憲法学者の間違った「憲法論」
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憲法学者の間違った「憲法論」

憲法を聖典よろしく盲信し、「安保法制は違憲だ」と批判する憲法学者たち。国家は如何にあるべきかなぞ頭になく、憲法条文の字面との整合性しか考えていない彼らの意見など、気に留める必要はまったくない。

憲法を聖典よろしく盲信し、「安保法制は違憲だ」と批判する憲法学者たち。国家は如何にあるべきかなぞ頭になく、憲法条文の字面との整合性しか考えていない彼らの意見など、気に留める必要はまったくない。

むしろ自衛隊のリスクは増大する

自縄自縛の制約

 「ダウ船(木造帆船)に近づいているぞ」。2001(平成13)年の米中枢同時テロを受け成立したテロ対策特別措置法に基づき、海上自衛隊が同年に開始したインド洋での給油活動。海自補給艦がアフガニスタン作戦に従事する米軍艦艇に洋上補給中、海自ヘリコプターから指揮艦に緊急連絡が入った。
海上自衛隊の補給艦「ときわ」から
洋上給油を受けるパキスタンの駆逐艦
(奥)=2007年10月29日午後
(日本時間同日午後)、
アラビア海北部洋上
 「遭難したのか」
 「いや無防備を装い機関銃を発射する恐れもある」
 派遣部隊幹部らが対応に苦慮する中、ダウ船の乗組員1人が海に飛び込み、海自艦艇に向け泳ぎ始めた。幹部は「カナダ艦艇が来るまで動くな」と命じた。
 遭難者であれば救助すべきだが、部隊行動基準(ROE)に規定はない。遭難者とみせかけて攻撃してくれば、どこまで応戦していいか定かでない。まさにポジティブ(できること)リストの弊害に直面したのだ。
 ポジリストと呼ばれる自衛隊法は、防衛・治安出動、海上警備行動など事態ごとに対応措置を規定し、規定のない行動は取れない。米英両国などは国際法上の禁止行為を除いて状況に応じ任務が付与され、それに必要な武力も行使でき、ネガティブ(できないこと)リストと呼ばれる。
 ポジリストであれば、あらゆる事態を想定した精緻(せいち)な法体系が欠かせないが、航空自衛隊OBは「日本は穴だらけのまま放置している」と批判する。給油活動は高い操艦技術が求められ、海自の活動は高い評価を得た。だが、指揮官経験者は「ネガリストであれば、さまざまな局面でより適切な措置を講じることができた」と悔やむ。(産経新聞、2014年3月21日)

沿うか沿わぬか堂々巡り

「軍隊」と「緊急権」を取り戻したドイツ

 月刊『明日への選択』6月号で、小坂実氏が戦後西ドイツにおける憲法改正の歩みについて論じています。その中で、ドイツが初代首相アデナウアーのリーダーシップのもとに、占領の早期終結と主権の回復のため憲法を改正し、憲法制定後わずか7年の1956年に本格的な「軍隊」を保持したこと、さらに1968年には「緊急権(緊急事態条項)」を導入することに成功したことが紹介されています(「ドイツ改憲史が示す『護憲』と『改憲』をめぐる逆説」)。
 実は、筆者の大学院時代の研究テーマが西ドイツの緊急権でしたので、非常に興味深く読みました。
 日本国憲法と同様、戦後作られたドイツ憲法はこれまでに59回改正されています。もちろん、同じ敗戦国といっても、ナチス・ドイツによるユダヤ人の大量虐殺が行われたドイツと、日本とでは、戦後補償問題を例にしても事情が大きく異なります。日本は戦後、講和条約を結び、戦勝国に対して賠償責任を果たしてきましたが、ドイツは講和条約を結んでいません。
 しかし、戦後の西ドイツの歩みは、大変参考になります。「緊急事態条項」は、当時、ドイツに駐留していた米英仏3国から「緊急権」を取り戻し、「主権」を回復するためでした。そして「軍隊の保持」と「緊急権」の導入によって、西ドイツは名実ともに「独立国家」となったわけです。
 この点、わが国でも昭和27年の講和独立後、真っ先に唱えられたのが軍隊保持のための憲法9条改正でした。そして国会であと数議席というところまで行きながら、厳しすぎる憲法改正手続きの壁に阻まれ、実現できませんでした。他方、現在、「緊急事態条項」は憲法改正の焦点の1つとなっています。ドイツの例から考えても、憲法第9条2項の改正と並んで、緊急事態条項の重要性がよく分かるのではないでしょうか。
 戦後70年もたつのに、いまだに憲法改正ができない日本とドイツが異なるのは、真の「主権と独立」を回復するためのスピードだけではありません。ドイツでは、軍隊の保持や緊急権といった重要な憲法改正に際しては、保守党のキリスト教民主・社会同盟と社会民主党という二大政党が協力したり、大連立内閣を組むことによって、国家的大事業を成し遂げてきたことです。(日本大学法学部教授・百地章 産経新聞『中高生のための国民の憲法講座』、2015年6月28日)

本質をどう捉えるのか

花田紀凱の天下の暴論

 普天間基地の辺野古移設反対運動を支援する「辺野古基金」の共同代表、映画監督の宮崎駿さんが、またトンデモ発言をしてくれた。
 13日外国特派員協会での発言。「軍事力で中国の膨張を止めることは不可能だと思います。もっと違う方法を考えるために、そのために私たちは平和憲法を作ったのだと思います」
 宮崎監督、少なくとも「中国が軍事的に膨張」していることは認めているらしい。そりゃ、そうだろう。
 中国の国防費は過去27年間で約41倍、過去10年間でも約3・6倍、年間約1290億ドル(16兆9000億円)に達している。(ちなみに日本の国防予算は年間4兆9800億円)
 南シナ海スプラトリー諸島で国際法を無視して埋め立て工事を行い、つい最近、櫻井よしこさんがスクープしたところによると東シナ海油田、日中境界線のすぐ横に巨大なプラットフォームを建設。これはいつでもヘリ発着が可能、潜水艦の探査も可能だという。
 こんな暴挙、「中国の軍事力膨張」を絶対に見過ごしてはいけない。で、どうするか? 宮崎監督は「もっと違う方法を考える。そのために平和憲法を作ったのだと思う」という。
 違う方法とはいったい何なのか。どうすれば中国は膨張をやめるのか。そんなに都合の良い、しかも効果的な方法があるのなら、宮崎監督、ぜひ教えていただきたい。そんなに効果的な方法があるのなら、チベットやウイグルにもぜひ教えてやっていただきたい。
 宮崎監督のアニメーション映画は高く評価している。「千と千尋」「となりのトトロ」などは大好きな映画だ。だけど、こんなに政治音痴とは呆れた。(Yahoo!ニュース個人、2015年7月15日
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