日本人が火星に降り立つ日
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日本人が火星に降り立つ日

2016年は火星がキーワードになるかもしれない。5月には火星が地球と最接近し、早くも天文ファンの期待が高まっている。そして、各国がしのぎを削る火星探査計画も続々と動き出し、有人探査はもはや現実になりつつある。宇宙開発で乗り遅れる日本だが、日本人が火星に降り立つ日は来るのだろうか。

2016年は火星がキーワードになるかもしれない。5月には火星が地球と最接近し、早くも天文ファンの期待が高まっている。そして、各国がしのぎを削る火星探査計画も続々と動き出し、有人探査はもはや現実になりつつある。宇宙開発で乗り遅れる日本だが、日本人が火星に降り立つ日は来るのだろうか。

永遠の憧れ

もう夢物語やロマンじゃない

「必ず降り立つ」竹内薫が断言

鍵を握るのは日本人「らしさ」

油井艦長の夢

 漫画家の松本零士さん(77)の父親は、旧陸軍の戦闘機のパイロットだった。「夜間飛行は、星の海を飛んでいるみたいだ」と聞かされたことがある。小学2年のとき、星空を眺めながら交わした、こんな会話も覚えている。「火星人はいるだろうか」「いるかもしれん」。
 宇宙への想像力をかき立てられた松本さんは早速、火星人が登場する初めての作品を完成させた。デビューから60年以上たつ松本さんによると、宇宙を舞台にしたSF漫画で描いてきた出来事が、次々に現実のものとなっている。ただ、自らが宇宙船に乗って火星に到達する夢だけは、実現していない。
 航空自衛隊のパイロットだった油井亀美也さん(45)は、千曲川の源流にある長野県川上村に生まれた。美しい星空を天体望遠鏡で眺めるのが、何より好きな少年だった。宇宙飛行士になるという、幼い頃からの夢がまもなくかなう。
 油井さんが乗り込むロシアのソユーズ宇宙船は明日23日、カザフスタンの宇宙基地から打ち上げられる。米露の飛行士2人とともに、国際宇宙ステーション(ISS)に向かう。ISSでは現在、将来の火星有人飛行を見据えて、さまざまな実験が行われている。
 小学校の卒業文集にいつか「火星に行く」と書いた油井さんも、約半年間の滞在中、火星上空から地上に降ろすロボットの遠隔操作の実験などに参加する予定だ。油井さんはかつて小紙の取材に、日本独自の有人宇宙船が開発されたら、ぜひ操縦したい、との意欲も語っていた。
 松本さんの代表作の一つ「宇宙戦艦ヤマト」の沖田艦長は、憧れていた父親をモデルにしたそうだ。火星に向かう「日の丸宇宙船」の油井船長は、SFではなく、ぜひ、この目で見届けたい。(「産経抄」2015.07.22

存在感増す日本人宇宙飛行士

宇宙産業はスパコンと同じ轍を踏むな

 24日に海外から初めて受注した商業衛星を搭載したH2Aロケット29号機の打ち上げが成功したことで国内が湧きました。しかし、ほぼ同じ頃に、米国のテキサスではアマゾンのベゾスCEOが資金提供している民間宇宙企業ブルーオリジンの「ニューシェパード」が高度100Kmまで打ち上げられ、発射基地に戻ってくることに成功しています。宇宙空間で人が乗ったカプセルを切り離し、そちらはパラシュートで降下させるもので、宇宙旅行も間近に迫ってきたことになります。
 宇宙旅行はともかく、今では、打ち上げロケットは技術力の競争だけでなく、米国が仕掛けたコスト競争も同時に起こってきています。その点でもブルーオリジン社の成功は画期的です。
 日本はロケット大好き、またものづくり技術大好きです。マスコミがまたそれを煽ります。それはともすれば時代の求める課題を覆い隠しがちになります。今回のH2Aロケット29号機の成功で、日本のロケット打ち上げ成功率は、97%に達したので成功率ではおそらく世界のトップと並ぶ、あるいはわずかながら上回り、申し分のないところまできました。しかし、H2Aロケットは現在一回あたりの打ち上げに100億円を要しますが商用打ち上げではまだまだ打ち上げ費用が高すぎるのです。
 ちなみに経産省の宇宙産業室の資料によると、商業打ち上げ市場で受注数が最も多いのが欧州のアリアン、ついでロシアのプロトンですが、つづく米国のスペースX社のファルコン9は打ち上げコストが5,000~6,000万ドルで、商用ロケットとしては少なくとも、70億円以下に打ち上げコストを下げる必要があるといわれています。
 そのためには、自動車や航空機などの産業との部品の共通化をはかるか、もっと量産するか、そして再利用可能なロケットを開発するかと言われていますが、実際にコストダウンにつながるのかどうかは、まだわからないにしても、ブルーオリジン社は、その再利用可能なロケットの打ち上げと回収に成功したことになります。
経産省の宇宙産業室「宇宙産業の
最近の動向と課題」より
 さて、宇宙産業というと、ロケットや衛星に注目が集まりがちですが、ロケットの打ち上げ産業そのものはほんの宇宙産業全体の3%、衛星設備が9% を占めるに過ぎませせん。最大の市場が衛星サービスで6割を占め、続いて地上設備が3割で、宇宙産業の焦点はソリューションビジネスだということを冷静に見ておく必要がありそうです。
 ロケット産業は、宇宙への夢という側面もありますが、現実は政府購入が7割、またそのうちの半分が軍事目的で、商用は3割にすぎません。つまり軍事、安全保障が利用目的なのか、商業利用として考えるのかの問題も残っています。
 宇宙産業は成長産業であり、日本でもチャレンジすべき分野だと思いますが、技術オリンピックの視点だけではなく、どのような市場を切り開いていくのかから出発したほうがよさそうです。スパコンでは、日本の「京」は瞬間芸で演算能力世界一をとりましたが、その後は速度では中国と抜きつ抜かれつのようです。しかし肝心の産業としては流れに乗り遅れたままです。
 内閣府の宇宙戦略室も、「宇宙産業政策の検討の視点(PDF)」で、従来は、衛星やロケットの開発が主な取り組みだったけれど、今後は課題解決手段として宇宙利用を推進していくとしているので安心しますが、スパコンと同じ轍を踏むことは避けてもらいたいところです。(大西宏のマーケティング・エッセンス 2015.11.26

火星有人探査 待ち受ける困難

日本人が火星に降り立つ日

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