「一億総活躍社会」と笑うなかれ
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「一億総活躍社会」と笑うなかれ

安倍首相が新たに掲げた「一億総活躍」というフレーズに、多くの人が首をかしげただろう。「希望を生み出す強い経済」だの、「夢をつむぐ子育て支援」だの、結局何がやりたいのかさっぱり分からない…。そんな声もよく耳にする。ネーミングセンスはともかく、決して政策の中身まで笑うことなかれ。

安倍首相が新たに掲げた「一億総活躍」というフレーズに、多くの人が首をかしげただろう。「希望を生み出す強い経済」だの、「夢をつむぐ子育て支援」だの、結局何がやりたいのかさっぱり分からない…。そんな声もよく耳にする。ネーミングセンスはともかく、決して政策の中身まで笑うことなかれ。

日本経済の雰囲気は変わった

日本人よ、ヒステリックになるな!

ネーミングのセンスなし?

 第3次安倍晋三改造内閣の目玉政策「1億総活躍社会の実現」に向けた具体策を話し合う「1億総活躍国民会議」の民間議員に抜擢されたタレントの菊池桃子氏。
 元アイドルとしての知名度に加え、子育てとタレント業を両立し、さらに戸板女子短大の客員教授として労働分野の講義を担当するなど労働問題にも強い思い入れがあり、「1億総活躍」を体現する第一人者として白羽の矢が立った。
 菊池氏は10月29日に開かれた第1回会合で「1億総活躍」のネーミングが分かりづらいとして、「ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)」という新名称を提案。さらに11月12日の第2回会合では「企業の採用基準に『心身ともに健康な者』という一文がある。これによって病気や障害を持った人がチャレンジすることを諦めてしまう現実がある」と指摘。企業は障害者を考えた採用条件を示すことが必要だと訴えるなど、存在感を発揮している。
 このほか民間議員には「消滅可能性都市」の問題を提起した「日本創成会議」座長の増田寛也元総務相のほか、経団連の榊原定征会長、日本商工会議所の三村明夫会頭、日本総合研究所の高橋進理事長、慶応大の樋口美雄教授らが名を連ねている。

「戦前のスローガンは全くの的外れ」と安倍首相

 安倍晋三首相の肝いりで始まった「一億総活躍社会」の取り組みについては、野党から「戦前のスローガンを想起させる」「国家による押し付けだ」などと批判の声も上がる。
 民主党代表代行の蓮舫氏は記者会見で「なんか戦前を思い出すような全体主義的なキャッチコピーで、誰が名前を付けたのかと素朴に思う」と指摘した上で、「女性活躍を公約してキャッチコピーに掲げ、結果が出ないのに新しいものを乗せるのは上書きという。上書きしたらその前のはどこに行ってしまうのか。その意味では女性をバカにしているという気がする。女性も活躍できないのに、1億全員が活躍できると思わない」と政策の実現性にも疑問を呈した。
 一方、民主党の岡田克也代表も「国がこれをしろと言う政治は(戦前の)1億総動員と変わらない」とやり玉に挙げ、「政治の役割は、一人一人の力を発揮させるため壁を取り除くことだ。国が号令を掛けるのは違和感を覚える」と批判した。

 こうした批判について、安倍首相は「戦前のスローガンだとか、国家による押し付けだという批判がある。私が話すと、どうしてもそうしたレッテルを貼りたくてしようがない人たちがいるが、全くの的外れだ」と反論し、「大切なことは1億人の一人一人が希望をかなえ、能力を発揮し、生きがいを感じることができる社会を作ることだ。すべてを画一的な価値観にはめこむのとは対極にある発想だ」と強調した。(iRONNA編集部)

「弱者」に冷たい政権の表れ

「一億総活躍社会」が真に意味すること

 一体「一億総活躍社会」とは、何を意味しているのでしょうか?それに、国民の多くが、「俺は(私は)はもっと活躍したいと思っているのだが、社会にはいろいろな制約があってなかなか自由に活動ができない」とでも思っているのなら、分かります。でも、そのようなことを言っている国民なんて殆どいないでしょ?それに、今現在の日本の人口は、約1億2685万人。その差である2685万人は、活躍しなくてもいいと言うのでしょうか?でも、そんなことを言うと、バカだと言われるでしょう。そうではなく、1億というのは、日本の全ての人々を指しているのだ、と。しかし、そうだとすると「1億2685万人総活躍社会」と言うべきではないでしょうか。でも、そんなことを言うと、再びバカだと言われるでしょう。日本は、これから先、人口が益々減っていくことが予想されるが、例えば人口が約1億になったときに、全ての国民が活躍する社会を目指そうと言っているのだ、と。
記者会見する安倍晋三首相。「経済最優先で『1億総活躍社会』を目指す」と強調した=9月24日午後、東京・永田町の自民党本部
記者会見する安倍晋三首相。「経済最優先で『1億総活躍社会』を目指す」と強調した=9月24日午後、東京・永田町の自民党本部
 では、何時になったら日本の人口は1億人にまで減るのでしょうか。で、安倍総理は、そのことについてこう言っているのです。50年後において日本の人口が1億人を割らないことを目指す、と。そして、その一方で、安倍総理は、2020年代半ばまでに出生率を現在の1.4程度から1.8程度まで引き上げることを目指すとも言っているのです。ということは、出生率が1.8程度まで上がれば、50年後も1億の人口がキープできるということなのでしょうか?当然、そう予想しますよね。しかし、昨年5月に経済財政諮問会議が設置した専門調査会である「選択する未来」委員会がまとめた中間整理案によれば、「このままでは2060年に日本の人口は8700万人まで減少する。50年後に人口1億人を維持するためには、2030年までに出生率を2.07まで回復させる必要がある」というのです。
 話が違うではないですか!一体どうなっているのか、と言いたい! ただ、いずれにしても、安倍総理としても人口減少のペースを少しでも遅らせたいと考えているのは分かります。人口が減少し続ければ、益々GDPの成長率は低くなってしまうからです。そうですよね、安倍総理。そして、だからこそアベノミクス第二弾の第二の矢は、子育て支援(出生率1.8)を掲げ、そして、第三の矢は、社会保障(介護離職ゼロ)を掲げているのです。つまり、出生率を引き上げ、介護離職をゼロにすることによって少しでも労働力人口の減少を食い止めようという狙いなのです。ところで、一般の方々は、介護離職ゼロを目指すなんて言われても、なんのこっちゃいなと思うと思うのですが…
 何故そのような理解がイマイチ難しいものが第三の矢になっているのでしょうか?繰り返しになりますが、そうしないと労働力人口の確保が難しいからなのです。介護のために仕事を辞められると、その分、労働力人口が減ってしまうではないか、と。確かにそれはそうなのですが…でも、自分の親の面倒を見るためにやむなく職場を離れることになってもそれは仕方のないことではないでしょうか。仮に、面倒を見るべき親がいるのに、それでも仕事を辞めないとなれば、誰が面倒を見てくれるのでしょう?国が面倒をみるというのでしょうか?
私は、仕事を辞めて親の面倒を見ることも、人としての立派な務めだと思うのです。つまり、その人はその人なりに立派に活躍している、と。
 しかし、安倍総理は、介護のために仕事を止めるようなことをするなという訳ですから、不当に家族による介護を低く評価しているとしか思えません。一体、何が総活躍なのでしょう?
 要するに、安倍総理は、何がなんでもGDPを増やすことしか頭にないものだから、女性や高齢者や介護すべき親がいる人にも、もっと働いて欲しいと願っているだけの話なのです。「輝く」だとか「活躍」だとかといった一見見栄えのいい言葉は、そうした人々を職場に駆り出すためのものでしかないのです。(小笠原誠治「経済ニュースゼミ」2015.10.08

ホントに意味不明の政策なのか

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