日本はテロに屈する気なのか
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日本はテロに屈する気なのか

世界を震撼させたパリ同時多発テロから1カ月。日本でも「共謀罪」の創設をめぐる議論が活発になっている。政府案は過去3度も廃案になったが、日本を標的にしたテロの脅威に対し現行法だけで本当に通用するのか。過度な法整備は国民の権利の抑圧につながらないのか。この議論を真剣に考えたい。

世界を震撼させたパリ同時多発テロから1カ月。日本でも「共謀罪」の創設をめぐる議論が活発になっている。政府案は過去3度も廃案になったが、日本を標的にしたテロの脅威に対し現行法だけで本当に通用するのか。過度な法整備は国民の権利の抑圧につながらないのか。この議論を真剣に考えたい。

国際テロ情勢を直視せよ

いくら法整備してもテロは防げない

テロが起きた後では遅すぎる

石破茂「今こそ真剣な議論を」

 
 フランス・パリにおけるテロは、一連のISによる攻撃とされています。ISについては様々な見解がありますが、軍隊と警察という実力組織を一元的に掌握できなくなったいくつかの国家の崩壊(マックス・ウェーバーによる国家の定義「正当性を有する、実力を独占する主体」は一面の真実です)と、米国の中東外交方針の転換による力の空白の発生がその主な遠因であり、この二つに対する根本的な対応策を講じることは決して容易ではありません。
 防衛庁長官や防衛大臣在任時に、テロ対策については私なりに突き詰めて考え、論じてきたのですが、その都度「国民生活を不便にすることには反対だ」「国民の権利を抑圧するのか」等の批判が寄せられました。
 9・11後にテロ対策の一環として駅のごみ箱を撤去した時は、安全保障委員会で「国民に迷惑をかけるようなことはやめるべきだ」との指摘がなされたことをよく覚えております。
 過密ダイヤで運行される鉄道において航空と同様の検査を実施すれば、社会生活はたちどころに麻痺してしまうのですが、さりとて今のままでよいとはとても思われません。フランスにおいてはジャンダルムリという軍隊と警察双方の機能を併せ持つ組織が存在しますが、自衛隊の治安出動が極めて下令困難であることに鑑みれば、警察力の強化は急務ですし、自動改札通過時に危険物を瞬時に探知できるシステムの開発の加速化など、今でも可能なことは多くあるものと思われます。
パリ同時多発テロの現場となった
レストランでは、 窓ガラスの弾痕
に花がたむけられた  15日、フラ
ンス・パリ (大西正純撮影)
 さらには、今まで何度も廃案となってきた「共謀罪」も今一度真剣に考えなくてはなりません。
 「共謀罪」という語感から世論の反発を招くことは必至ですが、現状のままでは各国共通の処罰法整備を目的として二〇〇〇年に国連総会で採択された「国際組織犯罪防止条約」を批准することも出来ず(日本も同年に署名はしています)、重大な国際犯罪に問われて日本に逃げ込んだ犯人を逮捕することも外国に引き渡すこともできないこととなってしまい、日本がテロ組織の活動の抜け穴にもなりかねません。
 既に185の国・地域が批准・締結済みで、未締結なのはイランや北朝鮮などごく僅かです。
 2006年の審議において、与党は適用対象を「組織的犯罪集団」に限定し、共謀しただけでは足らず「犯罪の実行に必要な準備その他の行為」があった場合に限り成立することにすることとし、「日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に制限してはならない」「労働組合その他の団体の正当な活動を制限することがあってはならない」という文言も追加して提案しましたが、結局与野党協議は決裂となったという経緯があります。
 国際的な常識からかなり乖離した議論が行われているのはこれに限ったことではありませんが、日本さえよければいい、ということにはなりません。担当当局が主体となって政府全体で判断すべきことですが、国民の懸念を払拭するに足る丁寧かつ真摯な説明が何より重要です。(石破茂オフィシャルブログ 2015年11月20日)

なぜ3度も廃案になったのか

パリ同時テロに乗じるのは危険

 パリ郊外でフランスの治安部隊とテロの関係者が潜伏していたとされるアパートで銃撃戦があり、女性一人が自爆し、一人を射殺、7人逮捕というニュースに13日以来の戦争状態に驚く。 
 パリでのテロはベルギーブリュッセルで準備されたと報道されているが、そこは貧困地区と言う。富める者、貧しい者の格差、宗教対立、様々な要因で過激派を生み、世界を震撼させる事態となる負の連鎖である。世界各国が協調し、情報を共有し、対処して行かなくてはならない。 
 日本人最初の宇宙飛行士毛利衛さんは「宇宙から見た地球、そこには国境線はありませんでした」と宇宙から伝えてきたが、まさに地球は一つの思いで取り組まなくてはならない。 
 歴史・文化・宗教、様々なものが重なってのテロであるが、平穏な世界にする為にもいつに情報の共有である。他人事(ひとごと)と思わず考えて行きたいものだ。 
 テロに関連して国内テロ対策強化に向け、共謀罪組織犯罪処刑法の話が谷垣自民党幹事長から出ているが、テロに託(かこつ)けてのこじつけ的な話は危うい。 国連が採択した「国際組織犯罪防止条約」はテロ対策とは関係なく、反社会的勢力によるマネーロンダリング(資金洗浄)対策の条約ではないか。 
 これ幸いにと乗じるやり方は危険である。この点、読者の皆さんもよく気を付けて事の次第を見守ってほしいものである。 
 2020年、東京オリンピックを控え、世界一安全な日本、東京を作るには、一人ひとりが安心・安全に向けての意識を持つことであり、合わせて情報の共有である。 先ずは足元をしっかり固めて行こうではないか。(鈴木宗男オフィシャルブログ 2015年11月19日)

日本もイスラム国のターゲット

日本はテロに屈する気なのか

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