中国よ、日本に学べ! 一人っ子廃止の功罪

中国よ、日本に学べ! 一人っ子廃止の功罪

中国で36年間続いた「一人っ子政策」が完全撤廃され、今月からすべての夫婦が2人目の子供まで認められるようになった。近年、中国社会で急速に進む超高齢化の阻止が歴史的な政策転換の背景にあるが、「もう手遅れ」と指摘する専門家も多い。中国よ、今こそ「超高齢化先進国」の日本に学ぶべきだ。

今後20年は期待出来ない

  • 一人っ子政策を廃止しても中国が背負い続ける「罪と罰」

    一人っ子政策を廃止しても中国が背負い続ける「罪と罰」

    1月1日から正式に「一人っ子政策」が廃止されても中国の人口ピラミッドの歪みはすぐには解消されない。チャイナウォッチャー、富坂聰が山積する中国の社会保障問題を暴く。

遠藤誉が提言

  • 結婚できない「剰男剰女」 二人っ子政策でも解決しない現代中国の悩み

    結婚できない「剰男剰女」 二人っ子政策でも解決しない現代中国の悩み

    今になって一人っ子政策をやめても、時代はすでに変わってしまっている―。中国研究の第一人者、遠藤誉が中国の一人っ子政策のはじまりから終焉を解説するとともに、「二人っ子政策」だけでは解決できない現代中国が抱える社会問題をあぶり出す。

中国が嵌った「中進国」の罠

  • 支那の一人っ子政策廃止は「焼け石に水」どころか「マグマに霧吹き」である

    支那の一人っ子政策廃止は「焼け石に水」どころか「マグマに霧吹き」である

    中国では超ハイスピードで高齢化が進み、鄧小平が唱えた「先に富める者から富め」という「先富論」とは正反対の富む前に先に老いてしまう「未富先老」に直面している。経済評論家の上念司は一人っ子政策の廃止は中国にとって「焼け石に水」どころか「マグマに霧吹き」であると語る。

人口増=経済成長ではない時代

 経済が一定水準に到達し、戦争などの動乱が起きない限り、出生率は下がりやすい傾向があります。かつて、世界で高い水準の出生率があったのは「種の保存」の原則が効いているからであります。例えば、平均余命が短い、疾病や伝染病が蔓延している、健康管理が十分ではない、食生活や衛生面が不健全といった理由は種の保存の原則で出生率を高めます。また、戦争は子供をたくさん作らないと家系が途切れる可能性がありました。更にはイスラム教は教徒を増やすことによりその影響力を誇示する考えがあり、数十年後にはキリスト教信者を抜き、世界で最大の宗教となります。ところが、現代社会ではそのほとんどの問題を克服しつつあり、特に先進国では平均余命は伸び続けています。つまり、中国においては70年代後半はともかく、90年代後半以降だけ考えれば否が応でもその出生率は下がることが予見できたはずなのです。
中国河北省張家口市の病院でベッドに並ぶ新生児(共同)
中国河北省張家口市の病院でベッド
に並ぶ新生児(共同)
 宗教観が近いアジアでみると2013年の合計特殊出生率ランク200カ国、地域で最下位から台湾、マカオ、香港、韓国、シンガポールの順で日本は下から14番目であります。つまり、世界の中でアジアの低出生率は突出しているのです。では肝心の中国の出生率ですが、本当の答えは分かりません。公表されているのは1.67でランク的には156位なのですが、中国の都市部における出生率は1.00を下回っているのではないかとされています。つまり、いつものようにあてにならない統計と同時に都市部と農村部に於いて相当離れた統計的傾向となっている可能性があるのです。そういう意味で中国の今回の決定は遅すぎたということに繋がるのでしょう。
 さて、一般には人口は増えた方がよいというのは経済学的に成長を考えるからでしょう。正に規模の経済です。が、敢えて私は一つの疑問を差し込んでみたいと思います。人口が増えることが経済成長に繋がるとは断言できない時代がやってきた、という考えです。即座のご批判があるかと思いますが、あくまでもこれが良い、悪い、ということではなく、一旦、一呼吸おいて考えてみる必要がある、と思うのです。
 現代社会に於いて機械化の進化は止まりません。機械と人間の戦いに於いて単純労働のみならず、高度な水準の作業も機械がこなす時代になりました。これが意味するのは「食えない国民の増大」をもたらす、ということです。経済的幸福度はGDPよりも一人当たりGDPで見た方が実感が出るわけで人間が機械の上にいかに立つか、という視点に立てば必ずしも数や量の理論にはなりません。
 もちろん、地球儀ベースでの政治力、影響力という点では数が大いに越したことはありませんが、それにより国家財政が厳しいものになることとの比較ということも考えなくてはいけないでしょう。一人っ子政策はある意味、なくなっても実質は変わらない、これは中国に限らず、アジアの宿命なのかもしれません。(岡本裕明「外から見る日本、見られる日本人」2015.10.31

党独裁体制崩壊の危機

  • やけっぱちの習近平政権 中国が市場不安を世界にまき散らす

    やけっぱちの習近平政権 中国が市場不安を世界にまき散らす

    日米の株価の足を引っ張り続ける上海の株安、先導する人民元安にどう対応すべきか。ただ一つ打開策があると主張する田村秀男が、習近平政権が恐れるリスクを暴く。

撤廃でコンドーム株暴落

 中国共産党は10月29日、1970年代後半に導入した「一人っ子政策」の廃止を決定した。過去30年にわたるこの政策は、少子高齢化や労働力不足、更には国家が強制的に子供を生む権利を制限する人権問題として国内外で批判され続けていたが、くしくも急激な経済成長鈍化が、政策転換を促した格好になっている。
 中国の人口動態の歪みからは政策転換が「遅過ぎた」との指摘も多いが、これまで例外的にしか認められなかった第2子が認められるようになったことは、大きな変化であることは間違いない。
 金融市場でもこうした大きな政策変更は売買を仕掛ける「テーマ」としてもてはやされており、一部のマーケットに大きなボラティリティ(価格変動)をもたらしている。
 例えば翌10月30日の外国為替市場では、対ドルでニュージーランド・ドルが最も大きな上昇率+0.82%を記録している。ニュージーランドの中央銀行は10月29日の政策会合で追加利上げを示唆したばかりであり、10月下旬は売り圧力の方が優勢な通貨だった。しかし、中国の「一人っ子政策」撤廃で出生数が増えれば同国最大の輸出品である乳製品の輸出が拡大するとの思惑から、ニュージーランド・ドルが買い戻されている。
 そしてもう一つ大きな変化が見られたのが、「オカモト<5122>」、「相模ゴム<5194>」、「不二ラテックス<5199>」といったコンドームメーカーの株価である。10月30日の取引では、オカモトが前日比-10.1%、相模ゴムが-2.1%、不二ラテックスが-2.6%など、暴落とも言える急落相場になっている。
 現実問題として、「一人っ子政策の撤廃」でコンドーム需要が大きく落ち込むのかは不透明である。ただ、これまでコンドームメーカーの株価は中国の連休を迎えるたびに「爆買い」や「インバウンド」銘柄として急騰して割高感・加熱感が浮上していたこともあり、中国発のお祭り騒ぎに水を差された格好となり、一気に投機プレミアムが剥落している。
 ニュージーランド・ドルにしても、コンドームメーカー株にしても明らかに思惑先行の過剰反応であり、特に株価が1日で1割も失われるのは異常だが、「一人っ子政策」撤廃の報だけで、国際金融市場には大きな混乱が生じている。景気が急激に減速しているとは言え、ポジティブ材料でもネガティブ材料でも、中国に振り回されていることが再認識される1日になっている。(商品アナリスト・小菅努「Yahoo!ニュース個人」、2015.10.30

残された闇

  • 一人っ子政策廃止と日本の少子化、憂うべきは生産力の低下だ

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    少子化にあえぐ日本もある意味では「一人っ子政策」だ。弁護士の猪野亨は少子化の背景に中国のみならず、日本でも子育てをしたくないという価値観への変化が起きているのではないかと指摘する。

  • 「一人っ子政策」廃止の中国 戸籍ない「闇っ子」対策強化へ

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    中国ではこれまでの一人っ子政策の弊害で、戸籍に登録していない戸籍なし児童である「黒孩子(ヘイハイズ)」、いわゆる「闇っ子」の存在が大きな問題になっている。

  • 中国大都市圏で同性愛エイズ患者拡大 一人っ子政策の影響も

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    中国では男性の同性愛者が大都市圏を中心として年々増加しており、それにともないエイズ感染者も急増しているという。拡大の背景には一人っ子政策の影響が色濃い。

中国よ、日本に学べ! 一人っ子廃止の功罪

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