南シナ海が中国に汚される

南シナ海が中国に汚される

習近平の野望はとどまることを知らない。国際的な非難を浴びても、それを無視して南沙諸島に次々と人工島をつくり、領有権を主張する。南シナ海の安全保障バランスが崩れようとする今、日本は何ができるのか。中国の「毒」に汚染される南シナ海のタイムリミットは、もうそこまで来ている。

今やらねば取り返しがつかない

  • 国防も国益も頭になし 南シナ海「報道・発言」狂騒曲

    国防も国益も頭になし 南シナ海「報道・発言」狂騒曲

    脳天気に中国の人工島への米軍艦派遣を批判するリベラル。しかし、これを喜び、安心するのも間違いだ。潮匡人が南シナ海をめぐる狂騒曲を斬る。

乱れた海洋秩序を取り戻せ

  • 日本よ、南シナ海の対中警備包囲網をリードせよ

    日本よ、南シナ海の対中警備包囲網をリードせよ

    劣勢のASEAN諸国の結束―南沙諸島に進出する中国の脅威に日本主導の海洋安全協力が打ち出された。海洋問題の専門家、東海大教授の山田吉彦が南シナ海のいまを読み解く。

支配の根拠「牛の舌」

 中国が南シナ海のほぼ全域の管轄権を主張する根拠としている「九段線」は、中国南部・海南島の付近から南に下り、北東に向かってU字のカーブを描いて台湾に至る9つの破線で形成され、その形状から「牛の舌」とも呼ばれる。
 中華民国が第二次世界大戦後の1947年に作成した「十一段線」が原型で、49年に建国した中国も「十一段線」を継承。後に、社会主義系の「北ベトナム勢力」との関係を重視し海南島とトンキン湾の間の2破線を消して「九段線」となり、中国政府はそうした「歴史」を南シナ海で主権を主張する裏付けだとしている。中国は南シナ海の支配体制を固めるために、スプラトリー(中国名・南沙)諸島に7つの人工島を建設。フィリピンは「九段線」は国際法に違反するとして2013年1月に仲裁手続きを開始。オランダのハーグにある仲裁裁判所は15年10月下旬に「(裁判所に)管轄権はない」とする中国の主張を退けた。審理は継続し、16年にも判断が下される。

力で主張ゴリ押し

  • 中国の南シナ海での活動が止まらない ジレンマに悩む米国

    中国の南シナ海での活動が止まらない ジレンマに悩む米国

    中国の暴走を封じながら、協力できる分野で協力をしていくかというジレンマを抱えてきた米国。中国の南シナ海での活動強化にどう対応するのか、スティムソン・センター主任研究員の辰巳由紀が読み解く。

中国に寛大な左翼メディア

  • 南支那海での振る舞いを「侵略」と呼ばない媚中報道の罪

    南支那海での振る舞いを「侵略」と呼ばない媚中報道の罪

    毎日新聞の記事「南シナ海問題 日本どうするの?」を例に、自国を「侵略国」と断罪しても中国へは物を言えないメディアを台湾研究フォーラム会長の永山英樹が糾弾する。

リーダーの言葉は虚偽の宣伝

 南シナ海に中国がレーダー施設を設置し、防空識別圏の設定をする可能性が高いとの報道があります。東シナ海での挑発的な行動、北朝鮮への事実上の庇護と同様、南シナ海における中国の動向も極めて深刻な問題です。国際社会は中国の実態を早く認識し、ナチスドイツの台頭のような過ちを繰り返さないようにせねばなりません。
1月24日に撮影された南シナ海・クアル
テロン礁の北部。左上にレーダーとみら
れる構造物が写っている(CSISアジア
海洋透明性イニシアチブ・デジタル
グローブ提供、共同)
 中国は従前から、「中国は平和国家であり現状を力で変更するようなことはしたことがない」と繰り返してきています。もちろん、東シナ海や南シナ海での行動、チベットや新疆、台湾での行動を目の当りにすれば、そんな中国共産党のリーダーたちの言動は全くの嘘で、国際社会を騙すための虚偽の宣伝に過ぎないということは一目瞭然なのですが、国際社会では地理的に遠く、中国のそうした脅威に直面していない国も多いわけで、中国のバラマキ外交の効果と相まって、中国脅威論が中和されてしまっているのも事実です。
 特にアメリカの力が相対的に低下し、財政問題や孤立主義的な傾向など、アメリカ国内における米国の国際的な積極関与への支持が弱まっていることもあり、アメリカの圧倒的な影響力のもとで秩序が保たれてきた1990年以降の東アジア情勢が徐々に変化しつつあります。
 誰がアメリカの次の大統領となろうとも、このトレンドに歯止めをかけることは長期的には困難です(もちろん短期的にはだれが大統領になるかで大きな違いが出てきますが・・)。
 であるからこそ、日本としては、この現実を認識し、アメリカのみならず、東南アジア諸国、オーストラリア、インド、台湾、韓国といった国々と連携しながら、中国の軍拡を抑制していかねばなりません。アメリカの力にある意味で甘え、アメリカの軍事力の下に東アジアの安定が維持され中国の覇権主義的な行動も抑止されるだろうという前提の下で、中国にもいい顔をしているような、そんな余裕は実はもうないのだということを、それぞれの国が認識する必要があります。
 今回の南シナ海での一連の動きにはASEANも懸念を表明しました。日豪、日英についても、日米を補完するような強い二国間協力を徐々に構築できるようになってきています。このような流れをさらに加速させていくことが必要です。
 中国の一連の動きは、アメリカのアジアにおけるプレゼンスを長期的に逓減させ、アジアにおける中国の圧倒的な外部に干渉されない覇権を確立することにあることは各種の行動から明らかです。
 中国の東シナ海、南シナ海での行動、アメリカの不透明な大統領選の行方、これをいい機会として、我が国としても、国際的な協調の中で域内各国が主体的に平和で安定した秩序構築のために必要な行動、アクションを考え実行していくことが求められます。(衆院議員・鈴木馨祐「政治家 鈴木けいすけの国政日々雑感」2016.03.01

安全保障を“距離”で決めるな

  • 「東シナ海さえ平和なら全てよし」は短絡だ 南シナ海にも積極的に関与せよ

    「東シナ海さえ平和なら全てよし」は短絡だ 南シナ海にも積極的に関与せよ

    地対空ミサイル配備など中国が西沙(パラセル)諸島の軍事拠点化を進め、南シナ海は一触即発の度を高める。何が起ころうが日本には直接無関係との思考に対しジャーナリスト、井上和彦が警告する。

  • 水面下では思惑が合致 米中南シナ海の睨み合いは出来レース

    水面下では思惑が合致 米中南シナ海の睨み合いは出来レース

    南シナ海・南沙諸島を要塞化する中国に対し、米国は軍事的措置も辞さない強硬な姿勢をとっているかのように見える。だが、杉山徹宗・明海大名誉教授は「米中の“出来レース”に過ぎない」と警告する。

  • 李登輝氏「安保法制は台湾、東アジア安定に寄与する」と指摘

    李登輝氏「安保法制は台湾、東アジア安定に寄与する」と指摘

    台湾統一を狙う中国。その後は、「尖閣諸島、沖縄へと触手を伸ばしてくる」と李登輝元台湾総統は警告する。李登輝氏は、安倍政権が昨秋成立させた安保法制についてどう見ているのか。

あまりに突拍子もない安全保障観

 ああ、この人が総裁選に出馬しなくてよかった。真っ当な常識人なら、昨晩のテレビを見ながらそう考えていたのではないか。
 野田聖子議員が、BS日テレの『深層ニュース』で総裁選に出馬できなかった経緯を語っていたのだが、その後、安全保障に関して衝撃的な、突拍子もない発言をした。南シナ海で国際法を無視して、人工島を建造している中国の問題に関して次のように発言したのだ。
南シナ海・南沙諸島で、中国が埋め立てを
進めているとされるミスチーフ(中国名・
美済)礁=2015年5月11日(AP=共同)
 「直接日本には関係ない。南沙(諸島)で何かあっても、日本は独自路線で対中国の外交に徹するべきだ」
 いくら安倍憎しとはいえ、言ってよい内容と悪い内容がある。政治家として、野田議員は終わったと感じた。
 拙著『平和の敵 偽りの立憲主義』でも触れたように、南シナ海における中国の暴挙は、アジア全体の脅威であり、日本もその例外ではない。日本は輸入に依存している貿易国であり、その貿易の多くを海に頼っている。すなわち、国際社会における自由な航行こそが、日本の生命線なのであり、この問題を「直接日本には関係ない」などといってのける人間は、日本の現実を無視している。
 勿論、日中友好は大切だ。私の友人にも中国人がいるし、彼らを中国人であるという理屈で差別するような野蛮な行為には加担するつもりがない。
 だが、中国が南シナ海で行っている軍事的行為については批判の声をあげるべきだ。現状を実力によって変更しようと試みる時代遅れの帝国主義的な試みに対しては、アジア諸国が一致して批判の声をあげるべきだろう。
 大国である日本が、そもそも自分たちとは密接な関わりがあることを忘れて、「日本には直接関係ない」などと、中国の暴挙を許容するようなことがあってはならない。
 野田議員には悪いが、貴女が総裁選に出馬できなかったのは、政治家としての力量が全く不足しているからだ。総理を目指すのは自由だが、あまりに突拍子もない安全保障観を抱く政治家が総理になることは、我が国の不幸だ。国民は鳩山政権を誕生させたことを反省している。(「岩田温の備忘録」2015.11.05
南シナ海が中国に汚される

日本は中国が領有権を主張する南シナ海問題に積極関与すべきだと思いますか?

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