安倍政治ってなんだ!?

安倍政治ってなんだ!?

2度目の首相就任から4年目を迎えた安倍政権。「新しい国」を目指し、異次元緩和による経済強化を基盤に、祖父・岸信介の後を追うような安保と改憲への情熱は一貫して変わらない。憲法、安保、アベノミクスの三点から安倍政治の今を読み解く。

安倍政治はどこへ向かうのか

 今から3年前、私が高校3年だったころ、安倍晋三首相は民主党政権下の自民党総裁だった。当時の野田佳彦首相と議員定数0増5減の「選挙制度改革」をめぐり党首討論を繰り広げ、衆院解散の言質を引き出した国会中継はよく覚えている。2012年11月のことである。
 「どちらがデフレを脱却し、経済を強く成長させていくにふさわしいのか。そのことを判断してもらおうじゃないですか。そして、この外交敗北に終止符を打って、どちらの政党が美しい海と日本の国土、領海、国民を守ることができるのか、それを決めてもらおうじゃありませんか!」
 安倍氏が党首討論の最後に野田首相に問うた言葉は、まだ選挙権もなかった私の心を強く揺さぶった。これから政治が大きく変わる。日本中が期待と不安に高揚し、選挙ムードが一気に盛り上がった最中、私も政治の熱気に触れたいという衝動に駆られ、安倍氏が登壇した愛知県豊川市の演説会場をはるばる訪れた。当時を思い返すと、あの会場にセーラー服姿の学生は私一人だけだったように思う。
 「もうすぐ、この人が日本のトップに立つんだろうな」。演説を聴いた後、なぜか安倍晋三という一人の政治家への興味がふつふつ沸いてきた。国を主導する地位になる人物とは、どんな生い立ちなのか。その熾烈さ、非情さを知ってもなお、高みを目指す人間のバイタリティーはどこから来るのか。
 彼が政治の原体験としてよく語るのは、祖父、岸信介が自らの政治生命を掛けた「60年安保闘争」である。首相邸宅がデモ隊に包囲され、当時まだ5歳だった安倍氏はその様子を見て「アンポハンターイ」と連呼し、祖父を苦笑させたというエピソードはあまりに有名である。
 それから半世紀余り。二度目の首相就任となった安倍氏は、安保法制を成立させ、祖父が果たせなかった悲願の憲法改正へと突き進む。民主党政権ではなし得なかった大胆な経済政策を次々と実行し、賛否はあれど一定の成果をもたらした。いまだ高い支持率を誇る背景には、小泉純一郎元首相以来となる強いリーダーへの国民の期待感も大きいのだろう。
 ただ、あまりに強すぎる政治理念を表に出す安倍政治に対し、一抹の不安がないわけではない。党内からも「独裁」との声が上がる強い政治リーダーへの不安は、国民の多くが抱いているのも事実である。安倍首相はなぜ憲法改正を急ぐのか。そして、安倍政治はどこへ向かおうとしているのか。「改憲」「安保」「アベノミクス」の3つの柱から安倍政治の行方を読み解いてみたい。(山本みずき)

「異次元緩和」の経済通が斬る

  • 消費再増税をすればアベノミクスの息の根はとまる

    消費再増税をすればアベノミクスの息の根はとまる

    民主党内で安倍内閣成立前から異次元の金融緩和を主張していた、安倍首相も一目を置く経済政策通の金子洋一参議院議員がアベノミクスの今を斬る。

戦後レジーム打破

  • 改憲はこの条文から始めよ!倉山満が評す安倍内閣の憲法論

    改憲はこの条文から始めよ!倉山満が評す安倍内閣の憲法論

    今夏の参議院選挙後の政局で予想される憲法論議。憲法改正に意欲を燃やす安倍内閣は、戦後レジーム打破勢力としてどの条文の改正から入るべきか。憲政史家の倉山満が安倍内閣の憲法論を評する。

オバマは何を待っていたのか

  • 安倍内閣を待ち受ける南シナという第2の「キューバ危機」

    安倍内閣を待ち受ける南シナという第2の「キューバ危機」

    第2のキューバ危機ともいうべき南シナ海危機が勃発するかもしれない。軍事ジャーナリスト、鍛冶俊樹が4月施行の平和安全法制に警鐘を鳴らす。

総理にひとつだけお願いしたい

 このところずっと、僕は憲法について考えている。7月にあるだろう衆参ダブル選挙で、政府与党の自民党と公明党が3分の2以上の議席を獲得したら、安倍晋三首相は憲法改正すると明言している。
 僕は、必ずしも憲法改正に反対ではない。それに関して、ある興味深い調査結果がある。朝日新聞が昨年7月12日に、弁護士を対象に実施した調査だ。質問は「現在の自衛隊の存在は違憲か」。回答した122人の弁護士のうち、「憲法違反にあたる」という回答は50人、「憲法違反の可能性がある」が22人。なんと72人、63%の弁護士が、「自衛隊は違憲」だと考えているのだ。
 朝日新聞は、なぜかこの結果を紙面に載せなかった。だが、これはたいへん重要な結果ではないだろうか。やはり自衛隊という存在について、きちんと国民に問うべきなのだ。そして、憲法改正をすべきという声が大きければ、それから憲法改正に向けて動けばいい、と僕は思う。
来日したオバマ米大統領(右)を老舗すし店でもてなす安倍晋三首相=平成26年4月23日、東京・銀座(内閣広報室提供)
来日したオバマ米大統領(右)を老舗すし店でもてなす安倍晋三首相
=平成26年4月23日、東京・銀座(内閣広報室提供)
 しかし、安倍首相の考えは違うようだ。大騒動になるだろう第9条2項には触らず、第96条の改正と、新たに「緊急事態条項」の新設を考えているようなのだ。第9条2項は、いわゆる「戦力の不保持」をうたっている。そして第96条は、憲法改正の手続きを定めた条項だ。この「緊急事態条項」だが、2012年に自民党が発表した「憲法草案」第98条に書かれている。
 憲法草案では、「内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる」とある。そして、続く第99条で、「緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない」と定められている。
 要は、緊急事態宣言が発せられると、首相の全権に従うことになるのだ。これはたいへんな条文である。国会でも民主党の岡田克也さんや、社会党の福島瑞穂さんがその危険性を指摘している。
 このような問題は、当然、おおいに議論されるべきだろう。繰り返すが、僕は憲法改正に必ずしも反対ではない。先に示した弁護士アンケート結果を見ても、憲法第9条については、一度、きちんと議論し、必要があれば改正すべきだと考えている。
 だからこそ、安倍首相にはひとつだけお願いしたいのだ。憲法の「どの部分」を変えるのか、必ず「選挙の前」に明示していただきたい。そうすれば、国民の間で議論が湧き上がる。そして、議論を尽くされたときにこそ、選挙で決をとるべきなのだ。(田原総一朗 公式ブログ 2016.2.8

嗤うべきは

  • 憲法に関し、ご都合主義的なのは安倍総理ではなく「東京新聞」だ

    憲法に関し、ご都合主義的なのは安倍総理ではなく「東京新聞」だ

    「首相9条発言 ご都合主義の改憲論だ」と題した社説で安倍首相を批判した東京新聞。都合のいいときには憲法学者の意見を利用し、悪いときには無視する東京新聞の「ご都合主義」を政治学者の岩田温が糾弾する。

マイナス金利は「鏡の国」

  • 日銀は失敗を認めるべき 決断求められる安倍首相

    日銀は失敗を認めるべき 決断求められる安倍首相

    昨今の安倍政権の立場は、経済問題は日銀に任せておくという、一見日銀を信頼しているように見えて、実は責任をすべて日銀に追わせようとする、逃げの姿勢である。国際金融評論家の倉都康行は今こそ安倍総理の決断の時だと説く。

必要なのは「三本目の矢」の議論

 最近の経済政策に関する議論について、若干感じるところがあり、書かせていただきます。予算委員会の議論においても、あるいはメディアや党内の議論においても、いわゆるアベノミクス三本の矢について、一番重要な三本目の矢、つまり企業や個人といった各プレーヤーの稼ぐ力、リスクテイクできる環境とその後押しをするための改革という部分に焦点が当たらず、ある意味でそのような構造的な改革をするための時間稼ぎとしての位置づけだった、一本目と二本目、つまり金融緩和と財政政策にばかり焦点が当たっている、そんな気がしてなりません。
日経平均株価の値動きを表示する証券会社の株価ボード=2月16日午後、東京都中央区
日経平均株価の値動きを表示する証券会社の
株価ボード=2月16日午後、東京都中央区
 確かに外国人投資家など、日本市場への投資を行っている機関投資家にとって、一番注目する材料が即効性の高い金融政策というのは理解できますし、ある意味当然の反応だと思います。そして、デフレ脱却局面での最初の一押し、呼び水としての需要創出、あるいは法人税減税などの財政政策に当初注目が集まったのもまた当然といえば当然です。
 しかし、アベノミクスのもともとのコンセプトどおり、真にいま必要とされているのは日本の社会構造、企業の機動性を高める改革であり、それは同時に日本の国内の様々な資源や外の資源の国内への呼び込みと相まって、長期的かつ自律的な経済成長に不可欠の政策だったはずです。これこそが安倍政権の経済政策の本丸中の本丸です。
 実際この三年間、労働分野と社会保障分野を除けば、様々な分野での規制改革はそれなりに進み、またコーポレートガバナンス改革や株の持ち合い解消という、企業の収益性を短期的にも長期的にも高める政策も実行に移されてきました。様々な戦略的な減税も実行に移されてきました。人口減少に対応するための施策として、マーケットの縮小という側面に対してはTPPへの参加により外のマーケットを日本の市場と同様にチャンスとできる環境を整え、労働力の減少という問題については、女性の就業の支援も従前以上に精力的に行ってきました。
 とはいえ、もちろんまだまだ足りないところもあります。抜けているところもあると思います。だからこそ、こうした点についてのしっかりとした建設的な具体的な議論をこそ、政治家もメディアもせねばなりません。
 実は、世界の標準から考えれば、すでにそれぞれの企業がそれなりのリスクをとれる、積極的な成長戦略に打って出ることができる環境整備は多くの産業においてなされてきたといえる状況でもあります。にもかかわらず、このような環境変化が民間セクターのリスクテイクにつながっていないということが根源的な問題の一つです。マイナス金利という環境に対する反応を見てもこの点は明らかだろうと思います。
 本来議論すべきは、なぜこのような事態となってしまっているのか。何が足りないのか、政府は何ができるのか、あるいは何をやってはいけないのか。三本目の矢についての議論でなければなりません。
 金融・財政にはやはり限界がありますし、これは決して打ち出の小づちではありません。いつまでも一本目の矢や二本目の矢に頼るわけにはいかないのです。ともすると金融政策、財政政策の評価に終始し、真に必要な構造改革という痛みを伴う政策についての議論をせずにいることは、日本経済の真の成長にとって決していいことではありません。(衆院議員・鈴木馨祐「政治家 鈴木けいすけの国政日々雑感」2016.3.17

リーダーの資質とは

  • リーダーの資質とは? ~今年の参院選、民主党は完敗する~

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    2016年最大のニュースになるであろう参院選。長谷川豊は「自・公の圧勝。民主党らの大敗」とみる。「政党」に絶対必要なしっかりとしたリーダーの条件とは。

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    安定していることが最大の取り得だった安倍内閣。足元の経済が思わしくなくなれば、自民党が掲げた「経済で、結果を出す」どころか、安倍内閣の寿命は「経済が、結果をだす」ことになりそうだ。

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