に近づき起爆
装置をセット。約5分後、轟音とともに約10
0㍍の水柱が上がり、機雷が除去された
=6月24日、東京都小笠原村の硫黄島
〔1〕集団的自衛権の発動 日本に対する侵攻、つまり「有事」が起きた際、当然、自衛隊が防衛出動する。ただ現行法制では、日本が直接の武力攻撃を受ける「武力攻撃事態」での個別的自衛権の行使しか認められていない。仮に朝鮮半島有事が勃発し、戦地から脱出する邦人を輸送する米艦が攻撃された場合、自衛隊に何ができるのか-。自衛隊は武力行使によって米艦を防護することができない。集団的自衛権の行使に該当するからだ。つまり、現行法制では米艦に乗船している日本人を守れない。日本の歴代政権は、集団的自衛権の行使は憲法9条で許容される「必要最小限度」の実力行使を超えると解釈し、禁じてきた。安倍晋三政権はそれを見直したのだ。安保関連法案では、集団的自衛権を発動すべき事態として「存立危機事態」という概念を新たに設けた。これは、他国が武力攻撃を受け、日本の存立や国民の生命、自由が根底から覆される明白な危険がある場合と定義され、あくまでも「自国防衛」の目的に限られている。
 〔2〕地理的制約なし 朝鮮半島有事や台湾海峡有事などを想定した周辺事態法を「重要影響事態法」に改め、自衛隊の活動範囲に地理的制約がないことを明確にする。日本への直接の武力攻撃に至るおそれがある「重要影響事態」と認定されれば、他国軍への後方支援が可能となる。
 周辺事態法では支援対象を米軍に限ってきたが、重要影響事態法案では日本のために活動する他国軍も後方支援できるように拡大。支援メニューも弾薬の提供や発進準備中の戦闘機への給油をできるようにする。(中略)
 〔3〕グレーゾーン即応 有事とまではいえないが、治安維持を担う海上保安庁や警察では対処が困難となる法的な“隙間”もある。これが「グレーゾーン」といわれる事態だ。今回、グレーゾーン事態に関する法整備を見送り、運用の見直しで対処する。(1)武装集団による離島への不法上陸、占拠(2)外国軍艦が日本領海に侵入(3)公海上で日本の民間船舶が攻撃される-といった事態に対し、自衛隊に「治安出動」「海上警備行動」などを迅速に発令するため、閣僚に電話で了解を取り付ける閣議決定の方式を導入した。
 〔4〕在外邦人救出 イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による日本人殺害脅迫事件などの国際テロが地球規模で頻発する中、課題となっているのが在外邦人の保護だ。政府が想定する邦人救出は、平成8年のペルー日本大使公邸占拠事件のように在外公館がテロ組織に奪われるケースや、治安悪化によって国外退避する邦人を警護するような事案だ。安保関連法案では、自衛隊が在外邦人を救出する任務に必要となる武器使用を認める。武器使用権限は正当防衛や緊急避難など「自己保存型」に限ってきたが、武装集団などを排除する「任務遂行型」を加える。
 〔5〕国際連携平和安全活動 国連平和維持活動(PKO)と違って、国連が統括しない国際協力(非国連統括型)にも参加できるように「国際連携平和安全活動」を新設する。イラク復興支援特別措置法に基づき、自衛隊が16~20年に派遣されたイラクでの人道復興支援活動のようなケースを想定している。PKOや非国連統括型に派遣された自衛隊が、武装勢力に襲われた遠方の非政府組織(NGO)などを救助する「駆け付け警護」を可能にする。また、現地住民を保護する「安全確保業務」を新たに取り入れる。
 〔6〕国際平和共同対処事態 安保関連法案で唯一の新法が「国際平和支援法案」だ。自衛隊の他国軍への後方支援を随時可能にするため新設される。国際平和協力として位置付けられ、「国際平和共同対処事態」と規定される。(後略)(産経新聞 2015.07.17

事に臨んでは危険を顧みず

安保法案の核心「対中」

 中国の海洋進出への強い懸念が盛り込まれた「2015年版防衛白書」に、さっそく中国が逆上している。ただし、かの国が焦り、不満をぶちまけている真の理由は、防衛白書そのものではない。安倍晋三政権が今国会中の成立を目指している安全保障関連法案の核心部分が、中国の軍事的脅威への抑止力強化にほかならないからだ。
 「全く当たらない」。菅義偉官房長官は22日午前の記者会見で、中国外務省の陸慷報道局長が発表した「(防衛白書が)人為的に緊張をつくり出している」との談話を、こう切り捨てた。談話は「中日関係改善の障害をつくることをやめなければならない」と、日本側に筋違いな批判を突きつけたものだ。経済面で中国に依存する韓国もまた、「(竹島=韓国名・独島=が日本の領土と記載されたことは)戦後70年の今も歴史を正しく認識できていないことを示している」(外務省)と反発した。
 今回の白書では、中国による南シナ海での岩礁埋め立てなどを「高圧的とも言える対応を継続させ、一方的な主張を妥協なく実現しようとする姿勢」と断じた。東シナ海で中国が海洋プラットホームを増設させ、軍事基地化の危険があることも踏まえて、「一方的な開発」などと追記した。中国軍機に対する航空自衛隊機の緊急発進(スクランブル)回数が大幅に増加している状況にも言及している。(zakzak 2015.07.22

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「自衛官のリスク」叫ぶ偽善

次々と上がっていく国際
信号旗=海上自衛隊北吸
岸壁の護衛艦「ふゆづき」
 安全保障関連法案をめぐる国会審議は、国家主権や国民の守護など国益に必要か否かより「自衛官のリスク」が先行する。法案潰しを狙い自衛官の命を気遣う偽善はミエミエ。いっそノーベル賞作家・大江某のごとく、防衛大学校生は「現代青年の恥辱」と表現してくれれば「前時代の輩」で片付くが、今の左翼は中庸を装うので始末が悪い。しかも、激烈な火力と対峙する自衛官に、警察官と同じ武器使用基準を強要する隠れ左翼ほど「自衛官のリスク」を叫ぶ。大きなお世話だ。
 自衛官の命を気遣うフリをする勢力は、集団的自衛権の限定的行使を可能にせんとする政府に「憲法改正が筋」と説教を垂れる勢力とも重なる。本心では自衛官の命などどうでもよく、改憲も嫌がる反動分子なのだ。欠陥憲法・法制で縛られる自衛官は命の危険を克服すべく、限りなく100%に近いリスク回避を求め作戦を練る。それでも、東日本大震災(2011年)では被曝覚悟の《鶴市作戦》を用意した。民主党政権はリスクを正視する自衛官の決心に心打たれるでもなく、自衛隊など諸組織を前に高圧・感情的な指揮・統率モドキを露呈する。無能・無策でリスクを広げた民主党が「自衛隊のリスクは飛躍的に高まる」と連呼する無様は滑稽である。(政治部専門委員 野口裕之 2015.6.1 SANKEI EXPRESS
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