中国発「世界恐慌」の兆しが見えた
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中国発「世界恐慌」の兆しが見えた

中国が世界の株式市場に暗い影を落としている。7日の上海市場は前日比7%安と急落し、相場の急変時に取引を停止する「サーキットブレーカー」が4日に続き2度目の発動となり、取引開始からわずか30分で売買が全面停止する事態となった。チャイナリスクが「世界恐慌」の悪夢の引き金となる日は来るのか。

中国が世界の株式市場に暗い影を落としている。7日の上海市場は前日比7%安と急落し、相場の急変時に取引を停止する「サーキットブレーカー」が4日に続き2度目の発動となり、取引開始からわずか30分で売買が全面停止する事態となった。チャイナリスクが「世界恐慌」の悪夢の引き金となる日は来るのか。

歪みの反動は大きい

原因を知れば恐るるに足らず

 本日、中国の株式市場はまたしてもサーキットブレーカーが作動し、取引が打ち切られています。
 どう思いますか? やっぱり中国経済の減速が殊の外深刻なのか?それとも、自社株の売却などを禁止した措置が明日で解禁されることによる売り圧力がかかっているからなのか?
 伝えられるところによれば、このサーキットブレーカーの制度そのものが投資家の投げ売りを誘っている面があるなどとも言われています。どういうことかと言えば、取引停止と取引打ち切りの値幅制限が下落率5%と7%に設定されているために、それに近づくと投資家が投げ売りに走りやすくなっているのだとか。
 ただ、株安を誘う要因は他にもあるようで、人民元が下げ止まりにくいので投資家がリスク回避に走っているという指摘もあるのです。
 では、何故人民元が下げ止まらないのかと言えば…中国経済全体の設備過剰を背景とした景気の減速があり、中国の成長力が鈍化していることが第一の理由だと言っていいでしょう。
 それに、そうして中国の景気が悪化するなかで中国人民銀行は緩和策を強化せざるを得ないので益々ドル高元安の圧力がかかるのです。
 ということで、世界的な株安と元安が起きているなか、本日は、アジアの原油相場が11年9か月ぶりに1バレル30ドルを割ったというニュースまで入ってきています。
 まあ、産油国が生産制限をしないなかで世界的に原油に対する需要が弱含めば、当然原油価格は低下する、と。
 では、これらの株安、元安、原油安が、どのような影響を日本に与えるのかと言えば…どう思いますか?
 中国の株価が下がるので東京市場も下げていますよね。そして、そのようなリスクオフの流れを受け、為替は円高に振れています。
 そうした中、北朝鮮が水爆の実験を強行したなんてことで人々の不安感が掻き立てられると、なんとなく暗いムードになってしまうのです。でも、殆どの出来事には原因があるから結果もある訳で、従って、何故中国の株価が下落し、そして、人民元が安くなっているのか、その本当の原因を知れば何も恐れることはないのです。
 つまり、当然のことが起こっているだけである、と。我々が本当に心配すべきは、他にあるのではないでしょうか?
 例えば、地球の温暖化! 1月2日の箱根の駅伝を見ていたのですが、都内の路上の銀杏の葉が、まだ黄色いままで落ちていませんでしたよね。それに、全国的にみても降雪量が少なすぎる。地球温暖化の影響は、そのようなことばかりではなく、異常気象、例えば、大型の台風やゲリラ豪雨を発生させることも心配されるのです。恐らく今後、地球温暖化の影響は益々顕在化することとなるでしょう。
 先のことを考えるとぞっとしてしまいます。
 いずれにしても、先日も言いましたが、中国は今、人民元を国際通貨にするためにマーケットの規制緩和に取り掛かっている最中ですから、今後益々ボラティリティが高まると考えていた方がいいでしょう。(小笠原誠治の経済ニュースゼミ 2016年1月7日)

「影の宗主国」は撤退する

米国との摩擦の懸念

世界経済の潮流変化

中国製「債務爆弾」に脅かされるのか

 2016年の世界経済最大の焦点は、中国の企業債務問題のようである。15年は中国の生産過剰が世界のモノの市場を揺さぶった。今度はカネ版チャイナリスクである。株式を含む世界の市場が中国製債務爆弾に脅かされるのか。
 グラフは、主要国・地域の企業債務残高の推移で、国内総生産(GDP)で米国の約6割の中国が米国をはるかにしのぐ。党支配の異形市場経済がつくり出した金融バブルである。中国人民銀行は08年9月のリーマンショック後、党中央の指令を受けて国有商業銀行を通じて国有企業などに巨額の融資を行ってきた。可能にしたのは米連邦準備制度理事会(FRB)による量と金利両面での史上空前絶後の超金融緩和政策である。海外にあふれ出たドル資金の多くが中国に向かい、人民銀行はそれを吸い上げて人民元に置き換えた。地方政府は不動産開発に熱中し、国内需要を盛り上げる。企業は借り入れては生産設備や不動産に投資し、供給能力を肥大化させてきた。ところが13年から14年にかけて不動産バブルがはじけ、景気は失速した。中国需要減退の影響で国際商品市況は総崩れとなってきた。モノ版チャイナリスクである。
 米FRBは14年10月末に量的緩和を打ち止め、FRBは金融政策の正常化に踏み出した。近い将来のゼロ金利解除予想が市場に広がり、余剰ドル流入に支えられた新興国市場が調整局面に入った。FRBは15年12月に続き、小幅で緩やかながら利上げを継続していく考えのようで、16年にドル資金のUターンの流れはさらに強まるだろう。
 グラフに戻ると、中国と米国を除けば世界の企業債務の縮小が続いている。通常、景気の後退局面で需要が低迷する場合、企業は債務の圧縮に努める。日欧のパターンがそうだ。新興国の場合、米利上げ予想と中国需要減退による打撃が重なったために、債務縮小は早く始まった。対照的に、中国企業のほうは相変わらず債務を膨らませている。デフレ圧力を受けた企業は返済ができず、金融機関の潜在的な不良債権が増える。中国の製品価格指数を見ると、3年末にマイナスに転じた後、下落幅は広がる一方で、15年10月には前年比マイナス7・4%となった。企業の借入金利は14年秋の6%が1年後には4・35%まで下がったが、企業にとっての実質金利負担は12%近い。
 日本ではありえない異常な高金利だ。中国の場合、国有企業は党幹部の口利きで銀行から返済繰り延べや追加融資を受けられる。さらに高利回りの理財商品発行によって資金難から当面は逃れる。理財商品を含む中国の国内債務証券発行額は15年3月末で4・7兆ドルに上り、前年比で10%伸びている。特に、不動産業大手が債務証券発行を急増させている。
 中国側の統計によれば、対外債務は銀行融資・証券合わせて1・3兆ドルで前年比21%増と膨らんでいる。1件でも「デフォルト」となれば国際金融市場を揺さぶるだろう。それは上海株暴落時のケースから見ても明らかだ。
 債務問題緩和のためには、人民元の大幅切り下げが一番手っ取り早い。そうすれば国内産業界の輸出増強とデフレ圧力を緩和できる。その元は16年10月から国際通貨基金(IMF)・特別引き出し権(SDR)構成通貨となる。IMFは、元を数年後には変動相場制に移行させるよう求めているので、この際、管理変動相場制を放棄して、市場実勢にまかせるまま元安を放置すればよい。
 ところが、習近平政権にはその気は全くないようだ。今でも資金流出は止まらず、人民銀行は外貨準備を取り崩して元を買い支えざるをえない。「元安容認」となると、資本逃避に加速がかかる。外準は14年6月の4兆ドルから15年11月には3・44兆ドルまで落ち込んだ。約5兆ドルとみられる対外負債を考慮すると、外国からの借金が減ると雲散霧消しかねない。中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)は対外借り入れを容易にするための隠れみのなのだ。
 ドル相場は円、ユーロなど主要通貨に対して上昇基調にある。中国がドルにほぼ連動させる外国為替市場の管理変動相場制を続けると、元高によるデフレ圧力がかかる。今後、米国が追加利上げに踏み切ると、中国の債務不安はさらに深刻化する恐れがある。日本としては、中国の債務爆弾に振り回されないよう、財政・金融の両輪をフル稼働させ、内需主導の成長を確保するしかない。消費税増税どころではない。(田村秀男 産経新聞 2015年12月27日

痛い思いをする国は?

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