マイナス金利がもたらす最悪のシナリオ
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マイナス金利がもたらす最悪のシナリオ

日銀は16日、金融機関が任意で日銀に預けるお金につける利子をマイナスにする「マイナス金利」を発動する。政策決定後の東京市場は円高株安が進み、アベノミクスはいま最大の試練を迎える。市場に出回るお金の量を極端に増やす「黒田バズーカ」。3度目の奇策は吉と出るか、凶と出るか。

日銀は16日、金融機関が任意で日銀に預けるお金につける利子をマイナスにする「マイナス金利」を発動する。政策決定後の東京市場は円高株安が進み、アベノミクスはいま最大の試練を迎える。市場に出回るお金の量を極端に増やす「黒田バズーカ」。3度目の奇策は吉と出るか、凶と出るか。

出口はあるのか

今回の危機は終わりの始まり

量的緩和の限界が見えた

マイナス金利の機を逃すな

 マイナス金利の恩恵はまず政府に回る。平成28年度の日本国債の利払い費は長期金利を1・6%と想定して9兆9千億円を見込んでいるが、金利が1%低くなるだけで約1兆円が浮く計算になる。マイナス金利だと、売値が額面より高いので、政府には発行益が入る。いいことずくめだ。
 民間への影響はどうか。大手銀行各行はすでにゼロ・コンマ2桁台の預金金利を見直し、定期預金を一律0・025%(みずほ銀行の場合)まで下げたが、マイナスには踏み切れない。家計は預金して金利や手数料を取られるなら、タンス預金にするなど現金を保有したがるだろう。すると、銀行預金が大幅に減る恐れが生じ、銀行機能が大きく損なわれる。
 グラフは国内銀行の平均貸出金利の推移である。昨年末には長期、短期とも金利は下げ止まり、反転しかけていた。26年4月の消費税率引き上げ後、家計消費は低迷を続け、企業の設備投資は減速傾向にある。27年度の実質経済成長率は26年度に続き、2年連続でマイナスになりかねない情勢だ。そんな情勢の中で、貸出金利が上昇を続けるならアベノミクスは不発、日本経済は再びデフレ不況のふちに沈んでしまう。
 これまで日銀は民間銀行の日銀当座預金の大半に0・1%のプラス金利を付与し、民間銀行は何もしなくても年間2300億円の金利収入が転がり込んできた。0・1%は銀行金利の目安になるので、貸出金利を下支えしてきた。
 この制度は、脱デフレよりも既存の金融慣行の堅持を優先した白川方明(まさあき)前総裁の置き土産である。白川氏を受け継いだ黒田東彦(はるひこ)現総裁が豹変(ひょうへん)し、「金利に強い下押し圧力を加える」と宣言して、方向転換したのは当然だ。
 マイナス金利を受けて、銀行各行は貸出金利の引き下げに動いている。それでも、消費者や企業が借り入れに積極的になるとはかぎらない。所得が増えないと消費意欲は高まらないし、マイホーム取得にためらう。企業も雇用増や設備投資に前向きにならない。
 異次元金融緩和にもかかわらず、需要が低迷する元凶は消費税増税など緊縮財政にある。安倍晋三政権はマイナス金利政策の機を逃さず、消費税再増税を含む緊縮財政路線の凍結など大胆な合わせ技を打つべきだ。(産経新聞編集委員・田村秀男、2016.02.16

買われる「円」

企業が自ら動くしかない

自民党のおごりとアベノミクスの限界

 甘利大臣の口利き辞任に続き、イクメン議員の宮崎議員の辞職、丸川環境大臣の放射線量に関する発言の撤回など、自民党からおごりとゆるみの議員が続出がしている。安倍総理の予算委員会のおごり高ぶった答弁を見て、自民党議員が真似た言動をした結果だ。
 加えてアベノミクスによる株価の上昇が今年に入って大幅に下落。マイナス金利という異例の金融政策で銀行による民間への融資を拡大させようとした政策が裏目に出ている。
 実は安倍政権になって株価は上がったが、それは金融政策によるもので、実需は伸びておらず、経済成長は全くしていない。今の日本は収入や資産の多い人が株などで儲けても、買いたいものはほとんどなく、ため込むばかりで需要拡大に繋がらないのだ。逆に収入の少ない人の収入が大幅に上がれば、買いたいものがたくさんあるので内需は拡大する。
 例えば介護や保育の分野で働く若い人の賃金を上げれば、結婚、子育て、住宅など間違いなく需要拡大につながる。アベノミクスはこうした政策と真逆な政策であり、限界が見えてきた。(菅直人オフィシャルブログ 2016.02.13

マイナス金利導入の波紋

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