日本は核武装すべきか

日本は核武装すべきか

北朝鮮が核実験に続き、長距離弾道ミサイルを発射した。国際社会で孤立を深める金正恩体制だが、核の脅威は確実に日本に迫りつつある。昨秋、国連総会で「日本が保有するプルトニウムは核弾頭千発分」と中国に非難された日本。「非核三原則」が国是とはいえ、わが国の平和と安全に核武装は本当に不要なのか。

核保有を現実に模索した60年代

  • 日本の核武装を可能にするのは何か

    日本の核武装を可能にするのは何か

    「核の選択」はもはや不可能。その時、われわれが直面する課題とは? わが国が核保有を現実に模索した60年代の蹉跌を教訓にせよとジャーナリストの東谷暁は説く。

増大する核の脅威

  • あんなに大騒ぎしたのに、こんなにショボい安保法制

    あんなに大騒ぎしたのに、こんなにショボい安保法制

    北朝鮮が発射した弾道ミサイルがもしグアムやハワイ、米本土へ着弾する航跡ならば? 潮匡人が切れ目なき「安全保障法制」になるべきだった平和安全法制の課題を突く。

「非核」でも核武装している?

 日本では「非核」であることは当然として受け止められているが、世界から見ると、日本ほどの技術力と経済力があって「非核」なのはドイツと日本、イタリア(ともに第二次世界大戦の敗戦国)だけだ。
 日本では国連を「国連」と翻訳しているが、そのまま英語を翻訳すれば「連合軍」だから、まだ世界は戦争が終わったときの秩序を保持していることを示している。もし今後、世界的な戦争がなければ、第二次世界大戦の勝ち負けが長く国際政治に影響を与えることを示している。
2015年6月23日、韓国・
釜山に入港した、米海軍の
オハイオ級巡航ミサイル
原子力潜水艦「ミシガン」
(聯合=共同)
 ところで、日本は非核大国だが、アメリカの核ミサイルを積んだ原子力潜水艦が西太平洋にいるので、日本はいわゆる「核の傘」の下にいる(集団的自衛)。そして日本は50基を超える原発と濃縮技術、再処理技術、ロケット技術、それに制御はお手の物なので、核兵器とそれを運搬するミサイルはすぐ作ることができる。
 つまり日本はアメリカとの集団的自衛で核武装している状態にあり、かつプルトニウムも濃縮施設ももっているので、現実に核武装し、自国でも原発を持てる状態にあるという状態だ。
 諸外国は技術力が優れ、軍事も強い日本が独自の核ミサイルを持つことを極度に警戒しており、むしろアメリカの原潜の方が日本の核ミサイルより安全と思っている。日本は大東亜戦争を起こすときに諸外国に十分に説明しなかったし、日本人の中でも議論が不足していて、アメリカからの脅迫で戦争をせざるを得ないこと、日本の敵は白人であって、白人に味方しなければアジア人は攻撃しないということを明白に説明しながら攻撃を続けなければならなかった。
 もし、そうしていたら、中国のように白人側について有色人種を攻撃した国は別にすると、白人の植民地で呻吟していた国は少なくとも日本を信用しただろう。
 ともかく、すでに日本が核武装していることは紛れもない事実であるし、中国や北朝鮮が核武装していても、アメリカの後ろ盾があればなかなか核攻撃は難しい。現実に中国軍が通常兵器で尖閣諸島から、沖縄、本土へと侵攻してきた場合、アメリカ軍は空軍は出撃すると考えられるが、海兵隊や陸軍を出して日本を守るかどうかは不明である。
 アメリカにしても海兵隊や陸軍の兵士を犠牲にするのはかなり大きな問題だからである。これは地上戦の特徴で、地上戦では「双方の力が基本的には拮抗して、お互いに血が流れる」ということだが、核武装というのは「相手を徹底的にやっつけても、自分の国の都市も全滅する」という特徴があるので、アメリカの核ミサイルを積んだ原潜が日本近海にあれば中国も北朝鮮の日本への核攻撃はできない。
 日本はアメリカと同盟を結んでいる限り、核抑止力を持つので、日本が核武装する必要は無い。また被爆国として長いあいだ、原水爆禁止を世界に呼びかけてきた日本の信用、また多くの非核国の代表として活動することなどを考えると、今後も核武装せずに自衛するのが現実的と考えられる。(中部大学特任教授・武田邦彦 2015.07.05

米中を引っ張るしかない

  • 日韓が「自衛的核武装」を強調しなければ、北の核に対抗できない

    日韓が「自衛的核武装」を強調しなければ、北の核に対抗できない

    北朝鮮による4回目の核実験と長距離弾道ミサイル発射。「月刊朝鮮」前編集長の趙甲済は“被害当事国”の日本と韓国が「自衛的核武装」の可能性など主体的、戦略的、創意的に決断を下すべきだと説く。

「アメリカを超える」大目標の邪魔

  • 「日本は核武装を狙っている」 中国が進める日本悪魔化計画

    「日本は核武装を狙っている」 中国が進める日本悪魔化計画

    「アメリカを超える大国」を目指す中国は、その大目標の邪魔になる日本を貶める「悪魔化」の動きを加速させている。中でも多数の中国の軍人たちが日本が核武装を狙っていると主張しているという。

韓国紙、核武装論で自国を窮地に

 韓国の世論に危険な変化が生じている。28日、韓国の有力紙「朝鮮日報」が「米中に頼れない韓国、今こそ独自の核武装を」と題する社説を掲げた。

 北朝鮮の核問題解決の責任を中国に押し付けてきた米国や、北朝鮮による相次ぐ核実験を黙認してきた中国を信じるべき時はもう終わった。今や韓国は自衛策として最低限の核兵器を保有するため、国民的な議論を行わざるを得ない状況に直面している。それによって国民が核兵器保有を進めることで一致すれば、韓国政府はすでに紙くずとなった1991年の韓半島(朝鮮半島)非核化共同宣言をまずは破棄しなければならない。さらにウラン濃縮や核燃料の再処理など、最低限の核主権確保に向け米国との交渉もあらためて推進しなければならない。
 一方で核武装を無理に進めた場合、韓米同盟にヒビが入るのはもちろん、国際社会からの制裁も避けられないだろう。これは貿易で国の経済を維持する韓国にとっては大きな試練になるはずだ。またたとえ独自の技術を確保したとしても、強大国による厳しい監視をくぐり抜けて原料を確保し、核兵器を作れるのかという懐疑論もある。
 しかし現状は6カ国協議や数々の制裁措置に何の効果もなく、また米中両国も互いに責任を押し付け合っているだけで効果的な手段は何も打ち出せていない。これでは韓国としても、着実に核武装を進める北朝鮮の動きをただ眺めているわけにはいかないだろう。

北朝鮮の4回目の核実験に抗議する集会で金正恩第1書記の人形を燃やす韓国保守団体のメンバーら=7日、ソウル(共同)
 実に情緒的で危険な主張である。韓国が核武装をするためには、NPT(核拡散防止条約)から脱退しなくてはならない。これでは、北朝鮮と同じ道を韓国がたどることになる。
 朝鮮半島非核化共同宣言を韓国が破棄すれば、韓国は東アジアの安全保障環境を変化させる既存の国際秩序への挑戦者と見なされることになる。さらに、この社説では、<ウラン濃縮や核燃料の再処理など、最低限の核主権確保に向け米国との交渉もあらためて推進しなければならない>と主張するが、米国が核兵器保持の意思を表明している国家に対して、独自のウラン濃縮やプルトニウムの抽出を認める可能性は皆無だ。この社説を書いた論説委員は、米国の核政策の基本が理解できていないようだ。

 北朝鮮はかつて韓国を侵略し、国土を火の海にしただけでなく、休戦状態にある今もなお韓国に対するテロ行為をやめようとしない。このような好戦的かつ非理性的な集団が核兵器まで手にした場合、われわれはこれにどうやって対抗すべきか、実はよく分かっている。予測不可能な北朝鮮が突然、大韓民国に核攻撃を加えた場合、中国や米国がこれを阻止してくれるだろうか。米国がウクライナやシリアでやっていることを見れば、たとえ米国がわれわれを支援したとしても、それはおそらくソウルが灰じんに帰した後だろう。
 北朝鮮の核兵器による最大の被害者は米国でも中国でも日本でもなく、大韓民国と大韓民国の国民だ。今や何の根拠もなく核主権を放棄し、核武装論を禁断の箱の中に閉じ込めておくわけにはいかない状況にあるのだ。

 国家の脅威は、意思と能力によって構成される。核開発能力に関しては、北朝鮮よりも韓国の方が高い。韓国が核兵器保有の意思を持つようになれば、日本にとって韓国は北朝鮮以上の潜在的脅威になる。日本は、いかなる状況にも対応できる原子物理学の能力を持つとともに、核保有をする意思は持たないという姿勢を鮮明にすることが、日米同盟を基本とした日本の安全保障に資すると筆者は確信している。「朝鮮日報」の社説の立場を韓国政府が明確に否定することに期待する。(作家、元外務省主任分析官・佐藤優 SANKEI EXPRESS、2015.01.30)

開発能力がある日本

  • 韓国で核武装論高まる 保有すれば一流国になれるとの発想

    韓国で核武装論高まる 保有すれば一流国になれるとの発想

    北朝鮮が1月6日に「水爆実験」を強行し国際社会から批判が高まる中、隣国韓国で核武装論が盛り上がっている。それはなぜか、韓国の国民性に精通するジャーナリストの室谷克実氏がこう話す。

  • 中国メディア「日本には実験なしで核兵器開発できる能力がある」は本当か

    中国メディア「日本には実験なしで核兵器開発できる能力がある」は本当か

    昨夏、中国メディアが日本は核実験なしで核兵器を作り、短期間で中国以上の核兵器大国になる能力があるとして警戒を呼び掛ける論説を掲載した。中国の軍事専門家の指摘は本当なのか、木走正水が考察する。

  • だから日本も核武装? 常に臨戦態勢の極右勢力

    だから日本も核武装? 常に臨戦態勢の極右勢力

    昨年8月、「反核平和 70年の失敗」と題した日本会議のセミナー。弁護士の猪野亨は日本が核武装をしても中国の軍拡や北の核兵器開発は止められないと主張する。

日本は核武装すべきか

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