銭はグラウンドに落ちている
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銭はグラウンドに落ちている

巨人軍の現役選手が野球賭博に関与していたことが発覚し、球界はいま揺れに揺れている。その最中、今度は米大リーグ、ダルビッシュ有選手の弟が「胴元」として逮捕され、蔓延する「黒い霧」の悪夢にファンの落胆も大きい。反社会的勢力とのつながりはどこまで広がるのか。

巨人軍の現役選手が野球賭博に関与していたことが発覚し、球界はいま揺れに揺れている。その最中、今度は米大リーグ、ダルビッシュ有選手の弟が「胴元」として逮捕され、蔓延する「黒い霧」の悪夢にファンの落胆も大きい。反社会的勢力とのつながりはどこまで広がるのか。

まだ事件の「入り口」だ

凋落する日本プロ野球

五輪相、追加種目に影響懸念

 遠藤利明五輪相は23日、巨人選手による野球賭博問題について、野球が2020年東京五輪の追加種目として国際オリンピック委員会(IOC)に提案された中で「国民的スポーツである野球がこうした事件で国民の信任を落とし、盛り上がりに水を差すのではないかと心配している」と、悪影響に懸念を表明した。NPBが21日に新たに2選手が関与していたとの調査結果を発表し、問題は拡大している。五輪相は「国民の中で最も高い人気のあるスポーツだし、青少年の憧れの対象でもある。言語道断だ」と強く非難した。(ZAKZAK 2015.10.24)

黒い霧事件 日本プロ野球における黒い霧事件(くろいきりじけん)は、プロ野球関係者が金銭の授受を伴う八百長に関与したとされる一連の疑惑および事件。新聞報道などをきっかけに、1969年から1971年にかけて相次いで発覚した。日本野球機構は八百長への関与について「(野球協約第355条が規定する)『敗退行為』に該当する」との見解を発表。関与が疑われた現役選手には永久出場停止(追放)、長期間の出場停止、年俸減額などの処分を下した。また、上記の選手の一部はオートレースの八百長事件にも関与。この事件では現役のオートレース選手19名が警察に逮捕されている。(Wikipedia)

現役選手がはまった巧妙な罠

いま世の中のモラルが欠如している

 今、社会面を賑わす二つの事件、横浜の杭打ちの偽装問題、それと巨人の3選手による野球賭博関与事件、共に共通するのはモラルの欠如であります。モラルとは「倫理観や道徳意識のこと。世代や状況によって徐々に変化するマナーよりも普遍的な価値観を含んでいる。法令順守はもちろんのこと、適正な出退勤や会社の資産・備品の適正使用など公私の区別をきちんとつけることや取引における公正さなど、公序良俗に反しない行動全般をさす」(コトバンクより)とあり、改めて意味を拾い出せば、法律の縛り以前の大人としての行動規範だと理解できましょう。
 ところでアメリカは法律社会でありマニュアル文化だと言われています。理由はなぜでしょうか?
広い国土に様々な背景を持つ人々が移り住んできた国家だけに行動規範と常識観がバラバラなのです。その為に道徳観を具現化した法律やマニュアルで人の行動に一定の方向付けを行うわけなのです。シアトルで飲むスタバもフロリダで飲むそれも同じ味がするのはそういう努力があってのことなのです。
東京ドームで行われた練習で選手に話をする巨人・原監督(中央)=10月6日
東京ドームで行われた練習で選手に話をする巨人・原監督(中央)
=10月6日
 しかし何故か、ほぼ単一民族の日本でアメリカ的なマニュアル文化が普及しました。私の記憶が正しければマクドナルドが先鞭ではなかったかと思います。日本の場合には多店舗化をするにあたり、金太郎飴的な展開にマニュアルは非常に便利な道具であったわけです。
ところが、マニュアルに過剰に期待すると当然問題も生じます。一つはマニュアルでカバーできない事態が生じた時、対応できないこと、二つ目は人に考えるチカラがなくなることであります。
 例えば、横浜の杭偽装問題の対策として元請の三井住友建設は杭打ちには元請社員を立ち会わせるという新たなマニュアル項目を追加しました。巨人の賭博問題では三選手を告発し、厳しい処分とすることとしました。この両方の対策はともに直接的には元請や巨人軍の利益の為であります。問題を起こした当人たちの改善には何らつながりません。これが私の指摘する二つ目の考えるチカラが無くなった人たちへの無策という問題であります。
 モラルとは人間が生まれてから親、家族、学校、近隣社会、友人あるいは社会人生活を通じて人が人としてふさわしい行動や判断を体験をもって身に着けていくことであります。当然ながら怒られることもあるし、苦い思い出も伴うでしょう。ところがゆとり教育や少子化で子供たちをあたかもぬいぐるみやペットの様に甘えさせてしまったことで大きな代償を払っている、これが現実ではないでしょうか?(中略)
 もう一つの杭打ち偽装事件と巨人三選手の相違点は格差社会を目のあたりにした点であります。杭打ちの社員は派遣、巨人三選手はエリート球団の中で芽が出ず、モヤモヤしていました。冒頭の銀行の話ではありませんが、皆、同じような給与を払えばこのような事件は起きなかったのでしょうか?そうとも思えませんが。
 モラルが欠如している事件は枚挙に暇がないほどあります。一時注目された飲食店で働く店員によるYoutubeへの奇妙な画像のアップなどはその典型でしょう。年齢層から考えるとゆとり世代を中心とした年層に大きなギャップが出来ていると思います。甘えの体質が作り出したモラルの欠如に世の中のマニュアル文化と格差社会が生み出す圧力にストレスを感じてしまった、というのが私の今回の事件の印象です。
教育の重要性を改めて考え直す事件であるとも言えそうです。(「外から見る日本、見られる日本人」2015.10.23)

賭博の背後にうごめくもの

銭はグラウンドに落ちている

プロ野球 『黒い霧事件』 150人にもおよぶ報道陣の前に姿を現した永易将之選手が開幕直前に八百長を暴露。 衆院第二議員会館で記者会見する永易将之選手=1970年4月10日、東京都・国会 衆院第二議員会館
プロ野球 『黒い霧事件』 150人にもおよぶ報道陣の前に姿を現した永易将之選手が開幕直前に八百長を暴露した=1970年4月10日、国会衆院第二議員会館
 「賭博常習者という肩書の名刺を出して選手に近づく者はいないので」。昭和44(1969)年に発覚したプロ野球の「黒い霧事件」で、衆院法務委員会に呼ばれた当時のコミッショナーの発言は失笑を買った。が、野球一筋の選手は世間知らずで、昔も今も、そこにつけ込む輩(やから)がいるようだ。
 新たに巨人の2選手が野球賭博を行っていたことが明らかになった。八百長行為はなかったとされるが、野球賭博に手を出せば選手としての将来がなくなるのは知っているはずだ。関与は3人で幕が引かれるのか、それとも始まりにすぎないのか。他球団への飛び火は…。球界は大揺れである。
 野球賭博は勝敗を当てるだけでなく、ハンディをつけて複雑な仕組みらしい。大金が動いて暴力団の資金源にもなる。かつて南海ホークスの鶴岡一人監督は「グラウンドには銭が落ちている。その銭はファンからもらっていることを忘れるな」と言った。選手に教えるべきはこれしかない。(産経新聞 2015.10.22)

苦い記憶「黒い霧」

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