10年後「老害大国」が世界をリードする

10年後「老害大国」が世界をリードする

これから日本にとって極めて重要な10年を迎える。団塊の世代が後期高齢者となり、高齢者の5人に1人が認知症となる「2025年問題」が控えるからだ。しかし高齢化の課題を解決する新しいサービスは日本から一向に生まれてこない。残り10年、ニーズをキャッチできずに日本経済は衰退していくのか。

AIで高齢化社会を支えねば明日はない

  2025年。あと10年後、私たちの想像を超えた世界が待っている。65歳以上の人口は3600万人超、内「認知症高齢者の日常生活自立度」Ⅱ以上の高齢者数は470万人と推計されており、それは65歳以上の高齢者の約13%に上る。日本企業が成長の波に乗らねば高齢化社会を支えることは出来ない。
 だが、世界市場はシリコンバレー発のICTを駆使したプラットフォーム企業に席巻されている。しかし、日本企業にもチャンスが到来した。それがAI(人工知能)だ。それは言語の壁すら取っ払う。今、世界に冠たる“暗黙知”を持つ日本企業にとって、新たなサービスを世界に発信するチャンスなのだ。(Japan In-depth編集長 安倍宏行)

あと10年、待ったなし

  • 崖っぷちの日本経済 「高齢化」解決の秘策、ベンチャーが衰退を防ぐ

    崖っぷちの日本経済 「高齢化」解決の秘策、ベンチャーが衰退を防ぐ

    国際情勢の変化に少子高齢化による人口減少、2025年までに「高齢化に関わる課題」を解決するサービスを生まないと日本経済は衰退の一途をたどる―。安倍宏行が警告する。

誰にとっても「社会ゴト」

  • 認知症になっても大丈夫 「700万人」が日本人の意識を一新する

    認知症になっても大丈夫 「700万人」が日本人の意識を一新する

    認知症は誰にとっても「他人事」ではなく「社会ゴト」だ―。認知症について取材を続けるジャーナリストの古川雅子が2025年に高齢者の5人に1人が認知症となる時代を読み解く。

ピンチをチャンスに変えよ

  • 介護にさせないことで儲ける!超高齢社会で日本は再び輝く

    介護にさせないことで儲ける!超高齢社会で日本は再び輝く

    団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる「2025年問題」を控えるが、超高齢社会はそんなに悲観的な社会なのか。三菱総合研究所主席研究員、松田智生がピンチをチャンスに変える逆転の発想を提案する。

日本企業はアジアの高齢者市場で発展する

 人口減少、少子高齢化で日本の成長力は低下する、といった厳しい見通しが目立つ一方で、ピンチはチャンス、高齢化先進国だからこそ大きなビジネスチャンスをモノにできるという見方も出ている。私も後者に属する。日本の後を追って韓国、中国、そして東南アジア諸国が急速に高齢化して行くからだ。日本の「経験」とそれに裏打ちされたビジネスが日本で成長、次いで海外でそれを生かす機会がふえるはずだ。
 日本の高齢者比率(65歳以上の人口の総人口に対する割合)は今年9月で推計26.7%。これに対してアジア平均は7%強で、日本の1970年ごろ、つまり日本の40年前の水準にすぎない。だが、7%とは高齢化社会に達したことを意味する。出生率の低下からこれが2035年には14%(高齢社会)に達する見込みだ。日本が14%に達したのは1994年のことだ。つまり高齢化社会から高齢社会になるまで24年かかった。ところが、アジアではこの期間がもっと短く、今後、日本以上に急速に高齢化が進む国が目立つ。
 韓国は高齢化社会の7%になったのは2000年だが、14%という高齢社会にはなるのは2018年と18年しかかからない。同様にシンガポールが17年(1999年→2016年)、タイが23年(2005年→2028年)、ベトナムが17年(2017年→2043年)、最大の人口を擁する中国も24年(2002年→2026年)である。出生率の推移からみて14%に達した後も多くの国は20%、25%に向かって高齢社会の道を進んで行く。日本の後を追って来るのだ。
中国・上海の店頭で販売されるユニ・チャームの紙おむつ
「マミーポコ」=9月(同社提供)
 日本ではすでに高齢者向けのビジネスが多彩に開花している。例えば、ユニ・チャームの高齢者向け紙おむつは日本市場で拡大しているうえ、中国や東南アジアでも急速に浸透している。
 ユニ・チャームの担当者はこう語る。「高齢者向けの紙おむつは幼児向けよりも市場が大きい。少子高齢化で子供より高齢者の方がふえるからだけではない。幼児は成長に伴い3歳ぐらいになれば紙おむつが不要となる。高齢者は一度使い出したら、それこそ死ぬまで利用することになる」。高齢のペットとともに暮らす高齢者も多く、彼らは高齢ペット用の紙おむつも活用している。エイジングケアの化粧品やサプリメント、高齢者向けファッション、スポーツ用品など日本のきめ細かい高齢者向け商品群は優位性があり、そのままアジアの高齢者市場でビジネスチャンスをつかむだろう。
 個別のニーズに即したビジネスという点でも、事業機会は拡大しそうだ。JBプレスで川嶋諭氏が興味深いベンチャー企業を紹介している。題して「高齢化先進国、日本で生まれた話題の急成長産業/保険なしのリハビリに利用者続々、中国から富裕層も」。
 2014年2月に会社を設立したワイズ(東京中央区)がそれで、設立して以来、急速に事業を拡大しているという。理由はリハビリを国の保険制度から切り離し、保険を使わず純粋に民間の事業として始めたことにある。保険を使わずにすべて自費でまかなう分、高額になるが、保険では不可能だったサービスを、個々の患者の症状に合わせ、きめ細かく受けられる点が受けたのだ。現行の保険制度では、基本的なサービスしかやってくれない。しかも病院の外来ではリハビリの時間が限られ、介護保険施設では症状は人それぞれなのに数人のグループで一緒にリハビリを受けさせられるケースが多く、個々の状態に応じた十分なリハビリを実施することが難しいのだ。
 ワイズでは、保険を使わない代わりに、患者一人ひとりのニーズに合わせたサービスを提供する。それが人気を呼んだ。高額と言ってもコストをぎりぎりまで削って料金を1回2時間で1万5000円に設定した。それが評価された。日本人だけでなく早くも中国からも患者が訪れているという。
 医療・介護用、重労働用の装着型ロボットを開発しているCYBERDYNEなど、日本には個別ニーズに即した高齢者市場向けのベンチャーは続々誕生している。こうした企業が日本国内だけでなく、アジアにも、いや、世界へと事業機会を広げることは間違いあるまい。(元日本経済新聞編集委員・井本省吾「鎌倉橋残日録」2015.11.15

自活できる世の中に

  • 女子大生エンジニアが少子高齢の日本を救うかもしれないと考えた理由

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    正月のビジネス誌の表紙を飾っていた若き女性エンジニア。彼女が打ち出した「ウェアラブルロボット」というコンセプトに少子高齢化の日本を救う可能性を社会保険労務士の榊裕葵が見出したのはなぜか。

「首都圏高齢者は地方に移住」は現実的?

 首都圏に住む高齢者を地方に移住させるという民間有識者会議の提言が話題となっています。高齢化対策と地方創生の両立を狙おうというものですが、実現可能性はあるのでしょうか。提言を行ったのは、民間有識者で構成する日本創成会議です。日本創成会議は、商工会議所の加入企業などで構成するシンクタンク「日本生産性本部」を母体としており、建設官僚出身で元総務大臣である増田寛也氏が座長を務めています。昨年は、出生率を上げたとしても多数の自治体が人口減少で消滅するというショッキングな報告書を公表し話題となりました。
 提言では、東京を中心とする首都圏において、75歳以上の高齢者が今後10年で175万人増えると推計しています。これまでは地方の高齢化が進んでいましたが、今後は急速に首都圏での高齢化が進んでくるというわけです。しかも高齢者の増え方は首都圏各地域で一律というわけではありません。東京の中心部は、周辺地域から人が集まっているので、高齢化のスピードは緩やかです。しかし、東京の周辺部は、中心部に比べて高齢化が激しくなると予想されています。郊外のニュータウンに住む人の年齢層が偏っていることや、介護施設の立地が地価の安い周辺地域に集中していることが原因です。
 最終的には、首都圏全域で高齢者向け施設の数が足りなくなるという事態が予想されますが、提言では東京中心部に介護施設を多数建設することには弊害が多いと指摘しています。その理由は、東京中心部にたくさん介護施設を作ると、今度は、大量の介護職員が必要となり、地方から東京への人口流出が加速してしまうというものです。こうした状況に総合的に対処するためには、受け入れ余力の大きい地方に、首都圏の高齢者を移住させる必要があるというのが提言の主な内容です。具体的には、釧路市や福岡市、鳥取市などが移住先候補として提示されています。
 しかし、この提言に対しては異論も出ているようです。東京都の舛添知事は「首都圏は(介護施設が)足りないから移住しろというのは、ちょっと乱暴」であるとして、もう少し議論を深めることが必要であると発言しました。また「推奨している都市の実態をどこまで知っているのか」とも述べています。
 確かに数字上は地方都市の介護施設には余裕があるのですが、介護職員を確保できないことから、施設を稼働できないだけというケースは少なくありません。現実にはみかけ上の数字ほど介護施設が余っていない可能性があるわけです。また高齢者ほど長年住み慣れた地域を離れたくないと考える傾向が強いですし、住宅ローンで家を買ってしまった人は経済的理由で動きにくいという状況もあるでしょう。多くの高齢者を移住させるのはそう簡単なことではなさそうです。(The Capital Tribune Japan THE PAGE、2015.06.09

死に場所に困る時代

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10年後「老害大国」が世界をリードする

2025年、日本は「高齢化先進国」となって世界をリードすると思いますか?

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