狂気の北核実験、金正恩は賭けに勝った
935

テーマ

狂気の北核実験、金正恩は賭けに勝った

北朝鮮は6日午後、「朝鮮で初の水爆実験を成功させた」と発表した。北朝鮮による4回目の核実験は2013年2月以来だが、真偽はともかく国際的な孤立を深める北朝鮮にとって、最後の賭けに出たとも言える。米国をはじめ世界を手玉に取った金正恩。狂気の独裁者が次に打つ手は何か。

北朝鮮は6日午後、「朝鮮で初の水爆実験を成功させた」と発表した。北朝鮮による4回目の核実験は2013年2月以来だが、真偽はともかく国際的な孤立を深める北朝鮮にとって、最後の賭けに出たとも言える。米国をはじめ世界を手玉に取った金正恩。狂気の独裁者が次に打つ手は何か。

北の暴走 どう止める

辺真一の視点

専門家もお手上げ

初の水爆実験、米の譲歩狙う

 北朝鮮の金正恩政権が6日、水素爆弾の実験を強行した。金第1書記は1日に発表した「新年の辞」では、「経済強国」建設を掲げていたが、水素爆弾の実験強行で中国をはじめ国際社会の反発は必至。北朝鮮が外交的孤立を一層深めるなか、米国から譲歩を引き出すため、さらなる軍事挑発を繰り返す可能性が出てきた。
金正恩第1書記の「新年の辞」で
示された課題貫徹を呼び掛ける集会
に参加した市民ら=1月5日、
平壌市内の金日成広場(共同)
 北朝鮮は今年5月、36年ぶりとなる朝鮮労働党の党大会を開催予定だ。今回の水素爆弾の実験強行により、金第1書記が党大会で、軍事力をバックにした金正恩体制の確立を内外にアピールする可能性が高まったといえる。
 北朝鮮は6日の「特別重大報道」で、「米国と対峙するわれわれは水素爆弾を手に入れた」と強調し、米国を意識した実験だったことを示唆した。北朝鮮は米国の「敵視政策」転換を狙っており、オバマ政権から譲歩を引き出すため軍事挑発を続ける可能性がある。
 北朝鮮の核実験をめぐっては、最近、北朝鮮北東部豊渓里にある核実験場で新たな坑道掘削の動きが確認され、韓国軍が「核融合反応を利用した兵器の実験目的である可能性を排除できない」と指摘していた。核融合反応は水素爆弾などに利用される。
 金第1書記は1日の「新年の辞」で、人民生活の問題を「第1の国事」と最重視する姿勢をアピール。核には直接言及しなかったものの、「多様な軍事的打撃手段を開発・生産する必要がある」と強調していた。(産経新聞ソウル支局長・藤本欣也、2016年1月6日)

的外れな質疑

対北 日本がやるべきこと

虚構にすがるのはもうやめよ

 北朝鮮が核実験をやったようです。具体的にどのような中身なのかはまだよく分かりませんが、ともかく北朝鮮は生き残りのためには核を持つしか方法がありません。これからもこの方向性が変わることはないでしょう。
 日朝平壌宣言には次のように書かれています。

 (日朝)双方は、朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守することを確認した。また、双方は、核問題及びミサイル問題を含む安全保障上の諸問題に関し、関係諸国間の対話を促進し、問題解決を図ることの必要性を確認した。

 さらにストックホルム合意には次のように書かれています。

 双方は、日朝平壌宣言に則って、不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、国交正常化を実現するために、真摯に協議を行った。

 特に解説する必要もないと思いますが、崩れた家に二階を建て増しするようなもので、これがうまくいくはずはありません。もっとも、他の国も対北朝鮮交渉では五十歩百歩の状態ですから、日本だけがだめというものでもないのですが。
北朝鮮が水爆実験を実施したとみられる咸鏡北道豊渓里を撮影した2012年4月日の衛星写真(米衛星画像会社ジオアイ提供・AP=共同)
北朝鮮が水爆実験を実施したとみられる
咸鏡北道豊渓里を撮影した2012年4
月の衛星写真(米衛星画像会社ジオアイ
提供・AP=共同)
 北朝鮮では今年どういう風の吹き回しか党大会を36年ぶりにやるようです。だからこそ、その前に派手なデモンストレーションが必要なのでしょう。しかし核・ミサイルの開発は単なる展示用ではなく販売用でもあり、もちろん抑止力でもあります。いずれにしても「核を手放した北朝鮮」では単なる貧乏な独裁国家で誰も相手にしないでしょう。だから話し合いで北朝鮮の核開発を止められるはずはありません。
 しかし、これを契機に拉致問題の方も、話し合いで北朝鮮から全ての拉致被害者を取り返せるという虚構にすがりつくのはもういい加減にしたらどうでしょうか。中東もきな臭く、欧州も混乱した状態の中で米国はさらに内向きになります。東アジアで何か起きたとき米国が日本の肩をポンと叩いて「まあうまいことやっといてよ。あんたのシマだし。何かあったら手伝うからさ」と言われる日が近づいているように思います。
 結局しんどくても自分でやるしかありませんし、結果的にもそれが最善であるはずです。今回の核実験がストックホルム合意や平壌宣言の全面見直しにつながればそれはそれでチャンスなのかも知れません。(特定失踪者問題調査会代表・荒木和博、「荒木和博BLOG」2016年1月6日

焦る北朝鮮

愚かしい楽観論を叫んだ人々

 昨年の11月7日、集団的自衛権の限定的な行使容認に反対する日本共産党の志位委員長は次のように述べていた。
 「北朝鮮、中国にリアルの危険があるのではなく、実際の危険は中東・アフリカにまで自衛隊が出て行き一緒に戦争をやることだ」
 だが6日正午、北朝鮮は政府声明として「水爆実験」の成功を公表した。金正恩体制は、その最高幹部が亡命しているとの情報もあり、体制が綻びはじめているという。
6日、水爆実験の実施を発表する朝鮮中央テレビ(聯合ニューステレビから・共同)
6日、水爆実験の実施を発表する
朝鮮中央テレビ(聯合ニュース
テレビから・共同)
 体制の危機を乗り切るために、外部に敵を求め、好戦的な姿勢で国内の引き締めをはかるのが独裁国家の常道だ。今回も、外敵の危機を煽り、危機を乗り越える強力な指導者として自らをアピールせんと勇ましい発言、行動を繰り返しているのだろう。当然、我が国としては、こうした危険な火遊びを無視することは出来ない。
 危険な独裁国家が存在しているにもかかわらず、そうした国々が「危険ではない」と強弁し、まるで安倍政権率いる日本の方が、危険な独裁国家であるかのような詭弁を弄する。まことに奇怪な主張であった。
 思い出すべきだろう。安保法案に反対していた人々は、中国や北朝鮮は危険ではないと主張していた。
だが、現実に、北朝鮮は世界中の非難を無視してでも水爆実験を強行するほど危険な国家だ。
 「平和の敵」、それは現実をみつめられない人々の愚かしい楽観論に他ならない。
 拙著『平和の敵』の中で詳述したが、昨年の日本では現実をみつめない奇怪な議論で溢れていた。日本にとって重要なのは、現実を見つめ、我が国の安全を守り抜く体制を構築することだ。(岩田温の備忘録 2016年1月6日)
狂気の北核実験、金正恩は賭けに勝った

みんなの投票

北朝鮮が発表した「水爆実験」は成功した可能性が高いと思いますか?

  • 成功した可能性が高い

    113

  • 失敗した可能性が高い

    85

  • そもそも「水爆実験」ではないと思う

    737