バカ高い携帯料金は本当に安くなるのか
2165

テーマ

バカ高い携帯料金は本当に安くなるのか

安倍晋三首相が携帯電話料金の見直しを指示した。家計に直結する値下げ議論は早くも熱を帯びているが、携帯各社は難色を示す。バカ高い日本の携帯料金はホントに安くなるのか。「看板倒れ」に終わらせない実のある議論は実現できるか。

安倍晋三首相が携帯電話料金の見直しを指示した。家計に直結する値下げ議論は早くも熱を帯びているが、携帯各社は難色を示す。バカ高い日本の携帯料金はホントに安くなるのか。「看板倒れ」に終わらせない実のある議論は実現できるか。

総務省と通信業界の誤算

3社横並びは誰のせい?

携帯大手の「当たり前の言い分」

 安倍首相が出した「携帯料金引き下げ」指示が波紋を広げています。「家計負担増」を懸念した安倍首相の”思いやり”かもしれませんが、一国の首相が特定の産業の、特定の商品サービスの料金体系に”ケチ”をつけるなんて前代未聞だ、という声も上がっています。
 携帯電話、スマートフォンの料金が世界的に見て高いかどうかはともかく、端末価格と通信料金が一体化している点、何をどう使えばいくらかかるのかわかりづらい点、どのような条件ならどれぐらいの値引きが実現するのかも非常にわかりづらくなっていることは事実です。携帯、スマホを使わない人ほど高いお金を支払っているケースもあり、”フェアではない”料金体系が不満の温床となっています。
 社会インフラに対して支払うお金は、企業や家庭の支出において「固定費」となります。契約するときは料金を気にしますが、いったん契約してしまうと、あまり気にならなくなるという特性があります。これがいわゆる「ストックビジネス」のうま味と言えるでしょう。
 企業側としては、「いったん契約してもらえばこっちのもの」という思惑があります。契約するときは、1ミリでもハードルを低くする努力をしますが、解約されるときは1ミリでもハードルを高くしようと努力をする。携帯やインターネットプロバイダなどの通信事業のみならず、保険やクレジットカードなどの事業も同じ。健康食品や化粧品販売でも、こういったストックビジネス的な販売方法は存在します。
 これがストックビジネスの正体。業界が成熟していれば事業主の利益率は非常に高くなり、実際のところ、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの収益力はバツグンです。もし今後、収益が悪化するようなことがあれば、単純に経営努力を怠っているからに違いありません。
 料金体系のわかりにくさ、値引き条件のわかりにくさ、解約方法のわかりにくさ……多義的で紛らわしくて不透明な料金体系を作るのがストックビジネスのコツであるわけですから、いくら安倍首相の指示とはいえ、この圧力に屈することはないでしょう。それこそ曖昧模糊な言い分で、のらりくらりと交わすか、とってつけたような改善案で幕引きをはかるかのどちらかです。
 前述したとおり、社会インフラに支払うお金は、企業や家庭の支出において「固定費」となります。そしてこの社会インフラを担う企業はいろいろとあるわけですが、通信事業はまだ健全なほう。携帯の料金は消費者側に選択権があり、不満があれば自分で勉強してプランを変更したり、格安のスマホに乗り換えたりすればいいのです。
 いっぽう電力会社はどうでしょう。自社の経営が悪化すると電気料金を引き上げようとするなど、とんでもない横暴を働きます。電気に関しては現時点でほぼ消費者に選択権はなく、泣き寝入りするしかありません。ビジネス的に考えれば、電力会社は消費者を虐待しているようなもの。電力市場の自由化(電力自由化)となっても、そう簡単にこの利権が奪われることはないでしょうから、それこそ強い姿勢で政府は介入すべきです。電力会社やガス会社は、もっと経営努力をすべきと私は考えています。(経営コンサルタント・横山信弘「Yahoo!ニュース個人」2015.11.18

政府のお手並み拝見

唐突すぎる引き下げ指示

 安倍首相が経済財政諮問会議で高市総務大臣に「携帯料金などの家計負担の軽減は大きな課題」と述べ、携帯電話料金引き下げへの指示をしました。これを受け、14日のNTTドコモ、ソフトバンク、KDDIの株価はそれぞれ9.8%、5.5%、8.6%の大幅安となりました。いわゆる携帯契約の2年縛りを懸念したものだと見られています。正直、この発言に唐突さを感じないわけにはいきません。
 安倍首相は無投票にて自民党総裁に選ばれた際、経済をよくするということを改めて表明しています。その中で特に噂されるのが疎遠になっている黒田日銀総裁との協調によるデフレからの明白なる脱却と経済の活性化であります。
 事実、一部では日銀による再度の量的緩和の呼び声が再び高まりつつあるのは一つに株価対策でもあるわけです。14日に再び18000円を割ってしまった日経平均は今週、イベントが多いこともあり、投資家の動きが取りにくいということもありますが、上海市場が安く始まった途端、日経平均は100円以上するっと下げてしまいました。先日、東証の主導性ということを書かせていただきましたが、正にその典型的病状が出てしまいました。
経済財政諮問会議であいさつする安倍晋三首相(左から2人目)=9月11日(酒巻俊介撮影)
 そんな中、この時期、このタイミングでなぜ、携帯電話料金を下げるという命題を出したのか、さっぱりわかりません。携帯電話の価格下落はインフレ率の計算に結構響きます。よって、これが下がると経済指標的にはディスインフレ効果を招きやすくなります。既に日本は物価のプラスを維持できるのか、という見方も一部ある中で明らかにマイナス方向のバイアスがかかってしまうのです。
 その上、稼ぎのよい携帯各社の株価が下落することも気になりますし、それらは日経平均採用銘柄ですから日経平均に影響しやすくなることも当然あるわけです。つまり、この時期にそんな指示をするのは私から見れば良いことはひとつもないのであります。もう一言、言わせてもらえれば、それを受けた株式市場でにぎわったのがスマホゲーム関連株。その心は携帯電話料金が下がればその分をゲーム代に回せる、であります。何かおかしくないでしょうか?
 首相は誰かに携帯料金のことを指摘されたのではないでしょうか?それを受けての発言で下から上がってきた報告を受けての指示ではない気がします。とすればちょっと軽率だったのではないでしょうか?
 携帯に関していえば、今やらなくてはいけないのは携帯料金よりも街中のWiFiの統一化を早急に図ることと無料エリアを拡充することでしょう。特に外国人が1700-1800万人も訪れる国になったのに外国人からするとこれほどWiFiの整備が遅れているのは大いなる問題であります。彼らの情報源は今や、手に持つスマホだけと言っても過言ではありません。それが使えるようになるのか、ならないのかでその印象は全然違うのです。(岡本裕明「外から見る日本、見られる日本人」2015.09.15

日本の携帯代は高い?安い?

バカ高い携帯料金は本当に安くなるのか

みんなの投票

日本の携帯料金は高いと思いますか、それとも安いと思いますか?

  • 高い

    2076

  • 安い

    45

  • どちらでもない

    44