結局どうなる 中国経済
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結局どうなる 中国経済

失速する中国経済が最大の焦点だった主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、空虚なメッセージに終始した。6月に発生した中国株バブル崩壊は、マクロ経済の綻びを示す1つの事象にすぎない。習近平政権は、共産党体制を維持するための政治政策と、経済政策の間で揺れている。

失速する中国経済が最大の焦点だった主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、空虚なメッセージに終始した。6月に発生した中国株バブル崩壊は、マクロ経済の綻びを示す1つの事象にすぎない。習近平政権は、共産党体制を維持するための政治政策と、経済政策の間で揺れている。

大江紀洋の視線

 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(トルコ・アンカラ)は、案の定、当たり障りのない空虚なメッセージに終始した。
 上海の株安は世界同時株安に連鎖し、天動説で唯我独尊の米国は利上げの構えをやめようとしない。二大超大国の振舞いは、世界の投資家の心理を冷やし、新興国から資金を剥がし、次なる危機がどこから発生するのか読めない状況になっている。
 あの中国共産党の絶大なる権力による、なりふり構わない株価対策をもってしても、危機を鎮圧することができなかったという事実が、中国の深刻さを痛感させる。過剰投資によって国営銀行と国有企業に膨大に積みあげられた債務が、中国経済の根本問題であることは、多くの識者が指摘してきたところである。しかし、そのバブルが、いま崩壊してもらっては困る。すでに世界経済は米国頼みの片肺飛行なのだから……というのが、各国の政策担当者の偽らざる本音だろう。
 抗日戦争勝利70周年を記念する中国の巨大軍事パレードを見ながら、安保法案に賛成か反対かを延々と議論する姿と、ひたひたしのび寄る世界同時不況を前に、消費税率10%への再増税時に軽減税率とするか、還付とするかを論じる姿はどこか重なるものがある。
 リーマンショック以来の世界を支えてきた、日米欧の金融緩和と中国の財政政策という左右の両輪に、余力がなくなってきているとしたら、これほど恐ろしいことはない。
 安保法案決着後の、安倍政権の経済政策に注目が集まる。(Wedge編集長)

拡大する外需依存

望ましい政策は

G20が認めた「危機」

ルー米財務長官と握手を交わす麻生太郎財務相=9月4日夕(日本時間同深夜)、アンカラ
ルー米財務長官と握手を交わす麻生
太郎財務相=9月4日夕(日本時間
同深夜)、アンカラ
 5日に閉幕したG20財務相・中央銀行総裁会議は、中国に焦点が当たった。名指しこそしていないが、共同声明のポイントは次の部分にある。
<我々は、負の波及効果を最小化し、不確実性を緩和し、透明性を向上させるために、特に金融政策その他の主要な政策決定を行うにあたり、我々の行動を注意深く測定し、明確にコミュニケーションを行う>
 筆者は、「我々の行動を注意深く測定」に着目している。ある意味で、これは中国統計の杜撰さを指摘しているからだ。(中略)
 GDP統計では、支出面アプローチでGDPを消費、投資等に分解する。中国国家統計局のデータにももちろんそれがあるが、OECD等の国際機関では掲載されていない。おそらく統計のプロならば、中国の統計のいい加減さを知っているので、使っていないのだろう。(中略)
 中国経済がいびつな構造をしているのは、中国の政治体制が一党独裁のままであれば是正できない「構造問題」というわけだ。

真逆の「金融引き締め」

歴史的転換点

日本の高度成長から読み解く

迷走中国の出口

 9月に入り東京、ロンドン、ニューヨーク等世界の株価ボードは一様に2-3%の下落でスタートしました。唯一、上海総合だけは1.23%の下落にとどまっていますが、引け前1時間の出来高の異常な増え方を見れば必死の買い支えの結果だったと思われます。以前にもお伝えした通り、9月3日のパレードに向けて国の安定感を装うのに相当苦労しているのがありありと伝わってきます。
 その中国。経済政策の迷走が続いていますが、その基本は国内消費は上向かず、富裕層は海外で消費をし続けるという構図ではないかと思います。もともと中国の消費性向は低く、貯蓄型であるその理由は誰も政府を信じていないからとも言われます。共産党一党体制、かつ情報がコントロールされている以上、国民は搾取されているともいえますが、それに対抗するために自分の身は自分で守り、お金は貯めておかねばなりません。また、社会保障制度もまだまだ不十分で、老後の身の問題もあります。(中略)
中国・江蘇省で人民元紙幣を数える銀行員(共同)
中国・江蘇省で人民元紙幣を数える銀行員(共同)
 その中国は元売り外貨買いの為替予約の際には2割のデポジットを要求するという珍案を生み出しました。まさに外貨流出を食い止める必死の策であります。
 中国の内需が伸びないもう一つの考え方として消費が楽しくないのかもしれません。モノがある程度揃う中、更に買い替え需要を喚起するには技術革新やアイディアなどの刺激が必要です。ところが中国にはコピーする能力はあっても生み出す能力はまだまだ備わっていません。とすれば、買い替えへの刺激が十分に行き届かず、13億の人口が作り出す経済の潜在能力を引き出せていないということなのでしょう。
 中国の先行きに対する不安を煽るような話題も多くなっています。目先は先日指摘した「エルルの29日」である9月13日、ダイヤモンド誌には2017年説が出ていますし、私はオリンピック10年説(オリンピックの10年後前後に大きな危機がくる事実)として2018年もありだと思っています。
 私が考えるその究極の失策は習近平国家主席のスタイルにある気がします。彼は国民的人気から恐怖政治そのものになりつつあります。その意味とは「投獄、殺戮等の苛烈な手段によって、反対者を弾圧して行う政治のこと」(ウィキより)であります。これにより政治が委縮し、習近平氏を崇拝することを強いられる風潮が共産党内部に作り出されているとすれば毛沢東氏の文化大革命と全く同じ道をたどることになります。
 1966年から76年の約10年間は中国人にとってまさに失われた10年でありました。習近平氏は権力闘争の挙句、強引な政策とパッチワークのような珍妙な対策の数々、更には李克強首相を人身御供とし、いつでもバッサリ行くぐらいの冷酷さとの微妙なバランスの上に成り立っています。しかしこんな駆け引きばかりでは経済の疲弊度は深まるばかりであります。
 私は以前から13億の民が作り出す基礎代謝の経済力はある、と考えています。一方で中国でも世界でもその不安感が増幅機にかかったように噂が噂を呼び、市場は荒れ狂っています。この嵐は過ぎ去るのか、更に大きなものが来るのか、それは習近平国家主席の手腕にかかっています。が、味方で固め、イエスマンばかりの取り巻きが生み出す組織が長く持たないことを世の歴史が証明していることを忘れてはなりません。(バンクーバーの日本人社長・岡本裕明「外から見る日本、見られる日本人」2015.09.02)
■周永康氏の粛清は“不発” 反腐敗キャンペーンはまだ続くのか?(産経新聞 2015.6.13)

大揺れの中国情勢

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