「辺野古反対」の民意はどこへ

「辺野古反対」の民意はどこへ

米軍普天間飛行場を抱える沖縄県宜野湾市長選は、現職の佐喜真淳氏が再選を果たした。辺野古移設計画をめぐる安倍政権VS翁長知事の「代理戦争」となった選挙の結果に、安倍首相は「この勝利は大きいね」と胸をなで下ろした。翁長氏が掲げる「オール沖縄」の求心力、そして辺野古反対の民意はどこへ向かうのか。

安倍政権の「勝利」

 日本列島が記録的な大寒波に見舞われた24日夜、米軍普天間飛行場を抱える沖縄県宜野湾市にも雨に交じって数分間、みぞれが降った。くしくも日本中が注目した宜野湾市長選の投開票日。辺野古移設計画をめぐり、安倍晋三首相と翁長雄志・沖縄県知事の「代理戦争」と言われた熱い選挙戦に、まるで水を差すかのような39年ぶりの異常気象は、今回の選挙結果をある意味象徴していたような気がしてならない。
普天間小学校体育館に設けられた宜野湾
市長選の第二投票所(川畑希望撮影)
 南国育ちの市民にとっては、この寒さはさぞかし身にこたえたことだろう。普天間飛行場にほど近い、普天間小学校の投票所を取材で訪れると、人影はまばらで、有権者が寒さに身を縮めながら足早に投票に向かう姿が見られた。
 「沖縄がこんな寒さに見舞われるなんてめったにない。でもね、この街の未来がかかっている選挙だから、投票だけは何があっても絶対に行くと決めていました」。4年前に宜野湾市に移り住んだという女性(31)は、今回の選挙の意義を熱っぽく語った。
 市長選の投票率は、前回(63・90%)を大きく上回る68・72%。数字からも選挙戦の盛り上がりが分かる。ただ、中央政界やメディアはこぞって選挙結果がもたらす辺野古移設の成り行きに注目したが、市民の多くは基地問題だけでなく、地元ならではの選挙公約にも目を向けた。福祉関係の仕事に就く36歳の男性もその一人。「僕は福祉や教育面の公約を重視して投票した。基地問題はどちらの言い分もわかるし、判断が難しい。もちろん、ディズニーリゾートの誘致は魅力的だが、治安が悪くなると嫌だし、もっと違う経済振興策を考えてほしかった」
 安倍政権が全面支援した現職、佐喜真淳氏と翁長知事が事実上擁立した新人、志村恵一郎氏の一騎打ちとなった宜野湾市長選は、佐喜真氏に軍配が上がった。この結果は、言い換えれば安倍政権の「勝利」ともいえる。(iRONNA編集部、川畑希望)

翁長氏も操られている

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    選挙イヤーの2016年の沖縄は安倍政権VS反日勢力の“関ヶ原の戦い”である―。ジャーナリストの仲村覚が長い歴史を持つ沖縄の「革新統一」の動きを警戒すべきだと説く。

刺激される中国の野心

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就任後は一度も辺野古を訪れていない

  • 国民を愚弄する沖縄の「英雄」? 剥がれ始めた翁長知事の化けの皮

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    就任1年を超えても辺野古阻止だけに力を注ぐ翁長知事。やるべきことはいくらでもある。篠原章が県民、国民を愚弄しているとしか思えない翁長氏の化けの皮を剥ぐ。

勝ち目なき提訴の真意

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    法廷に持ち込まれた辺野古移設 在沖海兵隊が存在する正しい説明

    辺野古移設は普天間の危険性の除去と固定化の回避のため、関係者が積み重ねてきた知恵と努力の結晶だ。小谷哲男は戦略的視野を持って語ることの重要性を説く。

沖縄が日本じゃなかったら、どこの国のつもりなんだ? 

 ハ~イ! みなさん。俺の日本の友人たちが現在、スイス・ジュネーブの国連欧州本部に乗り込んでいる。「沖縄県の翁長雄志知事が国連人権理事会で異常なスピーチをする」という情報を入手し、対抗するためだ。
 友人の情報や報道によると、翁長氏は21日午後(日本時間22日未明)、沖縄に米軍基地が集中する現状を国連で紹介し、「(沖縄県民は少数民族としての)自己決定権や人権をないがしろにされている」といい、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対したという。
宜野湾市長選の争点となった米軍普天間飛行場=2015年10月、沖縄県宜野湾市
宜野湾市長選の争点となった米軍普天
間飛行場
=2015年10月、沖縄県宜野湾市
 翁長氏はスピーチに先立ち、NGO主催のシンポジウムでも講演し、「沖縄は日本のものでも、米国のものでもない」などと語ったという。沖縄が日本じゃなかったら、一体どこの国のつもりなんだ?
 2時間ほどのシンポジウムでは、沖縄メディアや反基地活動家、フィリピンの少数民族という女性も話をしたが、中国の軍事的脅威や侵略行為に関する話は一切出なかったらしい。それどころか、「中国」という言葉さえ、琉球(沖縄)の中国への朝貢以外は話題にならなかったといい、俺の友人は「相当偏っている」と感じたそうだ。
 そして、発言者は「日本は敗戦時に沖縄だけを切り捨てた」「沖縄県民は被害者で多大な犠牲を被った」などと、被害者意識を前面に出していたそうだ。米英軍による日本本土空襲は全国200以上の都市に行われ、広島と長崎には原爆投下もあったが、「沖縄だけ」が被害者なのか?確かに、沖縄は米軍統治が27年間続いた。だが、俺が見た沖縄返還時(1972年)の写真は、大勢の沖縄県民が日の丸を振って、日本復帰を喜んでいたぜ。前出のフィリピン人女性は、米軍がフィリピンに駐留していたときの土壌汚染などを説明し、「大変な被害を受けた」と訴えたそうだ。
 そこで、俺の友人が講演後、フィリピン人女性に対し、「フィリピンの領土や領海が現在、中国に侵略されているが、どう思うのか。フィリピン政府は米国に支援を求めているのではないか?」と聞くと、「あれは少数派だ」と即答したらしい。違和感を覚えて、「中国にもっと侵略されたらどうするのか?」との聞くと、女性は「そうなったら仕方ない」と言い放ったという。ともかく、沖縄の問題を強引にタイムスリップさせて、少数民族の話にすり替えようとする試みには無理がある。一連の背後に、特定の大きな勢力が動いていることを想像させるよな。
 ちなみに、翁長氏のスピーチに対し、日本政府は「沖縄の基地負担軽減に最大限取り組んでいる。辺野古移設は唯一の解決策で、仲井真弘多前知事の承認を得て、関係法令に基づいて進めている。沖縄県の理解を得ていきたい」などと反論したという。あくまで、外交と安全保障は国の権限に関するものだ。選挙で多数を取った政権与党が、国民の生命、財産、幸福を守るために最適な選択をするべきだぜ。
 親愛なるみなさんと、日本と米国に神のご加護がありますように。沖縄を「琉球自治区」にするような売国的動きには十分警戒してくれ。
 では、また会おう!(トニー・マラーノ「痛快!テキサス親父」夕刊フジ 2015.9.24

囁かれた噂

  • 軽減税率丸呑みの裏にある宜野湾市長選挙

    軽減税率丸呑みの裏にある宜野湾市長選挙

    財務省に与する税制調査会を中心に反対が強かったはずの軽減税率。永田町で囁かれるのは、宜野湾市長選挙のために官邸が公明党案の丸のみを官邸に決めさせたという話だ。

議論は尽くされている

  • 普天間基地問題 沖縄の「争い」を喜ぶのは誰か

    普天間基地問題 沖縄の「争い」を喜ぶのは誰か

    翁長知事は少し思い違いをしておられるのではないか。普天間基地代替施設は将来にわたる日本の安全保障上、ぜひとも実現すべき事業だ。森本敏が問題の経緯と意義を改めて説く。

基地問題に潜む根深い「闇」を見た

 名護市辺野古への基地移設をめぐり、沖縄は国との全面対決に突入した。翁長知事は「辺野古反対」の立場を貫き、市長選でも沖縄の民意の結集を呼び掛けたが、及ばなかった。沖縄の主要選挙では一昨年の名護市長選以降、知事選、衆院選といずれも辺野古反対派が勝ち続けてきただけに、「常勝」翁長知事にとっても今回の敗北は、反基地の流れを止める求心力の低下につながることは間違いないだろう。
 ただ、辺野古周辺では、移設を阻止しようとする反対デモが選挙戦の最中も盛んに行われた。もちろん地元住民の中には、沖縄の将来を危惧し、国と全面対決を続ける翁長知事のやり方に「嫌気が差した」という声もあるが、こうした声はまだまだ小さく、あまり広がっていないのも事実である。
 辺野古商工会の理事、飯田昭弘さん(67)は言う。「基地問題はもう20年も前に進んでいない。オスプレイの騒音や、海を埋め立てる移設は気持ちの上では反対というのが本音でもある。だけど、東シナ海の平和を脅かす中国の存在を考えれば、いつまでもわがままを貫くだけではダメだと思う。僕らは日本国民ですから、子や孫たちの未来のためにもそろそろ動かなきゃいけないと本気で思っているんです」
名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で行われている抗議デモ(川畑希望撮影)
 移設計画先の辺野古を訪れると、現実路線を受け入れようとする地元住民とは対照的な人々の姿があった。米軍キャンプ・シュワブゲートに設置されたフェンスの前には、「辺野古ノー」と書かれたプラカードを持った数十人の抗議デモが行われ、参加者が気勢を上げていた。
 社名を名乗り取材しようとすると、中年の男性が大きな声で「産経だってよ!どうする?」と周囲に呼びかけ、急にデモ隊がざわつき始めた。しばらくすると、「いいぞ、真実を書け!」と声が上がり、「私たちは手弁当でやっている」などと何も聞かないうちに答えてくれたのには、さすがに面食らった。
 抗議デモに参加した沖縄平和市民連絡会のメンバー、上間芳子さん(70)によると、参加者の多くは反基地派団体「島ぐるみ会議」が運行するバスに乗って連日、辺野古を訪れているという。参加者の多くは中高年だが、その中にひときわ目立つ若い女性の姿もあった。現在、ノルウェーの大学院で人権を学んでいるという田村萌々花さん(24)は「何が正しいのか、自分の目で確かめるために辺野古へ来た。市民の声に耳を傾けることは民主主義の本分でもある。声が届かないのであれば、デモという活動をとらざるを得ないときもあるのではないか」と訴えた。
 反基地を主張し、翁長知事を支持する沖縄の地元2紙に目を通すと、ウチナー(沖縄)とヤマト(本土)の対立を煽る記事があまりに多いことに気づく。反基地派にとっても、こうしたメディアの後押しが彼らの活動を支え、いまだ沖縄の反辺野古デモを勢いづけている実態がよく分かる。
志村陣営の打ち上げ式を訪れた山本太郎参院議員(川畑希望撮影)
 選挙戦最終日に行われた志村陣営の打ち上げ式には、翁長知事をはじめ、糸数慶子参院議員、照屋寛徳参院議員、赤嶺政賢衆院議員、山本太郎参院議員、鳩山由紀夫元首相らが駆けつけた。「沖縄県民の魂をかけた安倍政権との戦い」。こんな言葉で選挙戦を締めくくった陣営の主張の背景に、「沖縄独立」という4文字が浮かんだのは少々考えすぎだろうか。
 もちろん、こうした独立論を阻止しようとする動きは沖縄にだってある。「琉球新報・沖縄タイムスを正す県民・国民の会」運営代表委員の我那覇真子さんもその一人である。
 「新聞紙面ではいろんな学者が論考を掲載し、一見独立論が沖縄で盛り上がっているように見えるのですが、実は一部の人しか盛り上がっていないんです。ほとんどの県民はそんな感覚はないと思う。沖縄の左翼が言論戦をするときには、いろんなステップがあって、まず研究所をつくって自分の論文などを発表する。次は新聞紙面で識者の声として載せる。その次に新聞でコラムとして書く。いまはその3段階目まできているんです。翁長県政に至っては、本土と沖縄の間に溝をつくるための政策ばかり。沖縄と国との全面対決を一番喜ぶのは、中国であることを少しは認識してほしい」
 本土と沖縄を分断し、中国に付け入る隙を与える。そんな動きを象徴するものがある。那覇空港から車で5分。那覇市若狭にそびえたつ高さ15メートルの「龍柱」だ。総事業費は3億3千万円にもなるという。
 沖縄在住のジャーナリスト、惠隆之介氏によると、工事の下請け会社はなんと中国だという。惠氏はこうも指摘する。「いったん中国にカネが流れると、日本の財務省はトレースできない。彫りも浅いし、これは手抜きの像ですよね。きっと3千万円もしないでしょう。これが沖縄の新しいシンボルになるんだとしたら、沖縄はもう中国に魂を売ったのも同然ですよ」
 辺野古移設をめぐり、国との全面対決が続く沖縄。宜野湾市長選の結果が、双方の溝を埋めるきっかけになればいいが、基地問題には一筋縄ではいかない根深い「闇」があるのも事実である。いま、日本は「漁夫の利」を中国に与えかねない危機的状況にある。今回の取材は、そのことを改めて思い知る機会でもあった。(iRONNA編集部、川畑希望)
「辺野古反対」の民意はどこへ

宜野湾市長選の結果で「辺野古移設」の動きは前進すると思いますか?

  • 1963

    前進する

  • 35

    後退する

  • 124

    どちらともいえない

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