グーグル検索なんてなければよかった

グーグル検索なんてなければよかった

1日、グーグルの時価総額がアップルを超え、世界首位に躍り出た。69兆円もの企業価値はまさにアメリカンドリームだが、グーグルはいま大きな悩みも抱える。人に知られたくない過去をネット上から消し去る「忘れられる権利」だ。ネット時代の新しい人権は「グーグル帝国」に影を落とす。

消えない過去は罪と見合うか

  • 15歳の少女はなぜ命を絶ったのか ネット検索で救われなかった人

    15歳の少女はなぜ命を絶ったのか ネット検索で救われなかった人

    若気のいたりで“悪いこと”をした人間は消えない過去にいつまでも苦しめられるのだろうか―。「忘れられる権利」の必要性を、ネットの情報モラルに詳しいITジャーナリストの高橋暁子が若者たちの実態から考える。

増加する削除請求

  • 死んでも消えないネットの噂 知っておきたいネットの権利

    死んでも消えないネットの噂 知っておきたいネットの権利

    日本の法律上「忘れられる権利」はどのように扱われているのか。2014年10月日本で初めてグーグルから「削除仮処分決定」を勝ち取った弁護士の神田知宏が国内の現状と課題に迫る。

最大手プロバイダの視線

  •  ニフティ法務部長でも迷うネットの「削除要請」

    ニフティ法務部長でも迷うネットの「削除要請」

    人格権侵害の裁判例が少ない中、プロバイダとしては案件の一つ一つに迷いながら対処していくほかない。国内最大の会員数を誇る「ニフティ」理事・法務部長の丸橋透が実際の事例から考える。

忘れていいよと決めるのは誰

 「忘れたくとも、忘れられない」は悲恋ドラマのセリフだが、インターネットの世界ではいま、「忘れられる権利」をめぐって議論が沸騰している。
 ネット上に残る過去の個人情報について、本人が削除を求めた場合、どうすべきか。その取り扱いが最大の焦点になっている。
 この権利については、ことし5月、検索サイトの最大手「グーグル」に対し、欧州連合(EU)の司法裁判所が検索結果の削除を認める判決を出し、真正面から取り上げたことで注目された。
 日本でも先頃、東京の日本人男性が、グーグルの米本社を相手取って検索結果の削除を求めた仮処分申請が東京地裁で認められ、日本初の判断だと話題になった。
 男性は、自分の名前をネット検索すると、10年以上も前の犯罪に関係したかのような情報が何百件も表示され、生活が脅かされてきたと訴えていた。
 ネット上には毎日、おびただしい情報が流れる。発信者もメディアや企業だけではない。ソーシャルメディアやツイッターが日常の伝達手段として定着し、誰もが簡単に不特定多数に向けて発信できるようになった。
 スマートフォンの普及で、動画や写真までが、ワンタッチでネット空間に流せる時代だ。
 だが、忘れてならないのは、ひとたびネットに流れた情報は、内容を問わずサイバー空間に半永久的に残るという事実だ。他者の好奇心を刺激するものほど、情報は加工もされ、載せた本人も予期せぬ形で増殖していく。
 元恋人らの私的な写真をネットに流出させる「リベンジ(復讐(ふくしゅう))ポルノ」は大きな社会問題となっている。若いときに安易な気分で撮った写真が、犯罪に利用されることもあるという典型例だ。
 ネット空間は地球規模で拡大している。個人情報の削除には、情報源を個別にあたっても、らちが明かないのが実情だ。データ元より、検索サイトを規制した方が効率的。そんな考えが主流になってきた事情も、この辺にある。
 情報の大海にあって、目指す情報にたどり着くには、検索サイトの助けが欠かせない。先の地裁判断も、男性側の請求を認めつつ、「検索サイトはネットを効率的に利用する上で重要な役割を果たしている」と評価もしている。
 問題は、削除の是非は誰が判断し、判断の基準はどこに置くのかということだ。
 EU司法裁の判決を受け、グーグルも独自の削除基準作りに乗り出したが、検索サイトは削除対象の抜き出しは得意でも、判断まで委ねることには議論がある。
 「検索事業者に削除の要否を判断させる構造は、ともすればインターネットの私的検閲にもつながりかねない」と懸念する専門家の声は少なくないのだ。
 過去の犯罪に絡む記述はとりわけやっかいだ。犯罪行為は事実でも、既に償われた場合は削除すべきだとする考えもあれば、罪の重さや常習性を加味して判断は変わるとする考えもあろう。
 政治家など公人はどう扱うか。忘れられる権利も大事だが、知る権利とのバランスはよくよく考える必要がある。(産経新聞論説委員 五十嵐徹 産経新聞 2014.10.18) 

「ネット先進国」米・EU

  • 「忘れられる権利」とはなにか?  プライバシー概念をめぐる各国の争い

    「忘れられる権利」とはなにか? プライバシー概念をめぐる各国の争い

    今から20年近く前の1995年、EUは「個人データ保護指令」を制定。2012年にはデータ保護指令を改定する「データ保護規則案」を提案。このデータ保護規則案にこそ、現在話題となっている忘れられる権利が明記されているのだ。

「知る権利」VS「忘れられる権利」

 過度の「忘れられる権利」の行使はネットの根幹に関わる問題です。個人や組織の不都合や不利益が、社会全体のそれにつながるか否かという問題です。「不都合な真実」が隠されるような事があってはなりません。

 東京地裁では、自分の名前を検索すると過去の逮捕歴が表示されるとして、男性が米グーグル社に検索結果の削除を求める訴訟を起こしている。別の仮処分で地裁は10月、犯罪を連想させる事実の表示の削除を命じる決定を出したが、訴訟で認められた例はない。

 出典:検索サイト:「忘れられる権利」、どこまで:毎日新聞

 今年5月になって欧州連合司法裁判所が、不適切な検索結果、特に過去に事実であったとしても、十分に時間が経過した現在であっては不適切な表示に対して削除する(非表示とする)決定を下しました。これは個人のプライバシーに関して、ネット上での検索制限を課したことに他なりません。よく言われるようにネットでは「時間」と「空間」を超越します。一度、ネット上で明らかになった事実は、その真偽に関わらず、未来永劫、そして誰でもが知ることが可能になります。実社会では、事実上、それが制限されます。その制限は恣意的に行われるのではなく、自然に制限されるのです。記憶から忘れ去られるのが通常であり、その記憶や記録を掘り起こそうにも多大の労力が必要になります。ネットではそれが容易なのです。特に検索というネット上の道具を使う事よって、誰でも簡単にその記憶である記録を呼び出せるのです。プライバシーとの関連で、この事実が大きな問題になっており、欧州での判決となりました。日本でも同様の問題が起こっているのです。
忘れられる権利
 たとえば過去の犯罪歴です。罪を犯した当時の記事は掲示板や個人のブログ等に、その詳細な内容が書かれ、それが未来永劫残ります。実社会では、特に罪を償った後は、人の記憶から薄れ、その記録も一般の人からはたどり着き難いものになるのが通常です。しかし、ネットでは名前を検索するだけで、その過去の記録に容易にたどり着けるのです。過去の事、そしてその罪を償った後とは言え、事実上は、当事者の社会復帰や社会生活に支障がないとは言えません。
 情報の廃棄物としての処理の問題が顕在化したとも言えるかもしれません。自然界における一般の廃棄物は、自然の浄化作用によって、自然物、つまり土や水等に帰っていきます。しかし、自然ではなく人が合成した人工物、たとえばプラスチック等の産業廃棄物は、特別な加工をしない限り、自然物に帰ることはないのです。近年のネット社会での情報もそれに近いのかもしれません。特別な加工、つまり自然な廃棄ではどうにもならず、やはり人工的に再加工する、つまり強制廃棄する必要があるのではないでしょうか。

 こう指摘するのは神戸大大学院の森井昌克教授(情報通信工学)だ。森井教授は、個人のプライバシーは十分に保護されなければならないとしつつ、「自治体や公共性のある企業についての不利益な情報が検索で出てきた場合に削除が行われれば、われわれ一般人の利益が侵害される」として、削除の乱用や検索サイト側の“過度な配慮”を避けるべきだとの考えだ。

 グーグルに対する決定でも、東京地裁は検索サイトを「ネットを効率的に利用する上できわめて重要な役割を担う」と評価している。森井教授も「検索サイトがネット社会を支えてきた側面がある。検索サイトの衰退はネットの衰退につながる」と考える。

 出典:「忘れられる権利」認められるべきか Google検索結果「違法決定」の妥当性は

とはいえ、過度の「忘れられる権利」の行使はネットの根幹に関わる問題となります。つまり個人や組織の不都合や不利益が、社会全体のそれにつながるか否かという問題です。「不都合な真実」が隠されるような事があってはなりません。
(神戸大大学院工学研究科教授 森井昌克「怪奇骨董技術箱」2014年11月13日

google 信用するべからず

  • グーグル 元スーフリの男性へ7億円支払い発生の可能性あり

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    「忘れられる権利」を行使するためにグーグル、そしてITに強い弁護士の元には削除依頼が殺到しているという。では、どんな人々が「俺の過去を消してくれ」と訴えているのだろうか。

  • グーグルは本当に時代を牽引するリーダーなのか

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    2月1日、グーグルがアップルを時価総額で抜き、米企業で最大となった。しかし、グーグルが次の時代を牽引する役割を果たせるのかはまだわからないと大西宏は説く。

グーグル検索なんてなければよかった

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